−３−

「あ、あの…　雨…」
　ベットでもう抵抗する気力もないというくらい脱力した佐野さんが、遠慮がちに言って来た。たしかに雨は止んでいるし。乾燥も終わった頃だ。
「じゃあ、服返すね」
　乾燥機をあけると、皺ができているけど、全部乾いていた。その中から、Ｔシャツとスカートだけとって投げて渡す。
　そのＴシャツとスカートだけを受け取って、彼女は何か言おうとする。
「あ、ゴメン。下着まだ乾燥機にいれてないんだ。待つ？」
　これはワザとですけど、彼女にわかっても文句いえるわけがない。首を横に振って、ブラジャーをしないで、そのままＴシャツをあわてて被る。
　そしてパンティを履かないでそのままスカートを着て立ち上がった。ブラジャーしていないので、乳首があからさまにわかる。
　そのまま、僕に帰りたいと言いたいのだろう。必死で言葉を探す佐野さん。
「あ、あ、あの・・・　もう…」
「ちょっと待って、送るから」
　僕もあわてて服を着はじめる。彼女が驚いたように僕をみた。
「ノーブラばればれだよ。僕以外にもまた犯されたい？」
　言われて気づいたらしく、慌てて胸を隠す佐野さん。あんなに犯されても、まだ羞恥心がのこっているのは、なんか楽しいな。
　そして、なし崩しで僕は彼女を送ることにした。無論、このままで夜を終わらせる気はない。
　部屋をでると、雨のせいで寒いくらいだった。
「じゃ、行くよ」
　僕が部屋を先に出ると、仕方なくまだオドオドしながら、佐野さんが出てきた。胸を必死に抑えている。
「そうするとかえってばれるって。普通に」
　といって手をはずさせ、大きな胸のポッチを確認する。腰に手を廻し、そのままムリに歩かせる。
　彼女は、やはり無言で不安に体を震わせていた。
「中、たれそうになってない？」
「な！？」
　大声を出しそうになるのを、慌てて辞める佐野さん。四回分の精子は、まだ中にあるのだ。
　そのあとは僕も余計なことは言わず、そのまま彼女の家の前まで着いた。
「あ、あの…」
　鍵をだして、家に入ろうとする佐野さん。帰らない僕に怯えて、何かを言おうとしている。
「お茶くらい出してほしいなぁ。家で雨宿りさせてあげたんだし」
　よく自分でもこんなこと言えるなぁというくらい、いけしゃあしゃあと僕は言った。彼女が驚き、そのまま唇をかみ締める。
「あ、アレは…」
　なにか言おうとした佐野さんだが、僕が見せたあるもので、驚き黙ってしまう。
　僕は見せたのはカメラ付き携帯。そこの画面に写っているのはモチロンあれ。
「な、なんで？」
　いつ撮られたか分らない彼女、言葉が出せないくらい固まる。
「家に入れてくれたら、これ消してあげるよ」
　そういって、まず一枚目の消去ボタンを押した。
「ほ、ホントですか？」
「うん、全部で五枚、あ、四枚だけどね」
　信用させる為、写った四枚、全部見せる。彼女が悲しそうに目をふせて、
「わかりました…」
　と頷いた。僕はまたほくそ笑むのだった。家に入ってしまえば、こっちのものだ。

　家に入るのは初めてだった。玄関先までは忘れ物届きにきたことはあるんだけど。
　玄関の電気をつけると、いきなり待っていたように電話がなった。これには声にはださなかったけど心臓飛び出るくらい、ビックリした。
　驚いたのは彼女も同じらしいけど、顔を見合わせたあと、彼女は恐る恐る電話をとった。
「はい、佐野ですけど…　あ、アナタ」
　どうやら電話の主は旦那さんらしい。半分酔っ払ったような声が受話器を超えて聴こえてくる。
　どうやら雨のニュースを見て、電話してきたとのことだ。
　電話は短かった。どうやら、これで佐野さんの旦那は確実に帰ってこないのがわかり、僕はまた興奮してきた。
　佐野さんは、電話機を置いた後、その場に倒れ込み、泣き崩れた。嗚咽を洩らしながら、
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
　と必死に謝っている。
「旦那さん、帰ってこないんだね、ホント」
　そして僕が横にいるのを改めて思い出し、泣き崩れたままの顔で、必死に頭を下げる。
「も、もう…　許してください。今日のことは、だ、誰にも言いませんので…」
　土下座までしてそう乞う彼女。だが、その行為こそが僕の被虐心に火をつける。
「だめ。このままこの写真、だんなさんの携帯に送って欲しい？」
　僕の手には電話帳が握られていた。電話機の横には丁寧に旦那さんの携帯番号が一番上にかいてあったのだ。
「な、なんて…」
　ヒドイと続けたかったのだろう。でも、その言葉を必死で飲み込み、そのまま弱弱しく立ち上がった。覚悟を決めたのだろうか、僕に向かって、
「上がってください。お茶だしますから」
　と感情のこもらない声をだして、そう言った。
　彼女はまだ甘い。僕は、今晩ずっと、彼女を犯し続けるつもりだった。それも彼女が思うよりずっと陰惨に。そのことを思うだけで、僕はまた笑いがこみ上げてきた。不意に横にあった鏡に僕が映る
。なんとも楽しそうに笑っている顔がそこにはあった。
　きっと、これが僕の本性、長年かくれていて今日目覚めた喜びに震えているのだろう。

　仏壇がある玄関脇の部屋に通された。襖をあけると食卓と台所。ここは居間と、夫婦の寝室だと佐野さんは言った。
　言ったとおり、お茶とお茶菓子を持って戻ってきた佐野さん。怖いくらいの無表情だ。さっきの旦那さんの電話が効いたらしく、これ以上旦那を裏切れないという意思がありありとわかった。
　このままじゃ、さっきみたくムリに犯っても、先ほどまでみたいな反応はないかもしれない。
　それでは、彼女は僕のモノにはならない。なら・・・
　彼女の心をもっと壊す。今晩のうちに…
　お茶をすすっていると、時間が気になり時計を見た。もう十時近くになっている。
　お茶を飲み終えると、彼女は待っていたかのように立ち上がり、自分から服を脱ぐ。これも、あまり面白くない。羞恥心を感じさせてくれないと、僕の心は満足いかないようだ。
「お好きになさってください…」
　そして、そのまま横たわり、目を閉じる。
「好きにしていいんだ？」　
「いまさら・・・　でも、写真を…」
「うん、わかったって」
　そう言って、また一枚削除する。これでかなり安心したのか、ホッとしたような息を彼女はもらした。
　僕は、目当てのモノを捜す。あった、仏壇の傍の小さな書き机に、それは乗っていた。
　僕はまず、お茶の載ったテーブルから、お盆をどかし、そこに座るように彼女を促す。
　座布団を置いてあげると、怖がりながらもそのまま腰を下ろした佐野さん。
「脚、開いて」
　僕はちょうどそのまま彼女を下から覗くような姿勢になったので、彼女は視姦でもされると思ったらしく、唇をきっとかみ締め、ゆっくりと脚を開いていく。
「もっと」
　顔をそむけ、言われるままにドンドン脚を開く佐野さん。開いたアソコからはトロリと僕がさっきまで出した精液がこぼれ出してきた。そして、ちょうどテーブルの脚と同じくらい脚を開いたところで、僕はそれを停める。
「じゃあ」
　まず僕は右の足首を、さっきみつけたセロテープでグルグル巻きにして固定する。
「え、？」
　と驚く間に、左足首も足に固定した。これで、彼女はこの姿勢から動けない。
「な、なにするんです？」
　驚きと怯え、またさっきまでの強さがなりを潜めてきた。そうじゃなくては楽しめない。
　今度は少し強引に、彼女の両手首を後ろに廻す。そして、そのまま血流が止まらないくらいに調節
しながら、手首を後ろに固定した。
「これで動けないっと」
　そして僕は立ち上がり、テーブルに座ったまま動けない彼女を上から見下ろすような形をとる。
「アナタが想像するより、もっとヒドイことしてあげるから」
　静かに、そして楽しげに言った僕の言葉に、彼女の瞳が恐怖に凍るのが分った。そう、その瞳が僕は好きなんだよ。
　動けなくなった彼女を一先ず置いて、僕は人様の家の台所を勝手に物色開始。冷蔵庫をあけると目当てのものがすぐ見つかった。
　２リットル容器に入った麦茶と、５００ｍｌの缶ビールを持って、僕は戻ってきた。何する気かと不安を隠させない佐野さん。
　まず、缶ビールを開けて、一口いただく。美味い。
　でも、自分で飲むのがメインではない。
「佐野さん、ビール好きだっけ？」
　佐野さんの歓迎会やった時、けっこう飲んでいたと思ったが一応訊いてみた。
「は、はい…　けっこう…」
「じゃ、大丈夫だね」
　酔っ払われては困るので。僕はそのまま缶ビールを彼女の口につけると、彼女は少し怯んだけど、意を決したように、ゴクゴクと喉をならして飲みはじめた。途中、何度か咽ながらも、５００缶を一気に飲みきった。
「ふぅ〜」
　と息なんかつく彼女に、僕はこんどはコップに麦茶をそそいで口に運ぶ。
「こ、これも飲むんですか？」
　なんでこんなことするのかわからない佐野さんだが、これも一気に飲み終える。それをさらに２杯ばかりつづけてから、僕は漸く狙っていたことを言った。
「じゃあ、僕はちょっと買い物いってくるから。トイレ、ガマンしておいてね」
　僕が何を言ったか分らない、そんな顔をした佐野さん。でもあることに気づいた彼女が、何か僕に言おうとする前に、まず部屋の電気を消して、僕はとっとと外へ出て行く。目指すは駅裏にある大人のオモチャ屋さんだ。
　走って家に帰って、スクーターを出してできるだけ急いで店に向かう。たまにＡＶを買うのでいくのだけど、オモチャ関係は初めてだ。
　途中目に入ったコンビニにより、ＡＴＭから金を１０万ばかり下ろす。大散財だけど、後悔は微塵もない。っていうか、今使わなかったら、いつ使う。
　そしてそのままコンビニで栄養ドリンクとゼリー状の簡易食料、それと水を二リットル買って、そこを後にした。
　そして、本来の目的地、大人のオモチャ屋はまだ開いていた。僕は怪しげな灯りの店内に入り、目にはいったものを次々にチェックしていく。
　無線式のピンクローター、普通サイズのバイブレーター、アナル用のバイブ、ローション、首輪、手錠、クサリとかいろいろ買って、これまた急いで店をでる。あまりにデカイ買い物袋にさすがに恥ずかしいのもあった。
　そして、スクーターでそのまま一路佐野さんの家に。近くの公園にスクーターを停めて、そのまま走って家に戻った。この急いでる姿、思えばけっこう滑稽だ。
　一応、近所に目配せして、誰も見てないのを確認して、鍵を開けっ放しにしていたドアを急いで開ける。間に合ったかな？
　部屋に戻り、電気をつけると、そこには必死に何かに耐えながら、テーブルを揺らす佐野さんの姿が。僕が帰ってきたのをみて、泣きそうな顔で安堵しているのがわかった。
「あ、と、当や、まさん・・・　あ、あたし…」
　唇をかみ締めてガマンしているのは尿意。ビールと麦茶を飲ませたのも、それは促進するためだったし。
「あ、間に合ったか。よかったぁ」
　僕は体を揺らして、必死に懇願する佐野さんの前に来て、僕はテープの戒めを取り始めた。
「は、早く御願いします」
「出ちゃうの？」
　意地悪く手を止めて訊くと、必死にコクコクと頷く。両足の戒めをとり終えたところで、彼女は慌てて部屋から駆け出した。まだ後ろに手首が回ってるっていうのに。
　トイレのドアの前で、脚をジタバタさせながら、僕が来るのを待っている佐野さん。僕はわざとゆっくりと歩み寄り、ドアノブに手をかけた。
「もうちょっと待ってね」
　そう言って僕はドアを開ける、彼女が安堵に肩の力を抜くのがわかった。甘いなぁ。
「え、あぁ！？」
　僕は彼女の手首を掴んで、いかせないようにした。
「ちょ、ちょっと・・・　あ、あの…」
「僕がさせてあげるって。ほら」
　そして、幼児を抱きかかえるように、後ろから彼女の量股を掴んで、抱え上げた。オシッコシーって感じのスタイルに。
「え、あ、ア、・・・　ひど、ひどすぎます！　あ、あぁぁぁぁ、いやぁ〜〜〜！」
　もう僕に股を開かれた所で、限界がきたらしい佐野さん、その股間から、凄い勢いで水流が発生し、便器にたたきつけて行く。
「うわぁ、凄い量」
　男でもこんなにでないだろうってくらい、佐野さんの排尿は続いた。便器やトイレのところどころに引っ掛けながら、悲鳴をあげながらの排尿は続いた。
「いやぁ…　あぁ・・・　オシッコなんて…」
　泣きながら見られた排泄行為に、首をイヤイヤしながら現実から拒絶する佐野さん。終わったところで、身体を下ろしながら、僕はトイレットペーパーを巻き取る。
「ほら、拭くから脚広げて」
　今だ顔を振りながら、泣き続ける佐野さん。僕はそれを笑みでみながら、股間を拭いてあげる。
　やっぱりこの人には、泣き顔がよく似合った。僕は、自身の股間に興奮が集まっていくのを感じていた。

「ひっく・・・　なんで…　あ、ヒック…」
　泣き止まない佐野さんの肩を抱いて、そのまま居間に戻っていく。手首の枷も外してあげたら、それで顔を抑えて泣きじゃくっているのだ。
「ほら、泣き止んでって。ここでしなくてよかったじゃない」
　僕がそう言うと、小さく同意で頷く。僕のせいだというのは、少し忘れているらしい。
「じゃあ、色々買って来たから、続きやるよ」
「つづき…」
　その言葉に、今の状況を漸く思い出し、ショック状態から抜け出した佐野さん、今度は別のイヤイヤと首を振る。
「も、もうダメです、あたし…　このままじゃ、こ、壊れてしまいます…」
　やっと、気の弱い、僕の佐野さんが帰ってきた。なら、楽しみはこれからに決まっている。
「じゃあ、こっち来て座って」
　僕はテーブルに置いたコンビニ袋から、栄養ドリンクを一本、まずとって自分で飲む。
　佐野さん、怯えながらも僕の横に正座で座った。その佐野さんの手をひっぱり、僕の膝の上に納まるように座らせる。
　一本目を飲み終えて、今度はゼリー状食品を飲んでおく。それも１０秒でチャージし終え、また栄養ドリンクにいく。
「佐野さんも飲んどいたら」
　とゼリー状食品の袋をあげると、少しお腹がすいていたのか、オズオズとそれを受け取り、口に運んで飲み始めた。
　僕がもう一本の栄養ドリンクを飲み終え、身体に熱さすら感じ出したとき、佐野さんは二つゼリー状の食品を飲み終えたところだった。
「さぁ〜て、元気も出てきたことだし」
　そう言って後ろから、僕の膝の上に納まっている佐野さんの大きい乳房をギュっと掴む。佐野さんの体がビクッと固まるのがわかった。
「今晩は好きにさせてもらうからね、佐野さん…　いや、静恵さんの方がいいかな？」
　フルフルと力なく首をふる彼女、静恵さん。その股を開かせてクリトリスをギュっと摘む。
「はぁぁ！　あ・・・」
　声のトーンがいきなり変わる。体が弓そる。
「覚悟してね」
　僕の宣告に、彼女は嗚咽交じりの悲鳴で応えてくれた。
「い、いやぁ〜〜〜」
　そして、楽しい夜が始まった。