９．被虐の光（２）

　美加のコップが底をついた頃。
「さぁ」
　と美加の手を取り、立ち上がる達夫。
　つられるように、立ち上がる美加。
　ジジジジジジ・・・・・
　ワンピースの背中のチャックに手を掛け、引き下げる。
　スルスルと生まれたままの姿にされる美加。
　乳首を咥える達夫。
「あっ」
　驚いたような声。
「今日も、ちょっとしたお遊び用意してるんだ」
　前振りする達夫。
「うふっ」
　薄笑いを浮かべる美加。
　バックの中から赤いしごきを取り出す。
　ベットの上に座らせ、背中に回した両腕を縛る。
　胸の膨らみの上と下を、ぐるぐると５重巻きにする。
　興奮した表情で、息を荒くする美加。
　ロープの締め付けに悶え、瞳を潤ませる。
　美加のロープへの反応に満足し、心臓の鼓動と昂りを感じる達夫。

　縛られたことなど、一度も無い美加。　
　今までに経験したことのない速さで、性の昂ぶりに支配されていく。
　意思に反した身体の反応に、言葉を失う美加。
　明晰な意識の中で、身体は心地よい陶酔の深みにはまり込んでいく。
（こんなことで、感じてしまうなんて）

　ロープの締めつけに、ピンクに染まった乳房。
　達夫の手が、試すように乳首をなぞる。
「うふぅ〜ん」
　我慢した、美加の喘ぎ。
　縛ったロープに敏感に反応している、真性マゾを確信する達夫。
　美香の性的感度のよさ、と隠くされたマゾ性。
　頭の重さを逃がすように仰け反らせ、身体を起こしているのも辛そうな美加。
　肩を軽く抱き支え、首筋に舌を這わせる達夫。
「あぅっ」
　身体をヒクッと強張らせる。
　達夫は、バックの中をあさり、バラ鞭を手にする。
　厚み０．２ｍｍ、幅１８ｍｍの、よくなめした皮。
　１０本程が束ねられ、２５ｃｍの持ち手のある、赤い鞭。
　美加の背中に、ハラハラと這わせる。
「はぁぁ〜〜」
　異質な感触に悶える美加。
　胸の膨らみを、バサバサと刺激する。
「あぁぁ〜〜ぅ・・・・・打つの」
　赤いバラ鞭を、直視した美加。
　自身の発した「打つ」の言葉に身もだえ、
「はっ」
　と赤いしごきの軋みに、瞼を見開き、視線を宙に飛ばして反応する。
「お遊びに、軽く打ってみよう」
　胸躍らせて、事を進める達夫。
　バサッ
　力を抜いて、胸を打つ。
「はっ」
　股間を締め付け、微妙に尻を浮かせてまう。
　鞭の痛みが、花園を刺激しているように反応する美加。
「もう濡れてるんだろ、うつ伏せで尻を高く上げろ」
　５ｃｍ程の短く太い、木製の張方を手にして指示する達夫。
　根元付近がくびれるように細くなり、尻尾のような紐が付いている。
「あぁ」
　甘えた声の美加。
「足、開げて」
　拒まず、羞恥を押し殺して、ジワジワと秘密の園を露わにしていく美加。
　張方を蜜壷に宛がい挿入する達夫。
　１ｃｍ程侵入すると乾いた陰唇が、絡みつき入らない。
　抜き取った張方を、赤い唇に。
「なめろ、たっぷり唾液をまぶすんだ」
　達夫の策にすっかり嵌まったのか、白雉のように従う美加。
　興奮で口元から滴る程の唾液を、木製の黒く変色した張方を濡らす。
　美加の唾液で、ヌラヌラと気持ち悪いほどヌメった張方。
　再び、蜜壷に宛がい挿入する達夫。
「あぁぁ〜」
　ヌルっと侵入すると、蜜壷は即座に反応し締めつけを開始する。
　中ほどまで入った張方、ドリンク剤の小ビンを思い出す達夫。
「うっ」
　美加の喘ぎを無視したように、挿入を続ける達夫。
　蜜壷が、短い張方のくびれを、嫌らしく挟み込んでいる。
「始めよう、痛みを感じたら、張方を締め付けてろ」
　宣言し、スパンキングを開始する達夫。
　右臀部を叩く。
　バシッ
「うっ、はぁ〜」
　花園の締め付けを受け、首を振るように動く張方。
　左臀部を叩く。
　バシッ
「うっ、あぁ〜」
　スローなテンポで、交互に叩かれる臀部。
・・・・
・・・・
　鞭打たれるたびに、花園を締め付け腰をくねらせる美加。
　花園からジワジワと、蜜液が滲み出ている。
「どうだバラ鞭の感想は、身体の心が疼くだろ」
「あはぁ〜ん、打たれるたびに、それが刺激するのぉ」
　バシッ
「あっ」
「それ？、それってなんだ」
「はぁ、はぁ、は、張方・が」
「ハハハ、打たれると気持ちいいのか、どこが刺激されるんだ」
「・・・」
　バシッ、バシッ
「あぁ、はぁっ」
「ほらっ、言ってみろよ」
「いゃぁ〜〜、・・・・の奥が、・・子宮が感じるわ」
　別世界をさまように、現実を見失う美加。
　鞭に支配されていく。
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ
「あっ、あぁ〜〜〜〜ん、いいっ、いいわぁっ」
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ
「はぁ、はぁ・うぅ〜〜〜っ、もっとぉ〜ぅ、もっとしてぇ〜〜」
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ
「あっ、ああっ、あはぁ〜〜ん」
　バシッ、バシッ
「いやぁ〜ん、あっ、つ、つづけてブッてぇ〜」
　じれたように訴える美加。
「イきそうなのか、ブたれてイきたいのか」
　興奮した声の達夫。
「そ、そうよ、イかせてぇ」
　張方の首をクイクイ振り動かせる美加。
「ようし、いくぞぉ〜」
　と狂ったように、鞭を振る。
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・・
「うっ」
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・・
「あっ」
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・・
「あぁ〜〜〜〜〜〜〜」
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・・
「イくぅぅぅっ」
　バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ、バシッ・・・・
「・・・・・・」
　身体を硬直させ、絶息する美加、天国を見る。
　乱れた吐息で、ヒクヒクと痙攣する身体を止められない美加。
「フゥーーー」
　と疲れた身体をベットに投げ出し、美加の天国からの帰りを待つ達夫。

〜・〜・〜

　身体の痙攣も収まり、何か不思議ものを見たような、潤んだ瞳の美加。
「まだだぞ、俺はイってないんだから」
　粘液でヌメった張方を、抜き取る達夫。
「ええ」
　疲れた声で、素直な美加。
「よかったか」
　赤いしごきを解く達夫。
「ええ、すごく感じたわ」
　笑顔を返す美加。

　正常な体位で、蜜壷と肉棒の絡みを開始する達夫。
　苦しみに耐え続けるような喘ぎを繰り出す美加。
　繰り替えし、何度も、何度も、天国の入口を見ては耐える美加。
　それでも、耐え切れずに、数回、天国に行く。
　美加の喘ぐ表情に心躍らせながら、送輸を繰返す達夫。

　分針が一周した頃。
　天国の入口を見続ける美加、耐え切れず、喘ぎすらも押さえる。
　そろそろ限界と観た達夫。
「イってもいいか」
「・・・・」
　言葉無く、うなずき返す美加。
「あぁぁぁ〜〜〜〜」
　喘ぎの再開と共に、腰を突き上げ、より深い繋がりを求める美加。
　早いピッチの送輸を開始する達夫。
「イくぞ」
　美加の蜜壷の絡みを感じながら、ドクドクと放出を開始する。
「あぁぁぁ・・・・・・」
　より硬く膨らんだ肉棒の痙攣のような蠢きを感じながら、蜜壷を締め付けこだわり無く天国に飛び込む美加。

　放心状態も冷めた頃、携帯メールのアドレスを交換する二人。