１２．背徳の契り

　源二からの連絡が気になり、達夫からの誘いは全て断り、落ち着かない日々が続く美加。
　昼過ぎに、カヨが電話を取り次いできた。
「美加さん、源二さんからお電話です、お部屋の模様替えの件だそうです」
「模様替え？・・・あっ、そうそう」
　模様替えが、何の事だか解らない美加。
「居間の壁紙を探して頂いてたの」
　話を合わせる美加、カヨの手にした電話機を受け取る。
「もしもし」
　源二は、場所と時間を告げて電話を切った。
「はい、判りました、お伺いします」
　切れた電話に、答える美加。
　・・・・
　７時を過ぎて帰宅した耕二が、外出姿の美加に問う。
「どうしたんだ、その格好」
「居間の壁紙を張替えようと思って、源二さんに連絡とりましたの、そしたら今夜サンプル品を見にきて欲しいと言われますので、ちょと出掛けてきます」
「なんだ、やけに急だな」
「夕食は、カヨさんにお願いしておきましたので、よろしくお願いします」
　逃げるように、足を進める美加。
　・・・・
　普段ならタクシーを使う○△駅までを、徒歩で行き、源二の待つ○○○ホテルに８時に着いた美加。
「お待たせしました」
　ロビーで待つ、源二の背中に向かって声を掛ける。
「おっ、じゃぁ行きましょ」
　立ち上がる源二。
　源二は、すでに部屋をとっているのか、エレベーターへ向けへ歩き始める。
　選択肢なくついていく美加。
　・・・・
　無言のエレベーターを過ごし、部屋に入る。
「お願いです。耕二さんには内緒に・・・」
　すでに涙声の美加。
「それは、美加さんしだいですよ、素直にしてい頂ければ簡単なことです」
「どうすれば、いいんです」
「いまさら、確認する必要も無いでしょう。男と女が一つ部屋に居るんだから、する事は決まってるでしょ」
「源二さん、あなたっ！」
「浮気相手が、一人も二人もそう違わんでしょ、美加さん」
「そんな、あんまりです、できませんそんなこと」
　源二は、美加の肩を掴み押し倒し、浴衣の紐で両手をベッドの珊に拘束した。
「あっ、いやっ」
　と叫びながら、逆らってはみたものの、とうてい適わない。
「美加さん、秘密、守りたいんでしょ」
　嫌味に一声かけ、服のボタンに手を掛ける。
　スルスルと、はだけた上着とブラだけの姿に剥ぎ取られる美加。
「お願い、止めて下さい」
　美加の声を無視した源二が服を脱ぐ。
　源二の一物は、耕二のそれに比べ、桁外れに大きい。
　すでに、怒りきったそれは、太い根元から徐々に細くなり、３センチほどの亀頭部分が余分に長い。
　美加のラビアを除けるように、分け拡げゴツゴツした指を射し込む。
　外に溢れるほど濡れてはいないが、ヌメついた内部のスベリは十分だ。
　手の平に感じる、硬くなり始めた真珠を擦りながら、秘口の入口を愛撫する。
「あっ」
　抵抗の弱くなった、美加の動きと共に、秘肉の蠢きが指に伝わってくる。
（これで、兄嫁の美加は、俺のものだな）
　先週からの策略の成功を実感する源二。
　時間を掛けて美加の昂ぶりを、頂上へと運ぶ思いを巡らせる。
　手の刺激に加え、源二の唇は、干しぶどうのような乳首へと向かう。
「あっ」
　源二の匠な攻撃に、湧き出る官能を押さえ切れない美加。
　乳首に触れた、唇の感触にたまらず声をあげる。
　粘った秘口の液を確認し、より深く指を押し進める。
　中指の腹に、アーモンドのような皺のよった細長いシコリを感じ取る。
（そうとう来てるな、Ｇスポットでイかせるか）
　シコリに指の腹を着けたり離したりと、軽いタッチを周期的に続ける源二。
「あっ、あぁ〜っ」
　シコリへの接触の都度、秘口を収縮させる花園。
　無意識に、腹筋を硬くして、腰を持ち上げ揺り動かせる美加。
　シコリへの刺激の周期を短く、強くしていく。
　悶え続ける美加を確認し、シコリに接触したまま、強さを変化させる。
「あぁぁ〜〜〜」
　耐え切れず、エビのように身体を丸め、軽いアクメの喘ぎを漏らす美加。
　シコリへの刺激を継続する源二。
「あぁぁ〜〜、うぅ〜っ」
　１分もしないうちに、２度目のアクメ。
　指だけで天国を見る美加への、挿入をやっとの思いで、押しとどめる源二。
　シコリへの刺激を継続する。
「あぁぁ、いやっ」
　さらに大きなアクメに叫び始める美加。
　源二の指の刺激に、何度も天国に飛び込んでしまう美加。
　花園は多量の蜜液で溢れかえってり、菊の蕾を超えて白いシーツに地図を描き始めている。
　源二は、美加の周期的なアクメに感激し、時計を確認する。
　シコリへの刺激は休まず継続し、秒針が一周するまでもなくアクメを感じる美加。
　征服感を満足させ、一物を昂ぶらせる源二。
「あああああぁ〜」
　尿道からの潮の噴出しに、生温かい快感を手の平に受け止める。
（ふふふふふふ）
　声のない笑いを一人かみ締める源二。
　アーモンドのようなシコリは、いまだ消えることなく刺激を受け止めている。
　時計を確認してからすでに１５分、美加のアクメの回数も忘れてしまった。
　指と腕の疲れを感じ、本番への思いを募らせる源二。
「よくイったな、こんな経験は俺も始めてだ」
　汗だくの顔を拭いながら、強姦意識の薄れた源二。
　ハァハァと運動の後のような荒い息をして、恍惚とした空ろな瞳で宙を見て余韻に浸っている美加。
　抗う思いも忘れおとなしくなっている。
　・・・・
　手の拘束を解き、寝そべった源二は、美加を上に跨らせる。
「あっ」
　源二は美加の花園に、肉棒を軽くあてがい反応を確かめる。
「どうなんだ、よかったのか」
「・・・・」
　源二の問いに肯いて答える美加。

「入れても、かまわんぞ」
　相姦に持ち込む源二。
「・・」
　声のない美加。
「ハハハハハ」
　美加は肉棒を秘口に宛がう。
　ヒクヒクと蠢く秘肉に、強引に体重を掛け、源二の肉棒を嵌め込んでいく。
「あぁぁぁぁぁぁぁ」
　抗いを失い、深い肉欲に身を委ねる美加。
　自ら、背徳の契りを結ぶ。

　・・・・
　・・・・

　美加の身体は変わった。
　夫からは得らされなかった性の喜び。
　花園の奥が記憶する。
　愛する夫　と　愛さぬ男の肉の官能。
　美加の分裂した精神と身体。
　人生にとって、ＳＥＸは重要で大切なものである。
　しかし、それだけが全てではない。
　それでも・・・・

　女の幸せは、心と身体を、同時に愛してくれる「一人の男」にめぐり合ってはじめて成就される。
　美加の苦難は、これから始まる。

−完−