翌日の昼に悠希は電気屋へ寄って外付けのハードディスクを買ってから修一の店へ向かった。できるなら彩乃の画像を全てコピーしたいと考えたからだ。一回の旅行だけで4GBのSDカードがいっぱいになるほど写真を撮る修一だ。どれだけの量があるのかわからない。 「いらっしゃい。悠希君、わるいわね」 店の入り口を入ると彩乃が出迎えてくれた。 「そんな、おやすい御用ですよ。彩乃さんは時間大丈夫？」 「ええ、まだ余裕あるわ。悠希君、お昼ごはん食べてないんでしょ？」 「あ、はい。ちょっと寄るところがあったから」 「キッチンにオニギリとおかずが用意してあるから食べてね」 その後、お客が来たときの対応などの説明をすると彩乃は「よろしくね。5時には戻るから」と言い残して店を出て行った。 彩乃がバスに乗るのを店の窓から確認した悠希はすぐに寝室へ向かった。 パソコンを立ち上げる。 あった。 ピクチャフォルダの中に「ayano」というフォルダがある。階層をたどっていくと日付や場所の名前がついたフォルダがいくつもある。試しに一番新しい「伊豆旅行」というフォルダを開くとサムネールが並んで表示された。確認のためダブルクリックするとカメラメーカーのブラウザソフトが立ち上がり彩乃の姿がズラリと並ぶ。悠希がレスキューソフトでサルベージしたのと同じ画像だ。悠希は「ayano」を外付けのハードディスクにドラッグする。容量は300GB近くあった。 コピーが終わるまで時間がかかる。 時間を潰すためもあったが、悠希は修一がどんなサイトを見ているのか気になってIEを立ち上げていた。 「お気に入り」をクリックするといくつかのサイトが表示される。一番上に「愛妻画像掲示板」というのがあった。 開く。 息を飲んだ。 参加者が自分の妻らしいエッチな写真を競って貼り合っていた。 その中に彩乃の姿もあった。そのスレッドを開くとモザイクで処理されているが、あの温泉旅行での写真が掲載されていた。個人や場所が特定できないよう、背景や顔、そして秘部が綿密に修正されているが間違いはなかった。 最初の写真には投稿者、つまり修一のコメントがあった。 【愛妻を見てやってください。いやらしい言葉に夫婦ともども興奮します】 と・・・ 悠希は信じられなかった。 ネットで淫らな姿をさらして彩乃が興奮するなんて考えてもいなかった。 しかし、悠希は忍び込んだときに聞いた「見られると感じるんだな」という修一の言葉を思い出していた。 大切な彩乃の姿を見も知らぬ他人が見ていると思うと我慢ができなかった。 写真には【美しい奥様ですね。他人棒の経験はないのでしょうか？四つん這いにさせてオマ○コを舐めたいです】とか【とても興奮します。精液ぶっかけたいです】など下品なレスが並んでいるのにも腹が立った。 涙が出てきそうなくらい悔しくて腹が立っているのに悠希は勃起していた。 そんな自分が悲しかった。 それなのにモニタから目を離せなかった。 気がつけば「SMさんからの投稿一覧」というテキストをクリックしていた。SMは叔父の名前である三浦修一のイニシャルだろう。 修一の投稿はかなりの数だった。一番古いものをクリックすると、まだ髪を切る前の彩乃が写っていた。白い砂浜でビキニをまくって乳首を見せている。 写真に添えられたコメントを読む。 【結婚しました。新婚旅行の写真を二人で選んで投稿します。妻と一緒にこの掲示板を楽しんでいましたが、これからは投稿する側になります。あたたかいレスをお待ちしています。妻はいやらしい言葉で興奮します】 とあった。 目眩がした。 こんなことをしているのなら自分も楽しむ権利があるはずだとも思った。 でも、こんなかたちで彩乃が誰かに見られているのはいやだった。 胸が苦しい。 自分でもわからない感情に翻弄されながら悠希は屹立をしごいていた。 果ててしまうと虚しさだけが残った。 コピーが終わったハードディスクを引き抜き、汚してしまった床の後始末をすると、悠希はトボトボと階段を下りて、その後は寝室へ行くこともせず店番を続けた。 「ごめんね。遅くなっちゃった。おつかれさま。それから修一さんから連絡があって今日は帰れないんですって。悠希君、もしよかったら夕ごはん食べていかない？ 用意したのが残っちゃうから」 そう言って彩乃が戻ってきたのは5時を少し過ぎた時間だった。 「は・・・い・・・」 悠希の返事には元気がない。 「お客さん来た？」 彩乃はリビングへ行って荷物を降ろしながら言う。 「いいえ・・・」 「ちょっと・・・どうしたの？ 悠希君。なんかヘンよ」 そう言ってリビングから顔を出した彩乃。モノトーンの花柄がプリントされた五分丈のワンピースがよく似合っていた。大きく開いた胸元からブラトップらしい黒いタンクトップが覗いている。 「あ・・・あの・・・彩乃さん・・・」 「なあに？」 彩乃が微笑む。 「聞きたいことが・・・あるんだけど・・・」 「だったら、こっちへ来て。私、喉が渇いちゃった。悠希君もなんか飲む？」 彩乃はキッチンに入り冷蔵庫から氷を出してコップに入れている。 悠希はその後を追ってリビングのソファーに座る。 「なあに？ お話しって」 ソファーの隣に座って、冷たい麦茶が入ったコップをテーブルに置きながら彩乃は悠希の顔を覗き込むようにして言った。 「あのさ・・・」 なかなか切り出せない悠希をうながすように彩乃が微笑む。 「彩乃さんは・・・あの・・・」 「どうしたの？ 悠希君、やっぱりヘン」 そう言われて悠希の心のどこかが崩れた。怒りにも似た感情が湧き上がってくる。 「彩乃さんは・・・知らない人に裸を見られても平気なの？」 悠希は一気に言った。 「えっ・・・？」 彩乃の顔が青ざめる。 「エッチなことを書かれると彩乃さんがよろこぶって書いてあった・・・」 「ゆう・・・き・・・くん・・・」 「僕見ちゃったんだ。叔父さんの掲示板。それに・・・彩乃さんの裸も・・・」 「・・・」 彩乃は言葉が見つからず震えている。 「僕は嫌だ！ 彩乃さんが誰だかわからない奴に見られるなんて！」 そう叫んだ悠希は彩乃を抱きしめていた。 「お願いだ。あの掲示板消して！ 僕は我慢できない！」 パニックに陥り身じろぎもできない彩乃を悠希はさらに力を入れて抱きしめた。 なんとも言えない甘い匂いが悠希の鼻孔を満たした。 それは理性を突き崩してしまう種類の匂いだった。 悠希の心が弾けた。 悠希は彩乃の肩をつかんでソファーのアームレストに押し倒した。 怯えたような目を向ける彩乃の唇が震えていた。 そんな彩乃の顔を見ていたら凶暴とも言えるほどの衝動に突き動かされた。悠希はワンピースの形の部分をブラトップのストラップ一緒につかみ、両脇へ引きずるようにして下ろした。 写真で見た美しいバストが剥き出しになった。 たまらず、その頂に口をつけて強く吸った。 「あっ！ いやっ！ だめっ！」 そこまでされて、やっと彩乃は我に返ったらしく抵抗をはじめた。 しかし、悠希の方が身体が大きく力も強いので、身悶えしても覆い被さった悠希をはねのけることもできない。 悠希の手が彩乃の身体中をまさぐっていた。 まるで野獣が獲物を貪るような姿だった。 「ああっ！ ゆ、ゆうき君・・・だめよ・・・だめ・・・なの・・・」 抵抗する彩乃の声は心なしか甘い。 必死に悠希の顔を押しのけようとするが、まるで力が入らないのだ。 ついに手がスカートの中へ侵入する。 「だめ・・・だめぇ・・・」 悠希の手のひらがふとももを撫で上げていく。 下半身が熱く感じた。 ついに悠希の指がショーツにかかった。 いけないことだと頭の中でわかっていても身体が反応しはじめていた。犯されそうなのに悠希に対する嫌悪感がまったくないのが不思議だった。 「ああっ・・・だめっ・・・ゆ・・・ゆるして・・・」 身悶えが仇になってヒップが浮いたタイミングでショーツが引きずり下ろされてしまう。 「だめっ・・・だめぇ・・・」 彩乃は脚を閉じて抵抗する。 「あっ！ そこ！ いやっ！ いやぁぁぁ・・・」 しかし、抵抗も空しく、悠希の手はヒップへまわり、その指先が秘肉まで到達していた。濡れた肉をかき分ける感触に彩乃は思わず喘いでいた。もう力が入らなかった。 悠希は両方の乳首を交互に吸いながら力の緩んだ脚を開かせた。 そして前の方から秘所を手のひらで覆った。 「あうっ！」 指先が敏感な部分に触れたとき彩乃はビクンと身体を震わせた。 その勢いで指先の位置が変わる。 そこは熱く濡れた蜜壺の入り口だった。 なぜか、その柔らかな感触に悠希はちょっとだけ冷静になった。そして、もう後戻りしてはいけないんだと思った。中指と薬指を蜜壺へ挿入した。 「いやぁぁぁっ！！」 彩乃が高く叫ぶ。 しかし、嫌がる言葉とは裏腹に腰を持ち上げるようにして悠希の指を迎え入れていた。 官能が彩乃を支配しはじめていた。 悠希は内部の感触を確かめるように指を動かす。 その動きに合わせて彩乃は喘いだ。 内部から蜜が溢れ出ている。 悠希は左手で無我夢中になってベルトを外す。そしてジーンズのボタンを外しジッパーを下ろした。 屹立はブリーフを飛び出して痛いほど膨らんでいた。 指を引き抜いた悠希はジーンズを下ろして素早く彩乃の身体に覆い被さる。 そして屹立に手を添えて突進した。 「だめ・・・それだけは・・・だめ・・・ゆるして・・・」 彩乃は身体を上の方へずらせて逃れようとした。 しかし、肩がアームレストと背もたれに挟まれたようになり身動きが取れなくなってしまった。 ついに先端が入り口をとらえた。 「ああっ！！ いやぁぁぁぁぁっ！！！」 挿入された独特の感覚に彩乃は高く叫んだ。 悠希のものは熱く、硬く、そして太かった。 彩乃は満たされた悦びに震えていた。 全身に快感が駆け巡り下半身が溶けてしまったように感じた。 「ああっ！ だめっ！ だめなのに・・・ああっ！！」 律動がはじまると、もう抵抗などできず、押し寄せる快感に翻弄されてしまう。 蕩けていくような感覚に浸りながら、彩乃は「僕は嫌だ！」「我慢できない！」と叫んだ悠希の言葉を思い出していた。それは悠希が自分を想う気持ちだと思った。若い情熱が心地よかった。 気がつけば、ソファーを握りしめていた手を悠希の背中にまわしていた。 そして最後の瞬間がやってきた。 「ううっ！ うおぉぉぉっ！」 悠希が吠える。 熱い奔流が彩乃を満たした。 「ああぁぁっ！」 彩乃も高く叫んで腰を浮かせて応えていた。 |
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| 2011.10.1掲載 |
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