| １０．痴漢 夕方程ではないが混雑した車輌。新聞を読み、中吊りを眺め、少しでもと睡眠を貪る。 酔いと混雑に智香子は溜息を吐き、スポーツバッグを抱えた。 ”あと６っ・・・” ドアが閉まり、車内アナウンスが流れ残りの駅を数え俯いた。 時折揺れる電車につられ、乗客も揺れ隣同士支え合うようにぶつかり合う。 「すいません、、」 背後から男がぶつかり、小さく呟いた。 「あっ、いえ、、、」 智香子も小さく返し、再び俯いた時だった。 ”えっ・・・？” お尻に当たる手と、脈打つモノ。 ”また、、、痴漢、、？” 智香子は体を堅くし、バッグを握る腕に力を込めた。 ジーンズとは違いフレアスカート越しに当たる感触は生々しく、男のモノを想像させる。 嫌悪感に全身の鳥肌が立ち、吐き気を覚えた。 ”足を踏んでやる！” 痴漢が動き出したら、足を踏みつけようと智香子は身構えた。 ”早く・・・動かしなさいよ！！” 智香子の思いを裏切るように、お尻に当たった手もモノも微動だにしない。 痴漢に見透かされたという思いと共に、夫の徹との痴情が脳裏に浮かんだ。 智香子はブルッと身を震わし、脳裏から消そうと必死に違う事を考えた。 ”違う・・・早く声を出さないと・・・” 消そうと思うほど徹との痴情がリアルに思い出され、体が言うことを聞かなくなる。 必死の思いで智香子は身を捩り痴漢から逃れようとした時、思わず声が漏れた。 身を捩った拍子に痴漢のモノが、智香子のお尻の谷間に埋まったのだ。 「あっ、、、、」 怪訝そうな顔で振り返る乗客達に、智香子は顔を赤らめ俯いた。 ”次の駅で逃げなきゃ・・・” 電車がゆっくりと速度を落とし、揺れと共にお尻の谷間のモノも跳ね上がる。 ”・・・いやっ” 顔を真っ赤に染め俯く姿は、飲み過ぎで具合が悪いようにも見える。 ドアが開くと同時に智香子はドアに向かい動き始めた。 「すいません、、、」 智香子が降りる直前に乗客の流れが変わり、智香子は押し戻される。 「あっ、すません、、」 強引に降りようとドアに向かうが直前でドアが閉まった。 ”ククク！後は降りるまで反対のドアしか開かない！！後５駅！！” 菅原は自分とドアとの間に挟まる智香子を見下ろし、口元に下卑た笑みを浮かべた。 電車が動き出すと同時に菅原はペニスを智香子のお尻に押しつけた。 ”！！！！” 逃げた、離れたはずの痴漢が後ろに居ることに智香子は狼狽し始めた。 ”うそ、、！何で、、、？！” 先程とは違いグイグイとペニスを押しつけられ、ドアに挟まれた智香子には逃げ場がなかった。 押しつけられるペニスに、お尻を這い回る痴漢の手。 ”ちょ・・・止めてよ・・・！” 智香子は左手でバッグを抱え、右手で痴漢の手を払おうと後ろに回した。 「いっ、、、！」 智香子の右手が痴漢に掴まれ、思わず小さく唸った。 痴漢は智香子から体を離し、ズボンの上から智香子の手にペニスを押しつけた。 「あっ、、、」 手の中にペニスを押しつけられ、お尻の手は徐々に谷間に向かって動き出す。 恐怖のあまり混乱する智香子をあざ笑うように痴漢の動きは激しくなってくる。 ”いやっ、、離して！！” 心の叫びは喉の奥で張り付き、声にならず空気だけが漏れた。 いつの間にか電車は次の駅に滑り込み、何事もないかのように動き出した。 １１．後５駅 次の駅に向かいゆっくりと動き出した電車の中で、智香子は必死に身を捩り逃れようとした。 ”離して！嫌っ！！” ペニスに押し当てられた手は、痴漢にがっちりと掴まれ抜けずにいる。 手を動かす度にペニスが手の平を転がり、痴漢はくぐもった声を上げた。 痴漢の手はスカートを巻き込みながら、お尻の谷間をゆっくりと侵入し始めた。 ”ダメ！！嫌ぁっ！” 智香子はスカートを履いてきた事を後悔しながらも、必死にお尻に力を入れ痴漢の侵入を拒んだ。 痴漢の指はお尻の感触を楽しむかのように、頭を振りながら蛇の様にゆっくりと這い進んでくる。 「あっ、、、！」 指がアナルに触れた瞬間、智香子は小さく呻き声を上げ、お尻に入れた力が抜けた。 一瞬の隙を付くかの様に痴漢の手が太股の奥に差し込まれた。 「ぁぁぁっ、、、」 恐怖とおぞましさが智香子の体を硬直させ、冷静さを失わせて行く。 巻き込まれたスカート越しに、痴漢の手が蠢き始めた。 「ん、、、っ、、、」 必死に股を閉じ、羞恥に顔を赤らめながら掴まれた手を抜こうと力を入れた。 動き、もがくほど手の平は、はっきりとペニスを認識していく。 熱く、堅く、ドクドクと脈を打ち、ズボンの中ではち切れんばかりのペニス。 太股の奥の手は、アナルをつつき、スカート越しに秘裂をなぞる。 無数の頭を持つ蛇が智香子を締め付け、愛撫し、陵辱を始めた。 夫と寝室での痴漢プレー。 夫を痴漢と重ね合わし、いつもより乱れたセックス。 智香子の躰は痴漢に反応し初め、心が痺れ始める。 ”違う・・・あっ・・・！” 電車の動きに併せ、強く弱く秘裂を擦り上げ、アナルを突き立てる。 少しずつ積み上げられる刺激に耐えるように、智香子は俯き紅潮させた。 ”ダメ・・・もぅ・・・それ以上は・・・” ”声出さなきゃ・・・逃げなきゃ・・・” ”痴漢なんか・・・痴漢なんかに・・・・” いつの間にか右手の抵抗は止まり、痴漢にされるがままペニスが押し当てられ、羞恥に震えながら押し黙ってしまった。 電車のアナウンスが駅の到着を告げ、電車が最後のブレーキを掛け乗客が進行方向に傾いた。 クチュ・・・ 乗客の動きに併せ秘裂に押しつけられた指、智香子だけが感じた湿った音。 ”うそ・・・” 智香子は身体の変化に狼狽し、耳まで赤くして俯いた。 ”後4つ・・・後4つ・・・” 智香子は祈るように目を堅く閉じ、バッグを抱えた。 |
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| 2010.6.19掲載 |
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