| 第七話 家宅捜索 相川が麗子の元へ来て、一ヶ月が過ぎていた。準備次第と言っていた家捜は一向に入る気配などはない。それもそのはずだ。相川は家捜する気など全くないのだ。目障りな者がいない平穏な日々を過ごしていた。 二、三ヶ月の潜入捜査など当たり前だ。長ければ、一年、二年は続く時もある。 麗子がいなくなっても潜入捜査と誰もが思い、気に留める者などいない。そう言うリスクある職場なのだ。 麗子は、この一ヶ月、過酷な調教を受けさせられていた。陰毛の剃毛に始まり、ロウ責め、鞭打ち、スパンキング、電気責め、アナルファック、苦痛を快感に変えるすべを身体に刻み込まれたのだ。 毎日、幾人もの肉棒をしゃぶっては精液を飲み下し、膣やアナルを犯されては麗子の体内に大量の精液を流し込んでいた。身体を鞭打たれては、オマ○コを愛液で溢れさせ快感として。家捜の言葉など忘れるぐらい洗脳され、マゾと化してしまっていた。 麗子の元へ客が入って来た。ベッド横の床に正座した麗子は、額を床に擦りつけたお辞儀する。 「本日は、マゾ麗子の身体を思う存分、お嬲り下さいませ、至りませんでしょうが一生懸命、御奉仕させて頂きます」 卑猥な挨拶を終えた麗子は、身体を起こし、手を首の後で組み、股を広げた彼女の全てが見える淫乱ポーズを取るのだ。 「パシッ、パシッ、パシッ、パシッ」客の男が麗子の乳房に張り手を見舞った。 見る見る彼女の白い乳房が赤く染まる。 「ああぁん、あぁっ、麗子のおっぱい感じるんですぅ。気持ちいぃー」麗子が言った通り、乳首を硬く尖らせ、オマ○コからは、愛液がしどとに垂れ落ちるのであった。 麗子は、後手に縛られ、ベッド上で双臀を高々と上げていた。そして、客の肉棒で膣を貫かれようとしていた時だ。遠くの方で男たちの気勢ある声が上がり聞こえてくる。それは、捜査員たちの家捜であった。 「検挙っ、検挙っ、検挙ー」その声は、だんだんと大きくなってくる。複数の男たちが、被疑者として手錠が填められ、連れて行かれる。 次いで、被害者である女たちにその手を差し伸べた。誰もが卑猥な格好の全裸だ。捜査員たちには見るに堪えなかった。一人ずつにシーツが掛けられた。 そして、その中に囚われの身となった同僚である、まだ、ベッド上で双臀を高々と上げている麗子を見つけ、複数の捜査員たちがその光景に哀れんだ。 麗子を拘束していた縄が解かれ、寝そべる彼女にスーツの上着が掛けられる。 「もう、大丈夫だよ。安心して」昔、聞いたような声だ。顔を上げた麗子が見た顔は、同じ職場の桜井捜査官だった。そして、安堵したかのように彼女は、そのまま意識を失っていった。 桜井捜査官は、内通者が相川係長であるとの情報から、独自調査を進めていた。 そして、その相手が飯坂英二との確証を掴み、家捜となったのだ。しかし、麗子が囚われの身となっているとは知らなかった。彼女は、運良く助け出されたのだ。 第八話 ＰＴＳＤ心的外傷後ストレス障害 警視庁付属警察病院の一室だ。保護されてから、三日間眠り続けた麗子は目を覚まし、助けだされた事を理解出来ず、何者かに怯え、身体を震わせていた。 着ている物を全て脱いだ全裸で、何者かを待つように、床に正座している時もあった。夜遅く、オマ○コの疼きに耐えられず、自ら卑猥な自慰を行うこともあった。 それも、一週間が過ぎた今、保護された事を理解出来た麗子にはなくなり、捜査官であった事を思い出し過ごしていた。以前より身体を鍛えていたお陰で、身体的には特に問題なく、順調に回復し、明日にでも退院でき、自宅療養に切り替えできた。 凄腕捜査官の麗子でも、即、出庁とは行かなかった。心身への影響が大きかったのだ。それに、今回の事件で人事異動もあったからだ。 今日は、同僚である桜井が事件の全貌を聞かせるべく、見舞いを兼ねて来ていた。 内通者であった相川係長が飯坂英二に頼み、偽りの情報で潜入に入った麗子を囚われの身とした事。そして、あのクラブで麗子を廃人にして、二度とここへは戻れないようにする事。麗子への腹いせに、弄び、犯した事。 彼より全貌を聞いた麗子は、 「あの係長が、私を填めた」衝撃を受け絶句した。一度は、救世主とも思い、身体を許した自分を愚か者とさげすむのであった。 そして、取り調べ中、相川に関しては、誰しもが口を噤み、桜井の掴んだ証拠は、警視庁のメンツで握る潰され、採用されず、証拠不十分で不起訴とされた。しかし、警視庁には、居づらくなり退職を余儀なくされた。 鈴木課長は、証拠不十分で不起訴になった相川だが、その監督責任を問われ、所轄へ左遷された。 英二たちに関しても、女たちが口を噤むのだ。結局、風営法違反の軽い罪で起訴されてすぐに出てくるだろう。 検挙した捜査員たちには、風営法違反の軽い罪で終り、やりきれない思いだった。 その事を聞いた麗子は、相川は、絶対許せない。しかし、英二は、自分ならどうしただろう、口を噤んだだろうか、複雑な心境で考え聞きいった。 そして、翌日、自宅療養に代えるべく、病院を退院し、帰り着いた自宅マンションで何もせず、ソファーに座り、一人となった麗子は、忌まわしき卑猥なあの光景が浮かぶ脳裏を打ち消しつつ過ごすのであった。 それも、一ヶ月過ぎた今、その記憶は忘れ去られ、普段の生活へと徐々に戻っていったのであった。 |
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| 2011.10.1掲載 |