永世少女

　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｍ）

　あれから、様々なことが分かった。市川がなぜしきりに彼女の父親のことを聞いたのか。それは、彼女の父親は生きているからであり、社会的地位のある人間だったからである。
　ヤツは、前に盗んだ警察のデータを元に、彼方が『警視総監の娘』であることを知ったようだ。

　娘といっても、ただの娘ではなく、どうやらいわゆる『隠し子』だったらしい。
　彼方が生まれてすぐ、父親は彼女を孤児として施設に預けたようだ。そのため、彼方には父親の記憶がほとんどなく、母親も不明のままだ。
　
　ヤツは一度警察に逮捕されており、恨みもある。そのうえ、金も搾り取れるとなれば渡りに船だったことだろう。皮肉にも、娘を想う父の計らいによって、私は無罪放免となったわけなのだが…。

　数ヶ月して、私は彼方と本当の意味で結ばれた。結城彼方は氷室彼方となったのである。
　私には『ＩＣＥ　ＭＡＮ』だったころの記憶がまだある。だが、それは消す必要はないだろう。私には彼女を守る力がある、と思えばいいのだから。

　誰かが彼方を傷つけようとするのを見れば、私はどんなことをしてでも彼女を守るだろう。昔は人を『間接的に殺す』ためのものだった技術を、今は『本当に大切なものを守るため』に使いたい。

「んんんんんっ、んっ、あっ、うっ…うぅ～っ！」
　初夜となり、私は彼女を思い切り抱きしめ、唇を貪った。ゆっくりと裸にして、小さな乳房を眺めた。しばらくしてから先端を舐めてやる。
「ひぁっ！」
　小さく声を上げた彼方を、もっと責めてやる。小刻みに、舌先だけを使い、徐々に固くなったピンク色の先端を撫でるように。
　薄い恥毛を掻き分けて、指を這わせる。雌蘂は相変わらず綺麗なものだった。柔らかい感触と、にじみ出てくる愛液の感触が快い。
「ああっ、ゆ、裕さん…ッ！」
　足を大きく広げて、指で雌蘂を刺激してやる。入口に指を引っ掛け、軽く動かす。何をしても彼方は敏感に反応してくれた。

　四つんばいにしてやり、後ろに陣取ると、彼女の二つのお尻の膨らみを軽く撫でてやる。雌蘂は十分に濡れていた。
「入れるよ？」
「はい…来てください」
　彼女の了解を得てから、私はゆっくりと彼女の中に入っていく。そうしないと、彼女が痛みに耐えられないのだ。
　先端がきつく締められ、苦しいほどだった。
　彼女の雌蘂から出ている丸い芽を指でつまんで刺激してやりながら、私は腰を突き出していく。
「ひぃっ、あっ、あっ、痛ッ…！」
　温かい。そして、締め付けが激しく、きつい。やがて密着した私は、彼女を激しく突いてやる。
「んっ、んっ、んっ！」
　断続的に声があがった。痛いかな、と想ったが、彼女は目を閉じていてよく分からない。

　やがて私は出さないままに引き抜いて、ベッドに仰向けに転がった。
「おいで」
　私がそう声をかけてやると、彼方は戸惑ったように首を傾げた。白熱灯が彼女の肌を赤味をつけて映し出し、とても幻想的だ。
「私をまたいで、そう、そんなふうに」
　彼方がはずかしそうに私をまたぐと、雌蘂を私の上へ持ってきた。
　腰を両手で支えた。
「そのまま手で掴んで、腰をゆっくりあわせるんだ。位置を合わせて…」
　ぎこちない彼女の動きをサポートしてやりながら、私は彼女が雌蘂にそれを導くのを見守っていた。
「あっ、ああ～～～～っ」
　声があがった。入口に当たったそれは、彼方が腰を沈めると、何の抵抗もなく中へ入っていったのである。愛液の感触がやはり温かい。
　乳房に両手を当てて、もみしだく。柔らかい感触が、下半身の快感を増長してくれる。
　軽くしたから突いてやると、彼方から吐息が漏れた。
「あっ、あっ・・・・」
「彼方も、上下に動いてごらん？」
　私がそう言ってやると、彼方もぎこちないながらも動き出した。凄まじい快感だった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｆ）

「ああ～～～～～っ」
　腰を落とすと、驚くほどスムーズに、わたしの中へそれが吸い込まれていきました。膣内とこすれ、私一杯一杯に裕さんが広がっていきます。
　軽く下から突かれて、私は悲鳴交じりの声を上げました。
「あっ、あっ」
「彼方も、上下に動いてごらん？」
　裕さんが腰を支えて上下に動くのを助けてくれました。私が動くたびに、ずっ、ずっ、と奥のほうに先端が当たっているのが分かります。そして、そのたびに体中を快感が突き抜けていくんです。
　腰の手が乳房へと伸び、激しく揉まれました。乳首をつままれ、下からの突き上げは一層激しさを増しています。
「き、気持ちいいッ！」
　すごい声を上げていました。はしたない女だと想われたでしょうか？でも、これは我慢のしようがありませんでした。
「気持ちいいよ、彼方」
　裕さんも、どうやら快感でいてくれているようです。

　幸せでした。とても幸せでした。今、この人に抱かれている、あるいはこの人の側にいる時間すべてが。
　別れを心配する必要のない愛情を、この人はわたしに与えてくれます。だからこそ、わたしはそれ以上の愛情をこの人の注ぐことができたのではないでしょうか。
　怒張したそれは、わたしの奥深くをさらに激しく突き、わたしはそれに合わせて声を上げます。膣内を擦られ、奥に当たるたび、快感が我慢できません。
「あっ、ああっ、あっ、あぁぁっ！」
　自分でも、高まる声が分かりました。

　そっと、結合している部分に指を触れると、間違いなくわたしの中を突き上げているそれの感触が伝わってきました。わたしが吐き出した愛液に濡れて…。

　繋がっている。一つになっています。私たちは…。

「ああっ！ああっ！すごい、すごいです、もう、すごいっ…！」
　快感のあまり、わたしの頭の中がもうぐちゃぐちゃになりそうでした。

　わたしは、この人の妻として生きましょう。わたしの愛している人と歩みましょう。すべてを捨てる覚悟をしてまでわたしを救ってくれたこの人に尽くしましょう。

「彼方、出るよ…！」
「あぁっ、出して…くださいっ！」
　わたしは裕さんの胸に倒れこみました。そんなわたしの背中を彼は抱きしめてくれます。大きくもない胸を裕さんの胸にこすりつけ、下半身はもっと擦れて心地よいです。

　優しくわたしのお尻に手をかけて押し付けたまま、裕さんもわたしも達していきました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｍ）

　彼方の中に、快感のすべてを放出する。柔らかく温かい彼女の体を支えながら…。

　生きるために、あるいは歳を重ねるために、心から大事なものを一つ一つ捨てていくのが大人だとしたら、彼方はまだ子供だ。少女だ。

　ずっと綺麗な雌蘂も、そんな彼方に対して当然のように与えられたものなのかもしれない。

　彼女は永遠に『初めての女性』だ。心も、体も。だからこそ、何よりも割れやすく、汚れやすく、そして壊れやすいものなのだろう。あの夜の後に彼方がとった行動を見れば、それは分かる。

　彼女には拾うものはあっても、捨てるものはない。いや、捨てさせてはならない。