フェイクレディのあたし(続　マンションの自治会長)　−１

（１） 桂さんの秘密の場所

　もうすぐ宮之木和人（いえ、あたしはパパと結婚して森和子になっているのです。）がひょんなことからパパのお嫁さんになってから、１年が過ぎようとしているのです。
　あたしの以前住んでいたこのマンションのお部屋の方は、あの後、半年位空家になっていたのですが借り手が決まって、若い新婚のご夫婦が住むことになったのです。
　若いご夫婦が自治会長のパパのところに挨拶に来たのです。あたしもパパに付き合って一緒に挨拶を受けました。
　ご主人の方は大手の商事会社にお勤めしているそうです。学生時代はラクビーをやっていたそうで、威丈夫でいい男なんです。
　あたしはクラッとしてしまいました。（もちろん、これはパパには内緒です。）
　奥様の方は綺麗な方で、あたしとそう年も違わないと思われることと、子供がまだいないことから、直ぐにお呼ばれしたりされたりの仲良くなったのです。
　もちろん、その奥様はあたしが元男だとは思ってもいません。
　あたしのお家にくると男性のパパが居ることもあって、凄く上品な口と態度なのですが、桂さん（その奥さんは桂さんというのです。）の所へお呼ばれしますと、とってもサバサバして夫婦間のセックスのことまであけすけ過ぎるくらい話すのです。
　夕べはどんな体位でしたとか、失神してしまったのよ・・・とかね。あたしが朱くなってしまうようなことを平気で口にするんです。
　桂さんはちょっと露出の気があるみたいなんです。
　女の人（あたしもいまは女をしておりますが。）って凄いって思ったものです。

　今日はあたしは、あたしが住んでいるマンションの３軒先の、あたしが元住んでいたお部屋にお呼ばれしているのです。
　桂さんのお部屋に入ると直ぐに香が高いダージリンが出て、ちょっと高価そうなテーブルに設えた椅子に向かい合わせて座っています。
「あら、如何したの・・？」
　いつもはそんなことが無いのに、桂さんは椅子に座る時にちょっと眉を顰めたのです。あたしは不思議に思って聞きました。
「昨晩は・・・うちのねェ・・・激しいのよ」
　美味しい紅茶を一口啜って、若奥様はあけすけにいきなり言うのです。いつものスックスの話のようなのです。
「激しいって・・・？」
　あたしもそんな話が嫌いではありません。いえ、むしろ好きな方なのです。
　紅茶のカップに付いたピンクの口紅をお上品に指で拭き取りながら、ドキドキを押し隠して、続きを誘導しています。


フェイクレディのあたし　−２

「わたしが痛いのは嫌だって言うのに、アヌスに・・後ろの穴、肛門に入れようとするのよ」
　こんな美人の若い奥様が「肛門」って言葉を口にするのか？・・と、驚いてしまいます。思わず対面に座っている桂さんの顔を見てしまったのです。
　桂さんはほんのりと目元を染めて、それでも恥ずかしそうに薄笑いを浮かべていました。
　夫婦の間のＳＥＸの話になると、初めはいつもそうなんですが、それが抱き締めたいほど可愛いのです。
「和子さんはアナルセックスってしたことがあるかしら？」
　あたしは肛門だとか、アヌスだとかそう言う言葉に特別に弱いんです。だってあたしのパパはあたしに膣を作っては呉れないで、アヌスがあたしのオマ○コなんですもの・・
　あたしが真紅になって俯いてしまったのを見た桂さんが、突然聞いて来たのです。
「ええ。いつもよ・・・」
　突然のことで動揺したあたしは、小さな声でしたがついうっかり答えてしまったのです。あたしはしまったと思いました。
「まあ・・いつもなんて・・森さんって激しいのですわね」
　パパが激しいのか？あたしがＳＥＸが好きだと言っているのか、分かりませんが桂さんはそんなことを言っています。
「じゃぁ、ベテランなんだ・・・」
　桂さんはちょっと驚いたように続けました。あたしは「何がベテランなの？」って聞きたいところをグッと我慢しています。
「お願いがあるの・・わたしのアヌスを診て、お薬を塗って下さらない？・・だって、自分じゃ・・痛くって、痛くって・・・良く塗れないんだもの・・」
　あたしが恥ずかしそうに、けれども不思議そうな顔をしているのを見た桂さんは、思い切ったように言いました。
「お医者様に行ったら、夕べアナルセックスをしましたと言うようなものでしょう？恥ずかしくって行けないわ・・ねえ、あなたしかお願い出来ないのよ」
　桂さんも非常に恥ずかしそうに早口になっています。この時あたしは＜桂さんって露出の気があるのではないか＞と思いました。
　しかし、もっともな話です。
　あたしもパパに入れられて何回も経験していますが、お尻が裂けた時の痛みったら、耐えがたい痛みだと言うことを知っております。
　こんな頼みごとは同性でなければ出来ない話です。桂さんはあたしが同じ性だと思って助けを求めているのだと、あたしは感じました。
「ええ・・いいわよ」
＜もしかしたら、ひょっとすると・・・この人はバイじゃないか？＞と、内心思いながらも（ちょっとは期待があったのかも・・）そう、何事も無さそうに答えていたのです。
「えっ・・いいの！　でも・・恥ずかしいかも・・でも、塗って貰ちゃおうかな・・痛くって痛くって・・・」
　流石に、桂さんは春秋しています。

(続く)