口からでまかせを言う瀬戸内を、晶子はじっと品定めするように見た。
　瀬戸内は線の細いタイプで、性格もかなり甘ったれだが、顔は端正な方でちょっとした芸能人並の整った顔の持ち主だった。
　一昨日の夜に辻元と激しい情事を重ねた晶子だったが、残り少ない自由な日々にまた悪い虫が騒ぎ始めたようだった。

「あら、じゃ将来は役員さんなのね。」
「いやぁ・・・そんなんじゃないですよ」
「何言っているのよ。まあ飲みなさい飲みなさい。」

　数時間後、なんと瀬戸内の方がつぶれてしまい、あてが外れたように晶子は思ったが、とりあえずタクシーに乗せて自宅へと運んで行った。

　ベッドの上で寝息を立てる瀬戸内を見て、晶子はある記憶が蘇り、考えが浮かんだ。

　一時間ほど眠った瀬戸内は、妙な感覚で目が覚めた。
　ベッドの上で自分は両腕をベッドの支柱に縛り付けられていた。
　いや、それ以前に自分はまったく服を着ておらず裸の状態だったのだ。
　慌てて起き上がろうとしたが、ずいぶん堅く縛られているようで、まったく体を起こすことが出来ず、やっとの思いで首だけをあげるとちょうどジーンズを脱いで下着だけの姿になった片桐晶子の姿があった。
「えっえっ？片桐さん！俺！」
　うろたえる瀬戸内に晶子は微笑みながら何も答えず、ベッドの足元からにじり寄るように瀬戸内の下半身の上に四つん這いに覆い被さると、まだだらりとしたままの瀬戸内のペニスをおもむろに口に含んだ。
　突然のことに瀬戸内は驚き、軽く悲鳴をあげたが、すでに晶子の舌技がペニスに襲いかかっていた。

「や・・・めてください片桐さん・・・」
　瀬戸内は体をよじりながら抵抗をこころみるが、両腕を堅く縛られ、なにより酔いがまだ残っており、力が入らなかった。
　こういう責め方を晶子はよく知っていた。なぜならば晶子自身が大学生のとき、こうして犯されて処女を失ったからだった。

　晶子は大学に入るため、地方から東京に出てきた。
　そして入った大学のサークルの、新入生歓迎コンパのときだった。
　大学の雰囲気に舞い上がった日々を送る晶子は、つい飲みすぎてしまった。
　気づくとそこは、いつの間にか先輩に連れ込まれた渋谷のラブホテルの一室で、両手をベッドの左右の支柱に縛り付けられており、酔いの残る体で晶子は必死に抵抗したが、あっさりとパンティを脱がされてしまい、脚を大きく開かされ、まだ誰も触れたことのない敏感な肉弁を指で広げられ、生暖かい舌を這わされたとき、泣きながらあげた悲鳴とともに、その粘膜からはじわぁっと女の液体が湧き出して来たのだ。

　初体験がレイプだったためか、晶子は今このサディスティックな責めに興奮しており、あのときの自分がそうだったように、抵抗しながらも瀬戸内の性器が反応し始めたのを観て、さらに責めをエスカレートさせていった。

「ここ・・・こうされると・・たまらないでしょう？」
　晶子は瀬戸内のペニスのカリ下あたりを執拗に舌で責めつづけた。
「う・・・ぐ・・・ぐぅ・・・・やめてくれ・・・」
　晶子は自分のしなやかな指を、瀬戸内の太もものあたりをつーっと滑らせた。
　すると瀬戸内のペニスが膨張し始め、晶子はすかさずそれを口に含んだ。
「うぐぅっ・・・・」
　たまらなくなった瀬戸内は晶子の口の中に射精した。

　あまりの屈辱に、まるで犯された女のように涙ぐみながら荒い息遣いの瀬戸内に
「・・・まだまだよ・・・。」
　と晶子は微笑み、右手で瀬戸内のペニスを握ったまま左手で背中のブラジャーのホックをはずすと、型崩れしてない乳房をあらわにして、両方の乳房で瀬戸内のペニスを挟み込むと、射精をすませたばかりのその先端を集中的に舌でチロチロと責めた。
「ううぅぅ・・・・・」
　涙に濡れたまま白目をむきながら瀬戸内は小さく痙攣を始めた。
　執拗に、執拗に、この熟練された人妻の責めは続き、数分後にはまた瀬戸内のペニスはさっきよりもさらに堅く、反り返るように回復した。

「ぐちゅっ」
　瀬戸内の上に跨った晶子の性器が音をたてて、そのペニスを貪欲に根元まで飲み込んだ。
　もう瀬戸内には腰を動かす気力はなく、晶子もまたそれを承知して自分から腰を回転させ始めた。一度射精したペニスは長持ちし、晶子を満足させた。

　そうして十分ほど腰を動かしていると、晶子の下で瀬戸内がうめいた。
「う・・ぐぅ・・うぅ・・・」
「イキそうなのね・・・いいわよ・・」
　晶子は腰の動きを、回転から上下運動に移すと自分の全体重を瀬戸内の腰に叩きつけるようにすると、当然瀬戸内のペニスは晶子の子宮を激しく突き上げる。
　やがて激しく脈打つペニスから、自分の中に生暖かい液体の放出を感じた晶子は満足げに上体を反り返らせながら、大きく息をついた。

　そして晶子は、自分から結合を解くと、間髪入れずにまた四つん這いになって瀬戸内のペニスを口に含み舌で転がし始めた。
　晶子の肉弁から、放出されたばかりの瀬戸内の精液が内腿をつたって落ちるのもかまわず、けだもののように晶子はまたあの執拗な舌技を瀬戸内のペニスに施した。

　こうして明け方まで、実に六回にも渡って、瀬戸内は晶子に犯された。
　晶子自身があのとき朝まで数回にわたって犯されたように。

　夜が明けて、文字通り夜通し精気を抜き尽くされフラフラになった瀬戸内を玄関まで見送ると、晶子はシャワーを浴びて、すっかり満足してベッドで眠り込んだ。

つづく