２

「お前、ビリヤード行かないの？せっかく俺がお金出してやったのに」
　辻元の席と通路をはさんで隣のテーブルに座った智子に辻元は言った。
「だって・・・・富樫くんがいるから・・・」
　智子は三年生になる直前の春休み、同じバイトの富樫勝と付き合い始めた。
　二人とも初めての恋人とあって、その仲睦まじさたるや、ときに目障りなくらいだった。
「富樫と別れちゃったのか？」
　智子は頷いた、そう言えば最近二人が一緒にいるところを見たことがなかった。
「そっか、知らなかったな」
「えー？知らなかったの店長だけですよぉ」
「おじさんはバイトの色恋沙汰には関心ないのだよ、ふぉっふぉっふぉ」
　辻元はわざと年寄りっぽく答えた。

　智子の私服は、黒のキャミソールと黒のミニスカートといういでたちで、キャミソールの肩紐と一緒にブラジャーの肩紐ものぞかせていた。
　最近はこういうのが流行っているらしく、まったく有り難いものが流行っているものだと辻元は思った。
「私も飲んでいいですか？」
「いいよ、でもちょっとだけにしろよ」
　席を立つとき、ちらっと智子の白い脚の間からパンティが見えたとき辻元はこの後の展開を少し期待した。

「乾杯、お疲れ様でしたぁ」
　智子は辻元の前に座って生ビールを飲んだ。
　辻元は智子からいろんな話を聞いた
　家庭のこと、学校のこと、進路のこと、そして富樫勝とのこと、
　智子は結構酒に強いらしく、辻元よりも早いペースで、生ビールを飲み干した。

　辻元はかなり聞き上手な人間であり、それゆえ人望も厚い
　しかしその分上からは嫌われることが多く、あっちこっちの店へ異動させられ
　そのたび腹いせのように辻元はアルバイトの女の子に手を出していた。

　そして今夜は智子にしようと決めた。

　智子の家族は小さなアパートに暮らしており、智子は特に父親との仲が悪いらしかった。
　思春期特有の反抗なのだろうとも思ったが、智子は口癖のように
「卒業したらアパート借りて家を出る」と言っていた。
　だいたい高校生で深夜までアルバイトをするような子はみな、親との関係は悪い。
　ひとしきり話し終えると智子は次第に無口になっていった。
　当然だ、酒のせいもあったろうが、ほとんど一人でしゃべっていたのだから。
「こっちおいでよ」
　辻元が言うと智子はよろよろっと立ちあがった。
　バレッタをはずして長い髪をばらりと落とすと、智子はメガネをはずし、辻元の隣に座った。辻元が、自分に寄りかかるように座った　智子の肩に手を回すと、智子は辻元の手を軽く握った。
「いいか？」
「・・・はい」
　わかりきった辻元の問いに智子は当たり前のように答えた。
　辻元が智子にキスすると、智子は両腕をすうっと辻元の背中にまわした。
　長いキスだった、辻元は智子の口の中に舌を入れ、智子の髪、そして背中を愛撫した。
　やがて智子も辻元に自分の舌をおずおずと絡ませてきた。
　辻元は座っていたソファの背もたれを引っ張って、フックをはずしてフラットにした。
　この店のソファは客が急に具合が悪くなったときに備えてフラットシートにできるようになっているのだが、その出番は少なく、その機能を知るものも古い社員だけなのだ。
小さめのマットのようになったソファに智子を押し倒すと、辻元は智子の胸をやさしくまさぐった。
「・・は・・・ああ・・はぁん・・」
　智子の端正な顔が軽く歪み、荒い息がだんだん軽い喘ぎ声に変わっていった。
　そしてその乳首は次第に固くなっていくのがブラジャーとキャミソールごしにもよくわかった。
　かなり感度はよさそうだった。キャミソールをたくし上げ、ブラジャーのホックをはずすと白い乳房が、月明かりにぼんやりと浮かび、固くなった乳首に辻元は舌を這わせた。
「あっ・・ああっ・・あん・・ああ・あ・あ・ああ・・い・・いい」
　火照った智子の肌の感触は絹のようになめらかで、辻元は興奮した。
　その18歳の体は、辻元の愛撫にすっかり発情をしていた。
　右手で智子の乳房をもみ上げながら、辻元は智子の唇、首筋、耳、肩のあたりにやさしく、吸いつくようなキスをして、左手は智子の膝のあたりからゆっくりと太ももを這い上がり、智子の敏感な部分を目指した。

「・・・・あっ」
　辻元の指先がパンティの上から正確に、敏感な突起部分に触れると智子は小さく叫んだ。
　その部分はもうすでに、しっとりと染み出た愛液で濡れていた。
　辻元は指の動きをゆっくりとさせながら軽く智子のあの部分をなぞった。
「あ・・ん・・ああ・・・」
　やがて智子は、パンティを脱がそうとする辻元に軽く腰を浮かせた。

　富樫、あのガキでも最低限の抱かれ方を智子に仕込んでおいたらしい。
　辻元は腹の中でつぶやくと、智子のスカートもキャミソールも脱がし智子はすんなりと辻元に脱がされるまま裸になった。
　辻元は、智子の脚を開かせると、その間に割り込むようにして智子の体に覆い被さった。
　そして、智子にまた長いキスをしながら乳房を愛撫する。
　すっかり大きくなった辻元のものは、智子のあの部分のあたりをさまよった。
　挿入は・・・まだしない。辻元は智子の女の部分を愛撫するのに手を使わず、すでに我慢の限界にきて濡れている自分のものを使った。
　ときに智子のクリトリスを圧迫し、ときに智子の亀裂を撫でる。
　辻元の背中に回された智子の白い腕がそのたびに、ぴくんっぴくんっと反応する。
「あっ・・・あっ・・・あああんっ・・・」
　そして遂に辻元は、この少女の性器中に自分のものを押し込んだ。
「はっ・・あっ・・あああああああああああああああああんっ」
　智子は軽く上体を反り返らせながら切ない悲鳴をあげた。

　智子の膣の粘膜が伝えるぬるっとした感触に辻元は驚いた。
（この娘はとんでもない名器だ！）
　噂に聞くカズノコ天井っていうのは、これのことではないだろうか
　ちょうど正常位で挿入したときに、ペニスの先端の下側に密着する部分になめらかな襞がたくさんあるのだ。
　富樫の奴はこれに気づいていたのだろうか？いや、高校生の男に女の性器の良し悪しなんてわかるわけもなく、ただいたずらに激しい抽送を繰り返していたに違いない

　辻元はゆっくりと腰を動かし始めた。

　智子の膣からは大量のぬめりのある愛液が溢れ出していた。
　辻元が腰をぶつけるたびに、そこからは、ぴちゃんっぴちゃんっと音がした。
「あんっ・・あんっ・・あんっ・・あんっ・・あっ・ああああっ」
　智子は辻元を抱きしめながらも体をよじらせるようにして激しく応えた。
　辻元の先端は何度も智子の子宮を突き上げ、そのたび智子の白い乳房が暗がりに揺れた。
　智子の肉襞は辻元のものに絡みつくように締め付けた。
　辻元は失神してしまいそうな感覚に襲われ、力いっぱい智子を抱きしめた。
　そして次の瞬間、智子の子宮の中に、辻元の精液がほとばしった。
「あうっ・・ああ・・はああ・・・んん・・・」
　智子もまた辻元を抱きしめ、体を反り返らせながら大きく脚を開いた体勢で辻元の射精を受け止めた。
　ただ智子の膣粘膜だけが意思を持つかのように、軽く痙攣していた。

「ちょっとエアコン入れよう。」
　辻元が客席用のエアコンのスイッチを入れると、ゴーっと言う音がフロアにこだました。
　ついさっきセックスしていた、フラット状態の客席「臨時ベッド」の上で智子はすでにパンティをはき、ブラジャーのホックを止めているところだった。
　辻元はその隣に座るとタバコに火をつけた。
「・・・・・・・・なんであたし・・・店長と・・・しちゃったんだろう・・」
　長い沈黙の後、智子がぽつりと言った。
「・・・・・・・・・うーん・・・・」
「・・・・でも・・・・」
「でも？」
「・・・・・すごく・・・・よかった・・・」
　智子は辻元の方を見据えて言った。
　智子の後の窓を通過するトラックのテールライトがまぶしかった。
　テーブルの上にはすっかり気が抜けて、温くなったビールがあり智子はそれを飲み干した。
「あのね・・・・だってね・・・富樫くんって・・・すぐに入れようとするだけだったし」
　そりゃあ無理もない、辻元はそう言う代わりに智子のキャミソールとスカートを拾ってやった。

「お前は凄い名器なんだよ、末恐ろしいくらいのな、女の体が悦ばせ方を知っていても男の方が悦ばされ方を知らないと意味ないんだよ」