第２幕


　死ねなかったのかなぁ。それともこれが死んだ感触？
　それなら随分と幸せだ。いや、不幸なのかな・・。
　全部忘れて消えてくれると思っていたのに、全部残っている。
　でも・・・、僕は誰とも会話しないこの空間がとても大好きだ。

　みんなが僕を見捨てて裏切った。
　医者や弁護士は助けてくれたけど、彼らはやっぱり他人で仕事の付き合いだ。
　あんなに優しくて可愛い妻が、僕は今でも愛しているのに・・・、なにか間違えたのかな。
　どうして僕にあんなＫ性なんでＨな話はＯＫですよね。
　その素材・・・、ととっ、患者は女性だったんですけどね、その電気信号のやり取りで気持ち良くなって潮は吹くは、Ｈな声は出すわで、もう、家族の前で大乱れ。笑うに笑えませんでした。股間に指を伸ばしたときは、凍りつきましたよ。
　お、だいぶ良くなりました？耳の痛みは取れましたか？」

　やっと痛みが体に馴染んで荒い呼吸を落ち着かせる。
　瞳を刺す光りの強さにはなかなかなれなかったけれど、それも時間が経つにつれて馴染んでいった。


　さてさて、御覧の皆々様。自分を捨てた後に脳死した妻の体に入った木場辰巳。
　まぁ、この場合は妻は死んだと言って良いんでしょうなぁ。普通。
　とは言え、あっしは奥さんにも是非是非楽しんでいただきたいと思った次第でございやす。
　ですから、まぁ、晴海さんの思念を残しておきやした。

　さて、木場辰巳は神の愛に応えるような生き方が出来るもんでしょうかな。
　おっとっと。そう睨まんといてくださいな。
　あっしの悪戯？はいはい。まぁ、あると言えばあるし、ないと言えば嘘になりやすなぁ。
　まぁ、しばらくお楽しみくださいな。へっへっへ。