十七

「わ、分かってます。あんたこそ、そんなにいきんだら、体が持ちませんぜ」
「ああ、もうだめ！」
　全身を奮わせた。
「ああ、いい――。も、もう、ど、どうなってもいい、身体ぐらい、どうなってもいい！だって、巨きすぎるんですもの。ああ、巨きい！　あなたのってなんて巨きいのでしょ。巨きくって、私を、だ、駄目にしてしまう。もう私、メチャメチャ。だから、体が動く！　勝手に動く！　動いてしまうじゃないの。だから、ああ駄目！　私もう駄目！　メチャメチャ、私」
「焦らない､焦らない。夜明けまで時間はたっぷりや。そら､奥さん、こうしたげましょ」
「うわあ、あ、あ。す、す、凄い。凄いじゃない。なんて上手なんでしょあなた。す、凄いわ！　凄く――上手。ああ、私、ああ、私、もう駄目。もう、し、辛抱というものが、で、出来ないみたい！」
「なんの、まだまだ。まだまだこれからですがな。そうれ、こうしたげましょ」　
　小男は背後から両手をそろそろと伸ばし、剥きだしになっている冴子の淫部をまさぐってひどくあっけなく女芯を見付けると、無骨な短い指でコリコリとしごいた。目くるめく快感であった。
「あああっ、こ、これ――！　こ、これっ、か、感じてよ。感じるわ、す、凄いじゃない、凄い！」
「さあ、ケツを上げ下げしてみてみ」
「こ、こうなの？　こ、こうするの？　ね、ね、ね」
　もう、小男のいうままであった。冴子は両股の間に小男を挟んでゆっくりと腰を浮かした。そしてゆっくりとまたずずっと腰を沈めた。つど、背骨から頭の先端までつきぬけるような快感が全身を貫いた。官能の底から理性ではもうどうしようもない喜びが冴子を狂わせていく。
「な、な、なんていうことなのこれは！　こんなのってあるの。あっていいの！」
「サネがコリコリや。見てみ奥さん自分の股ぐら。下、下。自分のオ×コ見るのや。サネが、あんたのサネがいきり立ってる」
　首を垂れてすぐ目の下の自分の股間を見た。小男がことさら冴子の女芯を露にした。冴子はさらに首を折り、魅入られたように股間の自分の一点に目を近づけた。小男の指の間から冴子の淫らな突起がはっきりと見えた。ああ、なんということなのこれは！　こんな淫靡に息ずいて！　こ、これが私なの。なんという恥知らずな私！　凄いじゃないのこれが私！　しかし、ああ、――目くるめく快感が続く。
　愛して。もっと愛して！
　すすすとまたせわしなげに尻をすりあげていった。
「どや、見えたかサネ」
　小男の指が、突起の周囲で無骨な動きをみせて、いったりきたりするのがはっきりと見てとれた。
「ああ、駄目！　ああ、なんてことなの。いいの？　いいのかしら私？　こ、こんな淫らに剥きだしになってしまって！　――ああ、あなた、私をこ、こんなに剥きだしにしてしまって、ああ、ど、どうしようっていうのよっ」
「奥さん、もっとしころか」
「しこりたいの、あなた？」
「ああ、しこりたい」
「いいわよ、しこって。うんとしこって！」
「こうか、奥さん」
「ううう、凄い！　すごいしこりかた！　ああ、いい！　なんてイイんでしょ、あなたのブツブツ！　おおいい！　もっと！　もっとよ、もっとしこって！」
「締まる、締まる、キンチャクがよう締まる」
「ね、ね、締まってるの？　わたし、そんなに締まってるの」
「ああ、凄いね、締まってヒクヒクふるえてる」
「じゃね。ねねね、いっそ摘まんで。ねね、きゅっとね、そこ、きゅっと摘まんで頂戴、そしたら締まるわ。まだまだ締まる！」
「どこや、どこつまむんや？　このサネか」
「ああ！　それ、サネね。サネ！　ああ、冴子のサネ！　淫らなサネ。なんて悪いサネなんでしょう冴子のサネ。ねねね、でも、ねね、いけないサネ、冴子のサネ、そこ、きゅっと摘まんでやって頂戴」
「こ、こ　こうか？」
「わっ――おおおお！　いい！　いいじゃない！　いいわ！　凄い！　あああ、なんて、あなた、上手に摘むのでしょう。そんなつ摘みかたされたら、すぐ、いっちゃうじゃない。ああ、いい気持ち！　凄いじゃない！　おおお、た、堪らない冴子！　ああ　また、イキそ！　お、お願い！　イ、イかせて！」
「よっしゃ、今度はこうや」
　小男は腰を突き上げた。
「お、お、お、――も、も、ももも」
「エエか」
「エエ！」
　冴子は声を出して叫んだ。
「エエわ、エエわ、エエわ！　凄くエエっ！　ああ、も、も、もう、――エエ、エエって、も、もんじゃない、エエって！　ああ、狂いそ。し、死にそ。ほんとああ、私、私、私」
「そんなにいいか」
「ああ！　いい！　いいわ、いいわ、いいわ！　――オ、オマ×コってこんなにいいの、こんなによかったの？　好きよ好き！　オ、オマン×コ好き、大好き！　おおお、わたし、し、死にそ！　よくって死にそ」
「震えいてるわ、オ×コ、波うってる。奥さん、あんたのオ×コ、あんまりいいんでびっくりしてるのとちゃうか」
「ああ、お願い――」
「もうイクのか？」
「ね、ね、ね、ダ、だめ、もう。私、だめ。死ぬ！」
「そんなにいいか」
「こ、殺して！　冴子を殺して！」
「焦らない焦らない――」
「ね、ね、言って！　冴子のオ×コ、いいと言って！」
「おうおう、言うたる、言うたる！　ええ道具や、ええ道具！　ええ道具でっせ、あんたの道具は最高の道具や！」
「もっと言って！　はっきり言って！　イヤラシしいこと言って！」
「オ×コ、オマ×コ、オソ×、ボ×、サネ、淫核、クリトリス。キンチャク。よう締まってよろしおっせ」
　冴子は、大きくうめきながら無意識に白い豊かな臀部をゆっくりと競り上げ、そしてずずずずと沈め、瞳孔を大きく見開いた。そして顔を歪めると大きく頭を後ろに反らして息きをつき、またゆっくりと両尻を競り上げていった。
「わたしキンチャク？　ああ、キンチャクなの？　ああ、何ということなの！　ど、どうしましょう！、キンチャクだなんて、私！」
　中腰のそのままの姿勢で暫く放心したように宙の一点に目を置き、再び、祈るようにゆるゆると腰を沈めていく。なにものかを確かめるようなゆっくりとした腰の動きであった。
「き、きんちゃくで、冴子のキンチャクで、あなた、よくしたげる。こ、こうしてあげるわ、ねっ、こうよ、こう！　ね、ね、ね、冴子、いいオ×コつけてるでしょ、私のオ×コ、一万人に一人の名器よ」
　冴子の腰が上下運動をする都度、巨大な肉棒を咥えた彼女自身の腟口付近の柔らかな肉層は、はちきれんばかりに醜く歪んで外部にまくれ上がり、そして今度は押し潰されるように淫靡な小皺を作って、不気味に内部に沈んでいった。　
　肉と肉の僅かな隙間から粘っぽい樹液が、圧迫されたように激しく排出されていく。小男の巨根には、ねばねばとした冴子の陰毛がまとわりつき、それは排出された淫液の小さな泡粒ごとここちよげにずるずると、再び冴子の内部に繰り込まれてれていく。
「プロのわしが負けそうや。て、天才や、奥さん、あんた、オ×コの天才や。こ、降参や、ああ、わしゃ、イ、イキそうや、もう」
「いや！　いやいやいや、イッちゃいや。ね、ね、ね。い、いっしょよ、一緒、イクときは一緒！　じゃ、ね、ね、こうしましょう、乗るの。上に乗るの。ね、正常位でしましょうよ、ね。あなたが乗るの、縛ったままでいいから、あなたが乗って。ね、ねね、それであなたの思うように動いて！　そしたら持つでしょ。それでね、口も吸って。冴子の口も吸って頂戴！　ね、ね、それでね、一緒にね、一緒にね、一緒にイキましょ」
　すざまじい光景であった。もはや、正常な性交ではない。狂った牝獣と牡獣の壮絶な交尾――。
「ああ、いいわ、いいわ、いい、いい！」
　動物的な呻きの間隙に、冴子の歯と歯の間から言葉ともすすり泣きともつかない吐息がきれぎれに洩れていた。
「私、天才？　オソ×の天才？　そんなに上手？　ねえ、ねえ、ねえ、いってちょうだい、私って、そんなに上手にオ×コするの？」
「大ちゃんに吸ってもらったげようか、このサネ」
　冴子はブルルっと全身を振るわせた。
「う、うそ！」
　はっきりと言った。
「で、できっこない、そ、そんなこと！」
「いきりたって、ほれ、あんたのサネ、こんなに尖ってる。舐められる。十分や」
「だ、だって、あなたのが入ってるじゃない、私に」
「大丈夫、やり方や、やり方」
「こ、これ以上、わ、私をどうするの」
「まだまだ、よくしたげるのや」
「ああ、こ、これ以上？　この上、ま、まだあるの！」
「あるともさ。――。どや、よくして欲しいか、欲しくないか？」
「――――」
「さあ奥さん、まだまだよくして欲しいか欲しくないか」
「き、決まってるじゃない！」
「欲しいんだね」
「欲しいわ、して、して！　よくして！」
「吸いまっせ、サネ！」
「でも、いや、いま抜いちゃいや」
「なんの、入れたままでや。入れたまま、吸ったげるのや」
「おおお、入れたままで、あなたのを入れたままで、吸ってもらえるの？　そんなのありなの！　おおお、冴子死ぬ！　死ぬわきっと！　でも死にたい。吸って！　吸って頂戴、冴子の」
「じゃ、まず、大ちゃんに舐めてもらいますけど、よろしおすな」
「いいわよ舐めて。すきにしていいわ」
「じゃあ、そのままわしの腹の上にゆっくりと仰向けに寝る」
　冴子は奴隷のように素直に小男の腹部の上に背中を預けた。小男は冴子に組み敷かれた格好で、それでも短い両手でしっかりと冴子の両足の付け根を抱えてはなさない。巨根は冴子に突き刺さったままである。両足を大きく宙にからげて、男に貫かれたままの冴子の全てがを大ちゃんの眼前にさらされた。
「見えてるね、大ちゃん。そこ、あんたに吸って欲しいんだって。いいね」
「ひやあ！　こ、ここを舐めるの。き、汚ねえな。あんたと奥さんのでずるずるや。藤島さんのグロテスクなのが突き刺さったままだし」
「斜めから首突っ込むんや、――舐められまっしゃろ」
「気色わるいなあ。藤島さんのグロテスクなのが目障りで」
「えらいまた薄情な。それじゃ奥さんがあんまり可愛相そうやおませんか。さっきはあれだけ張り切っていたのに」
「だって、さっきはあんたのが入る前だ」
「奥さん、大ちゃんあんなこと言ってる。――あんたから頼んでみたら？」
　冴子は、小男の上に背中をあずけたまま、蒼白な額に小皺を作って顔を歪めていた。
「さ、奥さん、頼んでみるんだ」
　冴子は大ちゃんを見た。大ちゃんが呆然として突っ立っていた。
「お願い、大ちゃん、言うこと聞いて」
　大ちゃんは逡巡した。
「いやなの？　あなたをこんなに欲しがっている私がいやなの？」
　大ちゃんが何ともいえない奇妙な顔をした。
「ね、いいのよ、お、お舐めになって。ね、ね、キンチャクなんだから冴子のオ×ソ。汚いはずないわ、きっといい味よ。舐めて頂戴。あなたに舐められたら、冴子、すぐにイっちゃう。ね、いったげる。イクイクイクイクって、大声だして、ああ、あなたの前でイったげるから」
「お、奥さん！」
「そ、そや、奥さん、さ、足を、両足を上げるのや、上に突き上げる。そやそや」
「こ、こうでしょ？　こ、こうね？」
　冴子はうううとうめき、さらに大胆に両足を宙に突き上げた。大ちゃんが冴子の両足を大きく開いて自分の両肩の間に挟んで担いだ。中腰になった大ちゃんの眼前に、小男の巨大な男根を誇らしげに呑みこんだ冴子の裂け目があった。肉と肉とが淫らに脈うっている。淫液のしぶきが聞こえそうであった。そのほの暗い先端に、粘液で醜く火照った小粒のあずき大の真っ白い冴子の淫核がピクンピクンとうごめいている。
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