３

　短いキスのあと、再び唇を重ねると、「んっ・・・」と凛子は、鼻から声を漏らした。
　ゆっくりと唇の感触を楽しんだ後、舌を凛子の口の中へ差し入れる。前歯と唇の間に舌を差し入れ、歯茎をつつく。ゆっくりと探るように舌を動かしていると、奥のほうで凛子の舌が縮こまっているのをみつけた。しばらく舌先でなでていると、恐る恐る伸びてきた。伸びてきたところを逃がさないように舌を絡めていくと。凛子も同じように舌を絡み付けてきた。
　最初は奥手だった凛子の舌も、徐々に大胆になっていき、舐め、絡めるようにしてお互いの口をいったりきたりする。
　長いディープキスを終え、ゆっくりと凛子の顔を見下ろす。湯上りの上気した肌が冷め。一度白くもどった頬は、再び赤みを帯びている。半開きになった唇の周りには、唾液の跡が蛍光灯の光でテカテカと光っていた。
「キスなんて久しぶりじゃないの？」
　そうたずねてみると、凛子はくすぐったそうに笑いながら頷き、「高校の卒業式以来。」と付け加えた。
　凛子が、高校時代付き合っていた彼氏と、卒業を機に別れたという話は以前聞いたことがあった。
「じゃあセックスも？」
　凛子の口の周りを指で拭きながら尋ねてみる。凛子は少し考えながら、「もっと前かな。」と答えた。
　もったいないな。こんないい身体、オナニーで持て余せておくのは・・・。
　そう思いながら、そっと右手を凛子の右胸にあてがう。仰向けなのに、形を崩さず上をむいているのが、若さを象徴していた。片手にすっぽりうまってしまうその乳房を、おわんを持つように包み込むとそっと揉みしだく。
「あん・・・。」
　突然の攻撃に、凛子は思わず声を漏らした。
　逆の手も同じようにして、両手で乳房の柔らかい感触を楽しんでいると、掌の中心にあたる乳首が、徐々に硬くなっていくのがわかった。
「アン・・・アァッ！・・・ハァン！」
　感じやすい体質なのか、凛子は絶え間なく切ない声を漏らし続ける。乳首を人差し指と中指の間に挟みながら、揉み続ける。完全に乳首が硬くなったところで、俺はそれを口に含んだ。
　チュパッ！チュパッ！
「アンッ！アンッ！」
　両方の乳首を交互に唇で吸い上げると、それに反応するように凛子も声を漏らした。
「気持ちいいの？」
　右の乳輪を舌先でなぞりながら尋ねると、凛子は身悶えしながら、わずかに頷いた。返事もできないほど感じているということか。
　そうなると、感じているかどうかが一番現れる場所を早く見てみたいという衝動に駆られる。
　はやる気持ちを抑え、舌を乳首から乳房の山を、回るようにして下り、脇の下へと滑らせる。さっき処理したばかりなのか、脇の下はツルツルとしている。舌で押してみると「んん・・・。」とくぐもった声を漏らした。
　そのまま舌を脇の下を通り、再び上へあがり、キュッっと陥没したヘソを舐め、左のふとももへと這わせていき、太ももの真ん中あたりで、一度動きをとめる。
　目の前にあるはずの茂みは、凛子の白く華奢な掌によって隠されている。その手をそっとわきにどけようとしたが、抵抗する様子はみられない。
　あらわになった凛子の茂みは、すでに乾いていた。やはり薄いようで、地肌が透けて見える。
　俺はゆっくりと凛子の脚を広げようとした。わずかに抵抗があったが、心から嫌がっての抵抗でないことはわかる。すぐに力は抜け、両足は膝を立てるようにして大きく広げられる。
　ずっと閉じられていた太ももは、まだ風呂上りの熱気を保っており、俺はもわっとした暖かさを感じながらそこへ顔を沈めていった。
「いやっ！恥ずかしい！」
　俺の視線が向けられていることに気づき、凛子は再び手で隠そうとするが、それを制しじっくりと眺める。
「きれいだよ。リンちゃん。」
　肌の白さより一段階くすんだ色をしているそこには、鮮やかなサーモンピンクの花びらにつつまれた蜜壺がわずかに口を開いている。指でそっと花びらを広げてみると、中も綺麗なサーモンピンクをしていた。
　やはりすでに濡れているようで、中に溜まっていた愛液がトロリとこぼれそうになる。俺は慌てて舌をあてがうと、ジュルルと音を立てて吸い取った。
「アァァ！！」
　凛子は、与えられた刺激と恥ずかしさで、腕で顔を覆うようにしながら、ピクンと腰を浮かせる。
「とっても美味しいよ。」
　わずかにしょっぱい味のする愛液を舐めながらそうささやきかける。浴室で清められたそこは、さっき下着が放っていた匂いの影はなく、まさに「綺麗」そのものであった。
　俺は、花びらを一枚一枚丁寧に舐め上げると、次々と愛液があふれ出る泉に舌を差し入れた。
「あうぅっ！」
　凛子は、たまらなくなったのか、脚をキュッと閉めようとする。俺はそれを手で抑えると、泉の水をかき混ぜるように、蜜壺の中で舌を暴れさせた。
「アッ！ダメッ！イイッ！」
　今度は舌を抜き出すと、クリトリスの捜索にあたる。しかし、硬く勃起したそれは、いとも簡単にみつけることができ、そのまま舌で転がすように愛撫を加えた。
「アッ！アッ！アッ！ダメッ・・・ダメェ！！ソコ・・・イヤァ！」
　やや遠慮がちだった凛子の喘ぎ声が、ここにきて大きくなる。彼女の心の中でも、ついに安全装置が外れたのか。もっと声を聞かせて欲しい。
　俺は舌先で、細かくチロチロとクリトリスを刺激した。
「アァァァァ！！」
　凛子は大きく叫びながら、俺の頭をクシャクシャとかきまわした。
　今度は舌を再び割れ目まで下げ、さらに下っていく。キュッとしまったアナルを舌先でつつき、再び同じ道をクリトリスへ向かって帰る。そんな往復を何度か繰り替えす。
「ンァ・・・ハウッ！・・・アン！アァッ！！」
　凛子が、舌の動きに声と腰の動きで反応する。ゆっくりとした動きにややじれったさを感じたのか、腰が物欲しそうにうねる。
　―――凛子は欲しがっている。今更確認するようなことでもなかった。すでに凛子の股間は、とめどなく溢れ出す愛液で、蜜壺や花びらだけでなく、アナルやお尻までもがヌルヌルになっていた。
　入れ時だな。そう思い、ゆっくりと身体を起こそうとしたとき、サイドデーブルの上之電話が、寝室内に鳴り響いた。
ピロロロロロ、ピロロロロロ
　電子音とともに、電話機のランプた点滅する。
　俺と凛子は、反射的に身体を起こしたが、そのままの姿勢で止まってしまった。
「どうしよう。」
　不安な表情をうかべ、横目で電話機を見る凛子に俺はやさしく微笑みかけた。
「大丈夫だよ。出て。」
　凛子は小さく頷くと、すっと手を伸ばしコードレス電話を持ち上げ耳にあてた。
「はい。橘です。」
　凛子は迷うことなく俺と綾子の姓を名乗る。ここは俺と綾子の家だし、携帯電話を持っている凛子宛に家に電話がかかってくる事はほとんどないので、「橘」で出るようにしている。
「あ、お姉ちゃん！」
　少し間があってから、凛子がそう口にした。必死にあせる気持ちを抑えようとしているようだが、俺には手にとるようにわかった。綾子は感じ取っただろうか。
　そんなことを思いながら、コードレス電話の親機に付いているスピーカーのスイッチを入れる。これで、こちらの声は受話器からしか伝わらないが、向こうの声はスピーカーを通して聞くことができる。
『今日は金曜なのに早いのね。』
　スピーカーから聞こえる声で、確かに電話の相手が綾子であることがわかった。
「わ、私だって別にそんなに遊び歩いてるわけじゃないよ。」
　凛子は、若干落ち着きを取り戻したのか、少しふてくされた声をだす余裕ができてきた。
『ハイハイ。で、夕飯はどうしたの？ちゃんと食べた？』
　俺はそっと手を伸ばし、凛子の濡れた股間をまさぐった。
「っ！！！」
　凛子が、思わずでかかった声を必死に飲み込む。
『どうしたの？』
　綾子が不思議そうに尋ねた。
「う、ううん。なんでもない。ゆ、夕飯ね・・・うん。食べたよ。」
　震える声で答えながら俺を睨む凛子に、悪戯っぽい笑顔を返し、指を蜜壺の中へ沈めていく。
『食べたって、何食べたの？まさか、私がいないからってお寿司とかとったんじゃないでしょうね？』
　電話の向こうで、綾子がそういう。おそらく綾子も悪戯っぽい笑顔を浮かべているのではないか。
「ちっ・・・ちがうよ・・・。その・・・・くっ・・・ちっ。チャーハン。」
　俺は、手加減しながらも、凛子の熱い膣中で指をクニクニと動かした。凛子は、空いている手で俺の手首を抑えながら身体をよじらせ、やっとのことで「チャーハン」という単語を口にした。
『チャーハン？リンが作ったの？』
　俺はそっと音を立てないように指を動かすが、大量に溢れ出た愛液が指にまとわりつき、たまにクチュックチュッという音が漏れる。
　凛子は硬く目を閉じぎゅっと堪えている様だ。
『リン？どうしたの？もしもし？』
　綾子は、返事を返さない凛子に容赦なく呼びかける。俺は仕方なく指の動きを一度止める。凛子は、いつまた動き出すともわからない指に怯えながら口を開いた。
「うん。その・・・おにいさんが作ってくれたの。」
『やっぱり。あのねー、リン。あなた少しは料理くらいできるようになったほうがいいわよ。いつまでも居候ってわけにはいかないでしょ？それに行く行くは・・・』
　綾子が小言を言い出した。しばらく続きそうなので、俺は指を一本増やし少し強引に膣中を掻き混ぜる。凛子はたまらず倒れこみ、顔から受話器を離すと、手で口を覆った。
「ンッ・・・アッ・・アァッ！！」
　凛子の指の間から、くぐもった喘ぎ声が漏れるが、おそらく綾子にまでは届いてないだろう。スピーカーからは、凛子に対する小言が続いている。
『・・・―――聞いてるの！？』
　不意の問いかけに、凛子は慌てて受話器を近づける。
「ウンッ！」
　返事とも喘ぎ声とも取れる声を返し、再び受話器を離す。
『どうしたの？あんたさっきからなんか変だよ？』
　綾子が疑いだしたので、俺は指の動きを止めた。膣内から抜くことはなかったが。
「ち、ちょっと風邪気味なだけ。大丈夫だよ！」
　凛子は、慌てて平静を装う。
『風邪？大丈夫！？』
「うん。心配いらないよ。それより、用がないなら切るよ！いいね？」
　凛子は、少し声を荒げてそういった。彼女はもはや、平静ではなく乱れることを望んでいる。その証拠に、ピタリととまった指に腰をくねらせおねだりをしている。
『コラッ！あんた、私たちの愛を壊す気？』
　綾子は、突然そんなことを言い出した。凛子は身体を硬直させ青ざめた顔をしている。
「な、なにいってるの？そんなことするわけないじゃない。」
　凛子は、裏返りそうな声でそういった。
『だったら、秀和に代わってよ。あんたはオマケよ。オマケ。』
　綾子は、電話の向こうで笑いながらそう言った。
「あ、そ、そうだよね。ごめん。私ったら・・・。い、今代わるね。」
　凛子は、慌ててそう言うと、受話器の保留ボタンを押した。某テーマパークのテーマソングが流れ出す。
「ば、ばれたらどうするんですか。」
「最後のほうは、リンちゃんだって求めてたろ。」
「そ、それは・・・。」
　チュッ。
　俺は凛子に軽く口付けすると、受話器を受け取り、通話ボタンを押す。
「もしもし。綾子か？」
『秀和、お仕事お疲れ様。』
　綾子の声が再びスピーカーから聞こえるが、さっきより甘くやさしい声になっている。
「綾子もね。どう。うまくいってるの？」
　俺はそういいながら、ベッドの縁に身体をもたれかけて、両足を投げだす。脇では凛子がちょこんと座って、俺を見つめていた。
『うん。さっき終わって今ホテル。今のとこ順調だから明日の夜には帰れそう。』
「そっか。それはよかった。」
　俺は、凛子に目配せすると、自分の股間を指差した。明らかに盛り上がったそこを見れば、意図することはわかるはずだ。
　凛子は少し迷ってから、静かにスラックスのベルトをはずしにかかった。
　しばらく、綾子の今日の出来事を聞いているうちに、凛子は、俺の下半身からスラックスとトランクスを抜き去り、抑圧から解放され高々と天を突く肉棒に、そっと手を添えていた。
　意外に手馴れているのに驚いていると、凛子は二、三度肉棒をしごいてから、それをすっぽりと口で包んでしまった。
　―――さっきの仕返しをするつもりか？
　そんなことを考えていると、綾子が改まった声で呼びかける。
『ねぇ、秀和・・・。今、どこにいるの？』
「寝室だよ。リンちゃんなら、部屋にいるみたい。」
　綾子が聞こうとしてることを察し、答えてやる。だが凛子は今、俺の股間に顔をうずめ、肉棒を口いっぱいに含み、ゆっくりと出し入れしている。
『秀和と、離れて夜を過ごすなんて、久しぶりだよね。』
「あぁ、そうだな。結婚してからは、ずっと一緒だったしね。」
　凛子は、口の中で舌を器用に使い、肉棒に絡めたり、舌先で裏筋やカリをつついたりする。
　思わず声がもれそうになるが、咳払いでなんとかごまかす。
『寂しいなぁ。』
　綾子が、溜息交じりの艶っぽい声でこぼす。俺もハァと息をついたが、それはため息ではない。
「股間が寂しいの？」
　足の指で凛子の股間をいじりながら、そんなことをいってみる。綾子はクスクスと笑った。
『秀和のエッチ。アナタこそ寂しいんじゃないの？』
「そんなことないよ。ベッドにはまだ綾子のぬくもりが残ってるからね。昨日はいっぱいしたしね。」
　ベッドには確かに、わずかにぬくもりが残っていた。しかし、それはすでに新しい熱によってかきけされている。
『ヤンッ。そんなこといって、一人でシテるんじゃないでしょーね？』
「ばれたか。実は今しごいてるところ。」
　俺は笑いながら冗談のように返す。確かにしごいている。だがしごいているのは、俺の手ではなく凛子の手だ。舌や唇も添えられている。
　凛子は、片手で玉袋を揉みしだきながら、肉棒の裏筋にツーッと舌を這わせ、先端にキスをした。
たまらず先端からにじみ出た液体を、舌先で舐め取りながら、肉棒をしごき、玉袋を揉みしだくという動作を繰り返した。
『バカッ！』
　凛子はそう言って苦笑してから、少しの間沈黙した。
　静かな部屋に、チュッチュッという音が響く。凛子は自分で出していた音が、思いのほか大きかったことに慌て、キスをやめ再びパクリと根元まで咥えこむ。
『・・・ねぇ。明日帰ったら、今日の分もいっぱいしてね。』
　綾子が、受話器の向こうからセックスをせがむ。凛子はどんな顔をしているのだろうと気になったが、聞こえないフリをするかのように、一心不乱に顔を上下させている。
「今日の分は、昨日すませたんじゃなかったっけ？」
　手を伸ばし、凛子の前髪をかき上げる。クリッとした瞳がこちらを見上げた。
　いつも見慣れていたただの義妹が、今自分の肉棒を一心不乱にしゃぶっている。しかも、最愛の妻、彼女にとっては長年慕ってきた姉の声を聞きながら。
　この異常な状況に、興奮はピークに達し、今すぐにでもイキそうになるのを必死に堪えた。
　それは凛子も同じなのだろう。そのまま飲み込んでしまいそうな勢いで肉棒をしゃぶりながら、自分の股間をいたずらしていた俺の足の指に押し当ててくる。
『昨日だけじゃ・・・足りなかったみたい。』
　綾子が、少し間をおいてから答えた。もしかしたら、綾子もまた電話の向こうで自らの手によって官能の世界に酔いしれているのかもしれない。
「わかったよ。明日帰ってきたらたっぷりしてあげるから、今夜はもう休みな。疲れてるだろ？」
　これ以上の電話が苦痛に思えてきた。身体をビクンビクンとはねさせると、凛子はうれしそうに笑い、再び肉棒への愛撫を続ける。もういつ爆発してもおかしくなかった。
『うん。わかった。じゃあまたね。おやすみ。愛してる。』
　綾子は素直に了承したようだ。最後の『愛してる』の言葉に罪悪感が沸いたが、今の俺にとってはもはや興奮材料のひとつでしかない。
「あぁ、おやすみ。愛してるよ。」
　受話器を置くとともに、限界がきた。
「あぁ！うあぁ！！」
　俺はうめき声を漏らしながら、凛子の口の中にたまっていた全ての熱いものを一適残さず吐き出した。その中には罪悪感も混じっていただろう。