５．

「でも、奈緒ちゃんの方も見てみたいわ」
「えっ‥‥？」
「良雄さんとしているところよ」
「そ‥‥そんな‥‥」
「ね、いいでしょ。どうしたら気持ちよくなれるか教えてあげたいし」
「‥‥」
「それに‥‥」
「それに？」
「私たちのこと、良雄さんにも覗かれちゃったんでしょ？　ちょっと癪だから仕返しかな」
　美樹は笑顔を崩さずに言う。
　言われてみればそうだった。良雄も、美樹の秘め事を覗いていたのだ。これまでの体験が、あまりにも強烈だったので、そこまで気がつかなかった奈緒だった。良雄はどんな気持ちで美樹達を覗いていたのだろう？　そう思うと、胸の奥がチリチリと痛む。良雄も美樹も自分のものにしたい。思いもよらぬジェラシーというのだろうか、心にさざ波が立つような気持ちに、奈緒は自分の欲望の深さを知った。と同時に、わがままな自分が恥ずかしくも感じる。
「良雄さん、きっと今夜も奈緒ちゃんのこと求めてくるわよ。どうする？」
　奈緒はどう答えていいのか分からない。
「奈緒ちゃん、私のこと信用してくれるって言ったわよね？」
「わ‥‥わたし‥‥どうしたらいいか‥‥」
「分かるわ。まだ若いんだもの。だから、私に任せて」
　奈緒はうなずくしかなかった。

　テラスで豪華なバーベキューがはじまった。
　皿に盛られた高級そうな牛肉などに良雄は目を丸くしている。
　プシュッと缶ビールのプルトップを開ける音が宴の合図のように響く。
「かんぱ〜い！」
　忠雄が音頭を取り、美樹が金串に刺したソーセージを焼きはじめる。
「肉だぁ〜っ！」
　良雄が金網の上でジュージューと音を立てている肉に歓声を上げる。
「まったく、欠食児童だな。食いモン見ると目の色変えやがって」
「あにきぃ、それって死語」
　こんどは美樹が声を立てて笑った。
　奈緒は、この雰囲気の中へ飛び込んでいく勇気が起きず、曖昧な笑みを浮かべているだけだった。隣ではしゃいでいる良雄が自分の処女を奪ってしまった、それなのに、すぐに美樹に抱かれてしまった。それぞれに感じてしまった自分の身体が恨めしいというか、恥ずかしくて、まともに二人の顔を見ることができないのだ。

「奈緒ちゃん、どうしたのかな。元気ないね。気分でも悪いの？」
　用意された食材が、あらかた無くなったとき、いつもより口数が少なく、心ここにあらずといった感じの奈緒に、忠雄が心配そうに声をかける。
「だって‥‥ねえ‥‥」
　美樹が不思議な微笑みを浮かべて奈緒を見つめる。
「えっ？　何なんだよ」
「私たち、お昼にお風呂でしていたとこ、二人に覗かれちゃったのよ。それに‥‥」
　想像もしていなかった美樹の言葉に、大きく目を見開いたまま、奈緒は金縛りになってしまった。
「なんだ、見られてたのか。で、どこから？」
「東屋にいたんですって」
「あんなところからじゃ、よく見えなかったんじゃないか？」
「だって、良雄さんと二人でいたのよ」
「ということは‥‥良雄！　おまえ‥‥」
「う‥‥うん‥‥」
　まだ肉を頬張ったままの良雄がうなずく。
　もう、奈緒は三人が何を話しているのか理解ができなかった。
「そうか、でかした！　おめでとう。これで奈緒ちゃんも俺たちの家族に仲間入りってワケだ」
（か‥‥家族‥‥って‥‥）
　美樹と一緒にお風呂に入ったときも「家族」って言われた。でも、いくら家族だからといって、恥ずかしいものは恥ずかしい。それに、あんなこと本当の家族にだって話せない。それなのに、良雄も平気な顔でいる。
　本格的に奈緒は何がなんだか分からなくなってしまった。
「奈緒ちゃん、うちはね、隠し事をしない主義なんだ。それに、楽しいことも悲しいこともみんなで分かち合うことにしているんだ。だから、見られたって恥ずかしくはないんだよ。見たかったら言ってくれればいい。二人が気持ちよくなるためのいろんなことを教えてあげるのも年長者の務めだしね」
　忠雄は奈緒の瞳を見つめながらゆっくりと言った。そして、美樹の方を抱き寄せる。
「男と女はね、気持ちよくなれるようにできてるんだ。でも、やり方次第で気持ちよさがずいぶん違うんだよ。どうせなら、思い切り気持ちよくなった方がいいだろう？」
「あなた‥‥女同士でも気持ちよくなれるのよ。ね、奈緒ちゃん」
　あまりのことに、息をするのがやっとなくらい、奈緒は混乱してしまっている。
「なんだ。じゃあ、仲間はずれは俺だけじゃないか」
　忠雄は笑いながら、美樹のTシャツを脱がせはじめる。
「ここじゃ四人だけなんだから、恥ずかしがらなくてもいいんだよ。せっかくの機会なんだから」
「奈緒ちゃん。ちゃんと見ててね。約束でしょ」
　美樹の潤んだ目で見つめられ、そう言われると、奈緒は催眠術にかかったように、微かにうなずいた。
　美樹と忠雄は、お互いに来ているものを脱がせ合い生まれたままの姿になった。
　奈緒の目が忠雄の屹立に釘付けになる。
　あのとき、自分を挿し貫いた熱いものの正体が間の前にあった。血管が浮き上がり先端が紫色がかった屹立は、見ようによってはグロテスクに感じるかもしれないが、雄々しいといえば、それ以上のものはないように思える。奈緒は不思議と嫌悪感を覚えず、むしろ美しいとさえ思った。
（あんなのが、ほんとうにあそこに入っちゃうのかしら）
　見ているうちに、だんだんと呼吸が荒くなってくる。
　気がつくと、美樹が目の前にいる。
「奈緒ちゃん。見ててね」
　美樹は奈緒の手をとってささやく。
　忠雄が美樹の背後に立ち、両手をバストに回しながら首筋にキスをする。
「あん‥‥」
　軽く喘いだ美樹は、しっかりと奈緒の目を見つめる。
（あのときと同じだ‥‥）
　良雄は初めての晩を思い出していた。
「二人とも、しっかり見てるんだぞ。暗くてジメジメしたセックスなんかクソ喰らえだ。こんなに気持ちよくて、いいものなんだからな」
　言葉とは裏腹に、忠雄の指は美樹の肌を隠微に這い回っている。
　感じるポイントに指がさしかかると、美樹の表情が険しくなり、甘いため息が漏れる。奈緒には分かる。美樹が、どんな風に感じているのかが。
　忠雄の手が柔らかな茂みを覆い隠すように美樹の股間に伸び、その指が妖しく動いている。美樹はヒップを押しあてるようにして反応する。
「す‥‥すごい‥‥感じる‥‥見られてると感じるの‥‥」
　美樹は、奈緒の手を握ったままだ。
「お‥‥おねがい‥‥奈緒ちゃん‥‥キスして‥‥」
　シュールな現実に判断力を失ってしまった奈緒は素直に従う。
　唇が重なったとき、奈緒は蜜壺が熱く溢れてくるのを感じて呻く。
　美樹の手が背中にまわりブラジャーのホックが外されても、奈緒は自分が何をされているのか分からないほど興奮していた。気がつけば、上半身は裸でジーンズのミニスカートも足下にまとわりついているだけだった。
　バスト同士がふれあう柔らかな感触、乳首の先端が熱を帯び、そこからジンジンと甘い官能が蜜壺まで拡がっていく。ときおり、美樹を愛撫する忠雄の手の甲が奈緒の敏感な肌を刺激する。
「んっ‥‥んっ！‥‥」
　美樹に抱きしめられ、唇をふさがれているので声にならない。
　やがて、美樹のしなやかな指がヒップの割れ目をなぞるように降りてきて、蜜壺に滑り込んできた。
「んんっ！　ん！」
　奈緒は身をよじらせて悶えた。その勢いで、美樹の股間を愛撫している忠雄の手の甲が恥丘にあたる。忠雄は意識して、奈緒の股間を前から刺激するよう指を動かす。
　いつの間にか服を脱いで全裸になった良雄が、奈緒の後ろにひざまずいてショーツを脱がしはじめていた。そして、奈緒の白くて丸いヒップにむしゃぶりつく。
　やがて、脚を広げられ、内腿から蜜壺にかけて良雄の舌が這いはじめる。
　そのころには、もう、奈緒は誰が何をしているのかなど分からないまま、立っていられるのが不思議なほど全身が溶けてドロドロになってしまったみたいに感じていた。
　蜜壺には良雄の長い舌が差し込まれ、忠雄の無骨な指がクリトリスを愛撫している。おまけに、アヌスには美樹の中指が第一関節あたりまでだが侵入してきて微妙に動いている。それに、美樹が身体をずらして、忠雄が奈緒の乳首を口にふくませるのに協力していた。
　立ったまま、奈緒は何度もオルガスムスを迎えていた。
　いや、立っているというのは正確な表現ではないだろう。三人が奈緒の身体を支えているだけだ。
　ついに、奈緒は激しく痙攣して、ぐったりとなってしまった。軽い失神状態になってしまったらしい。美樹は奈緒の身体を抱きとめて言った。
「あなた。奈緒ちゃんをリビングのソファーに運んであげて。それから、良雄さん。黒いバッグの中にコンドームがあるから持ってきて。奈緒ちゃんは私と違ってピル飲んでいないんだから注意しなきゃだめよ」
　良雄は速攻でバッグを開けてコンドームの箱を取り出している。
　忠雄は奈緒を横抱きにしてソファーに寝かせる。
　美樹はソファーの傍らにひざまずいて、荒い息をしている奈緒の額にへばり付いた髪を払うように撫でる。
「奈緒ちゃん。私たちは家族以上の家族になるのよ。いいわね？」
　まだ官能から醒めていない奈緒の瞳に若干の怯えが走る。
　そのときにはコンドームを装着した良雄がソファーの上に上がってきていた。
　美樹は良雄の屹立をやさしく握ると、奈緒の蜜壺に導く。良雄が腰を動かすと、滑り込むように屹立が飲み込まれていく。
「ああ〜んっ！」
　考える間もなく身体を満たされた奈緒が高く甘い声を上げた。
　良雄の腰が規則正しく動きはじめる。
「あっ、いやっ‥‥あんっ、あんっ‥‥」
　動きにあわせて漏れる声を封じるかのように、美樹はふたたび奈緒と唇を重ねる。その右手は硬くなった乳首を愛撫している。そして、奈緒の股間に忠雄の浅黒い手が伸びてきた。その指は波打つように動く腰を巧みにとらえ、奈緒のクリトリスを的確に愛撫していた。
　身体中の性感帯を責められ、奈緒は身をよじるようにして激しく悶える。
　ときおり、跳ねるように背中をのけぞらせ、つま先まで一直線になるくらい硬直して痙攣することを繰り返している。汗が滲んだ肌はピンク色に上気している。
　いつの間にか、忠雄は空いた手で奈緒のバストを愛撫しながら、その頂を口にふくんでいる。もちろん、クリトリスへの愛撫はやめていない。
　良雄の律動が、ますます早く、激しくなる。
「い、いやぁ〜っ！　ああ〜んっ」
　美樹の唇が首筋へ移動すると、絶叫とも言える喘ぎ声が、奈緒の口からほとばしる。
「だ‥‥だめぇ‥‥こわい‥‥もう‥‥ど、どうにかなっちゃう‥‥いやぁ〜っ！」
　奈緒は、そう叫ぶと、板バネが弾けるように全身を一直線にさせて硬直し、ブルブルと痙攣した。
　蜜壺の内部も収縮し良雄のものを締めつける。
「奈緒ちゃん！」
　良雄も叫んで精を放った。ドクッ、ドクッと、それは長く続き、目の前が真っ白になるような快感に、良雄は思わず身体を震わせる。
　いくらゴム越しとはいえ、内部に熱い奔流を感じた奈緒も、絶頂の上の絶頂を感じて呻き、最後には崩れ落ちるように脱力してしまう。
「あなた。来て」
　我慢できなくなった美樹が懇願すると、忠雄は美樹の後ろにひざまずいて力強く挿入した。両手で腰骨のところをホールドして、杭打ち機のように激しいピストン運動をはじめる。
「ああっ！　いいっ‥‥あっ、あんっ！」
　果実のように垂れ下がったバストを揺らしながら美樹が喘ぐ。
　肉を打つ隠微な音がリビングに響く。
　美樹の手は、その律動を伝えるように奈緒の蜜壺をまさぐっていた。そして、舌は乳首を彷徨っている。美樹は喘ぎながらジリジリと前へ進み、まだソファーの上で横になっている奈緒の上半身を抱きしめる。
「ああっ、いいっ！　あなた‥‥もっと‥‥」
　意識を失うのではないかと思うくらい激しいオルガスムスから醒めきっていない奈緒は、のしかかってきた美樹の背中へ無意識に手をまわしていた。
「ああ‥‥奈緒ちゃん‥‥うれしいわ‥‥」
　激しい抽送のリズムが美樹の身体を経由して奈緒に伝わる。
「あ、あなた‥‥わたしを‥‥奈緒ちゃんと一緒に‥‥床におろして‥‥」
　美樹がそう言うと、忠雄の逞しい手が奈緒の首と腰の後ろへ差し込まれ、ゆっくりと床へおろされた。柔らかな絨毯の上で奈緒は膝を立てて横たわり、その膝の間に美樹の腰が割って入り、ふたりの上半身はぴったりと重なり合った。
「奈緒ちゃんの身体って‥‥とっても気持ちいいわ‥‥ああっ！」
　美樹の言葉が終わらないうちに、忠雄は腰を打ち付けるように後ろから挿入した。そして、今まで以上のスピードで抽送を開始する。
「ああっ‥‥す、すごい‥‥こんなのって‥‥いくっ！‥‥もう、いっちゃう！」
　美樹が絶え絶えに叫ぶ。
　美樹の痙攣が奈緒に伝わる。まるで、自分の中へ忠雄のものが入っているよう錯覚して、奈緒も呻き、美樹の唇を求める。しかし、忠雄の抽送は終わっておらず、思うようにキスができない。
「あなた‥‥もう‥‥堪忍して‥‥ああっ、だめ！」
　ふたたび美樹の身体が硬直する。
「お、おねがい‥‥もう‥‥助けて‥‥これ以上は‥‥死ぬ‥‥死んじゃう！」
　背中をのけぞらせ絶叫する美樹。
「お、おねえさま‥‥」
　奈緒は、美樹の背中を両手で撫で続けていた。
「ああっ！　奈緒ちゃんと一緒だと‥‥感じ過ぎちゃう‥‥またよ‥‥助けて‥‥いやぁ〜っ！」
　美樹が恥骨の膨らみをあそこへグイグイと押しつけてくる。だから、奈緒もジンジンと蜜壺が疼いてくる。
「おねえさま‥‥わたし‥‥どうしたらいいの‥‥」
「だったら‥‥私の代わりに‥‥おねがい‥‥」
「ええっ‥‥！？」
「良雄！　いいな」
　忠雄は抽送のスピードを緩め、三人の絡みを呆然と見つめていた良雄に声をかける。
「マジ？！」
　良雄はうろたえて二の句が継げないでいる。
「あなた‥‥それじゃ、良雄さんが可哀想。良雄さん、こっちへ来て‥‥そう‥‥ここにひざまずいて‥‥」
　操り人形みたいなぎこちない動作で美樹と奈緒の傍らに良雄が膝をつく。
　美樹は、まだ被さっているコンドームを外すと、もう元気になっている良雄の屹立を撫でる。
　精液でテラテラと輝く肉棒を、奈緒は息を飲んで見つめる。こんなのが、さっきまで自分の中に入っていたのだと思うと信じられなかったが、同時に愛おしさも覚える。
「奈緒ちゃんも‥‥ほら‥‥こうするのよ‥‥」
　荒い息の中で、美樹は奈緒の手をとって良雄の屹立に添えさせ、手本を示すために奈緒の手の上から握ってしごきはじめる。
「ううっ‥‥そ、そんな‥‥」
　二人の女性に、同時に愛撫され、その刺激で良雄のものは一気に硬くなった。
「きゃっ」
　その変化に奈緒は小さい悲鳴を上げる。
「大丈夫よ。これは男の人がよろこんでる証拠。奈緒ちゃん、ちょっとだけ良雄さんを貸してくれる？」
　奈緒は訳も分からず頷く。
　その返事を確認した美樹は、奈緒の手の上から肉棒を握ったまま、その先端を口にふくんだ。
「ね、義姉さん‥‥」
　美樹はわざと見えるように、舌を亀頭に絡ませる。
　それを見ていた忠雄が律動を早める。
　奈緒は、また三人から離れてしまうような気がして、必死で良雄の屹立を握り、空いた手で美樹の背中を引き寄せる。
　その反応を見て、美樹は口を離し、奈緒の目を見て言った。
「奈緒ちゃん。ちょっとだけ交換よ。いいわね？」
　美樹の言葉が何を意味するか奈緒は承知の上でうなずいた。誰のものでもいい、自分の身体を満たして欲しかったし、美樹にくわえられている良雄への嫉妬みたいな気持ちもあった。それに、この三人と一体になりたいという気持ちも強かった。このシチュエーションの中で、恥ずかしいとか、道徳みたいな観念が吹っ飛んでいたせいもあるだろう。
　次の瞬間、狙いをすましたように忠雄の肉棒が侵入してきた。
「あうっ！」
　すべてを忘れて、奈緒が悦びの声を上げる。
「奈緒ちゃ〜ん‥‥」
　兄に挿し貫かれて喘ぐ奈緒を見て、良雄は何とも言えぬ複雑な気持ちになり、奈緒の名を呼んでいた。
　奈緒は官能に浸っているとき独特の遠くを見るような眼差しで良雄の顔を見て、屹立を握っている指に力を入れる。そのとき、忠雄の抽送がはじまった。
「あっ‥‥あんっ‥‥あんっ‥‥」
　悶える奈緒の上には美樹が跨り良雄の屹立をくわえている。四人の官能がオーラのようにリビングを満たしていく。そして、四人ともその雰囲気に飲み込まれ、競うように肉欲をむき出しにしていった。
　忠雄は交互に美樹と奈緒を犯し感触の違いを楽しみはじめる。
　美樹と奈緒の喘ぎがハーモニーとなって響く。
「兄貴ぃ‥‥ずるいよ‥‥」
　良雄が不平を漏らすと忠雄はニヤリと笑う。
「もうちょっとしたら替わってやるから待ってろ」
　忠雄が抽送のスピードを速める。
　美樹と奈緒は抱き合ってお互いに愛撫しあっている。
　良雄はただ見ているしかなかった。それでも、忠雄が奈緒の乳首を愛撫しだしたのを見て我慢できなくなり、這うようにして美樹と奈緒の間に顔を突っ込む。そして、二人のバストの感触を堪能する。
　まるで天国にいるような気がした。
　どちらかというと、若い奈緒の方が張りがあって弾力に満ちた感じだったが、しっとりと吸い付くような美樹の肌の感触も最高だった。ピンクというよりかは赤みを帯びた奈緒の乳首は野イチゴのようだ。ツンと尖った感じの美樹の乳首と交互に口にふくみ舌で転がす。
　そうしている間も、忠雄は２０ストロークくらいの割合で二人の蜜壺を渡り歩いている。だんだんとスピードが速くなり、ついに奈緒の中に入ったままラストスパートをかけだした。
　その動きに会わせて、奈緒が高い声で喘ぐ。
　すると、美樹が身体を起こし、奈緒のクリトリスを軽いタッチだが猛烈な早さでこすりはじめた。横方向の指の動きが見えないほどだ。
「あっ‥‥だめっ‥‥そんなにしたら‥‥ああっ、いやぁ〜つ！」
　オルガスムスの激しさを物語るように叫びながら全身を痙攣させる奈緒。
「あなた、奈緒ちゃんはピル飲んでいないから‥‥」
「そうか、じゃあ口で終わらせてくれ」
　忠雄は屹立を引き抜くと仁王立ちになる。
　すかさず、良雄は身体をずらせて奈緒の上に乗った。
　続けて挿入された奈緒が悲鳴のような喘ぎ声を上げる。
「奈緒ちゃん、奈緒ちゃん‥‥」
　連呼しながら、良雄は夢中で腰を振り続けていた。
　傍らでは、美樹が忠雄のものをくわえて激しく首を動かしている。やがて、忠雄が呻き、美樹の喉がゴクリと音を立てる。奈緒は、その光景を薄く膜がかかったような意識の中で見ていた。なぜだか、肉棒をくわえている美樹が羨ましかった。
　奈緒は、自分では気付いていなかったが、しきりと唇を舐めている。そんな奈緒の方を向いて美樹は凄艶な微笑みを浮かべ、さっきの体勢と同じになるよう二人の間に割って入った。そして、ヒップで押すようにして奈緒の中に入っていた肉棒を抜いてしまう。
「ね、義姉さん‥‥」
「こんどはこっち」
　美樹は、奈緒の背中に両手を回してゴロリと寝返った。
「奈緒ちゃんも下ばっかりじゃ疲れちゃうわよ」
　そう言いながら、美樹は奈緒の脚を広げて自分の脚を間に入れM字に開いた。結果、奈緒はアヌスを突き出すような格好で良雄にすべてを晒すことになってしまった。
「す‥‥すげえ‥‥」
　濡れそぼった女性器が縦に並んだ眺めに良雄は息を飲む。
　奈緒のアヌスの美しさに良雄は目を奪われた。可憐というのだろうか、淡い色のすぼまりは、その機能とは別の不思議な魅力が感じられた。良雄は引き寄せられるように口を近づけて舌を差し入れるように這わせた。
　官能に支配された奈緒は喘ぎと痙攣で応える。
　美樹の指は、そんな反応を手助けするかのように、奈緒の敏感な部分を這いまわっていた。そして、良雄の唾液で潤った奈緒のアヌスへ、舌を押しのけるようにして指を滑り込ませる。
「は、はずかしい‥‥だめ‥‥ゆるして‥‥」
　奈緒の懇願を無視して、指は第二関節あたりまで埋まっていく。
「ああっ‥‥いや、いや‥‥」
　言葉では抵抗しながら、欲情しきった身体が応えてしまっている姿がいじらしい。
　美樹の指の動きを眺めながら、良雄は屹立を蜜壺にあてがい、ゆっくりと挿入を再開する。すると、美樹が片方の手で、さっきと同じようにクリトリスを愛撫しはじめる。
「あうっ‥‥そ、そんな‥‥」
　一気に登り詰めたらしく最後の方は言葉にならない。
「ああっ！　いやぁっ！」
　絨毯を掻きむしるようにして、奈緒は硬直する。背骨の線がくっきりと浮かび上がり、獣が吠えるときのように顔を前方へ向けている。そして、しばらくその姿勢を保っていたが、身体を震わせるとガックリと脱力した。
「良雄さん、私にもちょうだい」
「う、うん‥‥」
　同時に二人の女性と交わることに、何か言いようのない背徳と戦慄を感じ、良雄は生返事をして屹立を引き抜く。奈緒の愛液で濡れ光った肉棒を見ると、その感覚がいっそう強まる。しかし、最後は征服欲というか熱病のような欲望が良雄を支配し、腰の位置を下げて美樹の蜜壺へ挿入する。
　ヌルリという感じで良雄の屹立が収まる。
　美樹の内部は、奈緒のものと比べて筋肉質というか締めつけてくる感じが強い。
「ああ‥‥いいわ‥‥いっぱいになって‥‥気持ちいい‥‥」
　水泳の息継ぎみたいな切れ切れの言葉、その合間に締めつけてくる力が強くなり、それに対抗しようと良雄は尻の穴に力を入れて硬度を増そうとする。
「す、すごい‥‥素敵よ‥‥良雄さん‥‥ああっ‥‥」
　良雄が力を入れたまま律動を開始すると、美樹は余裕を無くして喘ぐだけになってしまう。それでも奈緒への愛撫をやめていないのだからたいしたものだ。
　良雄はしばらく美樹を責めていたが、律動の勢いで肉棒が抜けてしまったのを機に、ふたたび奈緒に挿入する。
「ああ〜んっ！」
　突然のことに悲鳴を上げる奈緒。
　まだアヌスへは美樹の中指が刺さったままだ。
　そんなところが感じるとは夢にも思っていなかった奈緒だが、美樹の巧みな指使いはアヌスを優しく揉みほぐし、むず痒いような快感を奈緒に与えていた。
　調子に乗った良雄は長いストロークで１０回ほど奈緒を責めると、こんどは美樹に挿入して感触の違いを楽しむ。愛液の粘度の違いだろうか、奈緒の内部はザラつく感じで気持ちよいし、美樹の内部は肉襞が絡みつくようで捨てがたい。
　贅沢といえば、これほど贅沢なことはないだろう。いつしか、良雄は交互に二人を挿し貫いていた。
　奈緒にしてみれば、美樹に感じるところを責められながら挿入を繰り返されるのだからたまったものではない。登り詰めたまま何度も果て、半ば意識を失っていた。そして、長く叫ぶと、ついに空中に浮かんだような感覚とともに身体の力が抜けてしまった。
「よ‥‥良雄さん‥‥奈緒ちゃんを休ませてあげないと‥‥」
　奈緒の変化に気がついた美樹が喘ぎながら言う。
「えっ？」
「これ以上は可哀想よ‥‥」
「う、うん‥‥」
「私も下になってて疲れちゃった。こんどは良雄さんが下になって」
「こう？」
　良雄が仰向けに寝ると、美樹は素早く跨って屹立を握りしめて蜜壺にあてがい、一気に腰を落とした。そして、自ら動きはじめる。それは肉棒を独占した喜びの舞だった。
　良雄は下から手を伸ばし、両方のバストを握りしめるように揉む。
　短い喘ぎを繰り返しながら髪を振り乱して美樹の舞は続く。
　いつの間にか忠雄がその後ろに立っていた。
「美樹。それだけじゃ満足できないだろう」
　不敵な笑いを浮かべた忠雄は腰を下ろし屹立を美樹のアヌスにあてがう。
「ああっ！　いいっ！　ああ〜っ！」
　絶叫とも言える声で美樹が喘ぐ。
　その声で薄目を開けた奈緒は目の前で繰り広げられている光景に目を見張った。一瞬、何が起こっているのか分からなかった。蜜壺の中に二本の肉棒が入っているのかと最初は思ったのだが、そうではなく、お尻の穴に忠雄のものが挿入されているのが分かったとき、信じられないという思いとともに妖しい感覚が秘肉を疼かせてしまったのだ。
「ああ、す、すごい‥‥あっ‥‥あっ‥‥もう‥‥だめぇ〜っ！」
　尋常ではない美樹の悶えぶりを見ていると、奈緒は無意識に自分の秘肉をまさぐっていた。
「ね、義姉さん‥‥いく！‥‥出ちゃう‥‥」
「俺もだ‥‥」
　男二人の動きが激しくなる。
「熱い！　溶けちゃう！」
　そして、その動きが止まり、二人が身体を硬くしたとき、美樹は今までにないような高い叫びをあげて痙攣する。
　その光景を見ながら奈緒も自ら果てていた。
　淫猥な匂いがリビングに充満していた。