後編．

　７時過ぎ、良雄は兄の部屋のチャイムを鳴らす。
「おっ、来たな」
　忠雄は早く帰っていたらしく、もう、酒が入っているのか上機嫌だ。
　美樹も笑顔で料理を並べている。
　そんな二人を、良雄はまぶしそうに眺めた。
　いつもの軽口が出てこない。無理もない。あのあと、もう一度ビデオを見返して、２発も抜いてしまったのだ。
　そんな良雄を見て、忠雄はニヤリと笑った。

　夕食を終え、美樹がダイニングテーブルに座ってリンゴを剥きはじめた。
　忠雄はマルボロ・メンソールに火をつけ、煙をゆっくり吐き出す。
「お前、ビデオ見ただろ」
　突然、忠雄が切り出す。
（バレてた‥‥）
　良雄は心臓が凍り付くようだった。
「どれ、見たんだ？」
　忠雄の方を見ると、ニヤニヤと笑っており、怒っている様子ではない。しかし、なにか言外の圧力を感じ、
「え‥‥っと、おなにいと‥‥あぬす、かな‥‥」
　良雄は、蛇に睨まれたカエルといった感じで、答えてしまっていた。
　話の内容を悟った美樹は、真っ青になって、ナイフとリンゴをテーブルに落としてしまう。
　ガッチャーンッ
　皿とナイフがぶつかる音がダイニングに響く。
「ご、ごめん。悪気はなかったんだけど‥‥」
　上着のポケットからカセットを取り出しテーブルの上へ置く。
　それを見て、美樹がブルブルと震えだした。ショックが大き過ぎるらしい。何も言えず、ただうつむいて座っている。
　相変わらず、忠雄はニヤニヤと笑ったまま、しょげている良雄と震えている美樹を交互に眺めている。
「さてと、そこで良雄に頼みがあるんだけどな」
　その声には、有無をいわさぬ迫力があった。
「一人で撮っていたんじゃ、アングルとかに制約があってな。少しマンネリだと思っていたところなんだ。かといって、赤の他人にカメラマンを頼む訳にもいかないし。ちょうど良かった。良雄、お前、カメラマンやれ」
「あ‥‥あなた‥‥そ、そんな‥‥」
「美樹。なに言ってんだ。お前も子供じゃないんだから、このままじゃ済まないことくらい分かるだろう。それに、お前、良雄のこと可愛いって言ってたじゃないか。どうせ、見られちゃったんだから、楽しまなくっちゃ損だぜ」
　恥ずかしさのあまり、美樹がシクシクと泣き出した。
「どうだ、良雄。お前も見たいだろう。ビデオなんかより、ずっといいぞ。えっ？！」
「‥‥」
　良雄は答えられなかった。
　忠雄は立ち上がり、リビングへ消えると、ビデオカメラを手にして戻ってきた。
「使い方は知ってるよな」
　良雄は声もなく頷く。
「じゃ、練習だ。スイッチを入れて」
　もう、言うことを聞くしかない。それに、これから起こることへの期待もある。良雄は液晶モニタのパネルを開け、カメラのスイッチを入れた。
　忠雄は美樹の後ろに立ち、優しく肩を撫でる。
　それを見て、良雄は反射的に録画ボタンを押す。
　忠雄は、赤く灯る録画ランプを確認すると、美樹の背後からうなじにキスをした。
「だ、だめよ。あなた。やめて、お願い」
　美樹は言葉で抗うものの、なすがままになって目を閉じる。忠雄の右手がブラウスのボタンを外し、上の方からバストめがけて滑り込んでいく。指先はブラジャーの中へ入っているようだ。その、動きを襟元の上から撮るため、良雄は二人に近づき、アングルを上げた。
　忠雄は、良雄の行動を見て満足げに頷く。しかし、すぐに脱がすようなことはせず、じっくりと乳首を弄んでいる。同時に耳朶を甘噛みしたり、うなじを舐め上げたりしている。どうやら、美樹を脱がす前に、徹底的に感じさせてしまうつもりらしい。その、手慣れた行為に、もう美樹は反応し始め、息遣いが荒くなっている。
「ああ、あなた。やめて。お願い‥‥恥ずかしい‥‥良雄さんが‥‥見てるから‥‥」
　かぼそい声で懇願する美樹を無視して、忠雄の右手がジーンズのボタンにかかった。左手はブラウスの上からバストを揉んでいる。
「だめよっ！　お願いっ！」
　美樹が身をよじって抵抗すると、忠雄は、左腕を脇の下にまわして強引に美樹を立たせる。こういったことに慣れている雰囲気だ。気がつけば、ジーンズのボタンは外され右手が薄紫のショーツの中へ入っていた。その指先が、ゆっくり、円を描くように動いている。
「やっ、やんっ」
　美樹の声が甘さを含んだものになっていく。
「どうだ。美樹。良雄の前で、こうされてる気分は」
「ああっ、お願い。良雄さん‥‥見ないで‥‥」
　美樹は、そう言うと、両手で自分の顔を覆った。
　しかし、それはかえって逆効果だったようだ。良雄は、美樹と目が合うと、少し後ろめたい気持ちになっていたのだが、そんな足かせがなくなった今、自由に動いて、好奇心の赴くまま見たいところにカメラを向ける。
　忠雄の方はといえば、器用に足の指を使ってジーンズの裾を引っ張って膝の辺りまで降ろしてしまっていた。
　中指と人差し指の間でクリトリスの部分をはさみ、ゆっくりと愛撫しているのだが、ショーツの上から見る限りでは、ただ撫でているようにしか見えない。でも、美樹の喘ぎ方は尋常ではない。たったこれだけで女は、こんなに感じてしまうものかと、良雄は驚嘆しながら、ローアングルから指の動きを追った。しゃがむと、パンパンに膨れ上がった股間がつらい。
「良雄、お前、女の経験は？」
　良雄は、無言で首を振る。
「じゃあ、これから、女の扱いを教えてやる。ついてこい」
　忠雄は、軽々と美樹を抱き上げ、足にまとわりついてたジーンズを投げ捨てると、寝室へ入っていく。そして、全ての明かりを点けたあと、美樹をクイーンサイズのベッドに横たえる。
　まだ、美樹は顔を覆ったままだ。
「まずは乳首からいこうか」
　ブラウスのボタンが全部外され、ブラジャーのフロントホックに手がかかったとき
「お願い。もう許して。これ以上は‥‥もう‥‥」
　美樹が涙声で懇願する。
「そんなこと言うと、この場でお仕置きだぞ。いいんだな。それとも、良雄の目の前で、お仕置きをして欲しいのか」
「そ‥‥そんな‥‥」
　ついに、美樹は抵抗する気力を失ったらしく、ぐったりと四肢の力を抜いた。
　すかさず、忠雄はホックを外し、バストをあらわにする。
　ゴクッ
　良雄が生唾を飲み込む音が寝室に響いた。
「そんなに焦るな。まだまだ、これからだぞ」
　忠雄が余裕たっぷりの笑い顔で言う。
「女の身体を扱う基本はやさしさだ。いきなり手荒く扱うのは禁物、分かるな」
　つい、頷いてしまう。
「よーし。敏感な部分を触るときほどそうだ。例えば、こんなふうにな」
　忠雄の無骨な指が、乳首のまわりを這い回るように動く。五本の指全てが連携して、勃起した乳首に連続して触れていく。タッチはあくまでソフトだ。それだけで、美樹の身体がビクンと震え、「ヒュッ」と息をのむ音が聞こえる。
　しばらく続けていると、肌が桜色に上気してきた。息遣いも荒い。きっと、声が出るのを我慢しているに違いない。つられて、良雄も肩で息をするようになってしまった。
「口でするときも一緒だ。こうやって、舌先で転がすように‥‥」
　忠雄は、空いた方の乳首に舌を這わせる。
「やんっ‥‥」
　耐えられず、美樹が反応する。
「噛むときも、こんなふうに、やさしく、だ」
　軽く歯をあてるようにして、舌先で先端を刺激すると、美樹は太ももをすり合わせるようにして悶えはじめた。
「ふふふ、今日は一段と感じやすいようだな。そろそろ本丸に突入するかな。良雄、つぎはショーツの脱がせ方教室だ」
「許して‥‥こ、こんなの‥‥いや‥‥」
　美樹が身をよじって抵抗する。が、忠雄はそれを無視して、ショーツの前のゴムに手をかける。
「こうやってな、前から降ろそうとしても尻が引っかかって駄目なんだ」
　忠雄が、ショーツの上部を引き降ろすと、柔らかそうな陰毛が見えた。それだけで、良雄の心臓は破裂しそうに高鳴る。
　良雄にだって、女とつきあった経験くらいはある。けど、キスしたり、ちょっと胸に触ったくらいで、それ以上は出来なかった。だから、こんなに間近に女の裸を見るのは初めてなのだ。なのに、憧れていた義姉の陰毛まで見せられてしまったのだから興奮するのは無理もない。
「だから、こうやって尻の方から皮をむくみたいに脱がせるんだ」
「きゃっ」
　兄の手が尻の方にまわったと思った途端、一瞬のうちに、ショーツは膝の辺りまで降りてしまっていた。忠雄はクロッチの部分に手をかけると、いとも簡単に足首を通して、ショーツをはぎ取ってしまった。
「こういうときはスピードも肝心だ」
　笑いながら、そう言うと、ショーツを良雄に投げた。ナイスコントロールで良雄の鼻先にあたる。その甘い香りと、目の前の光景に、良雄の興奮は頂点に達し、ゼェゼェと荒い息をした。
「まだまだだぞ。良雄、ここにスタンド持ってこい」
　忠雄が、美樹の身体を起こし、その脚をM字型に開きながら言う。
「ほら、ここを照らせ」
　ぱっくりと開いたオマ○コを指差す。
　言われた通りに、スタンドの明かりを美樹の股間へ向けた良雄の目が、ピンク色をした秘肉に釘付けになる。
　薄めの陰毛の間には、ねっとりと糸を引いて開く蜜壷の入り口。縁が薄く色づいた花びらの合わせ目には勃起したクリトリスが顔をのぞかせている。
「おい、ちゃんと撮らんか。あとで、お前にもご馳走してやるから、焦るな」
　それを聞いて焦ったのは美樹の方だった。
「うそっ‥‥そ、そんな‥‥あなた‥‥ひどい‥‥」
「うるさい。黙れ。前から、やりたかったことがあるだろう」
　そう言われると、何かを思い出したらしく、美樹は口をつぐんだ。
　良雄の方は、兄が義姉さんを抱かせてくれるらしいことを察し、有頂天になっていた。そして、カメラを構え直す。
「さてと、ここがクリトリスだ。今は大きくなっているが、普段はここの間に隠れている」
　忠雄が割れ目の最上部を指で押すと、肉芽がいっそう飛び出してくる。
「ああんっ」
　美樹が悶える。
「ここは、一番敏感な部分だからな。だから、こうやって、まわりの方からそうっと撫でてやるんだ。そうだよな、美樹？　その方が感じるって、お前、言ってたよな？」
「お、お願い‥‥聞かないで‥‥」
「こいつが、俺に、そう教えてくれたんだ」
「ああ‥‥」
　恥ずかしさで、美樹の顔が真っ赤に染まる。
「で、こうやって、円を描くようにするんだ。さっきも、こうしてたんだぞ」
　忠雄が、愛撫を続けていると、蜜壷から愛液が溢れてきた。
「ほら、我慢してないで、声を出せよ。それとも、自分でするか？」
「そ、それだけは‥‥堪忍して‥‥」
「じゃあ、声を出すな？」
　そう言うと、忠雄はクリトリスの先端を素早く撫でた。
「あうっ！　ああんっ」
「そうそう、それでいいんだ。じゃあ、これはどうだ」
　中指を伸ばし、溢れる愛液をすくうようにして、クリトリスに塗り付ける。
「ああっ！　いやっ‥‥ああ‥‥ああ‥‥」
　美樹が激しく悶え始める。
「こうやって滑りをよくすれば、直に触っても大丈夫だ。でも、あまり力を入れちゃだめだぞ」
　兄と目が合ってしまったので、思わず頷く良雄だった。
「少し、触ってみるか？」
　ふたたび、大きく頷いてしまう。
「じゃあ、胸からだ。ちゃんと、撮りながら触るんだぞ」
　忠雄は、そう言うと美樹の膝を押さえ込んで身動きが取れないようにする。
「ほら、いいぞ」
　良雄はカメラを左手に持ち替え、おずおずと手を伸ばす。
　中指の先端が乳首に触れた。
「あんっ」
　良雄を見つめていた美樹の顔が歪み、喘ぎ声が漏れる。
「義姉さん、ごめん。でも、おれ、我慢できないんだ‥‥」
　親指の股で乳首を挟むようにして、良雄は乳房の感触を楽しんだ。その弾力は例えようがないほど甘美だった。夢中になって揉み続けていると、美樹の熱い息遣いを感じた。
「どうだ、美樹。良雄に触られてる気分は？」
「い、いや‥‥き、聞かないで‥‥ああっ」
「ふんっ、まだ、素直になれないみたいだな。ちょっと、お仕置きしてやろう。良雄、離れろ」
「ああっ、そ、そんな、ゆ、許して‥‥許してください‥‥」
「だめだな。まずは、自分でするんだ。良雄に、やり方がよく分かるようにな」
「お、お願い‥‥堪忍して‥‥」
「だって、もう、良雄はビデオでお前のオナニー見ちゃってるんだぜ。いまさら、恥ずかしがってもしょうがないだろう」
「ああ‥‥」
　美樹の顔が絶望に歪む。しかし、良雄にとって、それは欲情をそそる種類のものだった。カメラを構え直し、その表情をとらえる。涙を浮かべた顔が、たまらなく美しいと思った。
「ほら」
　忠雄が、美樹の手首をつかんで股間へ導く。
　しかし、人形のように美樹は動こうとしない。
「どうしても、できないっていうなら‥‥」
　忠雄の声に凄みが増す。
　義姉が責められているのが、なんだか自分のせいみたいに感じた良雄は、思わず助け舟を出してしまった。
「義姉さん。すっごくきれいだ‥‥頼む‥‥俺に、見せてくれよ‥‥」
　良雄が、興奮でかすれてしまったた声で頼むと、美樹の態度が変化した。
　それが母性の発露であったのか、それとも、良雄の気持ちが通じて心が動いたのか分からない。美樹は、目を閉じて、やや背中を伸ばし気味にすると、自らの指で秘肉を擦りはじめたのだ。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、あんっ」
　絶え間なく漏れる喘ぎ声は、美樹の指の動きと完全にシンクロしている。
　美樹の豹変ぶりに、ちょっと鼻白んだ忠雄だったが、気を取り直して良雄に言った。
「こんどは、下の方を触ってみろ。あそこに指を入れてもいいんだぞ」
「ほ、ほんとう？」
「いいから、やってみろ」
　良雄が美樹の顔を見ると、さっきの泣き顔とは違う、慈しむような表情が見てとれた。「いいのよ」そう言っているようにも感じる。
「ね、義姉さん‥‥」
　どもりながら、良雄は手を伸ばし、美樹の秘肉に触れた。グニュッと柔らかい独特の感触と、その熱さは、想像を絶するものだった。
「ああんっ！」
　いま、まさに入ろうとしている指の感触に、美樹は全身に電流が走ったように痙攣しながら、ひときわ高い声をあげる。
　良雄の中指が、何かを確かめるように、そろそろと入っていく。内部はもっと熱く柔らかかった。
（すっ、すっげえ‥‥これがオマ○コか‥‥）
　良雄は夢中でまさぐる。
　その、たどたどしい愛撫が、かえって刺激になるらしく、美樹の声がどんどん高くなっていく。
（おれが、義姉さんを、こんなに感じさせちゃってるんだよな）
　そう思うと、ペニスが痛いほど膨れてきた。
「良雄、服を脱げ。全部だぞ」
　忠雄の声で我に帰る。
「は、はい」
　訳も分からず、兄の言う通りにする。
　体脂肪の少ないランナー独特の引き締まった身体。若さもあいまって、それは男が見ても美しいと感じるような肉体だった。
「どうだ、美樹。思った通り、いい身体してるじゃないか。楽しみだろ」
　兄の声は倒錯に満ちていた。
「良雄、ここに横になれ。カメラを忘れんなよ」
　美樹のブラウスを脱がせ、自分も服を脱ぎながら、忠雄は王のように指示する。
「よ〜し、カメラをこっちに向けて。美樹、口でしてやれ」
　美樹は催眠術にかかったように、のろのろと這いながら良雄の足の間に来て、屹立を両手で包んだ。
（えっ！　これってフェラチオ？　マジ！？）
　あまりの展開に頭がついていかない。
「ちゃんと撮るんだぞ」
　忠雄の声が響き、カメラを向けた瞬間、屹立がくわえられた。
（ひぇ〜っ、あったけぇ〜。きっもちいい〜っ）
　良雄は、あまりの気持ちよさに目を閉じて、しばらくの間、快感に浸っていた。
　ズンッ
　軽い衝撃を感じて目を開けると、兄が後ろから美樹を犯していた。
　パンッ、パンッ、パンッ
　肉を打つ音がするたび、その振動が美樹の口を通してペニスに伝わる。良雄のものが口に入っているので、喘ぎは鼻へ抜け声にならない。淫猥な光景と振動に、限界が近いことを悟った。
「だめだぁ〜、出ちゃうよ〜」
　そう叫んだ瞬間、目の前が真っ白になった。
　ドクッ‥‥ドクッ‥‥
　長く続く射精の快感。
　美樹は、喉を鳴らして良雄の精を飲み込んだあとも、亀頭を舐め続けている。
（くぅ〜っ、義姉さん‥‥そんなにしたら‥‥）
　その日、何発も発射している良雄にとって、これ以上の刺激は苦痛に近い。けど、美樹の舌の動きを自覚した途端、また復活してくるのを感じる。
（だ、大丈夫かなぁ、おれ‥‥）
　もう、思考する力も残っていない。
「美樹、良雄のはオッケーか」
　後ろから責め続けながら忠雄が聞くと、美樹は良雄のものをくわえたまま頷く。
「よし、そろそろだな。美樹、良雄に跨がれ」
（ええっ！？　それって‥‥まさか‥‥）
　予想もしていなかった展開に、良雄は、もうパニック状態だ。
　美樹は、なにもかも分かっている様子で、良雄の上に跨がり、ペニスを握って位置を定めている。
「ね‥‥義姉さん‥‥」
　良雄と目が合った瞬間、美樹は不思議な微笑みを浮かべて腰を降ろした。
「あうっ！」
　二人が同時に叫ぶ。
　下から見上げる美樹は、信じられないくらいきれいだった。しっかり張った腰から、くびれたウエストへのライン。ふくよかなバストと愛らしい乳首が、身体の動きに合わせて揺れる様を見ているだけで頭の血管が破裂しそうになる。しかも、その身体と熱く濡れた肉を通してつながっているのだ。
「良雄！　カメラ！」
　忠雄が怒鳴る。
（ああ、すっかり忘れていた‥‥）
　良雄は、もう、忘我の境地で、讃えるようにカメラを美樹に向ける。
「う〜ん、ちょっと無理みたいだな」
（ん？　兄貴、なに言ってんだろ）
「良雄、ちょっと腰を浮かせろ」
　忠雄は良雄の腰の下に枕を入れる。
　つながりが深くなった分、美樹が悶える。
「よ〜し、これでいいぞ。美樹、身体を前に倒せ」
　美樹の身体が良雄にかぶさる。密着した肌の温かさと柔らかな感触に、良雄は陶然となる。
「ああ〜っ！」
　美樹の声が響く。
　良雄は、蜜壷が狭くなったように感じた。
　そう、忠雄のペニスが、美樹のアヌスへ侵入してきたのだ。
「ああっ‥‥あっ‥‥あっ‥‥だめっ‥‥こ、壊れちゃう‥‥」
　美樹の喘ぎ声はこれまでにない激しさだ。
「いやっ‥‥もう‥‥いく‥‥あっ、ああんっ！」
「いいぞ、美樹、もっとだ」
　忠雄が叫びながら身体を揺らす。
「あっ‥‥あんっ‥‥あんっ‥‥」
　絶頂に押し上げられたまま、ふたつの肉棒をくわえこんだ美樹は、背中を反らせて高い声で泣き続けた。
　忠雄の動きが、いっそう激しくなる。
　薄い肉の壁を通して、その動きが良雄にも伝わる。冷静に考えれば、実の兄と一緒に義姉を犯すことなど人の道に反するものかもしれないし、人によっては汚らしいと感じるかもしれない。けど、その快楽は、そんな倫理観や嫌悪感を吹き飛ばしてしまうほど強烈だった。
「もう、出ちゃうよ」
「中に出していいぞ。美樹はピル飲んでるから大丈夫だ。思いっきり出せ！」
　どこに残っていたのだろう。もう出ないと思っていた精液が大量に放出され、意識が遠のいていく。
「ああ〜んっ！」
　奥に熱いものを感じて、美樹も呻く。
　忠雄も終わりが近いようだ。
「きゃあ〜っ！」
　断末魔のような声を上げて、美樹がシーツを握りしめながら痙攣した。
　忠雄の身体もブルブル震えている。
　そして、三人ともベッドに倒れ込んでしまった。

　しばらくして、美樹がよろめきながらシャワーを浴びに出て行った。
「なあ、兄貴‥‥」
「ん？」
「義姉さん、大丈夫なのか」
「心配すんな、ちゃんと仕込んであるから。お前が抱きたかったら、抱いてもいいんだぞ」
「えっ、ほんとう？」
「ああ、そのかわり‥‥」
「なに？」
「お前も彼女を作れ。それが条件だ」
「えっ、どういうこと？」
「ばーか、４人で楽しめるじゃないか」
「そっかぁ」
「ふふ」
「ふふふ」
　兄弟は笑い合った。