１４　観察小屋

　映し出される映像には、今日知り合ったばかりとは思えない二人がいる。

「いいのかなっ。女性の部屋にお邪魔しちゃって。」
　大河内はシングルの部屋にあるテーブルにコンビニの袋を置く。

「気にしないでください。それとも大河内さんは狼ですか？そんなことないでしょ。」
　と、いつもと違う佳乃の言葉。
「じゃ。遠慮せずに・・弁当食べますか。ご馳走になります・・加山さん。」
　まずは部屋へ簡単に進入でき、次のタイミングを
　佳乃は背筋が丸くなり、力なくだらりとベットに座っている。
「それでは佳乃っ、いいかい。まずは自分の３サイズを教えてくれるかいっ。」
「・・・・・うえから８３・・・５９・・・８９・・です。」
「そうかいでは、バストは何カップだい。」
「・・・・・・Ｃカップです。」
「佳乃っ・・旦那さんのことはどう思っているんだ。」
「・・・・・大好きです。・・・とてもっ。」
「旦那とのセックスも大好きなのかいっ？」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「あまり満足していないのかい？」
「・・・・・・・はいっ・・・満足しっ・・てません。」
　簡易催眠では肯定的な質問にしか答えられなかったが、キーワード催眠では否定的な答えも聞きだせるようになっていた。

　とその時、佳乃の携帯がメールの受信をする。
「ちっ・・大丈夫そうだ。・・・旦那かっ。」と大河内はキーワード催眠の途中の雑音に焦る。
「それでは、最後の質問だっ。これまでの男性経験は旦那を含めて何人だい、佳乃。」
「・・・・・・・・・・３人・・です。」
（以外と少ないなっ・・大丈夫かこんな女を備品にしちまってまた自殺でもしちまうんじゃねーのか。）
「では佳乃っ。この言葉でおまえは現実に戻るんだっ『拘束せよ』。」
　大河内の言葉ひとつで佳乃は現実へ戻される。

　潜在的な物を『解放』させ現実世界に『拘束』させるとは巧みな言葉遊びである。

　我に返った佳乃は瞬きを普通より多くし大河内に話しかける。
「あれ、わたし・・・今、どうかしてましたっ？」
「少し酔ったんじゃないの、加山さん・・旦那さんからじゃないかなメール着信してたよっ。」

　と催眠施術中の着信を知らせ、
「あっもう１１時だっ。あんまり人妻のお部屋に長居したら旦那さんに悪いから・・・・また明日っ。」と立ち上がる。
　佳乃は、一瞬呼び止めようとするが友佳や友之の顔が急に浮かび出て、次の言葉をやめた。
「あっ・・・おっおやすみなさいっ・・また明日っ。」
　ドアノブに手をかけ、「おやすみっ。」とドアの外へ消える。

　監視小屋の二人は、モニターを注視し、
「なんや、今回はあいつ中途半端に止めよったな。催眠のままやってまうかとおもたがな。」
「明日の横山先生に任したんでしょっ。ほんでも男性経験３人とは、・・ギヒヒッ。」
　金山は下劣な笑みを浮かべる。

「おい金山。監視モニター６０６全部をＯＮにせい、加山佳乃が風呂に入るぞ・・・」
「待ってたで裸やっ若妻の裸やでぇ。ひゃぁっ。」
　４つ程のモニターを６０６号室の佳乃の部屋の監視カメラへと切り替える。

「じゃあねパパ、おやすみっ。」佳乃は友之との会話を終え、携帯を切り充電用のホルダーへのせる。
　１１時半を回り、眠気をもよおし大きなあくびをする。
「さっお風呂はいろっ。」と誰も居ない部屋で朝から着通しの服を脱ぎ始める。
　上着とシャツを脱ぎ捨て一日中穿いていた黒のズボンをベッドに投げ捨て匂いたつような黒の下着姿になる。

「おっ、黒かっ。えー体や染み１つない上物やっ妊娠線もないしっ。はよぅ脱ぎさらせっ・・はよぅ。」
　背中に手を回し、黒いＣカップブラのホックをパチンと外しカップの部分を重ねるようにたたみ、乳房の下の汗を手で拭う。

「こぶ付やからピンクでないがコリコリの真っ赤な乳首やっ。」
「・・生々しいストリップやっ。次はお毛々やで。」
　と大島は股間に手をやる。

　窓のカーテンを気にし、締まっていることを確認する。
　そのままするするっと丸め黒いパンティーは隠していた女の部分を露にした。
「こっちむけ、こっちを・・尻しか見えへんやないかっ。・・・そっ・・そうやっ・・ほれっ。」
　金山は半分呆れて、すこし画面をアップにする。

　真っ裸のまま佳乃はカメラに収められてるとはしらずに、脱いだばかりのパンティーを鼻によせ匂いをかぐ。

「・・・なんと。匂いを・・どんな匂いすんねん、すっぱいんかっ・・佳乃っ。」
「わしもいずれ嗅がして貰うからなっ。」
　佳乃は自分の牝の匂いを確かめたたみ、そのパンティーとブラを袋にしまう。

　大島をじらしているのか前を隠す様にバスタオルとメイク落しを持ちＵＢへ向かう。
「金山見えへんがなっ、佳乃のま○毛が・・・・・次はもっとカメラ増やしとけっ。」
「大島部長・・・すぐに見えますよ、シャワーの中では。」と金山はあきれて突き放すように言う。
「さすがはのぞき嗜好の金山や、のぞきのときは冷静やっ。」といい手を叩く。

　ＵＢ内に入り、蛇口をひねりシャワーヘッドからお湯を出す。
　湯気で見づらくなるが換気扇の効果で画面は明瞭になった。
　狭い湯船側のビニールカーテンをシャッと閉め、狭い空間には佳乃一人だけになる。
　その姿を見つめる獣の目は４つ。
「シャーーーー」熱い湯が若妻加山佳乃の柔肌を濡らす。

「やっぱりなんやな、こういう素人おなごのプライベート空間ちゅうのはたまらんなぁ。」
「素がでとる素が、旦那も見たことない素やっ。」
「縮れのないさらさらやな、しもの毛ーは。あれは剃毛向きではないな。」
「おめこの周りは・・・ちっ見えへんなっ。」
　誰も知らない素の佳乃を監視カメラ越しに大島が視姦する。

　シャンプーで洗い流された髪もそぼ濡れ、シャワーヘッドを固定させボディーソープを手のひらに乗せ泡を殖やす。その泡を首筋から下へ降りてゆき、突起した赤い乳首を超え下乳、臍、そしてぬれて一塊になった陰毛へと包む。佳乃の陰毛を洗う手が、太ももによって硬く閉じられた男たちが狙う陰部へとするりと滑り込む。

「佳乃っ、すっぱい匂いのお○こきれいきれいにせーよっ。」
「今度わしがペロペロしたるさかいなっ。足を上げい足を。」
　と大島の声が聞こえたのか、佳乃はバスタブに右足を乗せ自らの陰部に泡をつけ指先で汚れをこすり取る。

「金山聞こえてへんやろなっ、わしの声。」
「聞こえてますよっそんな大きな声なら。・・・・・・冗談ですよ。」
「ビックリするがな、・・おっおっプリプリのお尻やな次は・・尻の穴も舐め舐めしたる。」
「穴の中もほじくったるでー。」
　ほんとに聞こえそうなくらいの声が、この男の興奮具合をあらわしている。

　先程８９ｃｍと自らサイズを告白してしまった尻の割れ目に泡立たした指を差し入れる。
　その後まんべんなく泡にまみれ、てかてかと光る佳乃の体だが一日の汗と一緒に熱いシャワーの湯により洗い流されてしまった。

「ふー・・気持ちいい。・・・友佳もう寝たかな。」と子供と居られない気持ちが言葉に代わる。

　洗顔クリームでメイクを落とし、湯を浴びながら歯ブラシを咥え歯を磨き終えるとバスタオルを取り水気を拭き取っている。

「２４才やったか、このおなごは。・・化粧落としてもいけよるぞっ。のぅ金山。」
「かなりお気に入りですね。・・・ええ、すっぴんでこれやったら合格ですよ。」
「備品としてもトップクラス。」
　頭にタオルを巻きつけバスタオルを纏わず全裸のままベッドへと座り込み、そのまま目をつむり仰向けに倒れこんだ。

　ベッドの真上にある照明器具のピンホールカメラに全裸で横たわる佳乃の全てが克明に記録されていく。