１５　６０６とＤルーム

　午前１時が近づき、６０６号室の動きが止まる頃。

　大島の動きは活発になり始める。
「オナニーぐらいまでいくかおもたけど・・残念やっ。・・金山わしそろそろ、９階行って来るわ。」
「あっ・・はい。ＮＯ２２は・・・・Ｄルームにつないだままです。」
「・・モニター切っときますから、ご存分にっ・・ギヒヒッ。」
「別にええぞ。のぞいとっても・・・・それはお前の嗜好やからなっ。」
「いや。給料から引かれたらえらいことやから・・やめときますわ。」
　大島は笑いながらドアを閉める。
　
　暗闇のなかの金山は６０６のモニターを見続け、ある自信を声にする。
「部長には悪いが、こいつ・・佳乃は絶対にオナニー始めよるはずや。」
「あともう少ししたら、絶対にっ。」

　非常灯のみが頼りの階段をあがり、９階のＤルームへと歩を進める。
　Ａルームと書かれた扉の前を通る時大島は扉に耳をつけ中の音を聞く。
「・・・っもう・・だめっだめっ・・でっでますっ・・・・ププップピ・・・・」
「もっとこらえんかっ・・・尻の穴っ揺るんどんやっ・・・」
「・・・ひっひいっー・・・トイレっトイレでさせてっ・・ここではっいやぁっ・・」
「今出したら、朝まで・・栓してほったらかしにするぞっ・・ええか。もっとこらえろ。」
　中で行われている行為を声だけで想像し、
「会員さんも満足してはるなっ。・・・」
　満足そうな顔を非常灯に照らし、大島はＤルームの重厚なドアを開ける

　ピンク色の薄暗い照明がピンスポットでベッドに開脚固定された女を照らす。
「お待ちどうさんっ。」
「・・・ＮＯ２２やったかっ。」
「だいぶ研究嗜好会員様に細胞やらお汁やら採取されて焦らされたやろ。」
「ふっごふっふっふー・・・っもぅうかっっえっらしってっ。」
「なにっ。・・・早くお○こしてほしいやと？」
「・・まーまて朝まで６時間以上あるから・・抜かずに６発くらい大丈夫やっ。なっ」

「・・っふぃいっ・・やっ・・うっうぇっえっうっぇえ・・たっるっけれっ・・」

　口にはボールギャグ、両手を頭の真上で手錠ごとベッドに固定し両足は開脚のまま片方づつを皮ベルトでベットの脚に緊結されている。大島が来る前に暴れた形跡があり、手首や足首の拘束具が接する皮膚は赤く擦れうっすら血がにじむ。

　ＮＯ２２と呼ばれる女の目尻には涙がこぼれ、乾いた涙で頬を白い糸が引いている。
　大島はそそくさと全裸になり、大きく反り返った肉棒をしごきながら、がんじがらめの女へと近寄る。
「おうおうかわいそうに涙が乾くほど泣いて待っとたんか。すぐにまた泣かしたるからなぁ、お○こズブズブにしてなぁ。」
「・・っひっひ・・・ひっいっうっやぁー・・」

　ＮＯ２２は拘束されてない腰だけを動かし、大島の狙いをはずそうとする。
「逃げてもええぞ。ほれ・・ほれ・・細胞屋に焦らされて、いかしてもらってないんやろっ。」
　それでもなおＮＯ２２の腰は逃げ続ける。すると大島は昔の職業病をこのとき露呈させる。

　女の首の頚動脈付近をきつく締め上げ、耳元で脅しを掛ける。
「おいっ、おなごよっ！調子に乗るのもいい加減にしときやっ。」
「お前の代わりなんぞ、ぎょーさんおんねん。この街にはなっ。」

「うっ・・・・うごっ。」女の顔が真っ赤にうっ血していく。
「海に浮かぶも良し、山に埋まるも良し、はたまた中南米でコカインの試打ちに使われるも良しだ。」
「選んだらええで。」
「もっとキツイのもあるけど・・どないするんやっ！」といい終わると耳たぶを強く噛む。
「っうぎゃぁ・・うぅうううっ。」と声を上げ頭だけを縦に振り続け、服従したように大人しくなる。

　大島は締め付けた手をゆるめ、女の眉にかかる前髪をかきあげおでこをベロベロと舐めあげた。
「そうやっ、大人しゅうしとったら天国にいかしたる。何回も何回もなっ。」
　と言い、舐めあげたおでこから舌を移動させ女の瞳のまわりにこぼれる涙までベロベロとしゃぶりつくす。

「ぅっうううっぐ・・・ぅううぅっ。」ＮＯ２２は嗚咽し恐怖におののいていた目を閉じる。
「よっしゃ・・・・ほんなら交尾や・・交尾っ。」
　と自分の肉棒を観念した女のおま○こにずぶりと沈め、ゆっくり腰を振り始めた。


　大島が交尾をはじめたその頃、佳乃を見守る金山の目が怪しくきらめいた。
「よしっ動いたっ。・・女の本性がわかってないよ大島部長。」
　のぞき嗜好の金山は女の寸分の動きと女心を見逃さない。

　電気が消されたベッドルームにスウェットに着替えた佳乃が映る。
「暗視モードに切り替えて・・よしっ。」
　映し出される画像は赤外線により白黒のような画にかわる。
「布団の中じゃ動きは見えないが・・顔の表情で大体の事がわかるんだ俺には。」
　全体を映し出すのではなく、佳乃の顔の付近のみをアップにしていく。
　金山はこれまでののぞきの経験上、女の行動パターンを何万通り記憶しているかのように見える。

（眠れない・・・なんでだろうっ）
　布団の中の佳乃は、いつもなら熟睡している時間だがなかなか寝付けないでいる。
（・・大河内さんに出会ったからかなぁ・・なんだかいつもより積極的になっちゃった。）
（あのまま、呼び止めてたら・・もしかして私・・今頃あの人と・・あっパパごめん。）
　と友之への貞操と佳乃の牝としての本能がゆらゆらと小船のように揺れる。

　眠れない時こそ人間の性欲の昂ぶりはいつもより増大する。
「・・・っあ・・・あっ・・。」佳乃は布団の中で自らを慰めはじめている。
「・・・・・ぁぁっはあっ・・・。」
　ズボンを膝上まで下げ、まだ穿きたての下着の上からクリトリス辺りを中指でさする。
「んっんっっっ・・・・うっんっ。」
「・・っはぁ。」
　鼻から息が漏れはじめると少し横を向き体を九の字に折り曲げる。
「・・っあ・・あっ。」
　佳乃の吐息が小刻みになり、切ない喘ぎ声がある程度はっきり聞こえるようになった。

　体が火照ってきたのか布団を跳ね上げ膝下だけに布団を乗せ、暗闇の中で誰かを思い自慰に没頭している。

（大河内さんっ・・わ・たし・・だいてほしかった・・のに・どうして・・）
（・・パパ以外の誰かに・・大河内さんになら・・エッチされても・・）
（パパごめんね・・この前パパがあんなこと言うから・・私おかしくなっちゃったんだわ・・きっと。）
　と友之のせいにし、佳乃自身の犯され願望が芽をだし始めたきっかけが大河内のキーワード催眠だとは気がついていない。

　画面を見つめる金山は布団がめくれたことで、カメラを引きの画に戻す。
「やっぱし、オナニー始めよった。」
「かわいい顔してても女やなっ、佳乃ちゃんも・・子供がないてるよっ。」
　といつのまにか金山の呼び方がちゃんづけになり、佳乃に親近感が沸いてきたようだ。
「佳乃ちゃんのオナニーは、パンツ脱がずに横から指を入れてするやりかたやなっ。」
　画面のなかの佳乃は、金山が発したとおり股布の厚い部分から指を２つ入れ下から上へ動かしている。
「聞かれてんのんとちゃうかっ。・・あせるわっ。」と大島同様に焦る。

「・・っはぁぁっ・・・はっはぁぁっ。」
　右手はパンティーの中へ、余った左手は服の中にいれ８３ｃｍの乳房を揉んでいるようだ。
　乳房を揉み終えるとブラを外さず、乳首だけを出し指先でころがす。
「・・あぁぁっはぁはっ・・っはっぁぁん。」
　絶頂が近づいてき始めると布団を蹴飛ばし足をＭの字にし、両足の指先に力が入っているのがわかる。
　苦悶なのか恍惚なのかわからない顔をし、頭を反らせ細い首筋を伸ばしきる。
　すると、
「あっあっぁぁぁっ・・あっ・・はあっはぁはっ」
　かすかな喘ぎ声とともに誰も見たことがなかった１５分程のオナニーショーを終わらせた。

　監視カメラの前での若妻オナニーショーが総帥の目に入るのは２０時間後のことである。