２５　嗜好研修

　
　真っ暗闇の中Ｓルームへ連れられた佳乃。

　マスクのせいでなく本当の暗闇の中、佳乃は部屋の真ん中にある婦人科用の開脚椅子に引っ張られる。
　高山は暗視ゴーグルを使い、佳乃を椅子に乗せ上げ両手を万歳したまま皮ベルトに固定し、両足は開脚し婦人科検診のような格好で足首をこれまた皮ベルトで固定する。

　首輪の鎖を外し高山が暗視ゴーグルを外すと、軽く指を鳴らす。

「パチンッ」
　ブーンという音と共に、天井から下がる手術用であろうライトのみが灯る。

「ようこそ、嗜好会員様。お初にお目にかかります。この女は備品ＮＯ２６でございます。」
「・・・・ああっああ、よろしく。」
　動揺し、興奮もした男が声を出す。その声に佳乃は、
「・・・・だるげれぐら・・ざい・・わだじを・・ごごがら・・だじで・・」
　轡にさえぎられるその声に高山は、リモコンのボタンを何のためらいもなく押す。

「・・・ぐううええっ・・。」
　固定されていない首輪だけの縛めがぶるりと震え、先程の逃走を図った時の痛みが首筋に戻る。

「・・会員様、申し訳ありません。・・初めての場なものでまだ慣れておりません、この備品は。」
「・・・いやぁ、いいんだよ。本当に生々しいね、それよりあの方からの招待で来たんだが、本当にお金はいらないのかい？・・・結構、高額だときいたんだが。」
「それと、なにしてもいいのかい？この女には？」

「ええ、お金は必要ございません。・・先程うちの物より注意事項を聞かれました通りですので。」
　と高山がいつもの関西なまりでない言葉で答えると、
「ほんとに、なにしてもいいんだね。」
「・・・体に痣を残さない限りのことは・・あとマスクと轡は外さないようにお願いいたします。」
「わかったよありがとう。・・・何時までだい今日は。」

　高山が時計を見やり、
「ええ、現在ＰＭ２時ですので・・・６時間ほどお楽しみになれます。」
「わかったよ・・・・あの方によろしくっ。」
「かしこまりました・・・ではごゆっくりと・・・」
　高山は頭を５０代のトカゲ顔の男に下げ、部屋から退散する。

「・・・・だずげれ・・・っだ・るげれ・・おれ・がい・・」
　佳乃はマスクの中で涙をこぼし、拘束された自分にいまにも挑みかかりそうなトカゲ男に懇願する。
「今の日本にこんなことがあるんだねえ。あの方と付き合いをしてよかったよ。」
　トカゲ男は、佳乃の下着姿で拘束され逃れるために腰をゆらす姿に演技ではないことを確信する。

　トカゲ男は目の部分にのみ蝶のようなアイマスクをつけただけで佳乃の股間を凝視し、
「・・・君は人妻なんだって、さっき聞いたよ刺青男に・・災難だねえ。最初はただの風俗だと思ったが、君のおびえ方を見ると拉致されてきたってのは本当のようだ。」
「まさか今の日本にこんな法を犯した事が平然と行われてるとは、うちの娘や女性社員にも気をつけるように言っておかなければだめだねぇ。」
　股間の目の前に椅子を置き、産婦人科医のような位置で佳乃のパンティーの土手の部分を撫でさする。

「ざわららいれ・・・だ・るげ・れ・・・はなりれ・・」
　佳乃はトカゲ男の手から逃れるために腰を振り続けるが、男の手は柔らかい下着を逃さない。パンティーの肌触りを確かめると、今度は股布の厚い部分に鼻をあてがい女の花の匂いを丹念に嗅ぐ。
「ほんとに拉致されたんだねぇ、石鹸の匂いじゃない女の発酵した匂いがするよ。・・・」
　トカゲのような男はさらに、先が割れているのではないかと思うほど長い舌先を嗅いでいた股布にあて上へ下へ忙しく動かす。

「・・ううっ・・ろんら・・とこ・・なめないれ・・」
　声にならない懇願を聞くわけもなく男は、舌先の動きをさするのではなく、次第に吸い付くようにチュパチュパと音をたてはじめる。
「・・僕はこの女の発酵した匂いがたまらないんだ。・・汗や小便や色々混ざった牝の匂いがね。だからクンニ嗜好会員とかいったかな、それでお願いしたんだよ。・・そしたら君が一番適任だって刺青男がいってたんだ。」
「・・・・ふうっ・・ふうっ・・・」
「適任だよっ君は、とても発酵した匂いがして・・・たまらんよっ。うちの人妻社員も君と同じにおいがするんだろうかなぁ。」
　トカゲのような舌はパンティーの隙間から陰唇付近に達し、敏感な部分を刺激し始める。
「・・ひっ・・ひっ・はるかりいがら・・やめれ・・くらはい・・」
「恥ずかしがらなくてもいい、私はこの匂いが大好物なんだからねぇ。・・ジュルジュルッ。」

「さあっそろそろ奥さんのおま○こにご対面といこうか。・・旦那さん悪いねぇ・・いただきますよ。」
　少しずらしパンティーの隙間から節くれだった指を差込み、佳乃のおま○こをトカゲの目に映した。
「・・ひひっ・・ひいやぁぁぁ・・パパ・・たるげれぇぇぇ・・」
「パパはお仕事中だよっ奥さん。きれいだねえ・・・若いおま○こは久しぶりだよっ・・ジュルジュル」
　男は露になった若妻の膣口付近や陰核には舌を触れず、まだまだ陰唇部分のみ執拗に攻略している。



　パンティーの股布をずらし若妻の陰部を露出させ陰唇を刺激し続けること１５分。トカゲ男は飽きることなく入り口付近を執拗に舐め上げる。喘ぎ声を聞かれたくないのか佳乃は、グッグッと声を堪えるのに必死であったがそろそろ、牝の本能が子宮の奥からのぞきはじめる。

「・・ひっ・・・あふっ・・ひっ・・はぁっはははぁぁぁぁん・・・」
　と１５分のクンニに堰をきったように喘ぎ始めた。
「声が出てきたねっ・・ふふっ、もっと喘いでいいよっ。・・旦那にもこんなに舐められたことないよねっ奥さん。」

　手術用の照明だがマスクから見える視界はかなり暗い。佳乃にとっては目隠しをされたも同然の状態のままトカゲ男に陰唇を舐められ続けることは精神的なショックを少しだけ緩和させている。しかし次の言葉に佳乃のどん底に落ちた精神状態をさらに落とし込む言葉がふくまれていた。

「気持ちよくなってきたね、おつゆがどんどん濃くなってきたよ。・・・・・・奥さん。」
「うーん、奥さんではなんだかテンションが上がらないよ。・・君の名前は聞かされてないからね・・。そうだなぁ・・・・うちの社員の名前で呼ぶよ君のことを・・・加山君・・加山佳乃だよ今からは。」

　一瞬なんのことかわからない佳乃は、首輪をはめられた細い首を持ち上げ自分の陰唇にむしゃぶりつくトカゲ男の頭頂部をみる。頭に視線を感じたトカゲ男はレザーマスクの佳乃の顔を見つめヨダレと淫液にまみれた唇を舐めとり、
「顔が見えないから、うちの加山君を想像して君をせめさせてもらうよっ・・佳乃ちゃん。」

「・・・・・・・・・・・・まらか・うそ・・・うろよ・・・・ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

　最初の嗜好会員が加山佳乃の会社の社長である山本であったとは・・・・。用意周到なセミナーの仕打ちはまだ富士山の一合目辺りである。