２９　再会

　朝日は、毎日忘れることなく登る。登って欲しくない太陽は宿題の出来ていない小学生と加山佳乃くらいであろう。

　なにごともなかったように仕事を始め、客の応対をこなしている佳乃。社長の山本は所用のため朝から外出しているので顔を合わせていない。

　昼になり交代で食事をしにいく途中、見覚えのある高級車に乗った大島と山本が駐車場で話し込んでいる。不安になった佳乃は二人に見られないよう違う路地を進もうとすると、
「おーい、加山君ちょっと・・こっちこっち。」
と助手席から山本が手招きをする。
「・・・・・・はいっ。」
　昨日のことは何も気が付いていないだろう山本は、いつものにこやかな笑顔で話しかける。
「なんでしょう・・社長。」
　といつもの調子ではない佳乃の様子に、
「どうした？調子でも悪いのかい・・そうそう、ちょっと後ろに乗りなさい。」
　と言われ、拒否したい気持ちを完全に無視され後部座席のドアを山本が開ける。

　後部座席に乗り込んだ佳乃は、なにを言われ何をされるのかと戦々恐々とし生きた気がしない。
「いい話があるんだよ。・・・この前のセミナーなんだけど、君の評判がすこぶる好かったらしく大島さん直々に君を講師としてスカウトにこられたんだ。」
「えっ・・・講師ですかっ。」
「そうなんやっ・・加山はん。うちの講師の田口が随分君を買っててねぇ。毎日ではやまもと不動産も、君がいなくなるのも大変やから、月に４,５回レンタル講師ゆうことでやってもらわれへんかなと、相談にきたんや。・・・・どうや。」
　と大島はすべて計算づくで佳乃をセミナーの手の内に納めようとしている。
「・・・でも・・。」
　佳乃は、この話を断ると電車が人間を跳ね飛ばすあの動画が友之の身に起きることを考え山本の返事を待つ。

「ううん。気にしなくていいんだよ加山君。うちは何とかなるから、大島さんに協力してあげなさい。」
　山本は大島との裏取引で、また嗜好研修に誘ってもらうことを条件に佳乃の講師参加を了承していた。しかし、昨日の研修の相手がその加山佳乃であったことは伏せているのだが。

「加山はんも、子供が大きくなって色々と入用がありますやろ。講師料うーんと弾みまっさかい、なっ。」
　大島は運転席から佳乃の目を見て、なにやら脅すような目つきで承諾をせまった。
「・・・社長がよろしいのであれば・・・お受けします。」
「よっしゃ。・・・ほんなら決まりや。社長、加山はんをお借りする日は、直接加山はんに連絡いれまっさかい・・・それでよろしいいなっ。」
「ええ。何日か前に言っていただければ協力しますよっ。」
「ほなら、そういう事でたのんまっせ。加山はん、うちの受講者ひぃひぃ言わしたってや。」
「・・うっ・・・はいっ。」
　佳乃の返事は、誰にも助けを呼べない孤立無援な孤島に駐留する旧日本兵の様であった。　

「そしたらちょっと加山はんと打ち合わせをかねて、昼飯行ってきまっさかい。ちょっとお借りします。」
「あっそうですね。・・・よばれて来なさい加山君。」
　と山本は助手席を離れ、後部座席の扉を開け佳乃を助手席へと移動を促し、その時肩に手が触れる。
「嫌っ！・・・・・・・・・あっすいません。」
　触れられた瞬間に昨日の光景が脳裏の浮かび、あからさまな拒否に山本は、
「・・あ、ごめんよ。・・・では、大島さん私はこれで失礼します。」
　と大島に一礼し佳乃の拒絶を気にすることなく会社の入り口へと消えた。

　佳乃は昨日と同じ状況の助手席に座らされ生きた心地がしない。走り始めて１０分ほど経った頃、どこに向かって車を走らせているのか気づく。
「・・・どこに行くんですかっ。・・職場に戻してください。」
　強い口調の佳乃に、
「それが、債権者に言う言葉かねぇ。・・奥さんの手料理が食べとうてなぁ。家でご馳走してぇな・・・あるもんでええさかいに。」
「いやですっ・・・なにを考えてるんですか・・戻って。」
　拒否してもこの男は自宅へ向かうことはやめない事はわかっていたが・・。

「講師ってどういうことなんですか。・・あなたは何を考えているんですか。」
「・・なにいってんねん。温情やないか利息考えてみい、月に何回もこなさんと利息も返されへんからとあそこの支配人に頼まれて、わしが人肌ぬいだんやないか。ああでもいえばおまえの社長も納得して研修に行かせてくれるやろ。」

「さあ、着いたで・・・」
　自分の家でもないのに道を間違うことなくたどり着き、加山と書かれた駐車場に高級車を止め、一目散に佳乃と友之と友佳の暖かい巣の玄関チャイムを執拗に鳴らす。

　近所に見られては困るその行為に、否応も無く鍵を取り出し大島を玄関に押し込む。
「ガチャッ」
　玄関に入り込んだ大島は、紺色の制服姿の佳乃の背後にまわり耳たぶをベロリとねぶる。
「いやっ・・・・ご飯つくりますから・・た、食べたら帰ってください。」
「・・・昼飯は、・・・奥さんやっ。・・・わしが料理したるさかいに・・たっぷり味わえや。」
　と大島は言うや否や着ているスーツを脱ぎ去りでっぷりとした腹をあらわにしブリーフ一丁になる。

「・・・いやです。・・・帰って・・ここは私の家なんです。・・・研修じゃないから・・。」
「阿呆、備品０２６。・・ワシは自宅陵辱嗜好会員やで・・・ひひっひ。」
「その他にも、アナル嗜好、浣腸嗜好・・・スワッピング嗜好やろ・・最近はこの自宅陵辱嗜好にはまってんねん。」
「あなた、知ってて私をあんなとこに・・。」
「そうやで、手っ取り早く金返せる当てはあれしかないさかいに紹介したんや。・・あそこの支配人と話してなぁ、別嬪の借金女がおるからと。」
「あなたは、あの人たちのしていることを知っているのですか！・・人を簡単に殺してしまうような人々なんですよっ・・・」
「そこまで知らんけど・・まぁええがなそんなこと、借金した自分を責めなあかんでお涙だけで金返さんでええなんていう、最近の風潮より現実的やなぁ。持てる者と持たざる物の違いやからしゃーない。」
　呆れて声が出ない佳乃を大島はカーテンの引かれたリビングのソファーに押し倒す。

「キャッ・・やめてください。」
「あんまり大きな声だしたらご近所にバレバレやで。わしはばれてもええが、奥さん困るやろ。さあ、服脱いで・・しわになってしまうでぇ・・・っひひひひっ。」
　佳乃はついこの間の友之との性行為を思い出し、犯され願望が女体の芯を一瞬だが突き抜けた。

「さわらないでください。けだものっ・・」
「ひっひっ、奥さん大人しくせいこれも借金返済の一環や。・・・ほれ脱いでスッポンポンになれ。」
　ソファーに押し付けられた佳乃は、借金という言葉と逆らった時の監視員の行動を気にして観念する。

「脱ぎますから、乱暴にしないでください。・・・」
「それでええんや、それで。・・・いやらしく脱げよっ。人妻ストリッパー２６。」
　日の差さないリビングで、上着に手を掛けジャケットを脱ぎ去りタイトスカートに手をやりきれいにたたむ。
「よっしゃ。残りはワシが脱がしたるでぇ。・・・」
「・・いやです。自分で・・・やります。」
　大島の手を制し、佳乃はブラウスのボタンを一つ一つ外しアイボリーの下着姿をケダモノの目にさらす。

「・・・ええからだやっ。もうたまらん・・」
　と大島の獣心に火がつき、佳乃の唇に吸い付く。強く体を密着させられると臍下あたりに大島の獣の先っぽが肌にぬるっと当たる。
　大島の汚れた唾液が佳乃の口内を満たすと、二人の合わさった唇の脇からフローリングにぽたぽたとこぼす。佳乃は大島の肩を押し、少し体を離すと体に触れていた大島の下腹部に目をやる。そこには、

「どやっ・・・見たことないやろっ。・・・まだ半勃起やで奥さん。」
　目にした肉棒は、ブリーフのゴムの部分から先端が飛び出し、鈴口からは早くも透明な液がジュクジュクと精管を潤滑させている。この状態が半勃起なら完全に勃起した時の大島の姿は、想像をしたくない。
「・・・こんなことって。・・・うっ。」
「はよ、咥えたいんか。そんなに見つめられたらこいつ調子に乗って、佳乃のオ○コから離れへんようになってまうでぇ・・・まあ一度、味おうたらみんな忘れられんようやがな。」
　無言のまま佳乃はブラを取ろうと背中に手をやりホックを外すと、赤くコリコリとした乳首が２つ並び、
「ほうっ。・・乳首は安物のさくらんぼやっ。喫茶店のクリームソーダーに乗ってる、あの色や。」
　左手の肘から下の部分で赤い乳首をかくし大島の目から隠す。的確にとらえた乳首への表現は、佳乃が思春期を迎えた頃に気にしていた事、まさにそれであった。

　パンティーのゴムに手をやると、
「佳乃、パンティーはそのままや。・・・そのまま咥えい、ワシのポコチン。」

　大島の右手に頭を押さえつけられブリーフの中の肉棒を目にしひざまづく。近くで目にするとドンドンと血流を先端におくりだし勃起していく肉棒が後の恐怖を煽る。
「旦那のなんか、爪楊枝やろ。・・・さあさあ、ペロペロしてくれ佳乃。・・・ペロペロと。」
　ブリーフに佳乃の手がかかり少しの時間が経つと、
「観念せぇへんねやったら・・・支配人に電話するぞっ。・・ええんか。ペロペロくらいいつもしてるやろがっ。」
　髪の毛をつかまれ上から睨む大島に見つめられ、
「・・やりますっ。・・・パパ、ごめんなさい。」
　友之へ自分の背信を詫び、一気にブリーフを下げると血流の流れきった肉棒が飛び出した。目に涙を浮かべ大島の反りくり返った佳乃の手では握りきれない程の太さの肉棒に舌をそえた。

「ペロッ・・・ペロッペロッ・・・チュパッ・・ペロッ」
　赤黒いアメリカンチェリーのような色をした亀頭をいつも旦那にするようなやり方で舐めている。そのいつもしていそうな方法のフェラチオに興奮した大島は、
「・・っうっ・・ああっ・・気持ちええわ。・・・・このやり方で旦那のをサービスしてんねやなぁ。・・・おっおい、これからは旦那からも金もらえよっ・・・ううっ。」
「もっと先っぽペロペロとせいっ。・・・そっそうやっ・・ええぞっ。」

「ペロッ・・ペロッ・・チュパッチュパッ・・ペロッ・・・」

　こういう行為はわざと下手にしようとしても、いつものテクニックを隠すことはできない。別段上手なわけでもないのだが、横山と同様に沢山の女の口淫を経験した獣たちには、少し稚拙なほうが興奮を助長しているのは間違いが無い事実だ。

　リビングでの口淫で済むはずのない自宅陵辱嗜好研修は、更に淫らな研修へと進行する。