３１　プロモーションビデオ

　４月２９日。世間一般がゴールデンウィークに入り、渋滞や行列がＴＶで流されている。

　休日でも嗜好研修所からの連絡が入るのではと落ち着かない佳乃も、家族団らんのショッピングに嫌なこともひととき忘れている。

「おい佳乃。・・佳乃っ。」
　どこか心ここにあらずといった感じの佳乃に、友佳を抱えた友之が呼びかける。
「・・・・・あっ・・・なにっ、どうしたのっ。」
「おまえ、最近変だぜ。・・なんか考えごとが多いっていうか。悩みでもあるのかっ？」
「・・ううん、なんでもないの。最近、難しい仕事任されてきてさぁ。・・そうそう、あの研修セミナーの仕事もしなきゃいけないじゃない。・・だから・・・。」
「それならいいが。・・あまりオーバーワークになっても・・好くないよっ。」
「ありがとっ。・・パパ。・・ごめんね、心配させて・・・・」
「なんだよ、しんみりして。お前らしくないよっ。」
「ママ・・・元気だしてぇ。」
　友佳の声に、母親としての心を取り戻したようだ。が、あるメールの受信によってごく普通の母親から再び笑顔を奪い去った。

「ピロピロピロン・・・・ピロピロッ」
「・・おいっ佳乃。・・携帯なってるぞ。・・・会社からじゃねぇの？」
　ゾクッとして携帯を開く。すると、受信ホルダーの宛先欄に研修所と書かれた開きたくないメールが受信されていて、そのメールをおそるおそる開く。

『ＮＯ２６様。・・休日の団欒中失礼致します。次回の研修日時が決定いたしましたので、連絡いたします。・・・５月７日のＡＭ９時に、Ｐ‐ＵＰ致しますので所定の場所へお越しください。終了日時はＰＭ６時を予定しております。内容は前日に電話連絡させていただきますのでそれまでお待ちください。・・・・追伸、キットが届いておりませんので本日中に発送の程よろしくおねがいします。』
　一見、普通の仕事上のメールに見えるが、内容を知っている佳乃には、生きた心地のしないメールであった。

「どうした？仕事っ？・・・」
「うんっ、休み明けの研修についてのメールよっ。・・・５月７日なんだって次回は。」
「そうかい。遅くなりそうなの？・・研修は。」
「・・判らないけど、６時には終わるって・・だから７時か８時には、帰れるかなぁ。」

「あっそうだ。俺、言ってなかったっけ。・・・市役所の工事の残務処理そろそろ終わるんだけどさあ、次の現場がねぇ。・・・小野山ダムの管理棟の現場らしいんだ。・・・それで、通えないから泊まりになっちゃうんだよ。」
「・・・・・えっ。」
「まぁ日曜日は帰ってくるからさぁ。・・友佳のことお母さんにだいぶ負担掛けちゃうけど、いいかなぁ。・・まぁ一年で終わるだろうし、仕事選べないからな今の仕事はねぇ。」
　友之が遠くの現場に行くことは、佳乃の心理的支えが一つ欠ける。

「しょうがないね。・・・日曜日は必ず帰ってきてね。・・絶対だよっ。」
「おっおう。・・どうしたんだよ、いつもと違うなぁ。・・・・・・・毎週帰るよ、絶対に。」
　佳乃の頭には大島の自宅陵辱嗜好が思い浮かび、友之がいないことを知ると、いつ何時現われてもおかしくない行動を懸念する。

　会話中の夫婦を、遠くから隠しカメラで撮影していた一人の男が佳乃の横を通りすぎた時、
「ドンッ・・・・どこ見てんだよっ。・・この女っ。」
　体に当たった男が毒づいて佳乃と友之に睨みをきかした。
「ごっ・・ごめんな・・・さい。・・・」

　毒づいたその男は、彫り師の三治であった。休日のショッピングモールにまったくそぐわない男がそこにいた。
「・・すいません。・・よそ見してたもので。」
「気をつけて嫁はん見張っとけよっ。・・・どん臭い旦那やっ。」
「以後気をつけます。・・・」
　友之は三治のチンピラ的風貌に臆したか、後の憂いを考え頭を下げた。その時友之に聞こえないように、三治は佳乃になにやら囁いた。

　友之たちは三治から遠くはなれ友佳のおもちゃ探しをしている時、
「パパ、ちょっと友達のプレゼント探してきていい？・・誕生日のさぁ。」
「ああいいよっ。友佳とブラブラしてるから、終わったら電話してくれたらいいよ。なぁ友佳。」
　母親の顔を見て、何かを察したのか友佳は、
「ママ・・・いっちゃいや。」
「ちょっとだからガマンしてね。・・ママすぐ戻るからね。」
　とぐずる友佳に手を振り二人の視界から消える。

　雑踏からはずれたトイレのある角をまがると、誰もいない男性用トイレの入り口に三治が手招きをしている。
「おいっ。・・・こっちだＮＯ２６。」
「そんな名前でよばないでっ。こんなとこまで・・・あなたなに考えてんのっ。」
「強気だな、旦那と娘は監視されてるの判ってんのかっ。・・・・誰もいねえから、こっちこい。」
　ショッピングモールの監視カメラのない男子トイレの障害者用に、いやがる佳乃を強引に連れ込み持っていたカメラの録画ボタンを押した。

「何撮ってるの・・・やめなさいっ。」
「ＮＯ２６・・お前、性病検査のキット、いいや・・・オ○コの粘液キットまだ送ってねぇだろ。」
「・・・・・この前・・とったでしょ・・・だから、採らなくても・・」
「馬鹿やろう。・・・あのあとどっかの男とオ○コして感染するかもしれねえだろ。お前みてぇなエロ妻は、・・発情してどこの誰かしらねえ奴と。」
「そんなことしませんっ。・・・するわけ・・・ない。」
　そういいながらも、大島との性行為を拒絶できなかった事で、三治の言うことを完全否定するわけにもいかなかった。

「そこでだ、今おれは嗜好研修所に頼まれて、ＮＯ２６のプロモーションビデオを撮ってるんだよ。おめえさんの私生活を会員様に見ていただくための、・・ＮＯ２６を御指名していただくためのなっ。」
「・・・・・・・。」
「今から性病キットでの採取の状態をカメラの向こうの会員様に見ていただこうと思って、そうすりゃぁ安心して生で、ゴムなしでオ○コ研修していただけるとこういったわけや。」
「・・けだものねっ。・・・こんなとこでしなくても。家に帰ったら送りますから。・・・」
　と佳乃はこの場を立ち去ろうとするが、監視員の動きを警戒して立ち止まった。

「このあと尾行して旦那のいる家で、俺が採取してやってもいいが。・・・どうだい。」
　無言になり下を向いた佳乃はぼそりと、
「くっ・・・・・わかったわ。・・・早くしなさいっ。」
「それじゃぁ。カメラに向かって言うんだ。・・・・・・・・・・・・こう言えっ。ＮＯ２６。」
　耳元で卑猥な言葉を囁いた三治がカメラを手にし、佳乃の恥らう顔を映し出す。

「・・・嗜好会員様。・備品ＮＯ２６は・・性病検査を毎週・・していますので・・安心して御指名して・・・ください。」
「ええぞっ、そのまま続けろっ。」
「・・今日は・・検査用のおま○この粘膜採取を・・・皆様にご覧入れたいと思います。・・・・どうぞ。」
　そういい終わると、穿いていた黒いズボンを膝までずりさげ、少し陰毛が透けた白いパンティーが三治のもつカメラのＨＤＤに焼き付けられる。
「ズボン全部脱いで、パンツを片膝に残して便座の上にうんこ座りしろっ。」
　言われるまま、ズボンを脱ぎ去りたたんで棚の上に置き、パンティーのゴムに手をやり右の膝に絡ませたまま便座の上にしゃがみこんだ。ここまでの動きに佳乃の完全なる拒否反応はあまり見られない。

「おいっ。だいぶん慣れてきたみてーだな、ストリップ。・・・おまえのオ○コとご対面も一週間ぶりやなっ。」
「・・・はやく、終わりたいの。・・・友之さん待ってるから。」
　そういうと佳乃は、手渡された検査キットを袋から取り出し、顔をカメラからそむけ先端をゆっくりと挿しこんだ。
「・・・うぅぅ・・・はっ・・・・いや、止めてカメラは。」
「そんなんじゃ、粘液とれねぇよ。奥の方まで入れてこねくり回せ。備品ＮＯ２６・・・回転がたりねぇんだっ。」
　興奮した三治の手が佳乃の手を払いのけ、膣奥にぬめる佳乃の粘膜を検査キットの無機質な材質にこびり付かせる。左手でカメラを持ち、右手でキットを回転させる三治は人妻の苦悶にゆがむ顔が何よりの好物であった。

　十分にこね回された、膣肉からは透明な潤滑油が垂れ始めしゃがんでいる便器にこぼれ落ちる。
「ピチャピチャピチャ・・・・ピチャ」
　いつの間にかキットは抜き取られ、濡れそぼった棒はプラスチックケースに入れられ三治の懐におさめられていた。無機質な棒の代わりに三治の細かい作業を得意とした指先が、佳乃の膣肉を縦横無尽に柔らかさと温もりを楽しんでいる。
「あぁぁぁん・・・やめなさいっ・・あぁぁぁ・・人にきかれるぅぅぅ・・。」
「おまえが我慢したら良いだけの事だぜ。・・・・我慢できねぇのか、俺はハメハメ我慢してるのによぅ。」
「あったけえよ、オ○コのなかクチュクチュだよ。」
「あぁぁぁぁ・・だめっ・・こんなとこで。あはぁぁぁ・・・くぅぅ。」
　喘ぎを堪える佳乃の顔を捉える三治のカメラはトイレの床に置かれ、ローアングルで指先での陵辱を克明に記録されていく。

「ピリピリピリ・・・」
　佳乃の携帯は、友之からの着信を示す着メロが流れる。
「そろそろ時間だな。・・・・残念だが、ここまでだ。・・・これワシからの土産や。家に帰るまで楽しんでくれ。・・・・」
「・・・あぁぁぁ・・・ふぅぅぅ。そんな物入れないで。・・だめぇぇ。」
　指を抜き去るとすこし口の開いた膣口にゴム製のスーパーボウルを２つ押し込み、飛び出さぬように絡まった白いパンティーを穿かせた。穿かせたパンティーの股布の部分を名残惜しそうにさすり、棚のうえのズボンを佳乃に手渡す。
「早く穿け、旦那が待ってるぜ。・・・」
「取って・・ください・・・変な物入れないで・・うっぅぅぅ。」
　と股間の違和感に眉をしかめる。
「早く穿かねえんなら、そのまま外にほりだすぞ。・・・男の声が聞こえるから、男どもにその姿見せてやろうか。」
　すごまれて怯え、渡されたズボンを穿いた。ズボンを穿くことによってスーパーボウルの外に押し出される動きは制限され佳乃の膣肉に完全に収まっている。

「よし、帰るまで尾行してカメラに収めてやるから、ゴムの卵どっかで産み落とすんじゃあねえぞ。家に帰るまで、そのまま温めるんだぞっ。」
「・・・・・・あふっ。」
　肩を押された佳乃は、開いた引き戸から押し出され誰もいないトイレの通路に解放された。一、二歩、歩を進めると、膣内に埋め込まれたスーパーボウルが足の動きに呼応し我先にと膣口に向け動き始める。
　だがしかし、パンティーに阻まれた出口は堅牢で再び一つは奥へ、もう一つは膣口へと佳乃の女の芯をいたぶっている。
「おう、おう。・・そんなにお尻突き出してたら、いやらしいおっさんどもの目の保養になっちゃうぜ。・・まさかスーパーボウルがオ○コに埋められてるなんて、おもわねえだろうがよっ。」
　カバンに忍ばせたカメラが、佳乃の尻を録画しつづけていく。

　友之と再会し歩き方も普通通りに戻り始めたころ、ようやく帰路につく。

「・・・・うぅぅぅ・・あぁぁぁはっ。」
　帰宅するや否や家のトイレに真っ先に向かい、３０分ほど埋め込まれていたスーパーボウルを自然分娩でトイレの床に産み落とした。
「ポトンッ・・・ポトンッ・・ピチョン」
　産み落としたスーパーボウルからは微かな湯気が立ちこめ、尚且つ力んで産み落としたためか、何滴かの小便もこぼしてしまう。
「・・・うぅぅ。こんな生活・・・・いつまでつづければ・・。」
　と弱音を吐きかけると、天使のような友佳の声に、
「ママァ・・友佳も・・おしっこでる・・・ドア開けて。」
　という声に、再び母親の顔を取り戻すことが出来る。
「はぁい。・・・ちょっと待ってねぇ。」
　暖かいスーパーボウルをペーパーで拭い、ズボンのポケットにしまい、ドアを開けて友佳を迎いれた。

　三治はこの光景を録画できなかったが、キットを持ち帰る車の中で現実と同様の光景を目の奥で楽しんでいる。