３７　知らぬが仏

　妻がいない夜が増え、性欲を押さえつけられない夫がする行動はたくさんの選択肢があるわけではないようだ。友之も佳乃がいない夜が増え、少し押さえつけられない性欲をインターネット上に求めていた。

「・・友佳も寝たし・・・ちょっと気になってる・・・これこれ・・・。」
　パソコンの前にパジャマ姿ですわり、ビール片手にマウスをさわりとあるサイトにたどり着いた。その画面には『ハウスワイフ・スワップルーム』と書かれた背景がダークなサイトを開いていた。

「・・へぇ・・こんな可愛い奥さん・・こんな見ず知らずの男達に・・抱かせて興奮してるんだぁ。まぁ俺も人のこといえねぇんだけど。・・・でも・・佳乃、ＯＫしてくれるかなぁ。」
　友之の性衝動は、他人に愛する妻を抱かせそれを観察もしくは、覗き見することによって最大級の勃起と絶頂が得られる。毎回、佳乃との性行為も自分をまったくの他人に置き換え絶頂を得ていた。そのことは、相手である妻にも言えずにいる。ただ単に妻を愛するだけでは絶頂を得られないでいるのを告白するともう二度と性交をしてもらえないのではとも思っている。その為、気持ちが入らない状態で性行為をしてしまう時などは、射精までいくことなく萎えてしまうこともしばしばであった。

　ただ、今の佳乃のおかれた状況を知る由もない友之には、知らぬが仏なのかは本人に聞いてみるより確かめようのないことなのだが。

「おっ・・動画もあるんだ・・・・・すげぇ・・・やっぱり俺と同じ人間もいたんだぁ・・でも、佳乃はどうなんだろう？・・あいつも興奮するんかなぁ。・・・そのまま、相手の男と・・・なんて、あいつに限ってそんなこと・・・・・うーん。」
　と、考えながらも自分の性衝動に歯止めが利かず、そのサイトの会員登録をしてしまった。

「・・まっいっか・・会員登録くらい・・・大丈夫だよ・・大丈夫。」
　そのまま、投稿画像やらスワップ相手の募集投稿などを見ながら夜の時間を過ごしていた。ビール片手に画像などを見る姿は、今起こっている佳乃の犯される姿を見ている男達と差ほど違いのないスタイルである。が、その現実を知らされるのはまだ遠い先のことになるのだが。



　垢太郎が檻を出て佳乃の身柄を鈴木に託してからわずかの時間が経ち、勝は自分の部屋でライブチャットのアクセス数の集計を進めていた。ライブ動画はオンラインにしたまま佳乃を犯さんとする先輩鈴木の姿を横目で見ていた。
「・・先輩・・・童貞だったのかよ・・・なんか経験一杯みたいな事言ってたけど・・・まぁ・・体育会系のお猿さんだから・・しかたねぇけど・・・まさか、上玉を犯しながら童貞が捨てられるなんて、思っても見なかっただろうなぁ・・・これで、学校生活も楽が出来るよ。」
　勝は、中学まではいじめられ、高校に上がるとすぐに目立つ不良に取り入ろうとしたが逆に鴨にされていた所を、この鈴木に救われその後鈴木を利用し学校内での立場を安定させることに成功していた。学校内での不良たちは、スポーツ万能な鈴木には一目置いていて勝はその庇護の下に安穏な毎日を送っていた。

「・・接待しますから・・これからも、あいつらに睨み聞かせてくださいよぉぉ。」
　その時、勝のポケットから携帯がなりキーボードから手をおろし、通話を開始した。

「おぅ・・アグエロ・・どうしたんだ。」

「・・・ふーん・・・・でもそいつは、どうかな。・・・・誰が言ってるんだ。・・・ミンスクのクライアントだって？・・・今のとこ由香里が最下位かもって感じだが。・・・あぁ・・・佳乃は・・今のところトップだけど・・倍出しても無理だよ。・・ルールは曲げられないよ。」
　生贄の輸送先との連絡を取りながらも、鈴木の行動を、一部始終覗き続けている。

「・・・三倍だって・・・そんなに投資して元が取れんのかよ。・・・だけど、・・・おれもまだ、佳乃を・・入札したわけじゃぁねぇから・・・無理だぜ。・・・あぁ・・アグエロ悪いけど・・ベラルーシの・・おっさん達に言っておいてくれ・・・ルールはルールなんだって。」
　画面の中の鈴木が、ぐったりとした佳乃の皮ベルトを外しついに狩りを開始した。

「あぁ。・・・明日の昼過ぎには、ピックアップの車が来るんだな。・・・おまえは・・・そうか。・・・・アグエロ・・おまえの楽しみも置いておくよ。・・それよりベラルーシって言うことは、スナッフ・・って事だろう。・・・もったいないような感じだけど。・・・まっ・・いいっか。・・おっそれどころじゃなくなりそうだ・・・じゃあまたな・・アディオス。」
　電話を切ると、画面の中の動きに注目し始めた。勝は、もしもの時のためにこの動画を録画し後の憂いを乗り切るための切り札にしようとボタンをおした。



「ガチャガチャ・・・ガチャガチャ・・・・」
　拘束を外された佳乃は、我に返り檻の中で隙間から助けを呼ぶように檻をゆする。そんなことをしても何も変化はなく、ただ単に狩りを試みる鈴木とこのライブ動画を楽しみにしている男たちの肉棒をしごくスピードを早めるだけだった。

「・・・もう帰してぇぇぇ・・・・もうぅ・・・いやぁぁぁ。」
　語尾が上がらずに、下がり始めた佳乃の助けを呼ぶ声は客観的に見ても疲労感、絶望感がありありと見て取れる。その脱力した声は、鈴木のレイプ願望には火に油を注ぐだけで、なんの解決策にもなっていなかった。

「どこ・・いくの？奥さん。・・・好い事しようよ。・・・おれ、奥さんみたいな女、大好物だよ。・・・・同級生の若いだけの女は、興味もわかねぇ。・・・逃げろ・・・逃げねぇと・・ポコチン挿しちまうぜ・・・へっへっ。」
　檻を必要に揺らすと、８３ｃｍの両の乳房も揺れている。その揺れる乳房を、鈴木は後ろから羽交い絞めにし、力一杯もみたおした。童貞であろう鈴木は、女を喜ばす術をしらないが牡の本能からか、乳房を両脇から揉みこみ人差し指と中指で赤く尖った乳首をコリコリと刺激しながら逃げる力を削いだ。

「やっぱ・・奥さん・・気持ちいいんだろ。乳首コリコリだぜぇ。・・・ほら・・ほらほら。・・・あうっ。」
　調子に乗って体を密着させた鈴木は、勃起しきった赤い亀頭が佳乃のまだ傷ひとつない双尻の触れ言葉の強さと違った敏感な反応に恥ずかしさを覚えた。

「・・・・強く揉まないで・・いたいっ・・・はっぅぅ・・・だめ・・やめなさい。」
　少し腰をひき、亀頭に刺激を与えないように佳乃の柔らかい尻から離れ乳を揉むのも止めた。そのまま、止めるはずのない陵辱は、第二段階に進み佳乃の両手を鈴木は片手で押さえ込み佳乃の抗いをベッドの上で押さえ込んだ。
「も・・もう・・入れる。・・・おれ・・我慢できねぇ。・・・奥さん悪いなっ・・おれがわるいんじゃねぇぜ・・ここに呼んだ奴らが悪いんだぁぁ。」
　押さえ込まれながらも体を右へ左へと動かすが、佳乃への性的な興奮を馬鹿力に変換させた若い男の力は抵抗できる物ではなかった。なおのこと１４時間以上も陵辱され続けている女の抵抗は、１分と持つわけもない。

「はぁ・・はぁ・・・だめ・・入れたら・・あなたも・・犯罪者よぉぉぉ。・・やめなさいぃぃぃ。」
　と叫び声にも力が入らず、その開けた口も鈴木の唾液にまみれた唇にふさがれ、舌先までもが陵辱されていく。初めての大人の女とのディープキスに興奮した鈴木の鈴口からは、たっぷりとカウパー氏腺液が、尿道の潤滑を行っている。

「・・・は・・はいんねぇ・・・うまく・・はいんねぇ。・・・奥さんの・・おま○こ・・ちいさいんじゃねぇの？・・・あれ・・あれ・・。」
　画面を見つめる勝は、ゲラゲラと大笑いをし童貞レイプ犯鈴木の狼狽振りを指を挿して小ばかにする。

「先輩・・もうちょっと・・・下ですよぉ。・・・・そこは、クリだよ・・押さえつけてどうすんの？・・たっく・・佳乃は・・下付だから・・そうそう・・・もう少し下。」
　と勝は大きな手振りで先輩の童貞喪失を応援する。

「・・・うおぉぉ・・あったけぇぇ・・・こんなにあったかいのかよ・・・おま○こって・・・」
　肉棒をニュルリと差し入れることに成功した鈴木は、思わず本音を口走るが抵抗する佳乃には聞こえていないようだ。しかし、経験不足は佳乃にもある程度露呈し差し込まれた肉棒はするりと膣口から抜け落ち何度も何度も、挿入を繰り返す。その行為自体が、入り口付近の潤滑を促進し鈴木の初体験での射精を早めてしまう。
「うわぁぁ・・・ピュッ・・ピュッピュ。」
　ピストン運動を繰り返すまもなく、佳乃の少し摩擦で赤く腫れかけ、めくれ上がった膣肉を鈴木の若い精液で白く染めた。

「うそ・・先輩・・早漏かよ。・・・・せっかくの初体験・・三こすり半で・・シュウリョー。」
　画面の中の鈴木の動きが、緩慢になり押さえていた佳乃の両手も離され、その隙にベッドから再び離れ檻を背に乳首と陰毛を手で隠しへたり込む。鈴木は、ドクドクと流れ出す精液を垂らしながら呆然と立ち尽くした。精を放出した若い肉棒は勃起を維持したまま佳乃の方を向いているが、まだ持ち主の鈴木は動こうとはしない。

「・・おめぇ・・・動くんじゃねぇよ・・・奥さん・・おま○こ・・気持ちよすぎるから、いっちまったじゃねぇか・・・くそぉぉぉぉぉ。」

　再び、佳乃へ挑みかかる鈴木は恥ずかしさを怒りに変え、先程外したはずの皮ベルトを再び手に取り、動きの緩慢な佳乃の両足を捕らえそのまま、強引に開脚させベルトを固定させた。二回目の交尾を試みるため自分の理想である逃げ惑う人妻を拘束させてしまい実利である身動きの取れない人妻を戴こうとし、何度でも挑みかかろうと肉棒の先端を再び柔肉へとあてがった。

　この鈴木のドンくさい童貞喪失劇を、ライブ動画のユーザー達は敏感に捉え生贄へのアクセス数は予断を許さない状況になり始めていた。

　アグエロと勝の会話に出てきたスナッフと言う言葉の意味すら佳乃は、知らないでいるし、知らないほうが良いのかもしれない。