３９−６

　剥き出しのコンクリートの壁、天井からぶら下がる裸電球そして後ろ手に手錠をかけられた裸の女。

　神崎組の地下室に護送された神川愛は、黒く光るマットにうつ伏せに寝かされ、その横に刺青だらけの若い男が、細く白いくびれた女の腰に落書きをしているように見える。

「・・よしっ・・若頭、できましたよっ・・・こんなんでいいんですかい。」
「もっと派手に書かしてくださいよっ。これだけの女に墨いれるなんて、滅多にねーんだから。」
　と彫り終えた腰をさすり、尻の割れ目まで手でさする。

「・・ご苦労さん。・・三治わかってるだろうがこの事をしゃべったらおめえ、・・・。」
　頭をさすりながら三治と呼ばれる彫師にドスをきかせる。
「そんな、恐ろしいこと誰がしますかい。警察よりも恐ろしい神崎組を敵に回すなんて・・・」
　といい終わる前に、木下は万札を五枚ほど三治の胸ポケットに押し込み背中をポンと叩く。

「ほんじゃあ。若頭、またよんでください。」そのまま重たい扉を開けた。
「ガッチャン」

　三治が出て行き、神川愛と若頭の木下が二人きりになり組事務所で女捜査官を取調べをするように、まるで反対の現象がこの狭苦しい空間に生まれる。
「・・クククッ。ざまがねえな、神川愛さんよ。パクリたかった神崎組に逆にパクられるなんてなっ。」
　と足先で愛の尻の割れ目を開き、尻肉によって見え隠れする肛門のあたりに親指をあてる。
「そろそろ起きる時間だなっ。」

「ドカッ・・・ドカッ・・・・」
　肛門をいじっていた足先を、愛の細い腰の辺りにあてがいおもいっきり２度３度と蹴り上げる。
「・・おいっ起きろ・・地獄に着いたんや。閻魔さんに挨拶の時間や。」
「ガツッ・・・ガガツッ。」
　再び、足の裏で愛の横たわる尻を踏みつけ大きな声をあげた。

「・・ここっは・・・なに・・どこ・・わたし・・いきてる。」
　目隠しをされ、後ろ手に手錠を嵌められた愛は自分が生きていることだけが理解できた。
「遠路はるばるご苦労さんやった。・・・備品ＮＯ２４。」
「これからお前さんは、前世の名前では呼ばれない。・・ＮＯ２４がお前の管理番号や。」
「・・なに言ってるの。・・私は、・・かみかわ・・グエッ。」
　みぞおち辺りに蹴りが飛び、名前を言えず咳き込む。
「今ゆったやろが。・・ＮＯ２４や。・・地獄へ放り込まれた罪人に名前など必要はないんや。」
「・・うっうえ。・・そっその声・・まさか・・きのし・・・グオホッ。」
　再び蹴りが飛び、
「地獄に落ちたくせに、べらべらとしゃべるんじゃねえよ。・・くそポリが。」
「・・やっぱり・・木下ね、神崎組の。・・」
「ばれちゃあ仕方がねえな、神川愛巡査長。・・・これから言うことは全て事実だからよく聞けよっ。」
　と髪の毛をつかみ上げ、愛の耳に直接話しかける。

「・・神川愛、お前は触れちゃあならねえとこに触れちまったんや。おまえの潜入捜査は全部ばれちまった、県警の２課もその上の警察庁のえらいさんも、全部手を引いちまったんや。」
「うっうそよっ。２課はまだ動いてるわ、私からの連絡がないのに感づいてるはずよ。」

「可愛そうになっ。・・おめえの家に薬や葉っぱ置いて、垂れ込みいれてやったんや。お前の部署に。」
「・・もうお前さんへの逮捕状が出ている頃か、もしくは懲戒免職で事件自体が闇の中か、そいつはわからへんけど、ともかく神川愛という女は警察組織からは抹殺されてるんやで。・・・ＮＯ２４。」
　絶望的な木下の言葉に、はいそうですかと頷く訳にいかない愛は、大きな声で助けを呼ぶ。

「だれかぁぁぁ・・・・たすけてぇぇぇぇ。」
　大声で叫ぶ愛を、制することもなく笑みを浮かべる木下。完全防音でピストルの試し撃ちまで行えるこの地下室では愛の声など外に漏れるはずもない。
「・・叫べ叫べ・・・疲れるだけだぞ。・・・おれの恨みを晴らすまでは・・・くたびれてもらっては、困るんでなぁ・・・これ、一本いっといてもらおうか？・・・お前の家に隠したブツと同じ成分だよ。・・・これで・・解放されても・・おまえは、アウト。まぁ・・執行猶予はつくかも知れねえが、・・・・・俺らと同じ、一生日陰暮らしさ。」
　と、後ろ手に拘束された肘の裏側に、消毒もせぬままとある水溶液が入った注射器を青く浮き出た血管にブスリッと刺し一気に流し込んだ。

　

　
　一本の注射器が神川愛の横に転がり、木下が愛の膣口に横山から渡された大き目の医療用クスコを差し入れてから３０分ほどが経ったころ木下はカメラをセットし終え、愛の体を四つんばいにさせた。

「・・これかぁ・・先生が言ってた・・海綿は。・・・始めてみるな女の子宮口なんて・・・それが、あの憎らし気大沢署の神川愛巡査長の子宮口とは・・・・・・。」
　意識が混濁しはじめた愛は、木下の言う言葉が微かにしか聞こえなくなっていた。耳は、圧迫されたようになりはっきりと聞こえない。しかも、大きく開かれた膣口の中に指先をいれられても、頭の中が回り始めたため、下半身に神経が及ばない。

「・・・おっ・・・簡単やなぁ・・わしでも出来るんちゃうか産婦人科。・・・簡単に抜けよったがなぁ・・・お・・パックリあいてるでぇ・神川・・・お前の子宮口・・・よっしゃぁ・・・閉まる前に・・・・・・はめたろかぁぁ。」
　木下は、愛の股間に突き刺さるクスコを無造作に抜き去り、バックスタイルのまま中学生の腕ほどはあろう自慢の肉棒を造作もなく嵌めた。パックリと開いていて戻りきっていない膣口を蛇のような動きで、狙いを定めたもう一つの入り口である子宮への扉をコンコンとノックする。

「これやなぁ・・先生の言う・・ウテルス・・いうのは。・・・こうか・・きついなぁ・・おっおっ・・・・・いけるかぁ・・・どやぁぁ。」
　放心状態のままの愛は、二つ目の女の入り口を押し付けられる感覚に、一瞬にして目覚め牝の叫びを上げた。

「ひやぁぁぁぁぁ・・・いいいたぁぁぁいぃぃぃぃぃ・・・ああ・・壊れる・・壊れる・・・だめぇぇ・・・・ぬいてぇぇぇぇぇ。」
　木下の亀頭の先端が子宮口をめくり上げ、ぬるりともう一つの入り口を越えた。
「・・・おお・・・お○この肉もええが・・・コリコリの子宮も・・・たまらんなぁぁぁ・・・おまえも・・ええやろぉぉぉ・・・なあなぁ・・・先っちょ締め付けんなって・・・抜けへんようになったらどないすんねん。」
　と首根っこを掴み、愛の後ろ髪を手に握り締め、涙が浮かんだ瞳をみて木下は、

「このまま・・・出したるから・・・わしのベイビー・・きちんと孕むんやでぇ・・・孕んで・・８ヶ月ほど経ったら・・おまえがパクッた永崎やら・・河本やら出所してくるさかいに・・・おまえのボテ腹、みんなでぼこぼこにしたるさかいに・・・・楽しみにしとけやぁぁぁ。」
　と、抜け切らぬ亀頭の先端を無理に突き刺し子宮頚部の柔肉まで犯し続ける木下の神川愛への復讐は、一時間後に迎える子宮内への直接射精まで続けられた。

「いやぁぁぁぁぁぁ・・・・・殺してぇぇぇ・・今すぐ・・。」

　絶望した神川愛の叫び声は、県警本部にいる笹山にはかすかにだが届いていたのかもしれない。