| ６２−４ 騎乗位ではなく受身の正上位を選択した佳乃。そばに横たわる若妻の裸体を眺め、恐る恐る柔らかな乳房を揉み始めた。 佳乃は、牡を受け入れる為、体を預けたつもりだったが思惑は外れ、児島からの堅苦しい愛撫が始まってしまう。 「・・や、柔らかい・・・。」 「あっ・・・い、痛いです。」 「・・ご、ごめん。・・・こ、こうかい？」 「は、はい・・それぐらいが・・あぁ。」 「・・・ち、乳首が・・立ってきたよ・・・チュッ。」 「あっ・・・はぁぁ。」 佳乃の目論見は外れ、挿入にはいたらず、児島は若い裸体を触りテクニックのない無情な時間が続く。諦めのなか目をつむり、揉まれるだけで気色の悪い愛撫を受け流す。 「・・き、気持ちいいのだね・・・ほら、こんなに乳首が・・・・コリコリだ。」 「あぁ・・・はい、・・きもちいい・・です。」 ありきたりの返事だけあいづち、溜息と喘ぎとの区別のつかぬ吐息が部屋の中に渦巻く。 乳首だけ指で転がし、続いて乳房を揉む。その単的な責めはここ最近の老獪な男達の責めと違い、ただ無益な時間が続くだけのように感じた佳乃は、知らず知らず大島ら嗜好会員の術中にはまり始めていた。 「下も・・触っていいかい？」 「・・・・・。」 上半身の愛撫に見切りをつけ、下半身の愛撫へ移行するのさえ若妻の許可を得る始末。佳乃は、返事を言葉で出すことすらおっくうになり、目をつむったままコクリと頷くだけだった。 「・・・きれいだよ・・・。」 「・・・・。」 「陰毛は・・・綺麗な生え方だね・・・僕の理想だよ。」 「・・・・。」 「クチュ・・・」 「あれ・・・濡れてるのかい？」 「・・・い、いやです・・・そ、そんなこと言わないで。」 陰毛を撫でさするとそのまま指先は閉じていた陰唇部分にふれられ、児島は指先の感覚に湿り気を感じる。ぎこちないだけだった愛撫に反応した自分が情けなく感じていた。 「・・・な、舐めても・・・いいのかい？」 「・・・。」 再び頷くだけの返事をみるや、児島の体は佳乃の両の足を割り開き、その間に入り込む。自分の腹をベッドに押し付けるようにし、下付気味の佳乃の陰唇に舌先を這わす。 「ペロッ・・・・ペロッ」 「はぁぁ・・・・あぁぁ。」 佳乃の吐息は先程の溜息から喘ぎに変わった。乳房や乳首以上に敏感な生殖器をぎこちないながらも舌先で舐められると、我慢しようにも性電気が走り、脳幹を揺さぶる。 「あっ・・・あぁぁん・・・・はぁぁぁっ。」 ほのかに石鹸の匂いのする陰部は、この男には新鮮だが大島ら他の嗜好会員には物足りないぐらいであろう。 「ペロッペルペル・・・ペロッ。」 「・・あっ・・あっ・・あっ・・。」 口からでる喘ぎと裏腹で、児島の頭を押さえ陰唇から舌先を回避しようとするが、喰らいついた児島の舌先は獲物を逃すはずもなく、佳乃はあきらめ、押し返そうとする手の力は、髪の毛を撫でさする動きに変わっていった。 「き、気持ちいいんだね・・・・よ、よ、佳乃。」 今までの苗字呼びから、自分の妻か不倫相手の女を呼ぶように呼び方を変化させた児島。 わが物のような言い回しに気がつかない佳乃は、稚拙なクンニながら短い周波数の喘ぎ声をあげ続け、その呼ばれ方が耳に入らないでいる。 「い、いい・・・・はぁぁぁん・・・あっあぁぁ。」 陰唇部分のみを執拗に舐めあげ、佳乃の敏感な部分である陰核包皮への刺激は皆無であった。児島の舌先が下から上に舐め上げる一瞬、微かにヒットする時だけ佳乃の牝の喘ぎが変わることに児島は気がつかないでいる。 「そ・・そろそろ・・いいかい？」 児島の言葉の中の「そろそろ」はクンニに至る前に佳乃が促した言葉であり、ようやく佳乃にとっての義務的な交尾が始まろうとしていた。 「・・やさしく・・・入れてください。」 「・・あぁ・・・ゴ、ゴムはないけど・・・外で出すから。」 「は、はい・・・。」 「・・・ん？・・・・あ、あれ。」 「・・・・・。」 「う、うまく・・・入らない。・・あれっ。」 緊張からか少し縮みかけた陰茎は、力強さを失いかけている。そのため佳乃の準備万端の陰唇を押し分け潜り込もうとする児島の肉棒は、陰唇を割り開くことなく右へ左へと切先を逸らされる。 「・・こ、こんなはずじゃ・・・。」 「・・・。」 児島に助け舟を出そうとするその時、佳乃は友之との初めての交わりの事を思い出した。 あの時も友之へのフェラチオの後の最高点に達したであろう陰茎をすぐさま受け入れようとしたが、児島と同様に佳乃への愛撫に移っている間に陰茎への血の巡りが少なくなっていた。 「・・こ、児島さん・・・私が・・上になります。」 児島は、必死に挿入を試みていたが膣口を見つけられず、膣前庭に陰茎を執拗に押し付け空回りしていた。 助け舟を出した佳乃は、児島の前かがみになり自分に覆い被さろうとしていた両肩をそっと押し、児島を仰向けに寝かせる。 「・・ご、ごめん・・・いつもは、・・・上手くいくんだ・・いつもは。」 「・・・ハムッ。」 「・・うぅぅ・・・。」 再度、上向きに勢いの薄れた先端だけを咥え、唾液をまぶせつける。舌先を１０回転ほどさせると、次第に血流は回復し、佳乃が言った「そろそろ」の頃までの硬さに戻っていた。 「ニュ・・ニュルッ。」 「・・・・あぁぁ・・・はぁぁ・・・。」 唾液の具合と佳乃の湿り気具合で小さめの陰茎は、すんなり収まり佳乃のユルユルとした腰使いが始まる。ゆっくりめの上下運動をする理由に、内部の潤滑が十分でなく入り口付近の潤滑だけでは、膣内の粘膜が擦れ痛みを感じていた。 「・・・いっ・・。・・まだ、動かさないで・・もう少し・・まって。」 佳乃は児島の挿入後の一突きに痛みを覚え、両の手のひらを児島の胸板に当て制止させた。自分の潤滑具合の悪さをカバーすべく、佳乃は体を重ね児島の毛の生えた乳首を舌先で転がした。 「チュュ・・・・・チュパッ」 「・・うぅぅぅ・・・右は・・指先でしてくれ・・うぅぅぅ。」 児島の睾丸の中の精液は、佳乃の潤滑液の分泌を待たずして、輸精管を移動し始めていた。 |
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| 2009.12.9掲載 |
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