| ７６−１ 犯され続ける巡査達を残し、木下と大島それに続き佐々木もその部屋を後にする。錆付いた鉄骨階段を二階まで上がると、暗がりの廊下の行き止まりに扉が見える。その奥から漏れ伝わる苦悶の声は、佐々木にはかすかに聞き慣れた声色だが、聞こえる単語は別物だった。 「おぅぅぅ・・・お尻が・・さ、裂けます・・・あぁぁ。」 「裂けていい・・・あとで縫合してもらえばいいんだ・・・あの国は・・・麻酔もないぞぉぉ。」 「ぁぁぁあああ。・・・・いやぁぁぁぁ。」 男の声に聞き覚えのない佐々木は用心のためか、その男との面通しを避けようとする。 「・・大島部長・・私は・・・外で待ちます。お客人とは、面識もありませんし・・・。」 「そうやなぁ・・・お楽しみのところ３人も行く訳にいかんか。・・・よっしゃ、お前は車で待っとけ、若頭、案内したって・・・。」 「へぇ・・わかりました・・・下や・・着いて来い。」 「はい・・・。失礼いたします。」 木下の後をついて再び階段を下り、大きなシャッターの前に止められたワンボックスの護送車まで進む。 「木下さん・・これは？」 「あぁ・・・今日の先生が用意してくれてなぁ・・・この車やったら・・・止められることもないやろ。」 「留置所から検察の往復に使う・・よく手配出来ましたねぇ・・・。」 「まぁ・・わしらの用心棒や・・・極道の用心棒が・・・警察やなんて・・・可笑しな話やけどなぁ。」 「署長クラス・・・若しくは・・・県警の警備部長クラスってとこですか？」 「いいや・・・雲の上クラス・・やな。」 「・・・警察庁・・・幹部・・・ってとこですか。」 「まぁ・・・。・・・大島さんが可愛がるだけある・・・洞察力のある男や。」 「恐れ入ります。・・・鍵ありますか？」 「おぅ・・・ほれ・・・なら、わし・・・二人の梱包してくるから・・・お前さんはここで・・・。」 「はい・・・ガチャッ・・・バダンッ」 木下からのかすかな情報から分析を始めた佐々木は運転席に座り、搬出までの残り短い時間に全てをかけた。 「小池先生・・・そろそろ・・お時間で。」 「何、もうそんな時間か・・・では、もう二擦りほどでっ・・・・・ドクンッ。」 「うぐぅぅぅぅ・・・はぅぅぅぅ・・・ゆっくりぃぃぃぬいてぇぇ・・・さ、さけるぅぅ。・・・ヌグプッ」 四つんばいにされた尻の穴からは、出血に混じった白濁した精液がドロリと噴出した。裂傷のみられる菊門は、パクパクと鯉が餌を求めるような具合で呼吸をしている。 「きれいにしなさい。・・・神山巡査長。」 「・・・はぁぁ・・・はぁぁ・・・。」 「裂けた尻の穴など、気にすることはない。・・・いずれにせよ３人共、拡張され、オムツの離せない赤子のごとく改良されるのだから。」 「・・・あ、あの子達にも・・・同じ事を・・・。」 「部下思いのいい巡査長だ。・・・だが、君の上司は誰一人、部下の心を掴み取れていなかったようだねぇ。」 「・・・。」 「なんだ、諦めきれないのか。・・・笹山警部だったかな・・・あの男に、私の後を追う術などないといったのが理解できないようだねぇ。」 「うぐぅぅぅ・・・ゲボッ・・ゲホッ。」 最後の最後まで笹山の登場を諦めきれない愛の咽喉奥を、排泄口を犯し続けていた陰茎でとどめを打つ。 「泣け、喚け・・・その声を・・・あの、免許課長に届かせるんだ・・・アッハッハッ。」 咽喉奥に当る感触で反射的な涙を零していると実感したいが、神山愛の涙にほ降伏の一文字だけが頬に残された。 運転席に座りいつもの落ち着きを失っていた佐々木は、数分後に訪れるであろう４人の危機を回避すべく無線のレシーバーを握る。 「・・・本部に・・・いや、・・・。」 数回の自問に判断を鈍らせていると、与えられた時間を失ってしまう。 「サッサ・・・歩かんかいっ。」 木下の命令口調を聞き、佐々木に握られたレシーバーはフックに納まり、配送係の顔に戻る。運転席のフロントガラスから飛び込んできた衝撃的な映像は予想していた通りの動きを見せている。 腰縄を巻かれた３人は、先頭を一番若い巡査、二番目を先輩巡査長、三番目に歩かされるのは、ギチギチに目隠しをされた神山愛だった。３人共、制服を着させられ、いつもと真逆の仕打ちに頭を項垂れる。 「わしも何回この格好させられたか。・・・婦人警官の姉さん方、屈辱的やろぉ。」 木下は縄尻を引っ張ると、先頭の巡査はつんのめり、バランスを失う。 「まぁまぁ・・若頭・・・あなたは、拘置所。・・・この娘たちは・・・・もっと遠い・・・不毛の地に旅立つんだから・・・丁重にしてやってくださいな。」 三番目に歩く神山愛のスカートに包まれた双尻を撫でさすりながら現れた男の顔を焼き付ける佐々木。その顔には見覚えもなく、データに乏しい状況を打破できないでいた。 「・・・幹部か？。本庁の？・・・・。」 この場にいる７人のうち５人が警察官でありながら悪党２人を拘束することすら出来ないでいる。スーツ姿の男に憎しみの視線を送るが、対する視線は愛の尻に魅了されていて届くことはない。 「バタンッ」 後部のドアが閉まる音が聞こえると、佐々木はセルを回しエンジンをスタートさせた。後部の視界は遮られてはいるが、３人の巡査達と同乗する男の声が聞こえる。 「ガチャッガチャッ・・・手を、・・暴れるな。・・・手錠をかけることなど久しぶりだなぁ。・・・・君たちノンキャリの仕事をさせられるなんて・・・。」 「さぁ・・運転手・・・ナビ通りに・・・新潟まで・・護送してくれ。」 荷台から響く命令に、怒りと動揺を足に込めアクセルを強く踏む。ナビのゴール地点は、大きな港ではなく小さな漁港が記されていた。 警察官５人の乗った護送車は、開いたシャッターをくぐり悪党共の待つ日本海へとハンドルを切った。 |
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| 2010.12.4掲載 |
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