| ７６−４ 上下８本の前歯が抜けた若い男は、挿入しかけの桂の肉棒を涼子の菊門寸前でキャンセルさせた。 「おぅ、元気でやってたか？・・・俺より三月も早いシャバ暮らし。」 「三キロ肥えました。兄貴・・・なにより出所、おめでとうございます。」 涼子の菊門の周辺を、濡れついた亀頭の先端で刺激しながら米との会話に興じていた。米の視線は、持ち上げられた涼子の双尻の間に窄まった肛門に集められ、桂への視線は簡単に中断した。 「ひでぇなぁ兄貴、忘れたんですか？・・・ムショでの契りを。」 「あぁ・・忘れたよ。・・・牝巡査長の尻の穴ぁ、見せられて・・・お前の存在すら忘れたくなっちまうよ。」 「あの時の身代わり・・・きつかったぁ。・・・あいつのデカマラ、・・・今でも肛門科通いですわ。」 「悪かったよ。・・・ビビッちまってよ、若頭のあれよりでけぇの初めて見たからな。」 「いやぁ・・・人間の尻の穴ってのは、いくらでも拡がりやがるんですよ。・・・牝巡査長、おめぇのかわいい処女尻も・・・三度も味わえば・・・・キキキッ。」 米は涼子の双尻に頬を寄せ、一番長い薬指を躊躇いもせず菊門へとずぶりと突き刺した。 「いぃぃぃ。・・ぬ、ぬいて・・・そこは、排泄・・・を。」 「いいや、巡査長。・・・あんたらの同僚のおかげで、ムショに入った俺達のなかでは、この穴をなぁ、男のお○こって言うんだ。・・・男勝りのお前さんたちに持って来いの性穴だよ。」 米は、奥深くまで突き刺した薬指を膣道との境目に押し当て、自らが受けた仕打ちを涼子にして見せた。指先の動きは、今まで体験した男達のどの指先よりもしなやかに動き、膣道を裏からまさぐられる感覚に喘ぎを漏らす。 「うぅ・・あぁぁ・・・ぬ、ぬいてぇ・・・あぁ・・あぁぁ・・・いっっっ。」 痛感と性感の両方が涼子を覆い、指先の埋まっていない膣穴からは白濁の液体が米の刺激に合わせ滴り落ちる。 「尻の穴攻めは、米さんのほうが、巧みですよ。・・・桂さん、あなたは前の穴、米さんは後ろの穴。同時に刺し入れてはいかがかな？」 とろりとした表情の美緒を抱き寄せながら、二人の背後から小池が意見する。 「用心棒さん・・・いいこと言いなさる。・・・兄貴、そうしましょ。尻の穴、犯すのは尿道炎の恐れもある。出たばかりの兄貴の尿道に万が一のことでもあれば・・・。」 「わかったよ・・・。」 桂は頭をかきながら涼子の股間に潜り込み、自動車修理工のようにその隙間に挟まった。涼子の眼前に醜い桂の顔が覗き込み、すかさず舌先を涼子の頬に這わせていた。米の動きは素早く、着ていた軽装の装いはすでになく、先の尖った陰茎を涼子の菊門に擦り合わせている。 「うぅぅ・・・ふ、二人でなんて・・・む、無理です。」 「グズグズ言ってやがると、米の前歯みてぇに尺八上手にしちまうぞ。」 「兄貴、そりゃぁないですよ。好きでしてるんじゃねぇ、あのデカマラ野郎にさせられたんじゃないですか、兄貴の身代わりに。」 桂のドスの利いた声色は、米の茶化しに中和され、和んだ二人の間合いは涼子の反論を封じ込んだ。 「ヌプゥゥゥ」 桂のイボイボは再び涼子の膣穴に納まると、湧き出る白い淫液はイボイボを伝い外の空気に触れたがる。 米の先端は、圧迫感を感じながら涼子の肛門に押し当てられ、辛そうな拒絶の言葉を引き出している。 「だ、だめぇぇ・・お、お尻は・・・あぁぁ。」 拒絶の言葉に合わせ桂は、イボイボを押し当てると拒絶の言葉をかき消させた。かき消されたと同時に行われる米の押し付けは、再び生気を帯びた拒絶の反応を引き寄せる。 「む、むりぃぃぃ・・・。」 「毎度毎度、無理無理いいやがって、往生際の悪い巡査長だ。・・・米よっ、わし、向こうの新米巡査のお○こ、いただくから・・・たんまり巡査長の尻の穴ホジクリ倒せ。」 桂は涼子から離れると一目散に半裸の美緒に向かい小池から抱き渡された。美緒は下着すら剥がされず股布の隙間に押し当てられたイボマラの感触は、今まで感じたことのない感触に陥り、処女花を散らされることを忘れ、体を窄ませ性感の昂ぶりを声にした。 「ひぃぃぃぃぃぃぃ・・・・。」 「米っ・・・突っ込め。」 号令をかけた桂は、ビクついた美緒の体を強く抱きしめると、処女花にミツバチの毒針を一気に押し刺し、対の米も涼子の菊門に毒針を刺し入れる。 「いぅぅぅ・・・・・ヌブリッ・・・ヌブリッ」 二つの処女花は、同時に散りゆき、咲くことのないアダ花となり毒針の住処に成り下がっていった。 栄えた街から走ること４時間あまり、いくつものトンネルを抜け、護送車は所轄を離れた、無料の高速道路を走り始めていた。真夜中過ぎの高速はトラックの多さも目立つが、取締りのパトカーの姿は皆目見あたらない。 「風が強いな。・・・やけに揺れる。」 佐々木は、車の揺れを気にするとフロントガラスの雨粒にワイパーを始動させる。自身のスピードより雨脚の激しさを感じると、一つだけ残された逃げ道のシナリオを曇りかけた視界の奥に描いてみる。 「・・・台風７号は、勢力を保ったまま・・・日本海を北東に進み・・・明け方には・・・富山市の沖合い１００キロ付近に達するものと予想されます。現在の中心付近の気圧は・・・９８８ＨＰで・・・。」 「最近、天気予報すら見てなかったから・・・このままいけば。」 ラジオのボリュームを下げると、後部の拘束された３人の様子を気にする。喘ぎ声や、苦悶の声を耳にしなくなってからの時間はそう長くたっていない。 「見えねぇな。・・・３人とも・・踏ん張れよ。」 片側１車線を進む護送車は、トンネルを出るたびに右に振られ左に振られ木の葉のように揺れている。その木の葉を見ながら後方を追尾する大島は、携帯を片手に連絡を取っていた。 「先生、旦那の具合はどないですの？・・・はぁ、意識は・・・？・・・そら、よろしい。脳死判定ですか？・・・まぁその辺は、伏せときましょか・・・入院費は、入札金額と相殺ちゅうことで・・・えぇ・・・ほな。」 大島の顔つきには、佳乃を主人公に描いた物語の行く末を気にしながら、物語にはあまり出てこない銭勘定もしっかりはじきだされていた。 「ええ値段になりそうや・・・旦那の臓器・・・佳乃の入札金・・・。横山先生も親子で競り合うとなれば、楽しみやぁ。」 「・・プルプル。・・・佐々木、次のインターで降りろ。・・・カーナビと違う？・・・ええんや、その先はわしの後ろを着いて来い。・・・あぁ、ＥＴＣついてるやろ。・・・そのまま着いて来たらえぇ。」 大島の電話が途絶えると、護送車を追い越した大島の車のテールランプを頼りにインターを降りた。 高速を出ると数分で海岸線を走る国道に出、数回の右左折を繰り返すと、昼間なら風光明媚な小さな漁村に辿り着く。 「バダンッ」 大島のセダンが物置の前に止まると、護送車を手招きし、開いた扉の倉庫へと誘導する。真夜中であれば漁船の動きがあってしかるべきだが、台風の影響か全ては暗闇の中だった。 「キィッ」 護送車を中に入れると、大島の声が聞こえ、窓ガラスを下げた。 「ここで、降ろすのですか？」 「あぁ、佐々木、お前さんはここから先は見ないほうがいい。・・・わしの車で、７時に戻って来い。」 「・・・この護送車は？」 「その時に、乗って帰れ。」 「えっ？・・・どこに返却すれば？」 「・・・この名刺を持って、県警の装備課の車輌整備課に行け。ナビに設定してあるそうや。」 「・・・は、はい。」 大島の命令に背かず、この場を受け流し、体勢を整えることを良とした佐々木の行動は早く、勘ぐられる事を必要以上に避けた。 「おいっ、佐々木。」 「その名刺失くすなよ、・・・お前の顔やったら、パトカー泥棒に間違えられんでもないからな。」 「えぇ・・・そんなへまはしませんよっ。」 佐々木は、護送車の中の神山愛に向け、精一杯の大きな声で騎兵隊の到着を知らせていた。ただ、唯一笹山警部の声を知る愛の鼓膜は、その聴覚以下他の機能も完全停止し、空しさの残る遠吠えだけが暗闇の漁村に響いていた。 大島と別れて数時間がたち、再び戻った漁村の倉庫は、台風の暴風雨をまともに受け、今にも倒れそうなくらい大きく揺れている。 「・・・誰もいねぇ。」 大島も、備品も、そして警察幹部も誰もいなくなり、完全に行方すらつかめないでいた。頼みの綱の岸本にすら連絡は取れず、３人の身柄が遠い海の向こうに行くまで時間は左程なかった。 「警視監・・・なんで、でねぇんだよ。」 護送車の運転席に乗り込むと、岸本への不満をハンドルに当てる。いらいらを募らせている佐々木の携帯の着信は、大島の呼び出しと共に冷静をも呼び戻した。 「わしや、全ては終わったさかい、そのまま言われたとおりにするんや。・・・くれぐれも寄り道するんやないで。」 「は、はい。・・・大島部長は、どうやってお帰りに。」 「そうやなぁ・・・この街にも、備品女を輩出してくれそうな会社があるやろから、調査ってとこやな。」 「・・・では、車を返し終わり次第連絡を入れます。」 「おぅ、きぃつけて帰れな。・・・プープー。」 エンジンを掛け、倉庫を出るとカーナビの行先を設定し、映し出される県警の車輌整備課の所在を見た。見なくても行けるであろう佐々木は、護送車の履歴を消去する動作を止めた。 「・・・あれから動いたのか？」 「動きはないな、その前の履歴も消えていない。この漁村から出たのは間違いないようだ。」 自分のいない時間の行動を把握すると、帰路につきながら３人の行く先を考察し、岸本との連絡を待った。 高速に乗ろうとインターを目指す佐々木。インターの手前の電光掲示板は、台風の影響を訴え、その先の行く手を阻んだ。 「ちっ・・・ついてねぇ。・・・通行止かぁ。」 乗り口手前に溢れるトラックの隙間に、停滞する護送車。国道を直走るか、それともそのまま待機か、迷っている数分に事態が変わる。 「ピリピリ、はいっ、・・・そうです。・・・警視監にお取次ぎを・・・えっ・・・更迭？」 その先に言葉はなく、佐々木の希望は絶望に変わり、ただ変わりがないのは通行止めの高速の電光表示だけだった。 |
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| 2010.12.29掲載 |
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