| ８２−２ 口内を塞ぐ拡張具は、持ち場を変えてもなお佳乃を苦しめ続ける。 「あうぐぅぅ・・・あぅぅ。・・・もう、らめぇぇ・・・・あぁぁっ。」 「耐えなさいって言葉、わかんないのっ。」 「あひぃぃ・・・あっあっ。」 数度堪えた頂は、登りかけるたびに新たな山頂を見つけ、その山に挑みかかる。佳乃の女としての貞操は登山家のようにたくましくはなく、我慢できるほどあずさの責めはやさしくはなかった。 「忍耐って知ってるの？」 「はぁぁ・・・はぁぁ。」 吐く息をふさがれた佳乃は、顎を動かし頷いてみせる。 「・・・殿方ですら、お預けを喰らっても「待て」ができてるのに、牝犬のあなたには、それもできないのね。」 「・・・。」 「いいわ、あの殿方に躾をしていただきなさい。・・・ほらっ、立つのよっ。」 横たわる佳乃の体を引き上げ、自らの下着で顔を隠したまま、ソファーに踏ん反り返った小池に近づいた。 「そこに、膝まづいて待ってなさい。」 佳乃は、小池の足先に正座をすると視界に入らぬ男の気配を感じ、胸に腕をかけ、尖った乳首を隠した。あずさは、小池の首筋にキスをすると、股間をまさぐりファスナーを下ろす。その先端はいきり立ち、下げにくいファスナーをゆっくり下ろしながら耳元で囁く。 「晃さん、・・・素股で・・・佳乃を往かせて、・・・焦らしながら・・・昂ぶらせて。」 「あぁ・・・中に入れないよ。・・・出す前は、合図する。・・・君が受け止めてくれ。」 「はいっ。・・・チュッ。」 小池の頬に軽く口をつけると、地べたに正座した一段低い佳乃を抱えあげる。 「さっ・・・跨って・・・入れちゃだめよっ。」 促されるまま、天を向いた小池の陰茎を押しつぶすように佳乃の股間は覆いかぶさった。勢い余って挿入しないように先端を交わした佳乃の腰つきは、クチュつく陰唇で小池の睾丸に接し、あずさに昂ぶらされ十分分泌した膣汁をこすりつける。 「はぅっ・・・。」 「そうだ、・・・ゆっくり、こすり付けなさい。・・そう、そう、上手いよ。」 小池の肩に手を当てた佳乃は、ゆるりとした動きで小池の陰茎を往復させる。四拍子程度で刻まれるグラインドは、佳乃にも小池にも絶妙に刺激を加え、二人の牡と牝の淫汁は重なり合いながら、粘り気を増し始める。 数分往復を重ね、佳乃の首がガクンと項垂れると、あずさの浴びせる尻穴への刺激で再び運動を重ねる。 「ゆるゆると、被さるか被さらないかくらいの刺激を・・・そうそう・・・。」 「はぅ・・はうっ・・・あはぅぅっ。」 「あっ・・・うぅぅ・・・堪えきれんっ。」 小池の眉間の皺にあずさは反応し、佳乃の挙動を制した。肩をつかみ、動きを止められた佳乃は、吐く息もおぼつかなくなり、小刻みな震えを数度する。 「・・・はっ・・・はぅっ。」 「危ない、・・・素股５分でって。・・・もう少し堪えてください。・・・備品への教育になりませんよ。」 「すまん。」 「佳乃っ。・・・あなたも、往きそうになったのを隠してないで・・・声に出しなさい。」 「ふぁい。・・・はぁぁ・・はぁぁ。」 吸うだけであった呼吸を整え、飽和しかけた二酸化炭素を肺から吐き出した。 「さぁ続けて。」 「ニュルッ・・・ニュルッルッ。」 「はっ・・・・うぅぅ。」 小池の眉間には再び苦悶が見え、皺の数は先程を越えている。男の限界を何度となく見続けたあずさは、残り時間を計算し、腰を振り股間をこすり付ける佳乃の傍に近づいた。 「ニュルニュルニュルッ・・・ニュルッポッ。」 「ふっぅ・・・・ひっ・・ひっくぅぅぅ。」 「おぉぉ・・・だ、だめだっ。」 二人の体が小刻みな振動をし始めた時、あずさは佳乃を振りほどき、淫汁にまみれた小池の陰茎を握り締め、亀頭をくわえ込んだ。小池の牡の匂いと、佳乃の牝の匂い両方を楽しむようにした。吐き出されたザーメンは流れ作業のようにあずさの咽喉奥へと飲み込まれていった。 ソファーに投げ出された佳乃の陰唇はパックリ割れ赤い膣肉を露出させ、白濁した淫汁を纏い喜びとも悲しみともつかぬ姿をしていた。 全てを飲み込んだあずさは、小池に視線を預けると、小池の視線は佳乃の膣肉に奪われていた。少し、いたずら気味にカリ首に歯を当て、刺激を感じた小池はあずさのほうに視線を移し、二人だけの合図を交わした。 丁寧に先端を舐め、汚れを拭い去ったあずさは、佳乃の首筋にリモコンを当て、ボタンを押すとビクンッと体を跳ね上げ、首筋に頭を支える力を失わせ浅い呼吸に変わると、あずさと小池は二人だけの時間を作り上げた。 二時間の時間をほんのひと時の間しか感じなかった佳乃は、机の上で横たわっている。その存在を気にも留めず、小池とあずさは親愛の口づけを交わした。 「よかったよ。・・・あずさ、・・・チュッ。」 「・・・コンコンッ。」 再びした口づけをノックの音に反応し解除した二人の雰囲気は誰にも覚られずその空気を消した。 「・・・失礼します。・・・ご満足いただけましたか？・・・備品２６には、入札前ということで制限がありましたが。」 「あぁ・・大島さん。いい余興を拝見させていただいたよ、女二人の性愛っぷり、興奮します。」 「そうですか、これからは女性の嗜好会員さまも増やさねばなりませんで、桧山に勉強させておるところでして・・・。」 大島の視線は、机の上に横たわったままの佳乃へ向けられその姿を叱責する。 「備品２６っ・・・いつまで、横になっておる。先生にお礼のご口上を・・・。」 久方ぶりに聞いた大島の叱責に体は反応し、目隠しをされたまま向きもわからぬままに土下座をし、口上を述べた。 「・・・備品２６・・加山佳乃を、お辱めくださり・・・あ、ありがとうございます。」 佳乃の下げた頭は誰もいない壁を向き、丸出しの双尻は小池のほうを向いていた。すかさず大島の平手が佳乃の尻をヒットすると、痛感とも性感とも言われぬ信号が脳幹を揺さぶる。 「ビッシッ・・・あんっ。」 「そっちではないっ・・・こっちやっ。」 大島の指先が佳乃の尻に喰いこむと、その勢いで向きを変えられ小池のほうに土下座した。 「あっ・・す、すみませんっ・・・。」 「あずさ、備品への仕置きが少し甘いようやなっ。・・・直に落札引渡しや・・・ビシッと仕置きをせいっ。」 大島はきびしい視線を小池の傍にいるあずさにやると、怯えたあずさを小池が庇う。 「まぁ・・大島さん。・・・備品が、尻穴をさらけ出して口上を述べるのも、それはそれで・・・。」 「そうですねぇ・・・先生のおっしゃる通りかもしれません。」 小池に庇われたあずさは、視線を小池に取られ、その小池は頭を下げ続ける佳乃へ視線を預けていた。 その目のやり場を気にした大島は、小池に時間の進み具合と満足度合いを計りにかけた。 「２時間で足りましたか・・・延長もしくは、お連れだしでも・・・。」 「いえいえ・・・あなたの秘書を長時間拘束するわけには・・・お忙しい身でしょうから。」 「恐れ入ります。・・・これから、新潟に足を向けねばなりませんでねぇ。」 「えっ・・・あの一件で・・・ですか？」 「いやいや・・・若女将の調教を・・・今日は、旅館の特別室でする予定でして・・・。」 「あっ・・・そうですか。」 「それには、桧山が必要でねぇ・・・彼女は、備品女を従順にする術をもっておる。・・・仮備品の若女将も・・・今日が納品でしてね。」 「で、では・・・これで。」 「小池先生・・・忘れもんです・・・札束を交番に届けるわけにいきませんよ。」 「あぁ・・・すみません・・・つい、うっかり。」 「若いもんに運ばせますさかい・・・おいっ・・・金山・・・車までお運びせいっ。」 「は、はい・・・うっ・・よっ・・・ドサッ。」 「何してんねん・・・力のない奴やっ。」 「す、すいません。・・・力仕事は苦手でして・・・。」 「使えん男やっ。・・・あいつが・・・察の犬コロやなかったら・・・おまえは捨て犬やのになっ。」 金山は、よたつきながらもダンボールを抱え小池の進む先を歩く。金山の不甲斐なさに、ここにいない男の姿をシンクロさせる。 「先生、ほんで、あいつの飼い主・・・どうなりました？」 「あぁ・・・ま、まだ、わからんのだよ。・・・もうすこし猶予をくれないか、大島さん。公安部あたりが、ウロウロしててねぇ、警官が３人も４人も失踪すると・・・動きが取りにくいんだ。」 「わかりました、まぁもう少し横山病院につないでおけば、鼻の利く察も霊安室の冷たい臭いまでは嗅ぎつけられませんな。」 「そのとおりですね。」 連れて行かれるＮＯ２６とＮＯ１２の備品女を目で追いながら、カレンダーを見つめ残りの日数を数え始める小池だった。 |
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| 2011.2.26掲載 |
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