| ８３−２ 「す、すいません。・・・上山の奴、何処に行っちまったのか。」 「別の車でもいいが・・・。」 「かしこまりました。・・・おいっ・・・三治の奴を・・・。」 大柄の男は、無線機で呼びかけると平謝りで横山の機嫌を伺う。 「新婚初夜に・・・粗相をして申し訳ありません。」 「いいんだよ・・・これからの時間は長いんだ。・・・なぁ佳乃。」 「うぅぅ。」 ボールギャグを咥えさせられた佳乃から返事はなく、くぐもった声だけが鳴き、垂れ流される唾液が路面のコンクリートに染みを作る。 「先生、どの落札者様も・・・丸裸でお持ち帰りになりましたが・・・。」 「あぁ・・・こいつは、このパンティーに愛着があるらしく・・・穿いて帰りたいというのでねぇ。まぁ、嫁入り道具ってとこかなぁ。・・・・キキキッ。」 後ろ手に拘束された佳乃は、その言葉に俯くことも許されず、首輪の鎖を引かれ胸を張るように仰け反らされた。 「うぐぅぅっ・・・ふぐぅぅっ。」 仰け反った佳乃に横山の指先は、パンティーに向かい股布の上から割れ目を作る。警備役の木下の舎弟は、染みを作る佳乃のパンティーを凝視した。 「兄さん方・・・匂いを嗅いでやってくれないか・・・膣肉から湧き出るいやらしい匂いを。」 「えっ・・いいんですかいっ・・・。」 「あぁ・・・感想を聞きたくてね。・・・少し風邪気味で、鼻の調子が悪いんだ。・・・どんな匂いか客観的に教えてくれないかい。」 「へぇ、それじゃぁ遠慮なく。」 男は両膝を地べたにつけるとスラックスの汚れを気にすることなく佳乃の股間に顔をうずめる。鼻を下着の割れ目に添わせると、濃い目の淫臭が鼻をつき二度三度と大きく息を吸った。 「・・・すけべな・・・すけべな女の匂い。・・・いや、男を欲しがるときの牝の匂いです。」 「そうかい・・・やっぱり。・・・風邪気味の僕の鼻でもそう感じたよ。」 横山の声を聞き、木下の舎弟はもう一度鼻頭を陰核付近に擦り付けると、その周辺から漂う淫臭全てを肺に納め、臭覚を脳に伝達した。 「すいません・・・。お車が・・・お待たせいたしました。」 横付けされた車の中に三治の姿を見つけると、佳乃は出荷前の子牛のようにうろたえ、後ずさりを始める。 「ふぅぐっ・・・ふぅぅぐぅっ。」 「腰を振って喜ぶとは・・・三治さん・・・あなたは余程気に入られているようだ。」 「えぇ・・・長い付き合いですから、なぁ佳乃っ。」 「うぅぅっ・・・い、ひやっ・・。」 あからさまな拒絶に、後ろから尻を叩かれた佳乃は、後ずさりをやめ一歩前に進まされた。 「なにをしてんねん佳乃っ。・・・先生、本日はありがとうございました。最高額の入札、お礼の言葉も・・・。」 大島が叩いた右の尻たぶは、淡い青のパンティーとのコントラストが映えるように赤みを付け、ゲートインする競走馬のように車に送り出される。 「先生、旦那の始末のほうも・・・２日後には臓器ブローカーが受け取りに参りますので・・・。」 「あぁ・・・佳乃との最後の面会も間に合いました。・・・娘のほうは。」 「えぇ・・・ババァ共々・・・中国の組織に・・・。」 「そうですか・・・そちらは・・・合わせられないが・・・。」 「先生、旦那の前で・・・種付けをすると伺いましたが・・・今日これから・・・。」 「えぇ・・そのつもりです。・・・いい薬を三週間ほど前から・・・飲ませてあります。排卵日は・・今日。」 「ほぉ・・・準備が良いことで・・・では・・・またのお越しを。」 「ああは言いましたが・・・父のほうはよろしく。」 「・・・。・・・・・・バダンッ。」 大島は、言葉をかけずに頭を下げると横山が車に乗り込むと同時に力を込め扉を閉めた。 クラクションの音と共に車は動き出すと大島は、出荷した佳乃の纏わりつく淫肉を思い出し、空しさが涌いてくる。 「えぇおなごやった。・・・。」 感慨深げに車を見送ると、寒さに震えるはずの陰茎は血を滾らせ始め、木下の舎弟に気付かれる。 「部長・・・びんびんですよ。・・・こんなに寒いのに・・・わしら・・・亀の首みたいにみえんようになってますのに。」 「わしも寝取られ嗜好があるんやなぁ。・・・さぁて、銭勘定・・・済ませて若女将と・・・尻で繋がるぞぉ。」 大島の強欲ぶりに、呆気に取られた警備役の男は、増えた車の台数を勘定せずに駐車場のシャッターを閉じた。 後ろ手に拘束された佳乃は後部座席に尻をもたげた格好にされ、脇に座る横山の指先の動きを受け入ている。病院についてすぐ佳乃との交わりを実行するためなのか、三治への嫉妬なのかわからないが、差し入れられた指先の力の入れ具合は相当なものだった。 「はうぅっ・・・あぅぅぅっ。・・・・ら、らめぇぇ・・・っひぃぃぃ。」 「グチュッ・・・グチュルッ・・・グチュチュッ。」 「あっ・・あっ・・あっ。」 小刻みな身体の震えを見越した横山は指先の動きを止め抜き去ると、その滴を淡いブルーのパンティーで拭い取る。 「ハァァ・・・・ハアァァ。」 大きく吐く息は口枷に当たり、結露した唾液はシートを汚す。染みがつくほど濡れた唾液で頬は冷え、自らの唾液の臭いに咽ぶ。 「先生、目の毒です。・・・わし、チン○・・・ギンギンですわ。」 「三治さん・・・あなたも佳乃を抱いたのですか？」 「いいえ・・・奥さんのお○んこに・・・すこし、いたずらはしましたが・・・。」 「ほぉ・・・どんなイタズラを。」 「えぇ・・・子供のおもちゃ・・・スーパーボールを入れて・・・ショッピングモールから家まで帰らせたり、尻肉の内側に特殊な入墨を入れたりと・・・そんな程度で・・・。」 「入墨を・・・どこですか？・・・見当たりませんが。」 横山は、ブルーのパンティーの股布部分をつまみ、閉じた尻肉をあらわにすると、三治の言った入墨を探す。割り裂かれた尻肉のすみまで覗くが見あたらず、皺を伸ばすが痕跡すら見当たらない。 「先生、これを。」 三治はポケットから懐中電灯のようなライトを取り出すと、横山に渡した。 「これは・・・。」 横山はライトのスイッチを入れると、青紫の光をのぞき、妖艶な光を佳乃の尻肉に当てた。 「ほぉぉ・・・これはすごい。・・・『備品ＮＯ２６・・０８０４２２・・加山佳乃』・・・いいセンスだっ。この日付は・・・備品に落とされた日付だね、三治さん。」 「えぇ・・・お察しの通りで・・・。」 「そうだ、・・・三治さん、反対の尻肉が寂しがっている。・・・後で、今日の日付を入れてくれないか？・・・『落札記念日・・０８１２２４・・横山佳乃』と。」 「いいんですか？」 「いいとも、もう何をしてもいいんだ。・・・ずっと僕の物なんだから。・・・ペロッ。」 ブラックライトに映える備品の烙印を舌で舐めあげた横山。所有物として位置づけられた佳乃は、悔しさを通り越し空しさだけが体を覆い、涙で頬を濡らしていた。 |
| あなたのひと言が作者の励みとなり、新たな作品が生まれます。ご感想宜しくお願いします。 |
| 2011.3.9掲載 |
はちみつ太郎さんの作品群→ |