| ８４ ミツバチとスズメバチ 丑三つ時をまじかにした霊安室は、サンタクロースも二の足を踏む。祭壇に飾られた蝋燭の灯火だけが闇夜に揺れながら、善二郎と佳乃を照らしている。 霊安室の簡易的なベッドは、数々の死者を乗せているだけに気温以上の冷気が佳乃の背中に伝わっていた。 「・・・。」 物言わぬ佳乃の振る舞いに善二郎は臆することなく接し、佳乃を自らの牝として位置づける作業を開始する。 「佳乃、ここで迎える初夜は格別だろ。・・・死者を送り出す部屋で・・・僕達の一ページが刻まれるなんて・・・。」 「・・・。」 ベッドのパイプに片手首だけ絡め取られた佳乃は、善二郎の顔を見ることなく反対の壁に視線をうつしていた。 「いいさ、佳乃の弱点はお見通しなんだ、ジワジワ僕好みの実験用マウスにしてあげるよ・・・キキキッ。」 「・・・。」 寒さゆえの震えとも恐怖から来る震えともつかぬ女体の動きを、善二郎の指先は感じ取り、怯える佳乃を力と牝を知り尽くした知で捻じ伏せようとしていた。 無言で善二郎と反対に顔を向ける佳乃の足首を両方つかむと、大きく股を広げさせ、染みが乾いたばかりの股布を灯りに照らす。 「佳乃のバルトリン腺液と膣液は、僕を拒絶していないよ。それどころか・・・・ほら、ジクジクと何もしていないのに・・・染みがまた着いてしまって。」 「・・・。」 「大事なクリスマスプレゼントを汚すなんて・・・吉田君に悪いよ。」 「ど、どうして・・その名前を。」 「ようやく口を開いた。・・・そう、吉田君・・・佳乃の陰核に触れた男。行方をくらます前の山本社長に大島さんが聞いたんだ。・・・住所も電話番号も知っている、今度会いに行こう・・・お礼もかねてね。」 「何も礼をすることなんか・・・ありませんっ。」 「いや、僕が考察するに・・・佳乃の、性的衝動を目覚めさせたきっかけは・・・そこにあると感じているよ。・・・だから、礼をしなければならないいんだ。」 善二郎は染みが広がり始めている佳乃の淡いブルーの股布に鼻を近づけ、牝の発する性臭を嗅ぎ取った。 「いやっ・・・離れて・・・。」 「離れられないよ・・・牡を誘う香りをプンプン発しておいて・・・スゥゥゥゥッ。」 大きく鼻で息を吸うと、善二郎の鼻は直接、染みの拡がりを鼻頭で感じ取る。湿り具合は、乾燥した部屋の湿度を上げてしまう程、湿潤し、その匂いに反応した毒針は、ブリーフを押し破らんと隙間から亀頭をのぞかせている。 「あっ・・・。」 「敏感になっているね。・・・そう、僕の準備通り。・・・牡を欲しがるタイミングなんだ今日は。」 「・・・ペロッ・・・ベロッチュッ。」 「はくぅぅっ・・・・あんっ。」 善二郎の舌先で、股布に筋をつけられ、そのかすかな肌の触れ合いだけで佳乃の身体は火照りだし、反論や拒絶の言葉は少なくなった。 淡いブルーのパンティーは、佳乃の淫汁と善二郎の唾液で股布部分を濃い色に変える。股布の大部分を濃いブルーに変えた善二郎は、佳乃の収縮を小刻みに繰り返す、臍下の下腹部を触ると、舌先の動きに合わせ微振動を加えた。 「あっ・・・あっ・・・あっ・・・はぅっっ・・・あんっっっ。」 「子宮が震えて・・・堪んないだろぉ・・・陰核の勃起もパンティー越しに判るよ。」 善二郎は股布越しに摘んだ陰核包皮を親指で擦り、パンティーを引き上げ陰唇に無理やり喰いこませた。鋭角になったビキニラインからは、あずさによって揃えられた柔らかな陰毛が芽を出し、シゴキあげる善二郎の指先の動きにその芽を揺らされている。 「はんっ・・・・はくぅぅぅぅっ・・・そ、そんなに・・・こすらないでぇっ。」 「擦るといいんだろ・・・尻の隙間も汗ばんでやがるのに・・・。」 「いやっ・・・お、お尻は・・・いやっ。」 「じいさまに、さんざん弄られて・・・解れてるくせに・・・後でじいさまのタンスから拡張具つきのパンティー取って来てやるから・・・キキキッ。」 尻肉に食い込むパンティーをかきわけ、菊門の窄まりを見つけると、剥き出された陰核への刺激を取りやめ、汗ばむ肛門の臭いを鼻の奥に吸い込んだ。 「いやっ・・・お尻・・いやっ。」 「バルトリンだけじゃなく・・・感じ始めると腸液まで染み出して・・・じいさまの奴、肛門調教だけは年をとらねぇようだなぁ・・・キキキッ。」 「あんっ・・・だめぇぇ・・・舐めちゃッ・・・・あぁぁぁっ。」 割れ目に涌きだす尻汗を舌先で舐め取る善二郎。肛門に染み出た色づいた腸液をも舐め取ると、舌の先端を窄め、肛門に差し入れるように突き立てる。 力強く足首を持つ善二郎の両の手は、佳乃の逃げ惑うように悶える脇腹を掴み替え、くるりと体を入れ替えた。 白いシーツのベッドに四つん這いにさせられた格好の佳乃は、善二郎の動きを視界に捉えれぬよう枕に顔を埋め、時の過ぎ去るのを待とうとした。ただ、霊安室の時は止まったように遅く、死者との別れを惜しむかのごとく時間はいっこうに進まない。 割れた尻肉の隙間を覆うように被さる善二郎の舌先は、染み出る湧き水を全て舐め取り、尻肉の隙間にはかわりに自分の唾液をこびりつかせていく。 「あっ・・・ああんっ。」 「ベロッベロロッ。」 絶え間ない善二郎の舌の動きに、枕はサプレッサーの役割を果たさず、感じ始めた佳乃の甘い声を善二郎と部屋にいる死者の霊に聞かせてしまった。 「あっ・・・はぁぁっ・・・いやっ・・・ああんっ。」 「まんざらじゃぁないようだね。・・・じいさまの尻穴弄りも、それだけは真似できない。・・ベロッロッ。」 舐めあげた尻肉の隙間から舌先を離すと、白濁した淫汁と唾液が混じり、シーツに垂れ下がる。白濁汁を残すまじと舌先は佳乃の陰唇に重なると、枕から顔を離し、悦の喘ぎを放った。 「あっ・・・だめぇぇぇ・・・はうんっっっっ。」 「大きな声を・・・死者の霊を呼び戻すつもりか。・・・・キキッ。」 「あうんっっ・・・あ、あつい・・・くぅぅぅっ。」 何かを堪える佳乃は、その何かに気付いているが認めたくない気持ちが勝り、再び枕に顔を戻した。牝の感情を知り尽くした善二郎は、佳乃の束ねた後ろ髪を掴むと、枕から顔を離し、その答えを説いて見せた。 「佳乃っ・・・素直になれ、牝の昂ぶりは医者の私でなくてもわかるほど・・・膣肉が湯気を立てておる。・・・さぁ、言え・・・言うんだよ。・・・どうして欲しいか・・・どこが、どうなっているのか。」 「・・・うぅぅぅ・・・あはっっ。」 大きく息を吸い下腹部に力をこめると、絶え間なく溢れ出る膣奥の泉へ蓋をという気持ちを抑制する。 「したくて溜まらんのわかっている。・・・今日は、女が牝であることを知る日、そして牝本能が牡を求める唯一無二の日なんだ。・・・さぁ・・・・さぁ。」 膣口から研ぎ汁のような淫汁を湧き出させる佳乃に否定の言葉は見つからず、善二郎の求める言葉を発するタイミングだけをはかっていた。自ら何の躊躇いもなく求めるのが嫌でたまらなかったのだ。 「うぅぅ・・・お、お願いがっ・・・と、友之さんの・・・無事を・・・それだけを確認したい。」 「ほぉ・・・この期に及び旦那を気遣う・・・女の一面はまだ残っておったか。・・いいだろ、無事を確認すればどうする。」 「・・・確認できれば・・・あなたの・・・言うことに従います。」 「いいだろう、・・・・樽本、・・・１１２０の患者を連れて来い。」 善二郎は、ナースコールのような直通回線を使い助手の樽本を呼び出した。友之の名はなく、識別番号だけを告げると、佳乃のうろたえ、泳いだ視線の先に顔を近づけた。 「えっ・・・ここに、連れて・・・。」 「あぁ・・・旦那の目の前で・・・新たな契りを結ぶのも・・・いいじゃないか。なんなら娘も呼び寄せるか？」 「・・・。」 友之の生死の確認だけをするはずが、眼前で行われる性の儀式の生贄にされることがわかった佳乃の狼狽は声にならぬものだった。 |
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| 2011.3.21掲載 |
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