５．

　誰しも幸せな家庭もあるのに自分の母親が不倫をし、まして不倫相手の子供をお腹に宿していたら、どうすれはいいか考えてしまいますよね。もう３ヶ月を過ぎ、出産するしかないわけですし・・・。
　高校生だった僕なりに冷静に考えても、母の妊娠の事は絶対に父だけには知られてはいけないという思いはありました。
　もし父に知れたら、間違いなく今の家庭がなくなってしまうのは元より、何か僕自身と父と母のつながりが一生なくなってしまうような気がしたからでした。
　やはり一人になるとついその事を考えたりしていました。
　まじめで純朴で不倫などという言葉も無縁だった母が、３２・３歳という女盛りを迎え、更に夫が単身赴任というそんな母が、初めて社会に出て働き始めたら、世間の男達は見逃さないでしょう。男達のそんな企みを知らない純朴だった母は、そんな女の心の隙間をつく甘い誘惑から、ついに禁断の果実の味を知ってしまったのでしょう。

　それから４・５という年月が経ち今、母の体はしっかりと父以外の男性の子を宿している。ただの不倫なら、いつでも何事もなく元の生活に戻れるが、もう３ヶ月目を過ぎた母のカラダはもう出産という選択肢しかなく、物理的にも一生形として残る事となり、もう母は以前のように戻る事は出来ないのは明らかです。
　そうしている内にも今、母のお腹の中ではすくすくと種が育っている、何より母の妊娠、そして出産を喜び、望んでいる人もいる。彼氏である先生と、母と同じ様にアバンチュールな恋を楽しんでいる女友達によって、母はきっちりと支えられ、誰からも邪魔されずに出産を迎えるでしょう。
　もし実際に自分の母親や配偶者や大事な人が、このような逃れられないエロチックで宿命的な状況に陥ったらどう感じるでしょう。ましてやどうする事もできず、まるでガラス越しから不倫出産するのを、見守るしかない状態でしたら、おそらく誰しもなんらかの性的な興奮を覚えるのではないでしょうか。
　僕も母の置かれている状況に、何もできず見守るしかない事に、この時初めて何か強い興奮を覚えました。

　結局何も出来ぬままただ時間だけが過ぎていき、母が絵画教室で先生と知り合って既に一年が過ぎた５月も半ばとなり、母も一年歳を重ね３８となりました。そして母が妊娠していると知った時から数えて５ヶ月が以上経ち、おそらく母の体は妊娠８ヶ月目も終わりを迎えているはずでした。
　ところがこの頃から僕自身にある気持ちの変化がありました。母を見て本当に妊娠しているのかという疑問が、自分の中で少しずつ持ち始めてきたからでした。
　お互いに学校や仕事が忙しく顔を会わせる機会が少なくなりましたが、先生のアシスタントの仕事がない平日の午後や土日に、母が家にいる時は、特に以前と変わらず洗濯や掃除、買い物や食事の用意などの家事をきちんとこなし、何より本来なら母の体はとうに８ヶ月目を過ぎているはずなのですが、特にお腹が大きくなっているという印象がありませんでした。
　確かに母自身、最近少し胸やウエストが張っているような感じがし、本人もそれを気にしてかワンピース姿が多くなったような気がしますが、僕が見ている限りでは、特に体が辛そうとか突然吐き気に襲われるなどのような事もなく、不思議な程以前と変わらず、むしろ以前より家事をこなしているようにさえ見えました。
　思いのほか普段と変わらない母を目の当たりにして、僕は次第にとても母が妊娠しているとは思えなくなってきました。
　実際、冷静に考えてみて母の性格からいって、父以外の子を妊娠するという大胆な事をできるようにはとても思えませんでした。妊娠を知った母と友人との会話も、本当は母の事を話していたのではなく、友人の事を話していたのではないかと思えるようになり、それがやがて確信へと変わっていきました。

　それから１０日ぐらい経って、母は先生と一緒に二週間程個展の仕事で地方の方に行き、それの打ち上げを兼ねてか、帰ってくる当日の土曜日の夜に、久々に絵画教室の食事会がありました。母が個展の仕事に行く前日に、母に食事会に来るか尋ねられ、僕はもちろん行くと返事をしていました。
　当日、食事会はいつもの通り始まりました。生徒である主婦達の顔ぶれは普段と同じで、軽く挨拶をしました。二週間ぶりではありますが母を見ると、本人は僕の手前抑えているつもりながら、やはり仕草や話し方など、どことなく先生の妻の様な感じがし、先生をたてながら食事会を切り盛りしていました。
　服装は胸元が大きく開いた黒のスーツで、タイトでスリットの入ったスカートからは、黒の網目の細かいストッキングが程よく熟した脚を覆っていました。いつもの様に少し派手で、子供の目から見ても若い女性ならまだしも、人妻と分かる年齢でありながら、そのような服装をしている母は、どこか淫靡で、不倫の香りさえ漂わせていましたが、凄くよく似合っていました。そして心なしか胸の辺りが大きく、お腹の周りも痩せて見え、妊娠しているなど到底考えられず、やはり母は妊娠などしていないと確信しました。

　そしてこの間と同じ様に僕は、少しお酒を飲み酔った振りをして寝室のベッドへと潜り込み、そして１１時を少し回った辺りでそっとベッドを抜け出し部屋を出て、足音をたてずに廊下をゆっくりと進み、この前の同じく小窓からそっと覗き込みました。
　部屋には先生の姿は無く、食事会の切り盛りで疲れたのか、母だけがベッドに薄い掛け布団にすっぽり収まるようにして、顔だけを出して寝息をたてて寝ていました、やがて先生が風呂上がりなのか髪の毛をタオルで拭きながらパジャマ姿で現れ、そのままベッド潜り込みました。
　すると薄い掛け布団の中の毛布が乱れているのか、先生が突然その掛け布団と毛布を上げました。
　その時、先生が布団を直している間、体を捻らして熟睡している母の姿は見えました。母は普段から先生の前ではそうしているのか、黒のバタフライのパンティとブラだけの姿でした。
　その時気づいたのですが、勿論本人は家族には知れないようにしていますが、僕が偶然これまで見た、母が交際相手とのプライベートの時の格好は、彼氏の指示か好みなのか、下着や裸でいる時が多いのに気付きました。ハイレグブルマ姿の時もありましたが、きっと交際相手とのアバンチュールな一時には、服などは身に付けずに過ごし、やがては熱く交わるのでしょうね。
　母が先生と愛し合っているお陰なのか、先程着ていた黒のスーツから見るより、はっきりと胸が大きく、ちょっとしたバスタオルぐらいのある大きさかと思える黒の大きなブラジャーと、パンティというよりは、女の大事な部分を隠す為だけの機能しかないバタフライのパンティは、まるで自分の形に合わせて誂えたように、綺麗にパイパンに手入れされた母の大事な部分のみを覆い、それがぴったりと密着し、くっきりと母の形まで分かる程のものでした。
　不倫で交際した男達によって愛され、若い女性とは明らかに違う、オンナの部分が強調された熟成した母の体に、息子の僕から見てもふさわしい衣装として母の体を引き立て、そんな姿で他の男性のベッドで寝息をたてて寝ている母の姿は、人妻としてはあまりにも淫靡でヤラしくも、しかし不思議と自然で美しくさえありました。
　そして下腹部には以前より少し脂肪がついたような気がするものの、明らかに妊娠しているような感じではありませんでした。僕はホッとしたと言うよりは、正直母が妊娠していると勘違いした自分のそそっかしさに呆れてしまった感じでした。
　結局その日は、この前見たように母と先生はフェラチオもそして交わりもせず、すぐにふたりは寝てしまいました。
　僕自信、いつしか心の底で何か期待していた事に気づきました。そんな自分に少し驚きながら寝室に戻り、そのまま寝てしまいました。

　次の朝、カーテン越しに差し込んで来る日差しで目を覚まし、時計を見ると既に９時を回っていました。僕は家に帰る為、一言言う為にあの大きなダイニングルームに行きました。
　ところが部屋には母も先生の姿もなく、昨日食事会を行ったテーブルの上に、母の字でメモが置いてあり「先生の個展の関係でお昼まで留守をしてくれる。例え帰って来なくても、昼過ぎたらそのまま帰っていいから」と言った内容が書かれ、その横に千円札が一枚置いてありました。
　僕は、暇なのでテレビをつけましたが、日曜日の朝とあってか、特に高校生が興味を抱くような番組はやっておらず、すぐに飽きてしまいました。するとテレビ台の中にビデオデッキがありその下に並んであるビデオテープが目に留まりした。
　僕はとりあえずビデオテープのひとつを手に取り再生してみたら、ラベルに書いてある通りのどこかの美術館のビデオでした。あまりも退屈なので、他に何か面白いのはないかと探してみると、奥の方から題名のないビデオテープが二つ出てきました。
　何か変な期待と共に再生すると、どこか外国のような綺麗な青い海と白い砂浜が映っていました。そして遠くの方から女性らしき人物がこちらに向かって走って来るのが分かりました。次第に女性が画面の方に近づき、やがてはっきりと見えました。
　髪の毛はすっかりと金に近い色でソバージュをかけ、オンナ本来のムッチリと熟し初めた体に、乳首周辺とオンナの大事な部分をかろうじて覆っている青のマイクロビキニを身に付け、大きな胸をゆさゆさとゆらしながら走ってきました。誰が見ても男を知っているヤラしい体つきでした。
　次の瞬間、その女性が母だとハッと気付きました。そしてそこが去年の夏に母が友達と行ったと言っていたグアムで、プライベートビーチだとすぐに気付きました。しかし実際は、母は先生と行ったんだとこの時知りました。そう絵画教室に通い始めて母と先生は４ヶ月でもう既に「大人のお付き合い」をしていたのが分かりました。
　母は笑顔ではしゃぎながら砂浜を走り、そしてビキニの上を脱ぎ捨て、豊満な胸を惜しげもなく出し、ついにはあっさりと下も脱ぎ、文字通り生まれた時の姿になりました。
そして母は砂浜に腰を降ろし、先生が映しているビデオカメラに向かって、母は脚を広げ、綺麗に処理され毛は全くない女の大事な部分からは、ビラビラの形や奥まではっきりと見え、母は脚を広げたまま惜しげもなく見せながら、無邪気にニコッと笑いながら、ピースのサインを取っていました。母は愛する彼氏である先生を信頼し、包み隠すことなく、ありのままの自分を先生に委ねているのがはっきりと分かりました。
　ビデオの中のそんな母を見ていて、父以上に先生との間にしっかりと愛が存在しているのがはっきりと分かりました。おそらく先生と出会わなければ、３７・８歳になった人妻が、若い子しか身に着けない様なマイクロビキニを身に着け、グアムのプライベートビーチで羽根を伸ばす事はなかったろうと思いました。以前の暗く消極的な性格の母からは想像できないくらい、明るくいきいきとし開放的でまるで少女の様でした。
　その後母は、全裸で寝そべり先生に体の背中から脚や大きく乳首がツンと上を向いた胸、そして母の大事な部分まで体の隅々までオイルを塗られ、日焼けなどをして、そしてビデオテープは終わりました。意外にも僕が初めて見た母の水着姿でした。
　今の母のビキニ姿が映っていたビデオによって、僕はしばらく官能的な雰囲気に包まれていました。

　ビデオを見終わった後、母と先生の関係が不思議と何故か微笑ましく、見方が少し変わったような気がしました。
　家庭は大事にしつつも、心はお互いに無理なく親友のように本音やグチなど言いたい事も言え、周りが羨む程のラブラブな恋愛関係。
　体はセックスフレンドのように、セックスについて貪欲で濃厚な関係。
　そして夫である父よりも、求め、支え、愛し合う夫婦以上の信頼関係。
当然身も心も満たされ、そういう関係ならすぐに夫婦以上の関係になってしまうのも無理もありません。
　夫婦関係とは別に、異性とそういう夫婦以上の関係があるなんて、僕自身少しではありますが母と先生が素敵な関係だと思えるように感じられました。
　一昔前の不倫がタブーだったと時代と違い、今は不倫がドラマや雑誌などで身近になり、Ｗ不倫や不倫婚なんて言葉が定着しつつある中、そういう関係も、男と女の関係の理想のひとつだと思います。
　そして落ち着きを取り戻し、もうひとつのビデオテープを再生しました。そしてそこに映っていたのは今見たビデオテープはおろか、今まで見たどのビデオより衝撃的でエロスに満ちたものでした。