〜最終章〜

５

　おぼろげな意識のままベッドに横たわったまま、千恵美は何気なく目に映るテレビの映像に・・・
（また貴美子が私を興奮させようとして、エッチなビデオでも持ってきたんだわ？）などと考えながら、よく焦点の合ってない目でテレビを見ていた。
　貴美子は千恵美を座らせた格好で上半身だけ起こして、後ろに回りキャミソールの下から千恵美の乳房をもてあそんでいた。

　ジンジンしてくるアソコの感覚に、また女同士で乳房を弄る貴美子の行動に、次第に身体が反応してくる千恵美だった。
　たまに乳首をつねるような愛撫に気が立って目の焦点がテレビを向いた格好で合ったとき・・・、驚くような映像が千恵美の目に飛び込んできた。

「きやぁ〜〜！！」千恵美は思わず声を上げた。
　そう千恵美の目に飛び込んだのは夫の幸人と貴美子のセックスのシーンだった。

　思わず目を見開き後ろの貴美子を睨んだ千恵美の目には今までの千恵美からは想像も出来ないほどおぞましい形相だった。
　貴美子も長年千恵美と付き合ってきたがこれほどまでに取り乱した千恵美を見たことがないほど千恵美の悪意に満ちた顔だった・・・。
（あの温厚な千恵美もこれほどの顔が出来るのね・・・）
　貴美子は心の中でそう思いつつ、知らぬ振りをして千恵美の乳房やアソコを愛撫し続けた。

　千恵美は目を閉じた・・・・・。
　否応なしに聞こえてくる夫の叫び声と貴美子のよがり声が頭に響く・・・。
　生まれて初めて人を殺したくなるほどの衝動に駆られたであろう千恵美は、後ろから自分を弄ぶ貴美子に気持ちを押し殺しながら問いかけた・・・。

「き・貴美子・・・本当に幸人さんは私と純一さんや貴美子との関係を知らないの？」
「・・・ええ・・・まだしゃべってないわ・・・、でも・・・」
「でも！！でもなんなの！！」
　怒りに震えながら自分の乳房を弄んでいた貴美子の手を掴み身体をずらし正面を向いて千恵美は恐ろしい形相で貴美子に詰め掛けた。
「あ〜らいいの・・・？そんなに千恵美が強気に出るのなら私にも考えがあるわよ！」
　余裕のある態度で高圧的な貴美子に千恵美は一瞬ひるんでしまった。
「あなたの態度しだいじゃぁ明日にでも・・・ううん今日にでも幸人さんに洗いざらいしゃべっても良いのよ・・・」
　千恵美は貴美子の言葉が最後通告のように聞こえた・・・。
「ごめんなさい・・・何でも言う事を聞くから・・・お願い・・夫には・・・お願いします・・」
　消え入るような声で貴美子にお願いをする千恵美だった。

「あなたの態度しだいよ」貴美子はそういい残すとビデオを消し千恵美を押し倒した。
　今までとは違った貴美子の執拗な愛撫は延々と続き、怒りに震えるほど固まった千恵美の身体が徐々に溶け出すような感覚に襲われていた・・。
（とりあえず夫は私の行動には気付いていない・・・。このまま貴美子に合わせていけば純一さんがどうにかしてくれるはず・・・。）
　思い直し千恵美は貴美子に身を任せていた。

「ああっぁ・・・ぁぁ・・」
　次第に漏れ始める千恵美の声に貴美子も感じ始めていた。
　その頃にはもう二人とも一糸纏わぬ身体で互いの身体を慰めあっていた・・。
　もうマックスに達している互いの身体の高まりを拭いあい、馴れない千恵美の愛撫には貴美子が導きながら、そして貴美子の卓越した愛撫に千恵美が絶叫し・・・。
　身体の隅々まで純一によって開発された千恵美の感じ様は貴美子が見ても異常なほどであった。
「ああああぁぁぁ〜〜〜！！・・・いいぃッ！！・・」
「・・ぁぁ〜〜・・くる・・来る！！ああぁ〜〜・・」
「ぁぁ〜・・き・・貴美子・・そ・そこ・・・もっと〜・・ぁぁ〜もっとなめて〜！」

　開き直った千恵美は、もう快感を追求するだけの雌に成り果てていた・・。

　貴美子は心の中で確信した・・・。これで千恵美は私のもの・・・。

　そう・・貴美子の望みはまさに千恵美を自分のものにする事であった！
　幼い頃から好きだった千恵美。家柄も良いお嬢様・・・誰に対しても優しくおおらかで人気もある・・千恵美・・・自分とは大違いな・・・。
　幼い頃からの千恵美に対する憧れは逆に自分に対するコンプレックスでもあった。

（今、千恵美は私の思うがままのお人形。あの可愛くて可憐で、上品な千恵美も今は・・・・私の愛撫に下品な声を張り上げ、ただ官能に従うただの女・・・。そう・・・私は始めて千恵美に勝ったの！！）

　貴美子は今まで自分の心を呪縛していた何かを解き払ったような感覚を覚えた。

　自分の愛撫で我を忘れて絶叫する千恵美を見ながら、冷めた目でこれからあと二人・・
　貴美子の邪魔になる人間をどう排除したものかと考える貴美子だった・・・。