10．２０１号（夕子−１）

　夕子は伯父との関係がやっと終わったのに、新しい土地でも、また「岩下 徹」という男に怯えるのか！
　そんな思いが渦巻き、満足に眠れなかった。

　朝10時、夕子は徹に電話を入れた。
『もしもし、わたし、恵子の姉で夕子と申します』
『あぁ、お姉さんですね』
『チョッとお伺いしたいことがありますので、201号まで来ていただけないでしょうか？』
『はぃ、構いませんが・・・？』
　徹は電話を置いた後、首を傾げていた。
（何だろう？まさか、恵子と関係したことを・・・でも、あれは恵子が望んだことだし・・・そうか！就職の件か・・・夕子さんは何も知らないからな）
　夕べ早く寝た徹は、８時過ぎに目を覚まし、コーヒーを飲みながら憩いでいたのだ。
（今日はゆっくりしたかったのになぁ〜まぁ、たっぷり寝たせいか、身体の疲れは無いけど・・・）
　そんなことを思いながら徹は急いで支度をし、恵子と夕子の201号に出かけた。

　ピンポ〜ン！
　ガチャッ！
　徹がチャイムを鳴らすと、まもなく夕子がドアを開いた。
「中にお入り下さい」
「あ、はぃ・・・」
（何か怖そう）
　夕子のキリッとした声に、徹は少し緊張した。
「ここでいいですか？」
　夕子はリビングの椅子に座るように徹を促した。
「失礼します・・・」
（恵子とはタイプが違うな〜姉の夕子は美人だがスリムだ）
　夕子はブラウスに、ソフトにフィットしたパンツ姿だった。
　徹が腰掛けるとすぐに夕子も座って話しを始めた。
「早速ですが・・・恵子に就職をお世話していただいたようですが、それはどうしてでしょう？」
　徹は夕子の問い掛けにハッとした。
（マズイ、マズイ！観察してる場合じゃないな！）
「どうして？と言われても・・・まぁ、隣同士のよしみ、かな？」
「ふざけないで下さい！何か条件でもあるんじゃないんですか？」
「はぁ？」
「妹からは・・・岩下さんは著名なＣＧデザイナーで、この棟の組長さんで、引越しを手伝ってもらった際、世間話をしている時に紹介された、と言ってたわ」
「そうですよ！ですから隣同士のよしみじゃないですか。僕の知り合いに社長さんが偶然いて、紹介しただけです。就職できたのは、恵子さんの実力ですよ！先日、面接試験があって、合格したと報告を受けました」
「でも、あなたが保証人になっていただいたのは・・・？」
「それは当然じゃないかな〜僕が紹介したんだから」
「でも、やっぱり、一面識の人間に、何の見返りも無く・・・」
「ふぅ〜ん・・・もう、いいにしませんか！」
　徹は、なかなか納得しない夕子に、少し強く出ることにした。

（仕方がないか・・・このままじゃ、納得してくれそうもないし）
「やっと伯父さんから解放されたんだから・・・」
「えっ!?・・・それって・・・」
「えぇ、恵子さんから事情は聞きました。両親を亡くされたこと、伯父さんとの借金相殺のこと・・・僕は恵子さんの話しを聞き、同情ではなく、これから心機一転、明るく旅発とうとしている恵子さんが、素晴らしいと思ってキッカケを作ってあげたんです。
　それがいけませんか？それに何か他の理由が必要ですか？３年間も伯父さんの玩具にされ、あなたにも一言も言えず、それでも、前向きに進もうとしている恵子さんは・・・」
「えっ!?チョ、チョッと待って！今、何て？」
「あっ、しゃべってしまった・・・あなたがクドイから・・・ダメですよ！恵子さんに言っては！せっかく３年間も、ひとりで耐えてきたんですから・・・」
　夕子は呆然としていた。
（ウソ・・・そんな・・・恵子が・・・じゃぁ、伯父はふたりとも・・・）
「僕の推測ですが・・・言ってもいいですか？」
「えっ、えぇ・・・」
「その伯父という人は、実は、あなたにも同じように、家事だけではなく、セックスも強要していたんじゃないですか？夕子さんが承知しないのなら、妹の恵子さんに相手させると・・・それがイヤなら、言うとおりにしろ！と・・・あなたは優しい人だから、伯父の要求を呑まざるを得なかった。違っていますか？」
「・・・・・・いえ、そう、あなたの仰るとおり・・・うぅぅぅ、あの男・・・許せないわ！恵子まで玩具にして！」
　夕子は今にも伯父の下に行き、殺しかねない雰囲気だった。

・・・・・・・・・回想・・・・・・・・・

　夕子は伯父に家事一切を背負わされ、朝も夜も忙しい日々を送ることになった。

　最初の夜、台所の片付けをし、洗濯機を回しながら、夕子は浴室の清掃を兼ねて入浴していた。
「おい、夕子！」
「キャッ！」
　伯父の突然の出現に、夕子は慌てて胸を隠した。
「大きな声を出すんじゃない！恵子が来るじゃないか！」
「な、何ですか？」
「何ですか？は、無いだろう！見れば分かるじゃないか！」
　伯父は裸になって浴室に入ってきていたのだ。
「３年間、死んだ女房の代わりをする・・・そう約束したよな!?」
「えっ、えぇ・・・」
「だから早速、女房の代わりに、コレの相手をしてもらおうと」
　伯父は夕子に昂った肉棒を突きつけ、セックスを強要した。
「そんな！そんなことまでは」
「ウルサイ！じゃあ、すぐに借金を返してもらおうか！」
「・・・・・・・・・」
「それとも・・・恵子に相手をしてもらおうか？」
「えっ！それだけは・・・それだけはヤメテ！あの娘は、まだ子供よ！」
「じゃあ、夕子、やっぱりオマエが相手をするしかないな！」
　伯父はイヤらしい笑みを浮かべ、裸の夕子に迫っていった。
（あぁ、何てこと・・・こんなことって・・・）
「夕子は処女じゃないだろ？だったら、ここでいいな！それにしても夕子、オマエは着痩せするんだな、フフッ・・・裸になるとスリムだが、いい身体してるじゃないか！」
　伯父は夕子のヒップアップしたお尻を抱え、いきなり、昂った肉棒を蜜壷に挿入してきた。
「うっ、痛い！ぅぅぅ・・・」
「ダメじゃないか！濡れて待っていないと！入れにくいぞ！」
（何を勝手なことを！無理矢理犯しているくせに！絶対に感じたりしない！勝手に姦ればいい！わたしは、絶対に感じないんだ！感じない！感じない！）
　夕子は心の中で何度も自分に言い聞かせていた。
「お姉ちゃん！わたし、掃除手伝おうか？」
（えっ！ウソ〜）
「あっ、もぉ、終わるから、いいわ！あ、開けないで！水がかかるわ！あなたは早く寝なさい！」
「うん！分かった！じゃあ、お姉ちゃん、悪いけど先に・・・」
　そう言うと、恵子は脱衣場から出て、部屋に戻っていった。

　夕子は両手で浴室のドアを押さえ、両足を踏ん張っていた。
「うぅぅ、いいぞ！ふぅ、上手く誤魔化したな！あうっ・・・はぁ、凄い締め付けだな！夕子・・・そんなに締め付けたら・・・あうっ、もぅ、イクぞ〜」
「えっ!?だ、ダメェ〜!!今日は危ないんだから！」
　伯父はヌルッと肉棒を抜いた。
「はぁ、はぁ・・・脅かすな！妊娠しないよう、しっかりピルを飲むなり何なりしろ！あぁ、仕方がない・・・じゃぁ、後ろに入れて出すか！」
（えっ!?後ろに・・・って？）
　夕子は伯父の意図が分からなかった。
　伯父は再び夕子のお尻を掴むと、暴発寸前の肉棒を夕子の萎んだお尻の穴に無理矢理捩じ込んだ。
「いいいいい、痛い!!イヤ！イヤ、裂けちゃう！」
「ウルサイ！また、恵子が来るぞ！何だ！アナルセックスの経験も無いのか！困ったオンナだ！これからは、両方で相手をするんだ！」
　夕子は無言で涙を流しながら、必死に耐えた。
　やがて伯父は、大量の精液を夕子のお尻の中に吐き出した。
「ふぅ、ふぅ・・・夕子、いい道具だな！これから３年間が楽しみだ！ハハハハ〜〜〜そうだ！フェラも毎回、するんだぞ！気を入れるんだぞ！」
　そう言うと、伯父は夕子のお尻から肉棒を抜き、自分の部屋に戻っていった。

　それからは、あらゆる場所であらゆる体位を求められ、伯父の淫らな欲望の捌け口にされたのだった。

・・・・・・・・・回想終わり・・・・・・・・・

「殺してやる！」
　夕子は３年間を振り返り、我慢が出来なかった。
「バカなことを考えちゃダメだ！」
「どうして、どうしてバカなことなの！あなたには、分からないのよ！３年間の苦痛が・・・犯されるたびに、感じないように必死に堪え、毎回、その時間が早く過ぎろ！と念じていた日々を・・・それも無為に終わったわ・・・恵子まで犯されていたなんて」
「だから・・・しっかりするんだ！いいかい！恵子さんは処女を失い、犯され続けたが、今、前だけを見て、懸命に新しく生まれ変わろうとしている。
　それなのに、お姉さんのあなたがそれじゃ・・・これからの人生の方が長いんだ！自分を大事にしていこうよ！夕子さんはキレイだし、思いやりもある優しい女性だし・・・」
「どこが!?わたしのどこがキレイだって言うの！伯父に３年間も玩具にされたわたしの、どこがキレイなの！その上、まったく感じなくなったこの身体・・・これで、どう前向きに生きろ！って言うの？」
「イヤ・・・充分、キレイだと僕は思うけど・・・想像の域を出なくて申し訳ないけど、辛い３年間を送ったことを聞いても・・・僕はキレイだと思う」
「そう！じゃあ、そこまで言うのなら、証明してよ！」
　夕子は毅然とした顔で徹に詰め寄った。
「証明・・・？」
「そう！・・・穢れて不感症になったわたしを・・・相手できる？」
「・・・・・・夕子さんが、そうして欲しいのなら・・・今までは強要されてセックスをしていた。だが、これからは、恋愛もセックスも、自分の意志でしてもらいたい！今も、夕子さんの意志なら、僕は喜んでお相手しますよ」
「自分の意志・・・」
「そう、感じたい、気持ち良くなりたい・・・だからセックスを！この人が好き！だから、肌を合わせて感じたい！と・・・」
「今日、出会って、好き嫌いは・・・でも・・・本当に出来るのなら、して欲しいわ！」
「分かった・・・じゃあ、今から・・・」
　夕子は無言で厚手のカーテンを引き、ソファに座った・・・。