| 20 「なんか・・・急に恥ずかしくなっちゃった・・・」 僕の部屋に入った林亜理咲が言った。 「アリサ・・・」 僕は林亜理咲の肩を両手で持って名前を呼んだ。 「はい・・・」 まるで林亜理咲じゃないみたいな声が返ってくる。 僕を見上げる目と目が合った。 きれいな目だと思った。 「いやだったらしない・・・でも、いまの僕はアリサを抱きたい」 「う・・・うん・・・」 返事を聞いてから、僕はゆっくりと林亜理咲の身体を引き寄せていった。 30センチ・・・20センチ・・・10センチ・・・ 距離がゼロになったとき唇を重ねる。 静かに触れる程度に重ねたままでいた。 数を数えてはいなかったけど10秒くらいそうしていた。 「いい？」 林亜理咲の身体から力が抜けたのを感じて、僕はちょっとだけ唇を離して聞く。 「ユ・・・ユーイチロー・・・ありがと・・・」 その言葉を聞いたとき、僕は思いっきり林亜理咲を抱きしめていた。 「うれしい・・・きもち・・・いい・・・」 制服越しからも身体の柔らかさというか弾力が伝わってくる。 「僕も・・・気持ちいいよ。アリサは柔らかくて・・・すてきだ・・・」 「お・・・おねがい・・・」 「どうしたの？」 「もういちど・・・言って欲しいの・・・あたしは・・・汚れてないって・・・」 「アリサは女神だよ。汚れているはずなんかない」 「あ・・・ありがと。うれしい。あたし・・・ユーイチローになら、なにをされてもいい。ユーイチローの好きにして・・・いいよ」 「そうじゃないよ」 「え・・・？」 「アリサがして欲しいことをしてあげたいんだ」 「は・・・ずかしい・・・」 「言えないの？」 「あのね・・・」 「うん」 「あのときみたいに・・・舐めて・・・きれいにして・・・ほしいの・・・」 「よろこんで。じゃあ・・・脱いで・・・」 「うん・・・」 腕の力を緩めると林亜理咲はブレザーを脱いでブラウスのリボンに手をかけた。脱いだ服をどこに置こうか迷っているみたいだ。けっこう几帳面な性格なのかもしれない。 「椅子の上に置くといいよ」 「あ・・・うん・・・」 顔が赤い。いつもの奔放な林亜理咲じゃない。 それにしても、なんて蠱惑的な眺めなんだろう。濃いピンクに黒いレースがあしらわれたブラジャーが林亜理咲にはよく似合っている。 「今日はスパッツじゃないんだよ」 スカートに手をかけながら僕の方を見る林亜理咲の笑顔はかなり無理をしている感じだ。 「アリサ・・・」 下着姿になった林亜理咲に言う。ブラジャーとパンティー（ショーツって言うのかな？）はコンビで肉感的な肢体をすっきりと見せていた。素直に美しいと思った。もしかして勝負下着？ 「すごくきれいだ」 「なんでかな・・・すごく・・・はずかしい・・・けど、うれしい・・・」 「もっと見せて」 「う、うん・・・ユーイチローも・・・」 「わかった」 ほんとうにいいのか？ 自問してみる。僕が服を脱ぐということは林亜理咲とセックスをするということだ。もちろんしたい。でも先輩の存在がブレーキになっていた。その先輩から「きれいにしてあげて欲しい」と言われた。だからするのか？ いや違う。いま僕は本気で林亜理咲のことを考えていた。 僕は服を脱ぎはじめた。 林亜理咲も最後の二枚を脱ぐ。 目の前で生まれたままの姿になった林亜理咲はカンペキだった。 そして僕は・・・ちょっと頼りない感じ・・・かもしれない。 天を向いた屹立だけが異様に逞しかった。 「僕はこれからアリサを抱く。いいね？」 僕は宣言した。 「うん・・・」 「アリサはすごくきれいだ。本当に女神みたいだ。僕なんかでいいのかって思うけど、僕はアリサを抱きたい。僕にできることは何でもする」 「ユ・・・ユーイチロー・・・」 「ベッドに寝て」 「は・・・い・・・」 まるで催眠術にかかったみたいに林亜理咲はベッドに腰掛け、そして横になった。 高さを失わないバストは透きとおるように白い。僕はベッドの傍らにひざまずいて、その頂点にある愛らしい突起にゆっくりと顔を近づける。先輩とは違う種類の甘い香りがした。 「あんっ・・・」 唇が触れたとき林亜理咲の身体がピクンと跳ねた。 「ああっ・・・ああんっ・・・」 舌先で突起の周囲をなぞるとさらに甘い声が漏れる。 手のひらで包み込むようにしてバストを揉みながら舌先を乳首に這わせる。 林亜理咲のバストは手のひらからこぼれるほどのボリュームがあり、弾けるような感触と、吸い付くような肌触りだった。 「だ・・・だめぇ・・・どうして・・・こんなに・・・感じちゃう・・・」 身体をよじらせながら林亜理咲が悶えている。 「ああっ・・・すごい・・・ヘンに・・・ヘンになっちゃう・・・ああっ！」 感じているのがうれしくて続けていると、林亜理咲の身体はクンッと一直線になった感じで硬直した。握りしめているシーツに深くシワが寄る。 最初の愛撫だけで達してしまったらしい林亜理咲の姿態を眺めながら、なぜかここ数日の出来事を思い出していた。僕は、こんなに冷静な男だったんだろうか？ 先輩の部屋に呼ばれたときから僕は僕じゃないみたいになっていた。夢にまで見た女性の裸体を目の前にしながら相手を気遣って大人びたセリフを吐けるほど僕は成長していないはずだ。なのに、現実には僕は鍵として先輩と理想的な初体験をして、そしていま、もうひとりの学園のアイドルが心と身体を開いているんだ。 まだ気がつかないだけかもしれない。僕の中にいるもうひとりの僕の正体は本当に鍵なのではないだろうか。だとしたら、僕はもうひとりの僕に忠実になりたいと思った。 「アリサ、腰をこっちに向けて脚を開いて」 「や・・・やぁ・・・はず・・・かしい・・・」 「アリサが舐めて欲しいって言ったんだよ。ほら」 僕が手を添えると林亜理咲はベッドの上で90度身体を回転させた。そして、ふとももの内側に手を差し込むと大きく脚を開いた。 秘肉から蜜が溢れ出ていて、うしろにある愛らしい排泄器官までをも濡らしていた。 僕は舌先を尖らせて花びらをかき分け、あのとき先輩にしたみたいに蜜壺に挿入した。 「あううっ！」 その瞬間、林亜理咲は背中をのけぞらせて叫んだ。 「ああっ！ ああんっ！！」 バウンドする腰を両手で押さえながら、舌先を蜜壺からクリトリスへ、また、その逆へと移動させる。 「だめぇっ！ 溶けるぅ・・・溶けちゃう！ や・・・ああんっ！！」 クリトリスを集中的に責めると林亜理咲は身体を硬直させブルブルと震えはじめた。 先輩から聞いた「溶ける」という言葉が僕らを支配していた。 突起のような肉が硬くなっていくのがわかる。 僕は続けた。 林亜理咲のすべてを解放してあげたかった。 それは口実で、この先がどうなるのかという好奇心もあったかもしれない。 ちょっと残酷かもと思いつつも、僕は舌でクリトリスを転がすように舐めながら、指を蜜壺に挿入して中をかき回した。 「も・・・もう・・・おねがい・・・や・・・あぁっ！ あんっ！！」 数えたわけじゃないけど、たぶん三回か四回はイッてしまったと思う。 立ち上がって見下ろすと、林亜理咲はひとりで痙攣を繰り返している。 頬から上半身にかけての肌が興奮で赤く染まっている。 やはり林亜理咲は女神なんだと思った。 僕はゆっくりとその女神に覆い被さる。 「アリサ・・・入れるよ・・・」 耳元でささやくと、林亜理咲の両手が背中にまわってきた。 手のひらが熱かった。 右手を屹立に添えて位置を定めると一気に挿入した。 「あぁぁぁぁぁんっ！！」 長い叫びがよろこびの深さを物語っていた。 「ああっ！ すごい・・・熱い・・・熱いの・・・ユーイチロー・・・おねがいが・・・あるの・・・ああっ！」 「なに？」 「な、中で・・・中で・・・今日は・・・大丈夫・・・だから・・・」 荒い息の中で林亜理咲はそう言った。 「わかった」 そう答えて僕は律動を開始する。 「あっ！ あんっ！ あんっ！」 動きにシンクロして喘ぐ林亜理咲の口を僕は背中を曲げて唇でふさいだ。 「んんっ！ んぐぅっ！」 舌を差し込むと喘ぎながらも絡めて応えてくる。 考えてみたら林亜理咲とキスをするのは初めてだ。 林亜理咲のすべてを自分のものにしたいと思った。 フィニッシュへ向けて律動を早める。 背中にある林亜理咲の手に力が入り爪を立てるようにしている。 僕は唇を離して身体を密着させた。体温と喘ぎが肌を通して伝わってくるのが気持ちよかった。 「ああっ！ ああっ！ ユーイチロー！ 好き！ 好きなのぉっ！」 林亜理咲はそう叫びながら背中をのけぞらせ、腰を僕の方へ押しつけてきた。 僕も限界だった。 腰に力を入れて一番深いところまで挿し込んで思いきり放出した。 後頭部で閃光が走ったような気がした。それくらいの快感だった。 「はうぅぅぅっ！！」 林亜理咲も同時に絶頂を迎えていた。 |
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| 2011.6.25掲載 |
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