| 31 「も〜、ユーイチローったら、いきなり帰っちゃうんだもん」 「だって男には居づらい雰囲気だったんだよ・・・それに・・・」 帰って寝ころんでいたらメールで亜理咲に呼び出されたんだ。で、いつものように先輩の家のリビングで三人が集まった。 「なによ？」 「アリサが僕らのことまで話すんじゃないかと思って。たしかに先生には同情するけど、先生は僕らの仲間じゃない」 「あたりまえよ。そんなことするわけないでしょ」 「まあ、居づらかったっていうことで・・・」 「ほんとはエッチなこと考えていたんじゃない？」 「そんなことないよ」 「むきになっちゃって怪しい・・・」 「アリサはなにが言いたいんだよ・・・」 亜理咲は話を下ネタ系に持って行きたがるクセがある。 とくに僕が相手のときはそうだ。 うれしいときもあるんだけど露骨すぎてハラハラするときもある。 ここで話しているときは開放感があって楽しんでいる感じもするから大目に見ている。 でも、ときどき興奮しすぎて自分がエッチな気分になって、先輩の目の前なのに僕のことを求めてきてしまうこともある。今日もそんな予感がした。 「かわいそうな水島T」 「なんで？」 「ユーイチローが助けてあげればいいんだよ。あたしのときみたいに」 「なに言ってんだよ。そんなことできるわけないじゃないか」 「あたしは水島Tより10才も若いのにユーイチローから楽しいこと教わったし、ユーイチローといると楽しいんだよ。ちょっと分けてあげたくなっただけ」 「きっと先生が嫌だって言うよ」 まったく亜理咲の発想は飛びまくるから困る。 「そうかしら？」 先輩が言った。 「せ、先輩までなにを・・・」 「今井君がそうなるとかいう問題じゃなくて、でも水島先生にも鍵は必要なんだと思うわ。弟さんの代わりになる」 「ええっ？ 代わり・・・って・・・？」 「今日、先生の話を聞いててわかったの」 「なにを・・・ですか・・・？」 「先生が弟さんのことを嫌っていなかったこと。むしろ好きだったのかもしれないわ。実家に帰るって言ってたときさみしそうだった。いけないことだと思いつつ、先生は心のどこかで弟さんを求めていたんだと思う」 「まさか・・・」 「ううん。そうだと思う。そうじゃなかったら『百年の孤独』を読み返して評価することなんてなかったはずだし、きっと先生にはそういう嗜好があるのよ」 「嗜好って・・・？」 「あのとき言ったでしょ。無理矢理されてよろこびを覚えるような・・・そんな嗜好・・・」 「あたしもそう思う。お礼って言いながら、なんか違う感じがしたもん」 「そうなのかなぁ・・・」 「今井君は男だからわからないのかもね」 「はい・・・イマイチ納得できないんです」 「たしかめてみよっか」 バッグを探っている亜理咲は不思議な笑みを浮かべていた。 「ジャ〜ン」 そう言いながら亜理咲が取り出したのはプラスチックケースに入ったDVDだった。 「あっ！ それ・・・」 白いラベルに書かれた日付の字に見覚えがあった。 「瞳も見たいでしょ？」 「なあに、それ？」 「だ・・・だめだよ・・・どうして・・・」 「あのとき一枚だけ持って来ちゃったの。瞳、パソコン出して」 それは、あいつの机の中にあったバックアップのDVDだった。 「それって先生の画像なの？」 「そう。見るでしょ？」 「・・・」 先輩はすこし考えてるみたいだった。 なんだかドキドキした。 僕にも見たいという気持ちと、見ちゃいけないという気持ちがあった。 「見せて。コンピューター持ってくる」 先輩はそう言って立ち上がった。 「せ、先輩・・・どうして・・・？」 「悪いことだと思うわ。でも、たしかめてみたいの」 先輩がリビングから出て行く。 「アリサ・・・どうして・・・？」 「だって・・・瞳にも見せたかったし・・・っていうか・・・」 「もう一度見たかった・・・んだ・・・」 「うん。あのときはぜんぶ見れなかったから・・・ユーイチローが電話してるとき抜き取っちゃったんだ」 「なんとなく・・・気持ちはわかるよ・・・でも・・・いいのかなぁ・・・」 そこまで言ったとき先輩が戻ってきた。 マックを立ち上げて亜理咲からDVDを受け取る。 スロットに差し込んすべてのフォルダを読み込ませている。すっかりMacの操作に慣れたようだった。 僕らはリビングのソファーに並んで座る。真ん中が先輩だ。 まだ迷いはあったが、見るのはやめようなどとは言えない雰囲気だった。 いや、見たいという気持ちの方が強い。データを読み込む時間がもどかしく感じられた。 あのときは気になる写真だけを拡大して見るだけだったが、先輩はiPhotoのサムネイル表示を最大にしてスクロールしていく。時間を追って見ると印象が違った。 次の日のフォルダに移る。 先輩が最後の動画をダブルクリックした。 ノートからお世辞にもいいとは言えない音質で先生の声が・・・ 先輩は黙って画面を見つめている。その表情は冷たい印象すら受ける。 二度目だからといって流せる内容じゃない。僕もつい画面に見入ってしまう。それは亜理咲も同じらしい。ただ、亜理咲の表情は不思議なものだった。なんていうか、好奇心で輝いている感じなんだ。 動画が終わると先輩はため息をついた。そしてまたサムネイルをスクロールしていく。これからは僕も亜理咲も見ていない画像だ。しかし、着ている服が違うくらいで内容は同じ。先輩は指二本を使ってどんどんとスクロールしていく。 あらためて思うのは水島先生がエッチな身体つきをしているということ。 大人っぽいというか、成熟した美しさを感じる。 そういう先生が暴力的に犯されている写真はいやがおうにも興奮をそそる。 いくつめかのフォルダに差しかかったとき先輩の指が止まった。 先生のポーズが違った。 ベッドの上で四つん這いになりお尻を突き出した格好だ。 なにも着ていない。 先輩がその画像をダブルクリックする。 画面いっぱいに写し出された画像。フラッシュの光で浮かび上がったアヌスと薄めの茂みに覆われた秘裂がエロい。 そして・・・ 双丘の向こうにロープで縛られた手が暗めに写っている。 「あっ・・・」 僕は思わず呻いてしまう。 「いや・・・」 亜理咲も驚きを隠せない様子だ。 先輩は無言だ。 サムネイル画面に戻ると次々に画像を拡大させていく。 後ろ手に縛られた先生があらゆる角度から写されている。 顔は布団に伏せたまま、バストも隠れているが、それだけにボリュームのあるヒップラインに目が行ってしまう。丸くて張りのありそうなお尻がきれいなだけに縛られた手首が痛々しい。 そして最後のファイルは動画だった。 先輩は躊躇なくサムネイルをダブルクリックした。 また別窓が開く。 先生の顔から背中を舐めヒップへと画面が移動していく。 真後ろで止まり、ひざまずいて開いた脚とヒップが写し出される。最初にあった写真と同じようなアングルだ。 左手があそこへ伸びていく。 「うっ・・・ぐっ・・・」 布団のせいでくぐもった声が聞こえ、先生が逃げるように腰をくねらせる。 カメラが左手と一緒に近づいて画面がアップになる。 あいつの中指が先生の蜜壺へ。 なんの抵抗もなく挿し込まれてしまう。 「あうぅっ！」 喘ぎとともにアヌスがキュッとすぼまるのがわかった。 「縛られただけでこんなに濡れてるなんて姉ちゃんは淫乱なんじゃないか？」 あいつの声は余裕たっぷりな感じがする。 指が抜かれると蜜が糸を引いていた。 「今日こそは『いい』って言わせてやるからな」 画面が揺れて、なにも見えなくなった。カメラが布団の上に置かれたらしい。 ちょっとするとヴィ〜ンという音が聞こえてきた。 またカメラが構えられ先生のあそこが大写しになる。 すぐに音の正体がわかった。 あいつは楕円形のものをつまんでいた。ピンクローターだ。高校生だって、そんなことくらいは知っている。 「ああっ！！」 秘肉の合わせ目、つまり一番敏感なところへ樹脂製の物体が触れたとき先生は高く喘いだ。 「どうだ。感じるだろう？ 感じるって言えよ、姉ちゃん・・・」 あいつは、そう言いながらローターでクリトリスのまわりをなぞる。 「あぐっ！ だ・・・だめっ！ ああっ！ ああっ！」 腰をくねらせながら喘ぐ先生の声はどんどん高くなっていく。 「だめっ！ こんなの・・・いやっ。ゆ、ゆるして・・・あうっ！」 先生の身体が痙攣している。 あふれ出た蜜で秘肉が濡れていた。 「いやっ！ いやぁっ！！」 画面が大きく揺れている。 声だけで達してしまったのがわかった。 「感じるって言えよ！」 あいつはローターの動きを早めて言う。 「だめぇ・・・ああっ！ ゆるして・・・そんなにしたら・・・ああっ！ こ、こわれちゃう・・・ああんっ！」 もう先生の声は蕩けそうだ。なのに「いい」とも「感じる」とも言わない。 「ああっ！ こわれ・・・ちゃうっ！ あああんっ！！」 ひときわ高い声をあげて先生は突っ伏してしまう。 「これはどうだ」 またカメラが布団の上に置かれてこんどは天井が写し出された。 「いやぁ〜っ！！」 先生の悲鳴が聞こえる。 「あああっ！ いやっ！ あああっ！！」 「これなら終わりがないからな」 あいつの声がした。 先生の喘ぎが続く。 やがてカメラが構え直され正体がわかった。 先生のあそこには樹脂製のバイブレーターが突き刺さっていたんだ。 あいつは片手でそれを抜き差ししている。 「ああっ！ だめっ！ もう・・・だめぇぇぇっ！！」 そう叫ぶ先生の身体がヒクヒクと震えていた。 「どうして・・・逃げないんだろう？」 思わず僕はつぶやいていた。 「して欲しいからよ」 「えっ？」 先輩の答えに驚いていると、こう続けた。 「わからないの？ 縛られたままでいるのは抵抗しなくていいからよ」 「そ・・・そんな・・・」 先輩の言葉には病名を告げる医師のような冷たさがあった。 驚きでなにも言えずにいると画面が真っ暗になって「くそっ！ こうしてやる！」という声のあとに先生の喘ぎと肉がぶつかる音が続く。カメラを放り出して最終的な行為に突入したのがわかる。 |
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| 2011.10.22掲載 |
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