| 34 「え〜っ、こんなに安いの。信じられな〜い」 先輩が操作するMac Bookの画面を見ながら亜理咲が言った。 二人が見ていたのは女性用と謳われた通販サイトだった。ピンクローターの値段はコーヒー一杯分と書かれているが、僕にしてみれば牛丼一杯分だ。そんなに安いものなのかとびっくりした。 「これだったら送料より安いよね。どうせなら、もっといっぱい買っちゃおうよ」 亜理咲の声がはしゃいでいる。 そのサイトには選び方や使い方、手入れの仕方までが解説されていて、さすがに女性向きというだけあって、やたらかわいいバイブレーターなんかも売っている。 「やだぁ〜。なにこれ？ かわいい〜」 亜理咲が興味を持ったのはウサギのカタチをしたローターだった。 「でも、これってあたしたちでも買えるのかなぁ？ カードなんて持ってないし・・・年齢制限があるんじゃない？」 「大丈夫よ。18才って書けば。それに銀行振り込みもあるみたいだし」 なにかを決めたときの先輩の行動は素早い。そして的確だ。先輩は別窓で通販サイトの評判を確かめると、次々に商品を選んでレジへ進んだ。そして、数分後にはネット振り込みで代金まで支払っていた。 「なんだかドキドキしちゃった」 そう言う先輩の顔は普段通りのクールな感じだ。そのギャップがたまらない。 それに僕らは裸のままなんだ。 場所はリビング。先生の画像や動画を見ていたときのままだ。 そして・・・ 思い出したら僕もドキドキしてきた。 「あ、ユーイチローったらエッチなこと考えてるでしょ。瞳のおっぱいばかり見てるもん」 「しょうがないじゃないか。だって、あのサイトには使い方や体験談があって、読んでたらいろいろ想像しちゃったんだ。アリサだって想像してたくせに」 いつも、やり込められているので、ちょっと逆襲してみた。 「そんなことないもん・・・」 亜理咲の顔が赤くなった。 「僕は想像したよ。アリサとエッチしながら、あのバイブレーターを先輩に使うとことか、こんどはアリサを縛ってバイブレーター入れるとことか・・・」 「ばかぁ・・・」 バスルームで亜理咲が言ったことにちょっと想像を付け加えただけだ。なのに亜理咲の反応は驚くほど激しいものだった。両手で顔を覆い、身をよじっている。 大胆で奔放に見える亜理咲だけど、すごくかわいいところもあるんだ。 「もしかして、アリサ・・・縛られたいの・・・？」 亜理咲は顔を手で隠したままうなずいた。 「ほんとに・・・？」 「ひ、瞳と・・・ユーイチローにだったら・・・い、いじめて・・・ほしいの」 聞き取るのがやっとなくらい小さな声で亜理咲は言った。 恥ずかしさのせいか、それとももう興奮しているのか、肌までが桜色に染まって小さく肩が震えている。 そういえば亜理咲はあのサイトにあった目隠しとリストバンドを使った体験談を熱心に読んでいた。 僕はさっき使ったフェイスタオルを持ってソファーの後ろにまわった。 そして静かに亜理咲の手をどけるとタオルで目隠しをした。 「あ・・・」 亜理咲はため息のような声を漏らす。 「アリサはすごくかわいいから、いじめてあげるよ。そうされたいんだよね？」 「あ・・・や・・・」 もう亜理咲の息は荒くなっていた。 まったく抵抗しない。 もう一枚あったタオルで両手を縛ったとき先輩が立ち上がった。 もしかしたら怒っちゃったのかとドキドキしたけど、先輩の行動は驚くべきものだった。転がっていたタッセルを拾い上げると、亜理咲をソファーの上に押し倒して、両手を縛ったタオルにタッセルをつないだ。そして、残った一端をソファーの脚に結びつけたんだ。 亜理咲は両腕を上げた格好でソファーに固定されてしまった。 ソファーの脇に横座りになった先輩は右手を使って亜理咲のふとももからバストまでを撫で上げていく。 静かでしなやかな動作だった。 「あっ・・・・あんっ・・・」 誰に触られているのかわかってるのだろうか？ 亜理咲は身体をビクンと震わせた。 「林さん・・・」 先輩が呼びかける。 「ひ・・・ひとみ・・・なの・・・？」 「私ね・・・とっても悩んでいたの。あなたの話を聞いてから私が私じゃなくなったみたいで、自分がとっても淫らな人間なんじゃないかと思っていた。そんなとき私のことを理解してくれる今井君があらわれたの。そして私を解放してくれた・・・あなたもわかって欲しかった・・・だから、さっき・・・あなたに縛られて・・・舐めてもらって・・・うれしかった。きっと、あなたも・・・私の箱を開けてくれる大事な鍵・・・」 そう言いながら先輩は亜理咲の秘部へ手を差し入れた。 「あ・・・ああんっ！」 きっと先輩の指先が一番敏感な部分に触れたんだろう。亜理咲は腰をくねらせながら喘いだ。 先輩は愛撫を続けながら亜理咲の乳首を口にふくんだ。 「あっ・・・いやぁっ！ たまらないの・・・ああんっ！」 亜理咲は悶え続ける。 先輩は僕のことを理解者だと言った。その意味を考えながら、僕は先輩と亜理咲を見つめていた。 インモラル、アブノーマル・・・いろんな言葉が浮かんだけど、そんな常識など吹き飛ばすような美しさだった。 それに先輩の指使いや愛撫の仕方はすごく勉強になる。きっと先輩自身がして欲しいことを亜理咲にしているんだ。亜理咲の反応を客観的に見ているとどうして欲しいのかもわかる。だから僕は二人の行為を観察することにした。 さっき亜理咲が先輩を縛って責めていたときはチェロを奏でるミュージシャンのようだと思ったが、先輩のそれはもっと優雅に見えた。なのに亜理咲は激しく反応している。 「やっ！ やんっ！ い・・・いっちゃうっ！ いっちゃうようっ！！」 亜理咲が腰を浮かせて震えはじめる。 それでも先輩は静かに責め続ける。 「ああっ！ いやっ！ そんなにしたら・・・あっ！ あうっ！！」 亜理咲の身体がバウンドした。 柔らかな曲線を描く腹部には普段見ることができない腹筋が浮き出ていてヒクヒクと痙攣している。先輩のテクニックもすごいんだろうけど、それ以上に亜理咲は縛られて愛撫されるというシチュエーションに興奮してしまったらしい。いつもに比べると、あっけないほどに達してしまったし喘ぎ声も高い。 「だ・・・だめ・・・それ、や・・・ばい・・・やばい・・・よぅ・・・」 よく見ると先輩の指が亜理咲のアヌスに刺さっていた。 「すごいわ。ヒクヒクしてる・・・」 先輩の言葉を聞いて、僕は亜理咲の内部の感触を思い出してしまった。あのまとわりつくような妖しい感触・・・ 「あっ！ ああんっ！ だめ・・・だめなのぅ・・・」 しなやかな先輩の指の動きに呼応するように亜理咲が悶えている。中指がアヌスを貫き、親指が微妙に動いてクリトリスを刺激している。 「ああんっ！ ま、またなのっ！ ああっ！ ああ〜んっ！！」 乳首を口にふくまれたとき亜理咲は叫びながら何度も痙攣した。 ひざまずいて亜理咲を愛撫している先輩の背中には天使の羽根が生えているのではないかと思った。いや・・・もしかしたら悪魔の羽根かもしれない。悶え続ける亜理咲を執拗に責めている。そんな先輩が亜理咲にキスをしようとして腰を浮かせたとき、あそこが濡れているのが見えた。 先輩も興奮している。そう思ったら、居ても立ってもいられなくなった。 気がついたら僕は先輩の後ろにいた。そして屹立を先輩の秘肉にあてがっていた。 濡れきった蜜壺はスムーズに僕のものを受け入れてくれた。 「ひゃぁぁんっ！」 最近は普通に喘ぐようになっていた先輩の口から懐かしい甘い声が漏れる。 亜理咲を愛撫するのに夢中で僕が近づいたのに気がつかなかったらしい。 「ふっ！ くぅっ！」 深く挿入すると不思議な声で喘いだ。 「ひとみぃ・・・もしかして・・・ユーイチローにエッチされてるの？」 目隠しをされたままの亜理咲が言う。 「ふ・・・ふぅん・・・」 「うらやましい・・・おねがい、ひとみ・・・あたしを抱きしめて」 亜理咲の願いをかなえてあげるため、僕は先輩の腰をつかんで挿入したまま持ち上げた。先輩も這い上がるようにして亜理咲のバストと自分のバストを密着させた。 そして亜理咲を抱きしめながらキスをした。 縛られてソファーに固定された亜理咲の上に先輩が、そしてその上には僕がいる。そんなシチュエーションに興奮して、僕は思いきり挿送を開始した。 「んっ！ んんっ！！」 唇が重ねられたままなので喘ぎは声にならない。それでも、僕には先輩がどれだけ感じているのかがわかった。 僕は先輩の腰を抱えながら律動した。 先輩の背中が桜色に染まっていく。 挿送のペースを速く細かくしていくと蜜壺の中が蠢いて僕のものを締めつけてきた。 「うっ！ んぐぅっ！！」 先輩の身体が硬直する。 先輩の中にある硬い肉が僕のものをくわえこむように動いていた。 お風呂に入る前、先輩と亜理咲のお尻にたっぷり出した後なので僕のものは驚くほど長持ちする。まだギンギンに硬いままだった。だから先輩の中の肉の動きがよくわかるんだ。 比べてみたい。 そんな欲望が心の中に芽生えた。 見れば亜理咲は先輩の抱擁を受け入れるため大きく脚をひろげていた。 腰の位置はほとんど先輩と一緒だ。 亜理咲の膝を立てさせて、腰を浮かせて僕を受け入れている先輩に体重をかけると恥丘と恥丘が密着した。 先輩は勘がいいから僕が何をしようとしているかを察したみたいだ。ゆっくりと腰をグラインドさせて恥丘同士をこすり合わせながら亜理咲にキスをしている。舌を深く入れて絡め合わせているのが動きでわかる。 僕は静かに屹立を引き抜く。 先輩の身体がヒクリと震えた。 屹立に手を添え、ちょっとだけ腰の位置をずらすと亜理咲の蜜壺をすぐに探り当てることができた。入り口が燃えるように熱い。そのまま一気に挿入した。 亜理咲が背中をのけ反らせるのが先輩の身体越しにもわかった。 先輩に唇をふさがれているので、くぐもった声しか聞こえないけど、くねるように身体を動かして悶えている。 亜理咲の内部はまとわりつくような感触で、筋肉質な感じがする。先輩のそれとは違う。どちらが気持ちいいとか、そういう問題じゃなくて、どちらも僕にとってかけがえのない大事なものなんだ。それを、こうやって同時に味わえるなんて夢のようだった。 僕は感触を確かめるように挿送を続ける。 気がつくと先輩は亜理咲のバストを揉んでいた。 身体を左側にずらして僕に見せつけるように。 親指と人差し指で乳首をつまみながら手のひら全体でバストを揉みしだいている。 バンザイする格好でソファーに固定されている亜理咲の脇の下が妙に艶っぽく感じられた。 先輩の唇が亜理咲の唇から首筋へ、そして耳へと移動した。 「ああっ！ ああんっ！！」 堰を切ったように亜理咲が高い喘ぎ声をあげる。 その声に応えるように僕は律動の速度を上げる。 「だっ！ だめぇっ！！ あんっ！！ ああ〜んっ！！」 大きく叫びながら亜理咲が痙攣した。 僕とつながりながら先輩に愛撫されて絶頂を迎える亜理咲の表情は満たされた幸せを感じさせるもので愛おしさがこみ上げてきた。 このまま亜理咲の中で出してしまいたいと思った。 でも、それはできない。 「いまいくん・・・」 僕がどうしようか悩んでいると先輩が声をかけてきた。 「は・・・はい・・・」 「出ちゃいそう？」 「あ・・・はい・・・もうすぐ・・・」 「ちょっとだけ我慢できる？」 「はい・・・」 「じゃあ、私がしてあげるから林さんから離れて」 「はい」 僕は先輩の言うとおりにして立ち上がった。 蜜で濡れた屹立が天を向いていた。 「ちょっと待ってね」 先輩はそう言いながら、まだ痙攣している亜理咲の目隠しを取り、縛めを解いた。 「林さん、大丈夫？」 亜理咲はうなずいて答える。 「ごめんね。今井君をもらっていい？」 「どういう・・・こと・・・？」 「まだ今井君は終わってないから・・・」 「あ・・・うん・・・」 まだ亜理咲の意識は正常じゃないみたいだ。 それでも答えを聞いた先輩は僕の方に向き直って言った。 「今井君、私が終わらせてあげる」 僕の前にひざまずいた先輩は屹立を両手で包み込むようにした。 そして口にふくんだ。 「せ・・・せんぱい・・・」 まるで、すべてを理解して受け入れてくれるような先輩の行動に、僕は感動して「せんぱい」と呼ぶことしかできなかった。 見下ろすと先輩のストレートヘアーが揺れていた。 そして僕のものを愛おしげにくわえてくれている。 亀頭のまわりを先輩の舌先が這っているのがわかった。それだけで逝ってしまいそうなのに両手で根本の方をしごいているから、もう限界だった。 「だ・・・だめです・・・もう・・・出ちゃいそうだ・・・」 その声を聞いた先輩は舌の動きと手の動きを早めた。 「い・・・いいんですね？」 僕の質問に答えるように先輩は僕のものを飲み込むように深くくわえた。 「で・・・出ます！」 僕は先輩の頭を抱えながら叫んだ。 その瞬間、僕の顔を覗き込むように見ている亜理咲と目が合った。 亜理咲と視線を絡ませながら、先輩の口の中へ思いきり放出した。 ゴクリと先輩の喉が鳴る。なのに、まだ先輩は僕のものを舐めまわしている。 腰砕けになって立っているのがやっとだ。 「かわいくなっちゃった・・・」 やっと萎えたものから口を離した先輩はそう言って笑った。 |
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| 2011.11.26掲載 |
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