| 14 それを不思議な光景だと感じていたのは僕がスケベだからだろうか？ 僕のベッドには正統派美少女の吉川先輩と、奔放な感じがする妖しい林亜理咲が並んで座っている。今日の先輩はシャーリングのワンピというガーリーな格好をしていて、すごく女っぽい。背はちょっとだけ先輩の方が高い。けど、細身の先輩に比べると林亜理咲は肉感的だ。二人の美少女を見比べながら、僕はなにを話して言いのかわからずにいた。 「あたしの話をユーイチローに書いてもらえばいいって言ったのは瞳だよね？ どうして？」 口火を切ったのは林亜理咲だった。 「今井君なら林さんの気持ちを理解してくれると思ったから・・・」 「うん。あたしも気になってたんだ。ユーイチローって、なんていうか、普通の男子と違うところがあるもんね。でも、わかんないのは、あたしが瞳に話したことって女同士だからって部分があるでしょ？ なのにどうして？」 「今井君が私のことをわかってくれたから・・・」 「それって・・・やっぱり瞳がユーイチローとエッチしたってこと？」 「う・・・うん・・・」 一瞬戸惑ってからうなずいた先輩の顔が真っ赤になった。 僕は固唾を呑んで二人のやりとりを聞いているしかなかった。 「瞳は感じたの？」 「うん・・・」 先輩は顔を伏せている。けど、ますます顔が赤くなっているであろうことは、先輩の匂いがここまで漂っていることで想像できた。 「だめだよ。あたしなんか、もう何されたっていい身体だけど、瞳は違うんだから・・・でも・・・なんだか、うらやましい・・・ずるい・・・」 林亜理咲の目には涙が光っていた。 思わぬ展開に、ますます何をしゃべっていいのかわからなくなった。二人の話が読めない。僕はここにいていいのだろうか？ でも、ここは僕の部屋だ。 「ごめんね・・・」 「あたしのことユーイチローにどこまで教えたの？」 「ううん・・・なんにも・・・」 「そっか・・・もう、ここまで話しちゃったんだから聞いてもらうしかないよね。瞳が信頼してるんなら、あたしも信じるし聞いて欲しい。で、書いて欲しい。そうじゃないと、あたしはこのまま・・・このままじゃいや・・・」 そう言いながら林亜理咲は涙を流していた。 「今井君、お願い。書いてあげて」 「僕にできるんでしょうか・・・」 すごくワケありな様子に、僕なんかじゃ役に立てないんじゃないかと思った。 「だって・・・あなたは私の秘密の箱を開けてくれたじゃない」 先輩の目は真剣だった。 「なんなのよう？ さっきから、あたしのわかんないことばかり・・・秘密の箱って・・・仲間はずれにしないで。ここで見放されたら・・・あたし・・・」 林亜理咲はすこしパニクっている感じだ。 「林さん、ごめんね。大丈夫よ。今井君は私の心の中にある隠していたものを解放してくれたの。とってもうれしかった。だから・・・あなたにも・・・」 泣きじゃくっている林亜理咲の肩を先輩が引き寄せて言った。 「だって・・・あたしは・・・」 「大丈夫よ・・・きっと・・・」 「でも・・・瞳に・・・悪い・・・」 僕の想像が正しければ、この二人はとんでもないことを話している。先輩の秘密の箱を開けた手段を林亜理咲にもしろっていうことなんだ。それって・・・ 「私が今井君に話してもいい？ それとも自分で話す？」 「あたし・・・話まとめるの下手だから・・・瞳が話して。さっきも恥ずかしくて言い出せなかったの」 「わかったわ。じゃあ、私から話すわね。あのね、これからの話は今井君だから話せるの。わかってもらえるわよね？」 「はい・・・先輩の頼みですから・・・僕は先輩の鍵だってこと忘れないでください」 これで僕の気持ちは先輩に通じたはずだ。 「もちろん・・・わかっているから言うのよ。あのね・・・林さんは中学生のとき無理矢理お兄さんに犯されたの・・・」 長くてショッキングな話だった。林亜理咲は外見とは裏腹に深い悩みを抱えていたんだ。いまでもお兄さんは週に二回くらい忍び込んできては林亜理咲を便器のように扱っているそうだ。なのに、彼女はそれを恨んでも憎んでもいなかった。むしろ、お兄さんへの愛情から、お兄さんがよろこぶのなら肉体を提供するといった気持ちがあるらしい。しかし、お兄さんの反応とは逆に、林亜理咲の身体は燃えなかった。自分は汚れた身体になったから感じないんだと思い込んで、言い寄ってきた男とも次々に関係を結んでみた。そして、やはり心のどこかでブレーキがかかるらしく、感じることができずに悩んでいた。林亜理咲の奔放な姿は我が身を提供する女神の心の裏返しだった。そして、その女神は自らの肉体を解放したいのにできないというジレンマに悩んでいた。このままでは心が壊れてしまうと思い、先輩に相談して、先輩はそれを作品にした。あの作品で洞窟の中を彷徨っていたのは先輩だけじゃなかったんだ。 「ぼ・・・僕にできるんでしょうか・・・それに・・・先輩は僕がアリサを抱いても平気なんですか？ 僕は先輩のことが・・・」 「だめ・・・やっぱりだめ・・・あたしには瞳の幸せを壊す権利なんかないの・・・でも・・・うらやましい・・・どうして・・・あたしばっかり・・・」 「アリサ・・・」 「なに・・・」 「無理することないよ。嫌なことはしなければいいんだし、もっと自分に素直になった方がいいよ。僕は間違っていた。今日、先輩から話を聞いて、アリサが女神だってことがわかったんだ。アリサはすごくすてきな女性だと思う。だから、泣かないで。もっと自信を持って欲しい」 自分でもビックリするくらい大人な言葉が自然に口から出てきた。 「僕はさえない男子だし、みんなとおんなじにエッチなことばかり考えているけど、ひとつだけ誇れるものがあるんだ。それは先輩の秘密の箱を開けることができる鍵だっていうこと。陳腐なセリフかもしれないけど、僕は先輩のためだったらなんでもするし、したいと思う。うまく言えないけど、今日はアリサの話を聞けてよかったと思う。アリサの鍵もきっと見つかると思うよ」 「ありがとう・・・」 そう言って林亜理咲はまた泣いた。 先輩は林亜理咲の肩を抱いたままだ。 「瞳ぃ・・・瞳がうらやましい・・・瞳はユーイチローとエッチして気持ちよかったんでしょ？ ねえ、教えて・・・どんな感じだったの？」 「ど・・・どんな感じって言われても・・・うまく言えないし・・・恥ずかしいし・・・」 「あたし・・・お兄ちゃんや、他の男の人がよろこんでくれるのは嫌いじゃないの。でも一方的な感じがあって、そう思うと気持ちが冷めちゃって・・・」 「今井君は・・・そんなふうじゃなかった気がするけど・・・」 「見たい・・・」 「えっ？」 「瞳が感じているとこ見たい」 「だって・・・」 「親友でしょ。見せて・・・お願い・・・」 林亜理咲が真剣な表情で先輩の手を握った。 「ひっ・・・」 先輩の身体がピクッと震えた。何を考えているのかがわかった。 「先輩・・・僕はアリサの願いをかなえてあげたいと思う」 林亜理咲にだったらエッチをしているところを見られてもいいと思った。 僕は先輩の隣に座って、先輩の手を握っている林亜理咲の手の上に自分の手を乗せた。 「ひ・・・ひまい・・・ふん・・・」 それだけで先輩のスイッチが切り替わったようだ。いや、林亜理咲に手を握られた時点で切り替わっていたのかもしれない。 「アリサに見せてあげよう。その方が小説にするよりいいと思う」 僕は先輩にキスした。舌を差し込むと絡めて応えてきた。 チラッと目を開けて林亜理咲の方を見ると、キラキラと輝く瞳と目が合った。 カーディガンを脱がせてワンピースのボタンを外す。先輩は無言だったけど、とても協力的で生まれたままの姿にするのはさほど時間も手間もかからなかった。僕も制服を脱いで素っ裸になった。林亜理咲の視線は僕の屹立に注がれていた。 先輩の身体をベッドに横たえると長い髪がシーツに拡がった。感動ものの眺めだ。吸い込まれるように僕は先輩に近づき、首筋にキスをしながらバストを揉む。先輩が自分でやっていたときのように、持ち上げるようにして親指で乳首をなぞる。乳首はすぐに硬くなった。 「ひゃぁ・・・ひゃぁぁんっ・・・」 独特の喘ぎ声を上げる先輩を林亜理咲が大きな息をしながら見つめている。 先輩は閉じた脚をすり合わせながら身体をくねらせている。 僕の舌先が先輩の乳首に移動し、指先が茂みの奥へ侵入したとき、先輩はシーツを握りしめて大きく身体を震わせた。たぶん絶頂を迎えたんだと思う。こんなに早く達してしまうのは、きっとすごく興奮していたからだろう。 「瞳ぃ・・・気持ちいいの・・・？」 林亜理咲が言った。 その言葉に応えるように先輩が手を伸ばす。そして林亜理咲の腕を握って自分の方へ引き寄せた。 気がつくと先輩と林亜理咲はキスをしていた。林亜理咲の手のひらが先輩の乳首を舐めている僕の頬に触れた。僕は猛烈に林亜理咲を抱きしめたいという衝動に駆られた。でも先輩をもっと感じさせる方が先だと思って、脚を開かせて顔をあそこへ埋めた。 「んんっ！ んんんっ・・・！」 先輩が腰をバウンドさせながら悶える。すごく感じているはずなのに、その手は林亜理咲の制服を脱がせはじめていた。 硬くなったクリトリスを転がすように舐めていると、ついに大きな波にさらわれたらしく、先輩は身体を一直線にして硬直しビクンビクンと痙攣した。 最後の段階に進もうと顔を上げると上半身を露わにした林亜理咲がいた。彼女の肌は先輩よりも白く、大きなバストには青く見える血管が浮かんでいた。その乳首の色も薄く、茶色と言うよりは赤味を帯びたピンクという感じで可憐だった。 「アリサ・・・見ててね。僕は先輩の鍵なんだ・・・」 僕は屹立に手を添えてゆっくりと挿入を開始した。 「はぅぅぅっ！」 高く叫ぶ先輩の身体に林亜理咲が覆い被さる。 「ひとみぃ・・・ひとみぃ・・・」 そう言って先輩を抱きしめている。 僕もその上から先輩を抱きしめる。その結果、林亜理咲も抱きしめていた。林亜理咲の肌は先輩よりしっとりとして吸い付くような感触だった。あまりの刺激に僕は激しく律動していた。 「ああっ！ ああんっ！」 僕の動きにシンクロして先輩の声が響く。 深く挿し込むと先輩の蜜壺の中には硬い肉があって、それが蠢いていて僕のものをくわえこんでいる感じがした。 もう限界だった。 「で・・・出ます！」 そう叫んで屹立を引き抜いた瞬間、思いきり射精してしまった。 勢いよく飛び出した精液は先輩のお腹と林亜理咲の背中に飛び散った。 「す・・・すごい・・・熱い・・・気持ちいい・・・」 痙攣している先輩の上で林亜理咲はそう言って震えていた。 |
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| 2011.5.8掲載 |
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