龍 晃一 作
| 第9章 沙織の更なる進化 沙織は、娘を保育所に連れて行くと会社に向かった。会社に行くとまた淫らなことをしなければならないのかと思うと行く気が綯えそうになるが表情は生き生きとしたいる。 社長に愛される悦びを満喫できるのだ。 夫の山崎直樹の勃起不全に陥ったり、回復したりしていた。できる時に沙織と一夜に三発もしたことがあったが、出来なくなる時もあった。管理職になり部下と上司の狭間でストレスが蓄積している。営業職の宿命なのだ。毎月ノルマに追われている部下を叱咤激励し、上司からはノルマを達成できない課長を罵る。沙織が求めてこないことに安堵しているが、社長と沙織が毎日、フェラをして、セックスをしていることで疲れているのか、沙織が求めてこないことに安堵する日もあった。 上馬場社長は、直樹が勃起不全になっていることをいい気に、ほぼ毎日、沙織を抱いていた。 欲しくなれば沙織が隣にいる。沙織の子宮と口の中に精液を放出できる。今では沙織は精液を飲み干すことを当り前のようになっている。月、二回は鬼頭を入れた３Ｐを堪能していた。沙織は完全に上馬場社長の女になってしまっていた。 上馬場は、沙織に高価なドレス、指輪、ネックレスやバックを買い与えていた。沙織の部屋にはブランド品のエルメス、シャネルやティファニーのバックを置いてある。それだけ沙織の膣やアヌスを社長に占領されている。知らないのは、夫の直樹だけであった。企業戦士として毎月毎月が厳しい戦いの連続で気が休まる時はなかった。直樹は、妻の沙織が母として明るく家庭を守ってくれていることに安らぎがあり、家庭の幸せを感じていた。 この年になって転職することもできないし、独立するには資金がない。独立する才能もない。 今が一番安定している収入があり、厳しい環境下にあるが管理職として勤務することに誇りを持っていた。2人で年収が２千万円を越える。生きるということは、収入の安定が何よりも嬉しいことであった。休日や夏休みには、娘と三人で北海道の大自然の中で過ごすことが出来た。 食べることも美味しかった。長閑な大自然を満喫することが出来た。一泊五万円もする豪華な部屋に泊まることもできた。妻の沙織は、いつも傍にいてくれた。 ベイエリアに１億円のマンション購入を決めた。このマンションを買うときにこの生活を最低５年間継続しなければならないことを意味していた。その覚悟ができたから買うことにした。 現実的に、直樹の妻だけいる時よりも、美しくなり、溌剌と観える。そんな沙織を心から愛していた。沙織が直樹の傍でいてくれるだけで良いと思った。 昼間は、上馬場社長のものであり、夜は、直樹のものになるので不自由なことはなかった。美しくなる妻を観ることが嬉しく思えた。沙織は、上馬場とのセックスが長くなれば当り前であるが身体が馴染んでくる。身体が馴染むと心もそれに同調する。上馬場社長は、沙織を妻のように思い、妻のように愛していた。沙織も社長と言うよりも社長を心から愛するようになっていた。 沙織は、昼間の夫(上馬場)と夜の夫(直樹)に仕えている。不自然な生活も慣れると他人から観ると不倫していると思えるかもしれないが、二人にはごく当り前で自然のように思えていた。東京湾が一望できるマンションの暮しも快適であった。お金がすべてを支配している。お金のない生活は考えられない。恵まれた環境で暮らせることを幸せと思えた。 毎日、刻々と時間は経過していく。美しいと思われる期間は短いものである。女盛りも３０代だけである。年齢の経過でお肌も体力も低下していく。若く美しい時間を如何に謳歌できるかが生きている価値であり、生きる幸せなのだ。月に一度だけエステに通い、コラーゲンの皮下注射を始めたのもこんな理由からであった。 「価値を創造すること」それは常に恋していることなのだ。恋することで人間の精神を高めることができ、肉体を若返らせてくれる。その若さを保つことが恋することである。沙織は二人の夫を持っていると思っているが二人の夫がいるから若さを心を生き生きとすることが出来ていた。 直樹は、このように考えると沙織を許せた。そして、心より愛することができた。この不自然な生活であるが給与に恵まれ、仕事にも張りが湧いてきている。総てのことに満足することはできないと思っている。やがて、上馬場社長も沙織を飽きる時が来ると思うと許せる気がしている。生きることは、生活の安定とお互いの幸せにあると思えた。 男と女と言うものは、いつも隣にいるとマンネリ化してくるものである。美しさも年齢と共に衰えがくる。肉体の年齢よりも心の年齢が大事とも言われている。沙織は、上馬場社長には、飽きられる時が来ると予感していた。その為にどんなに上馬場社長から求められても離婚はしなかった。沙織の帰れるところは、夫の直樹と娘の小百合のところしかないと思っていた。家庭に戻ったときは、どんなに疲れていても家庭を大事にすることに努めた。最後の安住の場は、家庭でしかなかった。 読んで頂きありがとう。 -----完-----  |
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| 2012.10.20掲載 |
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