３．お願いします

　男は、声をかけたまま、しばらくじっとひなたを見ていた。ラップスカートの合わせ目が後ろに回っているので、お腹を押さえてしゃがみこんだひなたの左側が大きく開いている。じっとそこを見ていた男は、ようやくモーター音の正体に気がついたようだった。
　ひなたを覗き込んでいた男は、ひなたから少し離れ、ぐるっと周りを見回した。不審な男がいないことを確認すると、男は、もう一度ひなたを覗き込んだ。
「誰か、近くにいるんじゃないの？」
　バイブの振動が止まった。
“いないと言え”
　Kｎoｗｎからの指示だった。
　ひなたは、男の問いに首を振った。とても声が出せる状況ではなかった。
「いないの？じゃぁ、自分でして遊んでるの？」
“リモコンは、電話ボックスに置いてあると言え”
「電話ボックスに・・・・置いてあります」
　途切れ途切れに、ひなたはようやくそれだけ口にした。
「電話ボックス？」
　５ｍくらい離れたところに電話ボックスがあった。
「あそこ？」
“いっしょに行け”
　ひなたは、なんとか立ち上がると、電話ボックスに向った。男が並んでついてくる。電話ボックスの電話の上にリモコンが置いてあった。
「ここに置いてたの？じゃぁ、誰かが勝手にスイッチを入れるのを、あそこで待ってたってこと？」
“そうだと言って、その男にリモコンを渡せ”
「ええ・・・まぁ」
　ひなたは、リモコンを手に取ると、男の方に差し出した。
「俺が持つのか？」
　ひなたは、うなずいた。
「ふーん、そういうの雑誌とかで読んだことはあるけど、実際に・・・・それも自分で・・・・へぇー・・・」
　男は、ひとり、感心して、ひなたからリモコンを受け取った。
「おい、お待たせ」
　さらに、男が二人やってきた。
「おお、やっと来たか」
「この子は？」
　後から来た男が訊いた。
「さぁ、よくわかんないけど・・・・これ」
　男が、手に持ったリモコンのスイッチを入れると、ブーンというモーター音が響いた。
「あっ・・・・」
　ひなたは、小さな声を上げて、またそこにしゃがみこんだ。
「何？・・・研二、これって、あれ？」
「ああ、でも、これ、この子の趣味みたいなんだ。俺に貸してくれたよ」
　研二と呼ばれた男が、リモコンを見せながら二人に説明した。
「へぇ・・・いるんだね、そういう人」
　後から来た二人の男は、驚きながらも興味津々。しゃがみこんだひなたを囲むように見入った。
「拓也・・・・」
　もう一人が、しゃがみこんだひなたのスカートのサイドが大きく割れているのを目で合図した。
「いいのかな？」
　目で合図した男が、ひなたの横に並んでしゃがんで、研二に訊いた。
「いいんじゃない。いやがられたらやめればいいし、宏、やっちゃえば・・・」
　宏と呼ばれた男が、スカートの脇から手を入れ、ひなたのお尻をなでた。
「とめて・・・スイッチを・・・・・お願い」
　ひなたは、お尻を這う宏の手より、バイブを止めてほしかった。しゃがんでいるのすら、苦しかった。
　研二は、スィッチを切った。
「どうする？今日」
　研二が拓也に訊いた。
「まぁ、とりあえず、飯かな」
「この子は？」
「いっしょに連れて行こうや。ねぇ、それでいいよね」
　拓也は、ひなたに訊いた。
“はい、お願いします”
「はい・・・・お願い・・・します」
　ひなたは、うつむいたまま小さな声で答えた。

４．居酒屋

　どこの店にするか、３人は相談し始めた。
“後は、そいつらに任せるわ。携帯切ってもいいですよ”
　ｋｎｏｗｎはそう言うと、電話を切った。ひなたは、３人に分からないように、携帯の通話をオフにし、イヤホンを外した。
「さぁ、行きますか」
　店が決まったようだ。研二がひなたの腕を取って並び、２人は、その後ろをついて歩いた。
「あっ・・・」
　小さく、声を上げて、ひなたが研二の腕をぎゅっと握る。
　時おり、宏がリモコンのスィッチを入れているのだ。歩くだけでも、刺激があるのに、それが振動し始めると、もうとても歩けない。立ち止まりそうになるひなたを研二が抱えるようにして歩いた。
　かなり粘着力の強いテープのようなもので股間に蓋がされているので、歩いても、ローターは落ちそうにはなかったが、それでも、内からあふれ出たもので、それはかなり湿り、お尻のほうから、はがれはじめている。
（ああ、はがれる・・・雫が・・・たれちゃう・・・・）
　ひなたが、スィッチも入っていないのに変な歩き方を始めると、研二が訊いた。
「どうした？」
「はがれて・・・落っこちそうなんです」
「そう」
　言うなり、研二は、ひなたの股間に後ろから手をやり、落ちないように手で押さえた。
　あいかわらず、ラップスカートの合わせ目は、後ろにあり、後ろの二人からは、ひなたのお尻が丸見えだった。
（ああ・・・お尻を出して、歩いてる・・・・見られながら歩いてる、わたし・・・・）

　料亭風居酒屋とでも言うべきか、研二たちは、そこにひなたをつれて入った。
　席は、BOXで通路側は開いているが、間仕切りがかなり高く、立っても隣の席が見えないようになっている。研二たちは一番奥の席を選んだ。
「お飲み物は？」
「生を４っつ」
　かすりの作務衣を着た女の子が、オーダーを端末に入力している。３人は、口々に注文を伝えたが、ひなたは、ただうつむいていた。ローターが動き出したのだ。モーター音が響いているのに気づいた女の子は、いぶかしげに見回していたが、オーダーを繰り返して、帰っていった。
「まぁ、気づかないでしょ。普通」
　ようやく宏がスィッチを切った。

　飲み物も料理も、すぐに運ばれてきた。
「ねぇ、名前は？」
　生のジョッキをひなたに渡しながら、宏が訊いた。
「・・・・・・・」
　名前など言えるはずがない。ひなたは黙った。すると、また、ローターが動き出した。
「やめて・・・・下さい・・・・美沙です」
「美沙ね・・・美沙、飲んで」
「わたし・・・・あまり・・・・」
　言い終わらないうちに、スィッチが入る。飲むしかなかった。

　ひなたを間に置いて、両脇に拓也と宏が座り、正面に研二が座っている。宏は、ひなたのジャケットを脱がすと、シャツ越しにひなたの乳房をわしづかみにした。
「いや・・・やめてください・・・」
　ひなたが拒否すれば必ずスィッチが入る。拓也に腕を押さえられ、あっというまにシャツの前のボタンがはずされた。キャミソールが押し下げられて乳房が晒された。
　その乳房に、前から研二が手を伸ばして、乳首を弄った。
　一番奥とはいえ、通路を人が通らないとも限らない。明るい照明に照らされた普通の居酒屋である。こんなところで、乳房を晒して、弄るに任せている女がいるだろうか？相変わらず、ローターは振動を続けている。ひなたは、感覚が麻痺し始めていた。

　不意に拓也が、ひなたの片足を持ち上げ自分の足の上に持ち上げて置いた。それを見て、反対側の足を宏が同じように持ち上げた。ひなたは、二人の足の上に両足を広げてまたがるような格好になった。思わず、ひなたは正面の研二から目をそらして、横を向いた。
「研二、見てろ。これ、はがすから・・・」
　宏が、ひなたの股間に蓋をしていた布製のテープに手をやった。
「うへぇ・・・ぐしょぐしょだぜ」
　ひなたは、拓也の腕の陰に顔を隠した。
　宏が、テープを少しづつはがしていく。お尻のほうから、前へ
「い･･い･い・・・・・・いた・・・痛・・」
　かなり強い粘着力のため、毛がいっしょに抜けていく。ひなたは、必死に我慢した。
「拓也、口」
　宏が、拓也にひなたの口を押さえるように合図すると、拓也は、ひなたの口を押さえた。
　ビリッ
　宏は、半分から後を一気にはがした。
「ぐぅぇっ・・」
　ひなたの悲鳴を、拓也が押さえた。つるつるになったひなたの股間が、研二の目の前に現れた。
　宏は、もったいぶりながら、ローターのコードを引っ張って、徐々に徐々に引き出していく。半分まで外に出たものを、宏はまた、中に押入れ、前後させた。
「はぁ・・・はぁ・・・・だめ・・・・やめて・・・」
　あえぐひなたの口の中に拓也は指を差し込んだ。反射的にひなたはそれをしゃぶった。
　ローターとともに、たっぷりと愛液が流れだし、木のイスの上に置かれた薄い座布団にすーっと、滴り落ちていった。
「ああ・あ・・おい・・・・まずいなぁ」
　研二が、気づかないでまだ、ローターを出し入れしている、宏に言った。
「いけね。まずいな・・・行くか」
　宏が、にやっと笑った。
　研二たちは、ひなたを立たせ、座布団を裏返して、店を出ようと、レジに向った。
「あ・・・あのぅ・・」
　ひなたが、研二に声をかけた。
「何？」
「ちょっと、トイレに」
「だめだよ。急がないと・・・ばれたら気まずいだろ」
　研二たちは、とにかく、急いで店を出た。

５．放尿

「あのぉ・・・わたし、もうそろそろ帰らないと・・・・」
　ひなたは、思い切って、そう切り出した。もう、バイブはない。
「帰る？まだ、いいだろ」
　ひなたの腕を取っている研二の腕に力が入った。
「でも・・・・」
　ひなたの尿意は限界に近づきつつあった。
（なんとかしこの人達から離れないと・・・・・）
　ひなたはあせった。
「もう一軒、飲みに行こう。ああ、カラオケでもいいな」
　拓也が声をかけた。
「そう言えば、トイレとかって言ってなかった？」
　研二が思い出したように言う。
「えっ・・・ええ、まぁ・・・だいじょうぶです。ああ、ここで・・・」
　ひなたは、また駅の方に向いかけた研二の腕を払うようにしながら、答えた。ひなたのアパートは、ここを右に曲がって１０分くらいのところだった。
　ひなたの両脇に研二と拓也が立ち、ひなたの左右の腕をしっかりとつかんだ。
「いや・・・」
　ひなたは、もがいたが、もう一人、宏がいた。後ろにいた宏は、ひなたのスカートのウエストのホックをはずした。
「きゃっ・・・ああ・・・だめ」
　両腕を握られて、ひなたは、スカートを押さえられない。宏は、スカートが落ちないように、ウエスト部分を押さえている。
「どうしようか？手を放そうか？スカート落ちるよ」
「だめ・・・放さないで・・・留めてください」
　宏は、スカートをさっとひっぱった。ひなたの下半身が丸出しになった。
「こりゃ、いいや」
　宏が、ひなたのお尻をなでながら笑った。
　研二と拓也が、腕を放すと、ひなたは、必死にジャケットを下にひきさげた。ロングジャケットなので、なんとか、隠すことは出来たが、腕を上に上げられない。必死に肩を落とし、背中を丸めた。

　男たちが、右に曲がった。
（えっ・・・どうして？）
　ここを右に曲がると、何もない。飲み屋もカラオケもコンビニも・・・何もない。
　不思議に思ったが、それどころではない尿意が襲ってきた。
　３人に囲まれるように歩いたが、ひなたの歩みが遅い。
（困ったわ・・・何もない・・・家だけ、でも、アパートを知られたくない）
　いよいよ、ひなたは困った。
「がまんできないのか？・・・・って、この辺、何もないなぁ？」
（知らずに来たの？こっちに？・・・あああ、どうしよう、もう・・・もう・・・）
　ひなたの歩幅が、極端に狭くなると、研二と拓也が、ひなたの両腕を取って、道路わきにあった駐車場に連れ込んだ。
「えっ・・・何？どうするの・・・ねぇ、どこへ・・・」
「もう少し、散歩だ」
「だめぇ・・・もうだめ、本当にだめなの・・・ねぇ、放して･･･お願い」
「さっ、しっかり歩こう」
　ひなたの訴えは、あっさり無視され、二人に抱えられ、二人の歩調に合わせて、ひなたは急ぎ足で歩いた。
（ああああ････ああああ････ダメ、ダメ、だめ、だめ、だめ、だめぇーーーー）
「放して、放して、放して・・・・だめ、だめ、お願い、もう・・・もれる」
　ひとすじ、ひなたの太股をおしっこが流れた。
　それでも、二人は、ひなたの腕を抱え上げるようにして歩いた。
「あああああ・・・・」
　ひなたは、両腕を抱え上げられ、放尿しながら歩いた。
　しゃーっと、勢いよく、アスファルトで舗装された駐車場にひなたのおしっこがしぶきを上げた。
「おお・・こんなに我慢して・・・身体に悪いよ」
　宏が、少し後ろに離れてひなたを冷やかした。

　そのまま、駐車場を出て、また通りに戻った。３人は、相変わらずひなたを囲んで歩いたが、腕はもう放している。腕を抱え上げられていたため、ジャケットはずり上がり、ひなたの腰から下は、丸出しだったが、ひなたはそれにも気づかない。研二が、ジャケットを下に引っ張った。
　通りで、人にはほとんどすれ違わなかったが、ひなたには、もうそんなことも意識できないでいた。
「さぁ、着いたよ」
　研二に言われて、ひなたは初めて気がついた。そこは、ひなたのアパートだった。
（わたしのアパート・・・・着いたよって？・・・知ってたの。わたしがここに住んでることを・・・なんで？）
「あなた達・・・だったの？」
　ひなたは、ようやく研二に言った。
　研二は、ただ、笑っているだけだった。