２．仲間

「いや、やめて・・・・」
　バスルームを出ると、外にいた拓也が、バスタオルでひなたをくるんで、両腕でしっかりとひなたを抱えると、宏が、身動きが出来ないひなたにアイマスクをした。
　アイマスクは、徹がときどきひなたに使ったことがある。拓也たちは、部屋の中を物色したようだ。
「けっこう、いろいろ持ってるんだわ、このおねぇちゃん」
宏が、バスルームから出てきた研二に言った。宏は、首輪と手枷、足枷を持っている。
　徹は、べつだんサディストというわけではないが、ときどき、ふざけて通販でいろいろ買っては、ひなたに試した。ドレッサーのイスの中が収納になっていて、ひなたは、それらを、まとめてそこに置いてあった。アイマスクもそこに入れてあったはずである。
　３人に囲まれて、首輪と手枷、足枷を入れられ、両腕は、背中で合わされて固定された。
「お願い・・・もう、やめて・・・」
　ひなたは、懇願したが、それが無駄なことは、ひなた自身もわかっていた。拓也に背中を押され、ひなたは、左右にふらつきながらベッドまで歩くと、拓也は、ひなたを抱え上げ、ベッドの上に座らせた。
「お尻を上げてもらおうか」
　拓也は、そう言うと、ひなたの股間に指を侵入させ、ひなたのお尻を引き上げた。思わず、ひなたは前のめりになって、膝をつき、お尻を高く上げると
「もっと、足を開いて・・・そうそう」
　モーター音が聞こえた。
「好きなんだねぇ、３っつもあったよ」
　わざと、大声で拓也は言う。
　アヌス用のものと太いもの、それと局所用の細いものの３種類、これは、徹の趣味ではない。ひなたが自分で買ったものだった。

　誰かが、ひなたの顔を持ち上げた。
「おしゃぶりしてもらおうかな」
　宏の声だ。宏は、ひなたの顔を持ち上げて、そこに胡坐をかいてすわり、ひなたの口に自分のものを押し込んだ。
　手で上半身を支えられないひなたは、顔を左右に振るしか逃れる方法がなかったが、その頭を宏に押さえられた。
「ああ・・・ああああ・・・・」
　拓也が、細めのバイブで中を掻きまわすようにした。
　はずれた口を宏が、また自分のものにかぶせると、ひなたの頭を上下させ始めた。ひなたは、高く上げていたお尻を下げ、たてたかかとの上に座るようにして頭を上下させたが、頭を動かせば、お尻も上下する、そのたびに拓也の持つバイブが深く侵入した。
　拓也は、細めのバイブを太いものに交換し、その細いバイブをひなたのアナルに少し入れた。
　暴れだすひなたの肩と頭を宏が抑え、胴は、横から研二が抑えた。ひなたは全く身動きができなくなった。
「いやーっ」
　噛まれるのを警戒したのか、宏はひなたの口をはずしていたが、ひなたが大きな声を上げるとタオルを口に押し込んで、頭の後ろでしばった。
「ちょっと、痛いかもね・・・でも、これアナル用だろ。使ってたんじゃないの？・・・・」
　使ったことがないわけではないが、前と後ろ両方に同時に入れたことはない。
　徐々に徐々にアナルにそれはおさまっていく。それと同時に、前の方に入っているものの振動を強くしながら、そちらも奥まで差し入れていく。
「ほら、全部入った」
　研二が、少し汗をかきながら、言った。
　前と後ろに２本は根元まで収まっていた。さらに小さくはみ出している部分が、ひなたのクリに当たっていた。
「さぁ・・・・全開でいきますか？」
　拓也は、研二と宏の顔を見ると、コントローラーのスイッチを徐々に上げ始めた。
「ううううあううううぁぁぁ・・・・」
　タオルで猿轡をされてはいるが、それでもひなたの声が響く。
　暴れるひなたを押さえている研二の腕に力が入った。宏もひなたの頭をしっかりと抱えている。
　拓也は、バイブから手を放し、パンツごとズボンを脱ぐと、前のほうのバイブを抜き、自分のものを差し入れた。アナルのバイブはそのままで、ひなたのお尻を両腕で抱え、最初から激しく突いた。宏も、タオルの猿轡をはずすと、再び、ひなたの口に挿入する。
　ひなたに恐怖はなかった。命をどうこうされるという心配はひなたには最初からない。そして、こうなってしまっては、もう恐れるものもなくなってしまった。

　携帯がなっている。
「ああ、今、開ける。ちょっと、待ってて・・・」
　研二の声だった。誰かから電話のようだったが、ひなたにはよく聞き取れない。
（何？・・・）
　思考が壊れかけているひなたには、何が起きるのか考えられなかった。
（えっ・・・何？・・・どういうこと？）
　いくつかの足音が近づいてきた。背中で拘束されていたひなたの両腕がはずされ、ひなたは、ベッドに仰向けにされた。手足は、大きく広げられたぶん、ベッドの足にひもで結わえられた。
　再び、挿入された。拓也だろう。首の下に枕を置かれ、口にも入ってきた。宏だろう。乳房にお腹に太腿に何本かの腕が伸びてきた。
　人数が増えた。
　ひなたは、なされるがままに体中の力を抜いた。

３．更新
　
　宏がひなたの口を空けると、そこに拓也だろう、後ろから人が回りこんでひなたの口に差し入れた。もう、誰かが、ひなたの足を持って、お尻を浮かし、拓也に代わって挿入してきた。拓也は、先をひなたに含ませ、それを自分の手でしごいた。
　やがて、ひなたの口の中に大量に放出すると、さらに、口の中に深く入れて口腔を掻き回した。ひなたの口から、拓也の放出した白濁したものが、こぼれて流れた。
　左右の乳房に伸びた手は、何本なのか分からない。乳首も乳房ももみくちゃにしだかれている。左の乳首をきつくつままれ、ひなたは、痛みに顔をしかめたが、その口に、拓也に代わって、だれのものかわからない肉棒が差し込まれた。
「ふぐうぁっ・・・」
　容赦なく、根元まで差し入れされた。ひなたの鼻は、男の根元に密着して、さらに息苦しい。
　何人いるのか？股間に挿入した者は、ひたすら、激しく突いてくる。まるで、後の者にせかされてでもいるかのように。
「ふぁ・・ふぁ・・・ふぁぁー・・・・」
　ひなたは、どんどん呼吸が苦しくなって、顔を左右に振っては、肉棒が咽に入らないようにやり過ごし、必死に息をした。
「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
　また、口から肉棒がはずされた。
（来る・・・・）
　さっきと同じだ。後ろの男が、前に回って、ひなたの口に放出する。ひなたは、バスルームの研二からから数えて３人目も口で受けた。
　前の拓也のものが、口の周辺にこびりつき、さらにそこに次が来て、口の中に溢れ、すえたザーメンの臭いで、ひなたはむせた。
「まだ、まだこれからだよ」
　宏の声だった。
　声はしているが、それは宏と拓也の声だけで、研二も、後からやって来た人達も無言で、声は立てない。ただ、ひなたには、そんなことを考える余裕もなかった。
　また、人が入れ替わった。
　いつまで続くのか？ひなたは、充分な呼吸が出来ず、だんだん意識が薄れていった。

　いったい、どのくらいの時間がたって、何人に犯されたのだろうか？
　ようやくひなたの腕と足の紐が解かれたが、ひなたは、アイマスクを外すことなく、そのまま、身体を横にして丸まった。
「また、遊びに来るわ」
　研二の声が耳元でしたが、ひなたは、じっとしたまま動かなかった。
　男たちは、それ以上、何も言わず、部屋を出て行った。
　ドアが閉まる音を聞いて、１０分くらいして、ようやくひなたは、身体を起し、アイマスクをはずした。部屋の中は、これといって荒らされてはいない。
　ふらつく足で、ひなたは、玄関のドアに鍵をかけ、なんとかバスルームに入ると、シャワーを浴びた。
　顔も首も髪も、ごわごわで異臭を放っていた。最悪の気分だ。
　何度も何度も丁寧に身体を洗った。

「１２時２０分かぁ・・・・」
　何時間ぶりかにひなたは、声を出してみて、その自分の声に、ようやく我に帰った。
（どうしよう・・・また、来るわきっと・・・引っ越さなきゃ・・・でも、会社も知られてるし・・・どうしたらいいの？）
　ひなたの携帯、ｋｎｏｗｎに渡されたほうではない、自分の携帯が鳴った。メールだ。
“ずいぶんとお楽しみでしたね。時間がないでしょうから、わたしのほうでブログは更新しておきました。それから、ちゃんと、充電して、明日もわたしの携帯を持っててくださいね。同じ時間に同じ位置で電車に乗ってください。これからも仲良くしていいましょう”
　Knownからだった。
　ひなたは、急いで、パソコンを立ち上げ、自分のブログを見た。

　今日は、駅前で露出しました。
　このあいだ、通販で、リモコン式のバイブを買ったんだけど、それをつけて、ラップミニで駅前に行ったの。どうしたかって？
　駅前で人を待つふりをして、ときどき自分でスイッチを入れてたんだけど・・・・
　もの足りなくて・・・それで、近くに電話ボックスがあったんで、そこにリモコンを置いたの。
　誰かが、スイッチを入れないかなって物陰で見たたんだけどね。
　今時、電話ボックスなんて誰も入らないから、何も起きず。
　しょうがないから、帰ろうと思って、電話ボックスに向うと、人が入ったの。
　そしたら、急に動き出しちゃって・・・
　動けなくて・・・・電話ボックスの前に座り込んじゃった。
　そしたら、その人が出てきたの。
　ばれてたみたい。
　わたしの目の前で、スイッチを切って、わたしが立ち上がると、また入れるの。
　何度か繰り返されて、
「歩け」って命令されたの

　で、どうなったかって？
　うーん・・・・それはまた明日ね

（やっぱり、ｋｎｏｗｎは、研二たちに違いない。きっと、さっき、このパソコンをいじったんだわ）
　ひなたは、そう思った。相手が誰だか分かったところでどうなるものでもないが、とにかく、誰だかわからない不安からは解消された。
　メールが来ている。いつもの習慣でひなたはメールをチェックした。
　ｋｎｏｗｎからだ。
“見ているよ”
　不鮮明な画像が添付されていた。
　アパート前でお尻を晒して立っている写真。暗いのでよくわからないが、まちがいなくひなただ。今日、彼らに連れられてこのアパート前まで下半身を晒して歩いていたのだ。
　男が３人映っていた。
（どういうこと？この３人とは別人？後から部屋に入ってきた人のほうなんだ？）
　ひなたはｋｎｏｗｎについて自分が何一つ知ってはいないことを痛感した。