美咲�@

　きゃっ！
　後ろの生徒さんに、エプロンの上からぎゅっとおっぱい、つかまれた。
　左右からも、腕と足がからんできて、動けない。
　生徒さんの手が６本、エプロンの下から入ってきて……。
　ブラウスもブラジャーもとられちゃった。
　あーっ、パンツのボタンがはずされて、ジッパーが……。
　やっ、やめてっ、いや！
　バタバタするけど、男の人の力って、強い。
　こ、こまるっ。あたし、新婚ほやほやの若妻なのに。

　貝原先生と助手のなおみさん、正面で、ニコニコ笑って見ている。
　た、助けてっ！
　お願いしてるのに、二人とも知らん顔。
｢やさしく剥いてください。貝は乱暴にすると、ぎゅっと閉じますから」
　なんて言っている。
　貝？　なんのこと？
　そういえば、今日の講座は『貝料理』だったけ。

　＊

　あたし、新婚２か月のほやほや。
　結婚する前、料理教室に通っていたんだけど、貝原先生ってすてきなの。
　背が高くてハンサムで、お金持ち。教室は先生のお屋敷の中。
　で、結婚してから、もう少し腕をあげようと思って、また教室に来たの。
　主人に、もっと美味しいもの、つくってあげたいから。
　そしたら貝原先生、勉強はもういいから特別教室の助手をしてくれって。
　先生が好きだし、午後の３時間だけで、１回の謝礼が５万円！
　わーい！　って喜んで引き受けたの。

　特別教室は離れにあって、今日の講座は『レディのための料理教室』。　
　でも、来てみたら生徒さんは中年男３人だけ。
　男性が料理をつくって、奥さまを喜ばせるって意味かしら。
　貝原先生の助手は、ベテランのなおみさん。
　いつも髪をお団子にまとめたきれいな人で、山の手の上品な奥さま。
　色が白くて、ちょっとぽっちゃり。唐揚げにしたら美味しそう。
　太っているわけではないけど、なんか、ジューシーな感じ。
　優しくて親切で、あたし、生徒のときもお世話になった。
　やっぱり先生に見込まれて、常勤の助手に。うらやましい。

　特別教室って、初めて入ったけど、フローリングの30畳ぐらいの部屋。
　広々して、すてき。流しも調理テーブルも大きいし。
　果物の載った試食テーブル、肘掛のついた椅子やカウチもあって……。
　まず、自己紹介。あたしのこと、貝原先生が紹介してくれた。
｢今日の助手をしてくれる美咲さん。新婚ほやほやですからお手柔らかに」
　新婚だなんて、言わなくたっていいのに……。でも、うれしい。
｢自信がないですけど、がんばります。どうぞよろしく」

　生徒さんは、いちばん年長が磯野さん。株がご商売とか。
　次は九州の園井さん。食品会社の社長さん。40代後半かな。
　娘さんは女優なんだって。
　山浦さんはいちばん若くて、まだ30代。ベンチャー企業の役員。
　みんなウイークディなのに優雅、お料理教室なんて。

｢今日は貝料理です。まず下ごしらえからはじめます」
　先生が簡単に挨拶して、みんな調理テーブルに。
　生徒３人に講師の側が３人、マンツーマンだから和気あいあい。
　テーブルには昆布、ニンジン、里芋、果物ほか、食材が並んでる。
｢これ何ですか。カンビョウですか」
　束になった紐みたいなものをさして、山浦さんが聞く。
　乾燥したカサカサの太い紐で、長さは１メートルくらい。
　あたしも見たことない。こんなの、食べられるのかしら。
｢それ、ズイキといいます。私のお土産。九州の特産です｣ と園井さん。
｢珍味ですね。それはぬるま湯で戻しておいてください｣と先生。
｢先生、貝料理なのに貝がありませんねぇ｣と磯野さん。
｢貝は鮮度が命ですからね。ほかの下ごしらえが終わったら出します｣

｢昆布は水につけておいてください」
｢ニンジンと里芋は、皮をていねいにむいてくださいね、食感がよくなります｣
｢むけたら下茹でしてください。あ、ニンジンは切らないでそのまま｣
　貝原先生、てきぱき指導して、３つの鍋でぐつぐつ茹でた。
｢美咲さん、今日はどんな料理ができるんですか？」
　山浦さんに聞かれたけど、新米助手のあたしには、見当がつかない。
　里芋とかニンジンだから和風、とは思うけど。
｢茹で上がりましたか？　そのままお湯の中で冷ましておいてください｣
　ヘンな冷まし方、そんな下ごしらえってあるかしら……。

　＊

｢では、そろそろ貝の準備をしましょう｣
　先生がそう言ったとたん、３人の生徒さんが襲いかかってきたの。
　えっ、なに？　よ、よしてくださいっ！
　抵抗したけど、３人の男にかないっこない。
　やんっ！　ブラジャーもパンツもとられて、エプロンの下はショーツだけ。
　ピンクの絹をつけてきて、よかった。
　恥ずかしくてしゃがみこんだら、手首と足首をズイキの紐で縛られちゃった。
　右の手首と右の足首、左も同じに。
　いやっ！　やめてっ！　
　暴れて抵抗したけど、自由にできるのは股を開くことぐらい。
　なにこれ。料理教室じゃなくて、ＳＭ教室なの？

｢だめですよ。貝を剥くときはもっとやさしくしなくちゃ。ほら」
　貝原先生、なおみさんの両手を後ろに押さえて、軆を撫でまわしてる。
　エプロンの上から、胸のふくらみ……、下腹……、内もも……。
｢ぅふん、はぁ〜、およしになって」
　なおみさん、抵抗しない。腰をよじって甘えている。
｢さあ、みなさんもどうぞ」
　あたし、ほっぽりだされて、みんな、なおみさんに。

｢やさしくですよ。むき身に傷がつくとお料理が台無しですから」
　８本の手が、胸とか脚とか、ところかまわず……。
｢あ、ぁあ〜ん。は、恥ずかしいですわ」
　エプロンがとられて、ワンピースがするするって足元に。
　ブラジャーもパンティもつけてなくて、あそこの毛もない……。
　まっしろな、ふっくらしたむき身……。
　脚をよじって、恥ずかしそう。

｢園井さん、マナイタを用意してください」
｢ハイハイ」
　大きな黒いビニールが、床に広げられた。
　これがマナイタ？　やだ、なにするの？
　ブーンとコンプレッサーが唸って、ビニールに空気が。
　すぐ膨らんで、超ビッグサイズのダブルベッドみたい。

　や、やだっ！　やめてっ！
　生徒さんに抱き上げられて、ポンと乗せられた。
　仰向けに、ひっくり返されたカエルみたいに。なおみさんも一緒。
　マナイタのカイって、このこと？
　あたし、エプロンとパンティ着けてるから、まだいいけど。
　なおみさん、すっぽんぽんの丸裸。
｢ぁあ〜ん、恥ずかしいですわぁ」
　しっかり脚は閉じているけど、毛のないあそこが肉まんみたい。

　やだっ！　生徒さんと先生が、あたしたちのお尻のあたりに車座になって……。
｢この貝は、なんという貝ですか」
｢こちらが美咲貝、そちらはなおみ貝」
｢輸入もんですか」
｢いやいや、国産ですよ」
｢何年ものですか｣
｢貝の年は聞かないものですが、美咲貝は20ちよっとですね」
｢そうすると、なおみ貝は30後半ですかね」

｢いずれにしろ食べごろですね。どんな味がするんですか？」
｢そりゃ、調理の仕方にもよりますが、食べてみてのお楽しみです」
｢なるほど。なおみ貝はアワビみたいな味かなあ」
｢美咲貝の色や形も見たいですね」
｢じゃあ、美咲貝も殻をとって、むき身にしてください」
　やめてっ！　むき身なんかいやっ、それでなくても恥ずかしいんだから。
　きゃっ！　ショーツが包丁で……。
　バカッ！　なにすんのよっ、これ5000円もしたんだから。バカッ！
　お尻をよじって暴れた。けど、刺身包丁こわい。
　絹のショーツ、ぷちんと切られて……。

｢ほう。イキがよくて、うまそうですね」
｢バカ、バカって言ってますよ。美咲貝はバカ貝の一種ですか」
　あたし、バカ貝なんかじゃないっ！
　ほんとバカみたい。こんな教室の助手になるなんて。
　あたしのこと、みんなカマトトっていうけど、ほんとに無知なんだから。
｢いや、バカ貝じゃないですね。寿司屋のアオヤギ、あれがバカ貝です」
｢なるほど、アオヤギより色も肉付きもいいものね」
　きゃっ！　エプロンめくって、みんなで見てる！
｢ほんと、きれいな色してますねぇ、美咲貝は」
｢バカ貝もバカにしたもんじゃないですよ。潮吹き貝もバカ貝の一種ですから」
｢これ、潮を吹きますかね」
｢さあ、どうですか。それも扱い方しだいでしょうね」
　あたし、絶対バカ貝なんかじゃないし、ゼッタイ潮なんか吹かないから。
　でも、潮吹きってナニ？

｢ぁはーん、いや。そんなに、ごらんにならないで……」
　隣で、なおみさんが甘い声を出してる。
　わっ、生徒さんが占い師みたいに、手に手に大きな天眼鏡もって。
　代わる代わる、あたしとなおみさんのあそこを。
　やだぁ、あそこの形で運勢がわかったりするのかしら。
｢なおみ貝をアワビとすると、美咲貝はトコブシかな」
｢うーん、アカ貝とサクラ貝といってもいいね」
｢美咲貝の桜肉みたいなピンク、いいねぇ。初々しくて」
｢僕はウバ貝とかムラサキ貝もけっこう好きですよ。味が濃くて」
｢うん。なおみ貝は中トロってとこかな。味が乗ってて旨そうだ」
　生徒さん、勝手なことワイワイ言ってる。
　あたし、少し気分をよくした。
　あそこ、なおみさんよりきれいだと言ってくれてるみたいだから。

｢先生、触ってもいいですか？」
｢いいですよ。食材の研究は料理の基礎ですから」
　きゃっ！　６本の手がザワザワって伸びてきて、いじりまわしてる。
　園井さんなんか、なおみさんとあたしを一緒に……、両手で。
　主人に、なんて言えばいいの。
｢ぅふーん、いいわぁ」
　あたし怒ってるのに、なおみさんったら、はしたない。

｢この芽みたいな突起はナンですか」
｢貝柱ですね。ふつうクリちゃんとかお豆とか言われますけど」
｢ああ、あれね。栗も豆も和風の料理に合いますね」
｢それ、指の腹の指紋で、撫でてあげてください」
　きゃっ、やめてっ！　感じちゃうじゃないの。
｢ほほう。貝がよろこんでます。こうやって味がよくなるんですな」

　指紋って、こんなにザラザラしていたかしら。
｢あぁーっ」「くぅ……」
　あたしもなおみさんも、声だしちゃった。気持ちよくて。
｢あれ、なおみ貝が汁をたらしてますよ」
｢ほんとだ。美咲貝もいっぱい溜まって、ぬちょぬちょしてる」
｢涎をたらしているんです。そこは摂餌口ですから」
｢ヨダレですか。セツジコウって何です？｣
｢餌を食べる口。メスには摂餌口が二つあって、旨味はこっちが多い」
　うそーっ。メスだからって、お口が二つあるわけないじゃない。
｢この涎は、上の口の唾液と同じものですか？」
｢いや、多糖たんぱくの粘液。ナメクジとかのぬらぬらと同じです」
　ナメクジ？　先生のバカッ！　あたし、ナメクジなんかじゃない！
｢軟体動物の粘液は獲物を刺激するんです。それで寄ってくるのをパクッ」
　もうっ！　軟体動物なんかじゃないってば！

｢へぇ。どんなものをパクッとやるんですか」
｢基本的には肉食で、オスの珍舌根が大好きですね」
｢チンゼツコン？　なんですか、それ」
｢人間でいえばチンボ、男根。指も好きですよ。入れてみてください」
　あっ、ぬるって、入ってくる。
　や、やめてっ！　そ、そこは、主人のものなんだから。
　でも、なおみさん、「は〜っ、あっ、あんっ」なんて、よろこんでる。
｢ほほう、しゃぶってる。ほかに何か食べたがりますか」
｢意外に貪欲で、植物性のものでは、キュウリ、長ナス、バナナなんかも」
｢ゴーヤはどうですか。ボツボツ突起がいっぱいのニガウリ」

　突然、なおみさんが悲鳴をあげた。
｢いゃーん、ニガウリなんて。イヤですわ、怖〜い」
　ニガウリ、食べたことあるのかしら。饅頭こわいって言ってるのかしら。
　でも、あんなもの入れられたら……。
　ドクンって多糖たんぱく液が湧き出しちゃった。
｢なにか食べさせてみましょうか」
　あっ、磯野さん、あたしの貝柱を摘んで……。
　園井さん、やめてっ！　よだれをぐちょぐちょするの。
｢いや。今日のテーマはそこではありませんので」
　先生がびしっと言ってくれた。生徒さんたち、不満そう。

　＊

｢貝料理で大切なのは砂出しです。砂があると美味しくありません」
｢ほう。むき身にしてから砂を出すんですか？」
｢なおみ貝や美咲貝はそのほうがいいでしょう。砂はここから吐きます」
　きゃっ。お尻の穴、いじられた。
｢ぁん、いやですわ。砂出しなんて……」
　なおみさん、うっとり目つむって、眉をひそめている。
｢この器官はなんですか？」
｢排出口といいます。食べたものの残滓を吐き出す器官です」
｢飲んだ海水なんかも、ここから出すんですか？」
｢あ、いや、水分はこちらの出水口から出します」
　ぃやっ、さわらないでっ、広げないでっ！
　そんなとこ、あたしだって見たことないんだから。
｢ほう、ちっちゃな器官ですね」
｢そこの調理法もあるんですが、今日はずっと下の排出口がテーマです」
　なに言ってんだか。ばかみたい。

｢あ、今日は排出口でしたね。砂出しはイチヂクですか、食塩水ですか」
　エッ？　ナニ？　浣腸？　ヤダ、ヤダヤダッ！　ゼッタイ。
　あたし便秘症だけど、浣腸なんてお腹痛くなるし、臭いし、みっともない！
｢いや、イチヂクや食塩水は、中で砂がドロドロになってよくありません」
｢そうですか」
｢かえっていつまでも残るし、食べて美味しくないです」
｢後始末も困りますね」
｢そうそう。今日はもっときれいな砂出しをします」
　なにそれ。でも、きれいなことなら、まっ、いいか。

｢みなさん、調理台をつくってください」
｢ハイハイ」
　生徒さんが、エアマットの端と端に、肘掛け椅子を二つ置いた。
｢では、貝を乗せてください」
　ひょいと持ち上げられて、椅子にトンと置かれた。
　手首と足首を縛られたまま、お尻をぐっと椅子から突き出すみたいに。
　90度むこうの椅子には、なおみさんが。こっち向きに……。
　やんっ。ぐいって膝を割られて、肘掛けに脚乗せられて。
　縛られちゃって、Ｍの字が天井むいてる。
　やだぁーっ！　こんな格好、やめてっ！
　あたし、泣きべそかいてるのに、なおみさんったら甘い声出して。
｢あーん、恥ずかしいですわ。およしになって」
　なんて、白いぽってりした太もも、自分から開いている。

｢アンコウは吊るしてサバキますが、貝は眼の高さで調理するといいです」
　ぅわっ！　生徒さんがマットに座りこんで、眼の高さにお尻が。
　太ももが開いてるから、視線がバッチリ合っちゃう。
　なおみさんのアワビ、くっきりさらされてる。毛がなくて、卑猥！
　あたしのトコブシ、もやもやとした毛の中で……、どうなってるのかしら。
　ゃん！　生徒さんたち、見くらべてる！

｢なおみ貝は、つるんとして美味しそうなんですが……」
｢美咲貝には毛がありますね。とりましょうか」
　だ、だめっ！　主人に叱られる！
｢薄いからそのままで。刺身のツマの海草、景色として楽しんでください」
　よかったぁ。さすが貝原先生、常識がある。だから好き！
｢皆さんも裸になったほうがいいです。汚れるといけませんから」
　ひぇっ！　生徒さんたち、目の前で服を脱ぎだした。非常識！
　なんなの、この料理教室は。
　パンツ一枚の生徒さんたち、車座になって、真正面に座り込んだ。

｢まず、さっきの昆布だしです」
　先生がボールの水から昆布をつまんで引き出した。
　クラゲみたいに透明なものが、ドロ〜ンと固まって糸を引いてる。
｢気味が悪いな。なんですか？　これ」
｢昆布のだしたダシ汁ですよ。がじめ昆布のぬめり汁」
｢わかった。ペペとか市販のローションの代わりですね」
｢代わりというか、こっちが本物。高級な自然食材ですから｣
｢へぇ、そうなんですか」
　ペペってなに？　ローションでなにするの。

｢ナメコや納豆も自然食品で、ぬらぬらしてますねぇ。あれはどうですか」
｢納豆は菌ですからねぇ。繁殖してお豆が納豆になっては困ります」
｢香りもきついからなぁ。クンニできませんね」
｢ナメコも菌です。繁殖してお腹の中がナメコの森になったら……」
｢うーん、怖いな。山芋はどうですか？　あれはすごいヌルヌル」
｢トロロね。カユミがすごくていいんですが、貝の粘膜には強すぎます」
｢本格的なＳＭ風味の料理ならいいかもしれませんね」
｢やっぱり、昆布とかモズクとか海産のものがいいんじゃないですか」

｢なるほど。昆布といえば、しばらく昆布巻きを食べてませんなあ」
｢最近は、和風のいいものが少なくなりましたからねぇ」
｢通夜にいっても、洋風ばかりですよ。このごろは」
｢洋風の昆布巻きって、ちょっと物足りないですね」
｢なおみ貝も美咲貝も、きちっと昆布で巻いたらいいものができそうですな」
｢和風の、ちゃんとした昆布巻きねぇ。今度やってみますか」
｢ぜひお願いしますよ」
　この人たち、いったいなんの話してるの。
　昆布巻なんか、スーパーにいくらでもあるじゃない。

｢じゃ皆さん、たっぷり指ですくって、どうぞ」
　きゃっ！　お尻の穴に、冷たいものがぬるっと塗られた。
　いやっ、やめてっ！　そんなとこ、いじらないでっ！
　きゅっとお尻をすぼめるけど、ぬめった指が、わりとするっと。
　やだーっ、指なんか入れないでっ！　きもち悪い。
　あたし、自分でもそんなとこ、いじったことないんだから。

　でも、なおみさんがあられもない声を。
｢ぁは〜ん、もっと深くぅ……」
　その声につられて、誰の指だか、あたしのお尻にもずずんっと深くまで。
　やだっ！　汚いっ、やめてっ！　
　あたし、いつおトイレに行ったっけ。
　便秘症だから、おととい？　もっと前？　思い出せない。
　困る！　溜まってるのにそんなことされて。指に触ったらどうしよう。
　やだ、やだっ。きゅっとお尻をすぼめたら。
　ぁん！　指が、追っかけるみたいに深く入ってきた。

｢おつ、吸い込んでる。指を吸い込んでますよ｣
｢吸い込んでますか。美咲貝の砂出口は名器かもしれませんね」
　バカな貝はただのチューブみたいですが、でも利口な貝は……。
　カタツムリやナメクジと同じに、粘液膜が進行波を生じさせて……。
　先生が訳のわからないことを得意になって説明してる。
｢あ、こんどは締めてます。ぎゅっと締めてます」
｢異物を呑みこんでビックリしてるんですね。新鮮な証拠です」
｢おう、この感触、なかなかいい。子どもにニギニギされてるみたいで」
｢お味を楽しむのはあとですよ。砂はありそうですか？」
　きゃっ！　指でさぐるみたいに、奥までグリグリされた。
｢美咲貝には……、あ、奥にはありそうですね」
｢なおみ貝には……、ないですねぇ。もっと奥にあるのかも」

｢じゃ、奥の砂を出しましょう。皆さん、里芋をどうぞ」
　えっ、里芋？　里芋でなにするの？
　みんな、さっき皮をむいて茹でた里芋を手にもってる。
｢初めは小さめのから。それに昆布のヌメリダシを塗ってください」
　里芋そのものにぬめりがあるし、つるんつるんして、みんな扱いに困っている。
｢それを砂出口に、どうぞ」
　きゃっ！　冷めきらないあったかいお芋が、お尻の穴にぬめっと。
　いゃっ！　押しつけられて。あっ、入ってくる！
　そんなもの、入るわけないっ！　て思ったんだけど、つるんと。
｢あ、食べちゃいました」
　だめっ、だめって、あそこをぎゅっとすぼめて、お尻ふったんだけど。
　なんか自動的に、クリクリクリって奥のほうに入ってきちゃう。
　お尻の穴の、狭いところを通って。
　はっ、初体験！

｢ぁは〜ん、もっとぉ〜」
　いやだぁ、なおみさん。顔を赤くしておねだりしている。
｢もっと食べたいのか。そうかそうか。この大きいのはどうだ？」
　園井さんが太くて長いのを、なおみさんに押しつける。
　すごっ！　なおみさんのお尻の穴が、大きく開いて、咥えて……。
　ぺろーんと呑みこんでいくのが、丸見え。

｢美咲貝も欲しそうだな」
　ヤダッ！　欲しくなんかないっ！　そんなのいらないっ！
　でも、つるんっと。前より大きいのが奥のほうにグリグリって入ってきて。
｢おっ、うまそうに食ってる。そうか、そうか。もっと欲しいんだな」
　もう、いやっ！　美味しくない！　そんなの欲しくない！
　はふーっ！　５個、６個とたてつづけに、食べさせられた。

｢口が閉まっているあいだは、もっと食べますよ」
　先生が生徒さんの手元を指導しながら、解説している。
｢里芋がない場合は、バナナでもいいですよ」
｢バナナですか。こんにゃくなんかどうでしょう」
｢それもいいですね。貝の内臓は柔らかいから、傷をつけないものなら」
｢西洋料理だと、これは腸詰ですかね」
｢そうですね。でも今日は和風料理の講座ですから｣
｢北海道のイカ飯もうまいなあ」
　はん、もう！　先生も生徒さんも好き勝手なことを。バカみたい。

｢なおみ貝は13個食べたよ。美咲貝はどうかな？　まだ８個だね」
　だ、誰がそんなの勘定してるの？　あ、無理やり押し込まれた。
｢ほら、もう少し食べなさい。遠慮しないで」
　だめっ、もうだめっ！　遠慮するぅ！
　奥には4日分ぐらい溜まってるんだし、もうお腹いっぱい。
　はふっ、子宮が裏から、お芋にごりごりされて……。
　すごい膨満感……、吐きそう……。

｢もう限界ですかね。口がぽっかり開いて、中のが見えてますよ」
　いやっ。そんなとこ、み、見ないでっ！
　腹筋をぎゅっと締めて、閉じようとするけど閉じない。
　なんとかしないと……。
　ああーっ！　お腹に力を入れたら、猛烈な便意が。
　で、出るっ！　出ちゃうっ！　ウ、ウンチが、いやーっ！
　お芋、ポロッとひとつこぼれた。

　やん。一つ出たら、押さえがきかなくて、すとんっ、ころっ、どどっ……。
　ぅふぁーーーっ。筋肉がいっぺんに弛緩して……。
　たてつづけに、エアマットの上にぜんぶ出ちゃった。
｢吐いた、吐いた。砂もちゃんと吐きましたよ」
　溜まってたウンチも、コロンコロン出ちゃってる。
　出るとこは見えないけど、マットに吐き出されるのが、あたしにも見える。
　なおみさんにも、生徒さんにも、丸見え。
　わーん、恥ずかしい。
　でも、なんだか、腰のあたりが軽くなって、気持ちいい。
　溜まってたもの、いっぺんに吐き出すって、すっごい開放感！

｢砂も匂わないでしょう。固まったまま粘液に包まれてますから」
｢なるほど。イチヂクとかだと溶けるから匂うんですね」
　山浦さんがマットに散らばったお芋とウンチをダストシュートにすてた。
　なおみさんの大きなお尻が、もじもじしはじめた。
　椅子に押付けられた背中が、弓なりになったり、山なりになったり。
｢あっ、ぁあっ！　わたくしも、もう我慢できませんわ」
　顎をのけぞらして、唇が受け口になって、うめいている。

｢もう１ついかがですか、奥さま。はい、どうぞ召しあがれ」
｢はっ、はっ、だめっ！　だめですぅ〜っ」
　園井さんが、里芋がはみ出ている排出口に、もう１個押し入れている。
｢いやぁーん、もうお腹が。かんにん……」
　いったん入ったけど、生き物みたいに口がめくれ上がって、あっ、吐き出した。
　つづいて、前に入っていたものが、むにゅ〜って、出てきて……。
｢僕にやらせてください。僕がやります」
　見ていた山浦さんが、園井さんを押しのけた。

　わっ！　山浦さん、変態！
　舌でお芋を押し込んでる。
　お芋を咥えて、まるく広がった排出口をぺろぺろ舐めて……。
｢あっ、おやめになってぇ〜。は、恥ずかしいぃ〜！」
｢僕、食べます。いただきます！」
｢えーっ？　お、お召し上がりになりますの？」
｢はい。いただきます。一つずつ、ゆっくり出してください」
｢は、はい、かしこまりました。一つずつですね、あ、ぁは〜ん」
　なおみさんの上品な顔、半分泣きべそだけど恍惚としている。よさそう。
　割れ目の下に、ぴたっと顔を押しつけた山浦さんを、薄目で見下ろして……。
　あっ、卵生むみたい。
　にゅるっと顔出したのを、山浦さんムシャムシャ。
　お尻の穴から口移しで食べてる。
　なおみさんのお腹のもの、みんな食べちゃうのかしら。

｢そうそう、砂抜きは食べてみればわかります。美咲貝は大丈夫ですか？」
｢われわれも、ちょっと食べてみましょうか」
　園井さんと磯野さんが、あたしのお尻に顔を寄せて。
　いやっ、なおみさんのを食べてーっ！　あたし、もうないよー。
｢芋だけだと味が単調になりますから、バナナ和えはいかがですか」
　先生が果物篭のバナナ取って、皮むいてる。
　バナナ和え？　なにそれ。
｢バナナの端の、尖ったところにぬめり汁をつけて……」
｢ははあ。バナナとお芋を、中で和えるわけですね」
　やだぁーっ、そんなの。やめてっ、やめてっ！

　でも、すぐ小さいお芋がはいってきた。つるんと。
｢バナナは、ここのぬめり汁でもいいですか？」
　やだやだっ！　そこは主人のだってば。
｢ああ、たっぷり濡れてれば、いいですよ」
　やん。バナナの先っちょを、そこでぬちょぬちょされて……。
　あっ、うしろに入ってくるぅ。や、やめてっ！
｢４センチ入ったな。美咲貝は、食いちぎれるかな？」
　えぇーっ？　食いちぎる？　そんなことできないっ！
｢できなきゃ、１本そのまま、ずーっと奥まで入れるよ」
　やだ。やめてよ、やめてっ！。
　きゅっとお尻をすぼめたら、くちゅんと切れて……。
　ぅはぁーん。千切れたのが、奥にズルズルって入ってくるぅ！

｢おう、やったやった。美咲貝の括約筋は強力だね」
　パチパチ拍手までしている。バカ。
　あーっ、またぬるんとお芋が……。バカ、バカっ　変態！
　なんども繰り返されて、もう、お腹、パンパン。
　子宮が、裏から、つぶされるぅ。
　はっ、我慢でない！　で、出ちゃうっ！　はぁーん、許して……。
　脚のあいだで、生徒たちが眼を皿のようにして見ている。

　いけない、出しちゃいけないっ！　でも、ぁあーっ。
　この膨満感、す・て・きっ！　感じちゃう。
　ぐはっ！　ぁあっ！　でるぅーーーーーっ！
　我慢できなくて、あ、にゅるっ。
　あ、そこに磯野さんの口が……。
　また洩らしそうなんだけど、舌で押し返されて……。ぁは〜ん。
　脚のあいだの顔が、園井さんに変わって。
　あうっ！　また入れられるぅ……。
　ああーッ！　食べられるぅ……。
　もう、いやっ。……でも、へんな気持ち。

｢あのぉ……、わたくしにも。バナナ、ください」
　じーっとあたしを見てたなおみさん、我慢しきれずに腰ゆすって。
｢そうか、そうか。お腹のお芋、僕がほとんど食べちゃったからねぇ」
　山浦さんが、新しい、太いバナナむいて。
　わっ、すごっ！　なおみさんの。
　巾着みたいに、むぎゅっ、むぎゅって噛み切って、呑みこんでる。
｢ぁう〜、もうだめっ。もういただけませんわ」
　満杯の口が、もう閉じることができずに、ぴくぴくしてる。

｢うっ、もうだめっ。で、出ちゃいますわ」
　縛られた両膝が、ガクガクガクッて震えて。
｢美咲ちゃん！　わたくし、イ、イッちゃいますぅーーーっ！」
　ドドッ、ドバドバッて排出した。
　たらぁーっと粘液が糸を引いて。男の人の射精みたい。
　ああーっ、上のほうからピュピューッと水が噴出した。
｢あ、潮吹きました！」
　山浦さん、叫んで、飲んでる！　噴きだす泉に口つけて。
　わーっ、顔も、喉も、お腹も、ビショビショ。

　あんな、あんなこと……。
　見てて、あたしの膝も震えてきちゃった。
　お腹の中がきゅんっとしちゃって、も、もうっ。
　お尻の穴、すぼめておくのは限界。気を失いそう。
　ま、なおみさん、あ、あたしも、だめっ！　あはーっ。
　園井さんっ、磯野さんっ、そんな近くで覗いてちゃ、だめっ！
　どいてーっ！　ぁあーっ。

　間に合わなくて、ドボドボッーと。
　お芋とバナナのぐちょぐちょが、二人のお腹のあたりにかかった。
　は、はしたない！
　全身の力が抜けてしまって、オシッコまでジョジョーッと。
｢あ、吹いた、吹いた。潮吹いた」
　ぁあーっ、やめてっ！　二人が代わる代わる口を……。
　ぃやーん、こんなこと。
　でも、潮吹くってきもちいいぃ。筋肉がぜんぶ開放されて。
｢お料理のあとのお茶。おいしいですねぇ」
　３人の生徒さん、顔を見合わせて、口を腕でぬぐってる。いやーん。