第三章 夜這い

　九月に入ったある日。女房が会社の慰安旅行で出かけていったので、懸案の夜這いを実行することにした。
　ずいぶん前から、合い鍵はもらっていたのだが、隣同士なので、女房がいるときはなかなか実行できないでいたのだ。
　なにしろ、少し前に、夜這いをかけようと忍んでいったら、俺を泥棒か何かと勘違いした啓子が悲鳴を上げてしまい、声を聞きつけた女房が「篠原さーん！　どうしたんですか？」と大声を上げながら来てしまったことがあったからだ。
　すぐに事態を把握した啓子が「ゴキブリが出て驚いた」などと取り繕ってくれたので、その場は収まったのだが、玄関には俺の靴があったので肝を冷やしたという苦い思い出があって、しばらく自粛していたのだ。

　準夜勤の帰りで疲れてはいたものの、こんなチャンスは滅多にないと思い、いったん家に帰ってデジカメ、ペンライト、ロープ、そして大人のオモチャ一式を持って隣家に忍び込んだ。
　もう、目をつぶっても何が何処にあるかが分かるようになってしまった隣家。そっと寝室のドアを開けると少しアルコールの臭いがした。
　しばらく、忙しくて相手をしてやれなかったから、さみしさを紛らわすため、ひとりで飲んでいたのかもしれない。そんなことを考えながら、ペンライトをベッドへ向ける。
　クリプトン球の頼りない光がベッドに横たわる啓子を浮かび上がらせる。その姿を見ただけで心臓の鼓動が高まり、喉がカラカラになるほど興奮してしまった。
　暦の上では秋に入ったとはいえ、まだ暑いと感じる日だったので、彼女は、肌がけのタオルケットを抱きしめ、Ｔシャツにショーツのみという姿で寝入っていた。
　新婚旅行のときに買ったのだというアメリカのディズニーランドのＴシャツが少しめくれて、かわいらしいヘソが見えている。薄い水色のニットのショーツは白い肌をよけいエロティックに感じさせるものだった。まずは、その姿をデジカメで撮ったのだが、フラッシュの光に気がつく様子はなく、深い眠りについているようだ。もう、何回も身体を合わせた相手のはずなのに、新鮮な興奮が身体中を支配するのを感じた。
　右側を下にして膝を折り曲げるように寝ている啓子の後ろにまわり込み、ショーツのゴムに指をかけ、尻に添わせてゆっくりと下ろす。小ぶりで丸いヒップの間から淡い茶色の尻穴が見え、次にふっくらとふくらんだ柔肉が顔を出した。
　そこでまた写真を一枚。暗闇の中で、液晶のモニターに彼女の局部が、はっきりと浮かび上がる。
　ショーツを完全に脱がせようとしたのだけど、タオルケットに足が絡んでいてうまくいかない。起こしてしまうのもつまらないので、悩んだあげく、ハサミでショーツの両側を切ることにした。
　化粧台の引き出しから取り出したハサミが闇夜に光る妖しい眺めと、布を切るときのジョリッという感触に、眠っていたサディスティックな欲望が眼を覚ます。たちまち、ショーツは小さな一枚の布と化し、啓子の下半身は何もつけていない状態になった。
　さすがに新婚旅行で手に入れたＴシャツにハサミを入れる気にはなれず、そろそろと捲り上げていくと、夢うつつに違和感を覚えたのか、啓子は寝返りをうって仰向けになった。が、こちらには好都合、下半身は丸出し、両胸も露わな姿を晒す結果になった。
　何枚か写真を撮っていると、もう我慢が出来なくなった。
　服を脱いで、彼女の膝を抱えるように開く。彼女のあそこの毛は薄く、オマ○コの両側はほとんど無毛なため、くすんだ赤紫色に縁取られた小陰唇が丸見えだ。そっと指で開くと、ペンライトで照らされたオマ○コがピンク色に光り、思わずうっとりと見惚れてしまった。何度見ても飽きることがない。たまらず、正面からの光景もデジカメに収め、顔を近づけた。
　舌で撫で上げるように舐めても起きる気配がない。息子の先をあてがい、そっと入れはじめる。
　驚いたことに、啓子の蜜壺の中は十分な湿り気があり、スムーズにインサートは完了した。
　ゆっくりと挿送を開始して、まだ勃っていない乳首を口に含むと、さすがに感じたらしく「うう〜ん」と声をあげ顔をしかめている。心なしか滑りが良くなってきたのは、眠りながらも感じてきたのか、あるいは、いやらしい夢を見ているせいかもしれない。ゆっくりとピストン運動を続けていると、やっと目を覚まし、薄目を開けてあたりを見まわす。やがて、自分の中に誰かが入っているのに気がついて、驚愕に目を見開いた。
「ひぃーっ！」
　文字通り、息を飲む啓子。次の瞬間、蜜壺がものすごい勢いで締まった。
「いやぁ〜っ！」
　あたりかまわぬ悲鳴が響く。思わず口を手でふさぎ、腰を打ち付けるように激しく責め立てたのだが、思いの外、彼女の抵抗は強い。か細い身体からは、想像もつかないような力で、俺を押しのけようとする。
「啓子、安心しろ。俺だ」
　そう言わざるを得なかった。
　やっと、相手が誰だか分かったのはいいのだが、突然、泣き出してしまったのには参った。でも、息子はまだ彼女の中。嗚咽のたびにグッ、グッとあそこが締まる。その刺激で、思わず一気に射精してしまった。放出の熱さを感じた彼女も呻く。
「ごめん」
　と言った俺に、啓子は
「あなたでよかった。でも、とっても怖かったのよ」
　と安堵のため息を漏らした。
「感じた？」
　と聞くと、顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。それが妙にそそり、また息子が元気になってきた。
　レイプまがいのプレイのあとで、ノーマルな行為をする気にもならず、部屋の灯りをつけて、啓子に、持ってきたロープを見せる。
　割とソフトな感じのロープは、例のオモチャ屋で手に入れたものだ。色は、彼女の白い肌が映えるようにと選んだ赤だ。
「これで縛ってもいい？」
　啓子の眼がロープに釘付けになる。
「あなたがしたいなら‥‥」
　彼女は蚊の鳴くような声で答えた。
　まだ余韻が残っているらしく、ときおり目を閉じては身体をヒクッとさせている。俺は啓子の両腕を縛り、ベッドに寝かせると、バンザイをさせるように腕を上にして、ロープの一方をベッドの足に結んだ。
　手入れされた脇の下の白さがまぶしい。手のひらにスッポリ収まるくらいの乳房を揉みながら、執拗に脇の下を舐める。彼女の息づかいが、また荒くなり、自分のあそこを刺激するように太股を擦り合わせている。
　俺はベッドサイドにあったタオルで啓子に目隠しをした。縛られたことで、高ぶっているらしく、もう、俺のやることに抵抗はしない。その姿を、デジカメに収めると、こんどはうつぶせにして膝を立たせ、ヒップを突き出すようなポーズにさせた。後ろに回って、また、その姿をカメラに収める。愛液と俺の精液で、あそこはベタベタになっている。
　さすがに、自分の精液を舐める気にはならないので、両手でヒップを開くようにして尻穴に舌を入れた。
「あぁ」
　甘い声が啓子の口から漏れる。
　そう、この女はアナルが大好きなのだ。俺もアナルセックスは彼女が初体験だったのだが、こんなにいいものだとは思わなかった。
しばらくの間、尻穴を舐めていると、啓子は簡単にアクメを迎えてしまった。蜜壺からは、愛液と俺の精液が混じり合ったものが流れ出てシーツを濡らしている。
　俺はピンクローターを取り出すとスイッチを入れ、むき出しになったクリトリスにあてる。
「ひぃっ」
　突然の刺激に息を飲む啓子。すぐにローターを引っ込め、こんどは乳首にあてた。
「あん」
　こんどは、ため息のような声。
　目隠しされているので、どこを攻められるか分からず、その都度びっくりしたように感じているのが面白い。俺は例の黒いバイブを取り出し、一気に蜜壺へ突き刺した。
「ああぁぁぁ‥‥」
　いきなり、こんなことをされるとは思わなかったのだろう。啓子は我を忘れたように悶える。ニチャ、ニチャっという、いやらしい音が寝室に響き、とうとう得意のセリフが出た。それも絶え入るような感じで。
「お願い。もう、好きにしてぇ‥‥」
　啓子の艶っぽい声を聞いているだけで、この女と関係を持ってよかったと思う。
　俺は、十分に復活した息子をいったん彼女のオ○ンコに入れ、たっぷりと潤してから引き抜き、息子を尻穴に押し入れた。
「ああっ！」
　たまらないといった感じの声。
　しかし、これで終わりじゃあない。バイブレーターを手に取り、一気に蜜壷へ差し込む。
「いやぁーっ！」
　二つの穴を同時に責められ、啓子は激しく喘ぐ。
　二度目の絶頂はあっという間にやってきた。後ろの方へ、たっぷりと注ぎ込んだあと息子を引き抜くと、啓子の尻穴は俺の息子そのままの太さで開いたままだった。
　そして、それは二人が落ちていく地獄の入り口に見えた。