登場人物

　瑤子・・単身赴任の夫をもつ娘二人の母親。３９歳
　奈菜・・瑤子の長女。中学三年生
　五月・・メイという名の次女。中学一年生
　武士・・瑤子の向かいの家に住む。子供は居ない。４２歳
　玲子・・武士の妻。４０歳

１、奈菜

　６月に入ったとある日曜の朝。昨日までの雨は上がり、朝から気持ちのいい太陽が家の中まで差し込んできている。その光は家の中の埃に反射してキラキラと光っている。
　きれい好きな瑤子は、天気よりもその埃に気が行ってしまう。
　昨日出来なかった掃除を朝からしていたが、やっと一段落してコーヒーをいれ飲んでいたが、下の娘、中一の五月（メイ）はとっくにクラブに出かけたのに長女の奈菜はまだ降りてこない。
　中三になってクラブ活動から引退したとはいえ、家の事も手伝わず寝ているとは・・
　瑤子は起こしに二階へあがって行った。奈菜の部屋からはFMが流れている。
　起きてるならなお更一言言ってやらなくちゃ・・

　瑤子の夫は今中国に単身赴任して二ヶ月に一度の割合でしか帰ってこない。
　この家には女三人しかいないのだ。
　月曜から金曜までパートに出ているんだから週末くらい家のことを手伝ってもらわなければ瑤子は休む暇もない。瑤子は奈菜の部屋のドアを開けかけた・・FMの音楽が部屋から溢れてくる。が、ベッドの上の奈菜の後姿が瑤子の手を止めさせた。
　風に揺れるレースのカーテンの隙間から外を眺めている奈菜の左手はTシャツの下からもぐりこみ乳房を揉むように動いている。右手はパンティだけの下半身の軽く広げた両足の間に滑り込んでいる。

「あの子ったら・・一人でしてる」
　瑤子の胸の中に、複雑な思いが一度に交錯した。まだまだ子供で、異性からの電話も来たことのない奈菜が、あんなこと・・どこで覚えたのかしら・・
　ドアを細めに開けたまましばらく呆然と娘の自慰を眺めていたが、奈菜は気づかず体をベッドに横たえるとTシャツを巻く利上げまだ膨らみかけのしかしきれいな形をした両乳房を露わにし、パンティを腿の途中まで下ろすと目を瞑ったまま続きを始めた。瑤子に似たのか下の草むらは筋に沿って生えているだけで、その密度は薄く日の光に照らされてほとんど生えていないように見える。
　左手は両方のまだ小さい乳首を手のひらで交互に撫でている。つんと尖った乳首は柔らかく形を変えるたび少しずつ充血し大きくなってくる。
　目を瞑り、口を少しあけて動くたびに吐息を漏らしている。
　右手は筋を上下に大きくなぞり時折両足がピンと伸びては弛緩する。やがて奈菜は足だけを器用に動かしてパンティから左足を抜き取ると、少しひざを立てて広げると先ほどより早く指を上下させはじめた。

　瑤子は慎重にドアを閉めると隣の寝室に入り後ろ手にドアを閉めた。
　大きくひとつため息をつくと窓際にある化粧台のいすに腰を落とした。
　気がつくとカップのつかない柔らかめのブラの中で痛いほど乳首が硬くなり、ジーンズの中でムズムズとした感覚が続いていいる。きっと濡れているに違いなかった。
　自分では淡白なほうだと思っていたし、夫がいない間もそんな感覚は感じたことがなかったが、娘のあからさまな行為を目の当たりにした今、自分の体ははっきりと欲情している。
　夫が帰ってきたのはもう一月以上も前だし、そのときでさえ滞在した一週間の間に一度しか交わっていない。それで十分だったのだ。
「でも奈菜はなぜ最初窓の外を・・」
　ふとそう思い窓の外に目をやった。
　明るい日差しが隣の家の屋根に反射して眩しい。その視線を少し落とすと瑤子ははっとして思わず体を後ろに引いてしまった。
　隣家の二階の窓はカーテンが半分ほど開いており、それも風に揺られて大きく開いたりを繰り返している
　その中で白い人影がもつれ合っている。
　こちらのほうが少し土台が高いせいでベッドの上の行為が丸見えだったのだ。
「奈菜はこれを見ていたのね・・」
　今隣の妻玲子は夫の武士に両乳首を手と口で責められ、快感に顔をゆがませていた。
　武士の舌が交互に乳首を舐め、時折軽くかんでいる。片方を舐めているときは片方は指でつままれ武士は執拗に愛撫を繰り返している。
　もう片方の手は股間に伸び、指が玲子の中にゆっくりと差し込まれては、抜かれてそのたびに玲子の顔がゆがみ、喘ぐ声が風に乗ってもれ聞こえてくる。
　玲子はベッドに寝かされ、大きく開かれた足の間に武士の顔が近づく。
　武士は顔を上下させ、執拗に舐めていた。玲子の腰がせりあがり、武士に押し付けるような動きでその快感を、さらに求めるようにゆすっていた。
　あんなふうに責められたことは瑤子はなかった。瑤子の夫は舐めてくれたことが無かった。
　指で擦るだけの簡単な愛撫だけだったのだ。
　瑤子はいつの間にか服の上から胸を揉み始めていた。ブラの中の乳首が痛いほど硬く尖り下着の上からでも瑤子にじれったい快感を与える。
　目を離せずにいると武はゆっくり立ち上がった。
　今まで見えなかった武士のものが瑤子の目に飛び込んできた。
「大きい・・・」
　小柄な玲子の顔と比べてそれはかなりな大きさに思えた。
　瑤子は大きくなったものは夫のものしか知らなかったが、それより一回り太く長かった。
　反るように上を向いたそれを見たとき、瑤子の奥からはっきりとわかるほど熱いものが流れた。
　玲子は慣れた手つきでそれを握ると数回ゆっくりとしごき、顔を近づけると玉を舐め始めた。
「あんなところを舐めている・・」
　夫に求められたときにおざなりに先のほうを舐めるだけの瑤子に、玲子の行為は刺激的だった。
　舌で袋を丹念に舐めたあと、さおの根元から先端に向かってピンクの舌はレロレロと動きながら舐めあがっていく。両サイドからさらに何度かなめあげるのを繰り返した後、玲子の舌は先端をチロチロと舐め、ゆっくりと棹を口の中に埋没させていく。
　さすがに三分の二ほどしか入らずしかしゆっくりと何度も含んでいる。
　その間も武士は玲子の胸を揉み乳首をつまんでいる。
　玲子は感じて顔を時折ゆがめながらもフェラチオを続けている。
　が、たまらず口を離した玲子を武士は少し乱暴に四つんばいにした。
　玲子はそれに従うようにヒップを高く上げ顔をシーツにつける。
　武士の一物は、狙いをつけるといきなり根元まで突き立てた。
　玲子の声が窓から漏れ聞こえてくる。
　武士は最初から激しく突き動かしている。その度に玲子の嗚咽が切れ目なく瑤子の耳の入ってくる。
　普段は明るく気さくな玲子が別人のように夫の動きに反応して、腰を振っているのが瑤子には信じられないほどエロチックで玲子の顔と腰から目が放せない。
　瑤子は膝を硬く合わせ両腕で自らを抱きしめるように硬くしながら二人の行為に見入っていたが、武士がこちらを見てふっと笑ったような気がしてわれに返ると、部屋を出た。

　浴室に飛び込むと服を脱ぎ、下着を取った。
　やはり乳首はこれ以上無いほど硬く尖り、乳房も張っている。
　パンティのその部分はクタクタになるほどぬめりがべったりとついている。
　シャワーの栓を開き、お湯に変わる間に瑤子は胸を揉み、そっと乳首を摘んでみた。
　痺れる様な刺激が走り、体の奥から厚い塊が流れて太ももを伝った。
　溢れて流れるなんてはじめての経験だった。
　指で摘んでこりこりとしごくとビリビリとした感覚が走り、乳房が張るような痺れだった。
　おそるおそる下に手を伸ばすと中指でそっと触れてみる。
　瑤子の陰核は大きく硬く膨れ、体中にさっきの数倍の痺れが走った。
　瑤子は思わずバスタブのふちに腰を落としてしまった。
　二三度大きく息をして足を広げると瑤子は股間に目を落とした。
　薄い陰毛の間から大きく尖った自分の陰核が見え、その下にめくれて広がった襞が充血していた。
　欲情にかられ再び指を這わすと、娘がしていたように上下にこすり始めた。
　そこは粘度が強い溢れ出た汁がアヌスにまで達し、熱くなっている。
　目を閉じると、武士の大きなモノが浮かび迫ってくる。
　瑤子はそれをしゃぶり吸い、舐めた。そして自分から床に四つんばいになり、尻を振って懇願する。想像の中で瑤子は淫乱な自分を思い描いていた。
　そしてそれはいきなり瑤子を貫き激しく突きたててくるのだ。
　奥にまで届き、抜けそうになるまで引いてはまた突き立てられる。
　瑤子はあっけなく、しかし激しい快感をともなって達してしまった。
　ゆっくりと目を開けると瑤子は想像の行為を終えた。その間二分とたってはいなかった。
　体はまだほてりが静まらず、震えている。
　しばらく放心状態だったが、のろのろと体を起こすとシャワーを浴び浴室を出た。
　奈菜はリビングでいつものようにトーストをパクつき、カフェオレを飲みながらバラエティ番組を見てけらけらと笑っていた。
「カフェオレお母さんの分もあるよ」
　振り向きもせず奈菜は言った。
「ありがと」
　いつもの日曜の光景がそこにあった。