６．メス犬

　あれから、２週間。再び、出張し、やっと札幌から帰ってきた真垣は、仕事を終えると、仁美を連れ出した。どこへいくのか、ようやく車は止まり、車から降りた仁美は、ひとしきり周りを見回した。
　道を隔てた海側は、シーズンには海水浴客で賑わうであろう海岸が広がっていたが、シーズン前の今は人影もない。反対側は木々の並ぶ公園で、その公園の奥にこじんまりとしたレジャーホテルがあった。
「ここで脱ごうか？」
「･･････はい･･････」
　人も車も通ってはいないが、それでも公道の上で裸になるのは、勇気がいる。仁美は、震える手でワンピースを脱いだ。下着はつけていない。
「これをつけて」
　渡されたのは、真っ赤な首輪だった。
「後ろを向いてごらん」
　言われたとおり背中を向けると、赤いロープが首輪に取り付けられた
「さあ、仁美は犬だ。ついておいで」
「･････犬になるんですか？･･･････」
「もちろん。このあいだ、犬が気に入っていたようだったからね」
（気づいてたの？・・・わたしが犬の気ぐるみの子を見ていたこと？）
「さあ、早く四つ這いになるんだ。膝をつけると痛いから、つけないようにね」
　仁美はゆっくりとしゃがみ込み、ついに両手を地面についた。
「もっとお尻を高くあげないと歩けないだろ」
（恥ずかしい････こんなに恥ずかしいなんて････でも･･･いい、思ったとおり･･････）
　自分の淫らさに驚きながら、仁美は、おずおずとその白くて大きな尻肉を持ち上げた。
　真垣に、お尻を晒すのは初めてではない。もう何度も経験している。それでも、この格好は特別だった。
「いい子だ。メス犬になりたかったんだろ」
「はい、・・でも・・アァ、言わないでください･････」
「さあ、歩こうか。恥ずかしいメス犬の散歩だ」
　仁美は、真垣に首輪を引かれながら、ゆっくりと歩き出したが、思った以上に歩きにくい。こんな格好で歩いたことなどないのだから当然だ。自然とがにまたになり、尻を大きく左右に振って歩いた。
　しばらく歩いているうちに疲れと羞恥から、次第に仁美の思考が壊れ始めてきた。
（真垣さん････仁美のはしたない格好････お尻を見て････見られたい･･･後ろから覗いて･･･）
　とうとう、仁美はそれを口にした。
「真垣さん、仁美のお尻を見てください」
「そうか。見て欲しいのか。いいよ。前を歩きなさい」
　仁美は、お尻を高く上げて真垣の前に出た。
（見て・・・見てください・・・仁美のお尻・・・仁美のお尻）
　太股を熱いものが伝った。真垣の指が仁美の股間に差し込まれた。
「ああ・・・」
　仁美は思わず大きな声を出し、その場に止まった。
「かわいい、本当にかわいいよ。仁美」
　仁美は、真垣のその言葉に感激して涙が頬を伝った。

　しばらく、仁美の肉壺のぬめりを楽しんだ真垣は、仁美に首につながったリードを引き、再び歩き出し、そのままの格好で、ホテルの入り口からロビーへと入っていこうとした。
「ま・・・真垣さん・・・このまま入るんですか？」
　仁美はおそるおそる真垣に聞いたが、真垣は答えず、そのままリードを引っ張った。
「あっ」
　強く引かれて、仁美は四つんばいのまま、ホテルのロビーへと入っていった。
（真垣さん、だめ。ここは・・・・だめ）
　仁美は、恥ずかしさのあまり絶叫しそうになったが、かろうじてこらえた。ただ、さすがに四つんばいのままでは入れず、立ち上がって、真垣の後ろに隠れるようについていった。真垣はとがめなかった。

「いらっしゃいませ。どうぞ」
　ロビーにいた男性は、仁美の姿を見ても驚くことはなく、普通に二人を招き入れた。真垣も何も言わず、仁美のつけたリードを引きながら中に入っていった。ここは、海の近くで食事がメインの観光ホテルのようだ。ロビーは狭く、この男性以外誰もいなかった。仁美はいくぶんほっとしたが、それでもいつ誰が入ってくるかわからない。フロント脇の通路にさしかかると、真垣は、振り返って自分の後ろにぴったりくっついている仁美に言った。
「犬はそんな歩き方はしないだろう」
「ごめんなさい」
　仁美は慌てて四つん這いになって、真垣についていった。ふだんはレストランなんだろうと思われる部屋に案内されると、中に入る前に真垣が仁美に包みを渡した
「それを着て、本当の犬になろうか」
　中を見ると、予想通り、犬の気ぐるみだった。胸と股間・お尻は大きく開いている。先日見たあの着ぐるみと同じだった。
（雌犬になるんだわ、わたしも・・・・）
　仁美が着ぐるみを身につけると、真垣は扉を開け、中にはいった。顔を上げた仁美の目に入ってきたのは、さまざまな仮装をした人たちだった。

７．共有

　仁美と同じように犬の格好をした人。大きなマントに頭にすっぽりとふくろうのかぶりものをした人。ねこ、うさぎ、一際、目を引いたのは、隅の席の男性の傍らの床に横たわっている女性。ふくよかな体を全て晒しただけ、鼻にカギをひっかけてヘッドバンドまでひっぱりあげられて、豚。きっとご主人様の趣味。仁美は、その女性から目が離せなかった。おそらく、すごい信頼。完全な服従。醜い顔をさらしながら、きっとこの人は幸せなのにちがいない。仁美はそんな気がしていた

　真垣は、仁美を連れて、奥の席まで進んでいった。もちろんその間、仁美は無数の視線に晒された
　奥の席には、仁美の知っている顔、一樹と真垣と同じくらいの年齢男性と３０代半ばくらいの女性が座っていた。彼女は仮装はしていなかった。
「おひさしぶりね。真垣さん・・・この子は？」
　女性が声をかけた。
「仁美。初めて連れてきたんですけど・・・、気に入ってるんですよ」
「そう、この子ね。一樹さんに聞いてるわ」
　美菜子は四つんばいの仁美の前にしゃがむと、仁美の顔をなでた。
「立たせていい？」
　美菜子は、真垣に聞いた。
「どうぞ、美菜子さんの好きなように」
　真垣の許可を得て、美菜子は真垣からリードを受け取り、仁美を立たせた。
「きれいな肌、うらやましいわ。真垣さんに大事にされてるのね」
「はい」
「あなたはいい人に巡り会ったわ」
「はい」
「唇をちょうだい」
　美菜子は、仁美のあごを引き寄せ、唇を重ねると、舌を入れた。唐突な出来事に仁美はためらいながらも真垣がそれを制しない以上、仁美はそれを受け入れるしかなかった。美菜子の手が仁美の乳房に伸び、乳首を指ではさんでこすった。すでに固く尖っていたひとみの乳首は、こりこりしていていい感触だった。真垣は、同年代の男性、工藤俊哉と何か話をしていたが、仁美の方に近づいて、耳元でささやいた。
「仁美は、俺のものだけど、ここにいる工藤さんや仁美も知っている一樹君、それから、この美菜子さんのものでもある。いいかい、この３人のいうことは、私の言うことと同じ、仁美はそれに従うんだ。いいね」
（えっ、どういうこと？わたしは真垣さんのものだわ。他の３人って・・・）
　仁美は、突然の真垣の言葉に動揺したが、聞き返そうにも、口は美菜子に塞がれていた。美菜子の手が仁美の股間に伸びた。もうとっくにぐしょぐしょになっている肉壺に指を入れ、その愛液をお尻の穴からクリトリスまで塗り広げるように美菜子の指は、何度もその谷間を往復した。膝の力が抜け、立っているのがやっとの状態で仁美は、もっと詳しい説明を真垣に求めようとしたが、美菜子の唇と入れ替わるように一樹の唇が仁美の唇をふさいだ。
（こういうことなの？真垣さんどこ？いて・・・近くにいて・・・）
　仁美は、必死に真垣を眼で追い、ようやく真垣を見つけた。真垣は、普段と何も変わらない優しい表情で仁美を見た。
（これで、いいの？いいんですね）
　念を押すように仁美は真垣を見た。真垣は大きくうなずいた。仁美が立っていられなくなり、がくっと膝を折ったのを一樹が抱きとめた。
「真垣さん、連れて行きますよ。いいですね」
「ああ、そうしてくれ」
（どこへ・・・どうするの？）

　テーブルは壁に沿って置かれてあり、中央は空いていた。一樹はその中央に、仁美を連れて行くと、無造作に仰向けに寝かせた。そこに何人かの男達が集まって仁美を取り囲んだ。男達は両脇からそれぞれ仁美の太腿に手を掛け、持ち上げた。両足は大きく広げられ、仁美の股間は遮るものもなく、無数の視線に晒された。手も左右に広げられた。何人もの男達に囲まれて、お尻を高く持ち上げられ大また開きで乳房と股間を晒している。仁美は恥ずかしさで変になりそうだった。しかも、彼らは、そうやって見ているだけだった。
（お願い・・・見ないで・・・いや・・・見ないで・・・・いや・いや・・して・・いじって・・・何かして・・・いれて・・・いれて）
　見られているだけの状態に耐えられなくなった仁美は、小さな声でつぶやいた
「して・・・・・なにかして・・・・」
　それを聞いた男が
「声が小さくて聞こえないよ。もっと、大きな声で言ってごらん」
「してください。見てないで、なにかしてください。でないとおかしくなっちゃう」
「なにをすればいい？」
「いれて・・・・」
「なにをどこに」
「ちんぽを仁美のおま○こにいれて・・・ください」
「ほう。全員いれていいかな？」
「いいです。みんな、みんないれてください」
「口はどう？」
「口も使ってください」
「お尻の穴はどう？」
「お尻も使ってください」
「中に出していいかな？」
「だめ・・・中はダメです。お尻か口に出してください。」
「口に出したら、どうする？」
「飲みます。全部飲みます。」
　男は、一樹の顔を見た
　一樹がうなずくと、男達の手が、仁美に伸ばされた。
　仁美は、真垣を探したが、今度は見つからなかった。仁美は不安になったが、男達の手は容赦なかった。多数の手が仁美の肉体に這わされ、豊かな乳房を揉みしだき、舌を這った。一人の肉棒が強引に仁美の口内に侵入した。仁美は舌を這わせ、唇でしごき、強く吸った。
　後ろから仁美を抱えた男が、肉棒を仁美のお尻の穴に差し入れた。誰かの指がクリトリスをいじる。太股といわず、乳房といわず無数の手が仁美の体を這った。またしても、仁美の意識は遠ざかり始めていた。
（ああ、また、大勢に・・・・。口もおま○こもお尻も・・・真垣さん、これでいいんですか。これでいいんですよね。真垣さん）

　仁美が皮切りで、次々と子犬やふくろう達が中央へと連れ出された。もうろうとしていた仁美を真垣が抱き上げ、自分の膝の上に抱きかかえた。仁美は赤ん坊のように真垣の胸に顔を埋めていた。