第２章　

１．ランジェリーショップ

　真垣は、次の日から出張していたが、出張帰りのその足で、約束どおり、週末に仁美を誘った。
　待ち合わせのコーヒーショップで、真垣は既にコーヒーを飲んでいた。
「すいません、忙しいのに・・・。今日でなくてもよかったんですよ。」
「いや、今日でなくても、いつも忙しいから同じようなもんなんだよ。何か飲む？」
　見れば、真垣のカップはすでに空いていた。それを見て、仁美は
「いえ、いいです。出かけましょうか？」
「そう、じゃぁそうしよう」

　真垣に連れて行かれたのは、ちょっと妖しげなランジェリーショップで、ランジェリーだけでなく水着、レオタード、さまざまなコスチュームのほかに見慣れない道具も置かれていた。女性が一人で入れるお店ではなかった。仁美たちのほかにお客はカップルが一組、仁美達と同じように、随分歳が離れていた。
「真垣さん、ここ、よく来るんですか？」
「来るわけないだろ。オーナーと知り合いなんだ。」
　店の奥にいた真垣と同じくらいの年代の女性が、真垣に近づいてきた。
「真垣さん、お久しぶりね。こちらは彼女？」
「俺はそのつもりなんだけどね。仁美、こちらはここのオーナーの由佳里さん。」
「はじめまして、仁美です。」
「由佳里です。このお店、真垣さんも一応経営者なのよ。見向きもしないけど」
「そうなんですか？」
　仁美は、真垣を見た。
「由佳里に任せたから・・・第一俺には下着はわからない。それより、由佳里。この子をセクシーにしてやってくれないかな」
「いいわよ。あなた好みにすればいいの？」
「できれば・・・・」
「仁美さん次第だけど・・・」
　由佳里が、仁美を見た。
「はい、お願いします。」
（綺麗な人・・・誰？真垣さんの彼女？・・・）
　由佳里の、ちょっとかなわない大人の雰囲気に仁美は少し押された。

「仁美さん、足、綺麗ねぇ。プロポーションもいいし・・・真垣、足とお尻が好きでしょ？」
「は・・・はい」
　話しながら、由佳里は、何組かのブラとショーツ、ガーターベルトを手にとった。さらに、キャミソールも合わせ、仁美に手渡した。
「これ、着て見て・・・試着室は・・・・真垣さん、事務所で試着してもらうけど、見る？」
「ああ、そうしようか」
（事務所？見る？・・・何、どういうこと）
「そっちよ」
　由佳里が、仁美の肩を抱き、スタッフオンリーと書かれたドアを開け、仁美を中に導いた。中は、けっこう綺麗に片付いており、隅に大きな鏡が置かれてあった。
「着てみて」
　由佳里が、仁美に言った。
「真垣さん、後は、あなたが選んであげて・・・」
　由佳里はそう言い残して、事務所を出ていった。
（真垣さんに見てもらうのか）
　真垣の前で全裸になった、先日のことが仁美の脳裏に蘇った。仁美は、鏡ではなく、椅子に座って、仁美を見ている真垣に向かって服を脱ぎ始めた。
（見てもらえる。真垣さんに・・・）
　そう思うだけで、仁美は股間に熱いものを感じていた。

２． 展示

　仁美は、真垣に向かって、ワンピースのボタンをはずし、袖から腕を抜いた。ワンピースが床に落ちると、黒のレースのついたブラとショーツだけになった。先日と同じように、ゆっくりと後ろを向いて、真垣に向かって、お尻を突き出してショーツを膝まで下ろし、足を抜いた。
（仁美のお尻・・・見てください）
　仁美は、股間が熱くなるのを意識しながら、再び真垣の方を向いて最後にシースルーのブラをはずして、全裸になった。
　由佳里が選んだブラの中から仁美は、薄いピンクの４分の１カップのブラを手にとって、つけてみた。ブラの下にワイヤーが入り、乳房を下から持ち上げてはいるが、乳首は完全に露出していた。上から自分の乳房が露出しているの見えた。
（これじゃ、つけてないのと同じだわ）
　ショーツは同色でシースルー。左右を紐を結んだだけのもので、お尻の双丘は完全に露出し、前は、きれいに手入れをした仁美のヘァーさえはみ出るほどの小ささだった。それを身につけながら、仁美は
「真垣さん・・・あのぅ、由佳里さんって・・・どういう方か・・・聞いていいですか？」
「ああ。離婚した元の奥さんだ」
「えっ・・・」
　意外な返答に仁美は、言葉が出なかった。
「彼女がね、・・・かわいいぼうやをいじめたくなったって言い出してね」
「・・・・・」
　仁美は、ただ、黙って聞いていた
「俺は、かわいくもないし、ぼうやでもないし、いじめられたくもないんで」
「それで、離婚？ですか？」
「おかしいか？」
「いいえ・・・はい・・・いえ、わかりません」
　真垣にそれが当たり前のように言われると、仁美は、なにがなんだか判断できなくなった。
「それより、どう、恥ずかしくない？」
　きかれて、自分が裸同然の下着姿でいることを思い出した。
「いいえ、だいじょうぶです。真垣さんが好きなら、どんな格好でもします」
「そうか。ありがとう。じゃぁ、これを着てみてくれ」
　真垣が出したのは、ボディスーツだった。ただ、股間と乳房の部分が大きく開いていた。仁美がそれを身につけると、真垣は言った
「ここに座って」
　真垣は、自分の椅子に仁美を座らせ、何事か店の方へ行ってすぐに帰ってきた。
「じっとしてて」
　真垣はそう言うと、仁美の手首と足首に革のベルトを巻きつけた。仁美はそれが何かはわからなかったが、その革のベルトは、それぞれ小さなリングがついている拘束倶だった。真垣は、キャスターのついたゆったりとした大きな椅子の肘掛に仁美の両足をかけ、足首のベルトを椅子の下で固定した。正面の真垣に向かって股間を丸出しにした格好になった。
（どうするの？・・・・見るの？）
　今度は、仁美の両手を背もたれの後ろで紐で縛って固定した。
「恐い？」
「いいえ。だいじょうぶです。」
　仁美は、椅子に固定され、真垣が何か自分にするんだと思っていた。最後に真垣は、ひとみに目隠しをすると、その椅子を押し始めた。予想外のことに仁美は驚いて真垣に聞いた。
「どうするんです？」
「外に出して、展示するんだ」
　仁美は、真垣の言ったことの意味が、すぐには理解できなかったが、数秒後には否応なく現実として理解させられた。
　ドアの開く音がした
（外に・・・店に出るの？・・・この格好で？・・・真垣さん・・・本当に・・・・）
　ドアをでる振動があって、しばらく押されると、
「あら、いいわね。」
　ちょっと、離れて、由佳里の声がした。と、同時に“おお”という低いくぐもった声がいくつか聞こえた。
（ああ、本当に・・・店に出されたんだ・・・見られてるの・・・ああ、どうしよう・・・）
　椅子に拘束されている仁美にはどうしようもなく、恥ずかしくて声も出せなくなっていた。
　７〜８メートル押されただろうか、真垣の気配がなくなった。置き去りにされた。仁美はそう思った。
　足音が近寄ってきた。仁美の前でとまると・・・
（ああ、しゃがんでる。きっと覗き込んでる・・・・いや・・・・見ないで・・・・）
　足音はいくつも近寄ってきた。
（ああ、何人いるの？みんな見てるの・・わたしを見てるの？わたしのおま○こを見てるの？）
　恥ずかしさをこらえながら、仁美は、子宮の奥のほうがむずむずする感覚を覚えた。ここ数日、真垣の前で裸になるたびにやってきたあの感覚だった。
（濡れてるかもしれない。・・・きっと、濡れてる・・・濡れてるのを見られてる・・・止めて、真垣さん、苦しいわ、ねぇ、もう止めて）

　不意に手が伸びてきた。仁美の乳首をこねまわす手。
（だれ？・・・真垣さん？・・・違う・・・誰？由佳里さん？）
　手の感触が、真垣のものとは違った。真垣の手は大きく、指も長い。この手は小さすぎた。
｢誰？｣
　仁美がそう口にした瞬間、四方から手が伸びてきた。
　乳首をいじる指。乳房をもむ指。肉壺に深く差し込まれる指。クリトリスをいじる指。口の中にまで指が入ってきた。
（こんなに大勢に・・・ああ・・・犯されるの、わたし？・・・・真垣さん、いないの？・・・・由佳里さん・・）
「ああ、いや。やめて」
　耐え切れず、仁美は叫び声を上げた。
「仁美」
　耳元で・・・真垣の声だった。
「真垣さん・・・いるの？」
「いるよ」
　そう言って、後ろ手に固定された仁美の手を真垣がぎゅっと握った。
（いるんだ。真垣さんが、ここにいてくれてる）
　真垣がいてくれる。それが確認できて、仁美の不安は解消された。いじられてはいるが、レイプされるわけではない。恐怖が去ると、それまでの緊張がいっきにほぐれ、同時に、いっぺんに何人にもいじられるという初めての体験が仁美の官能に刺激を与えた。それは、意外にも仁美にとっていやなものではなかった。
（いい・・・いい・・・何人いるの？・・・・もっと、もっと、いじって・・・）
　指の刺激は、執拗に繰り返された。しだいに仁美の息は荒くなり、正常な思考ができなくなりそうだった。
（ああ、おかしくなりそう。もう・・・もうやめて。指は・・・もういい・・・誰か・・指じゃなくて・・・もっと､奥へ・・・もっと奥に入れて・・・）
　仁美は、奥深く突き入れられて、“あたる”感触が好きだった。しだいにその感触が欲しくてたまらなくなって来ていた。
「入れて・・・・真垣さん、入れて・・・おま○こに・・・・入れて」
　仁美はとうとう、あられもないことを口走った。
「何を入れるんだ」
　真垣の声は後ろからした。
「ちんぽ。ちんぽを入れて。誰かちんぽをいれて」
　仁美が、叫んでる間に、仁美のなかに、侵入するものがあった。真垣が、バイブを挿入したのだ。
「これでいいかい？」
　今度は真垣の声は前からだった。
　真垣は、振動するバイブを、ゆっくりと、仁美の肉壺の中に挿入していった。ゆっくりゆっくりと・・・。
（ああ、来てる・・・来てる・・・もっと、もっと、奥へ・・・来て、来て）
「奥へ、もっと奥へ・・いい・・・いい・・・・いく・・・いく・・・いっちゃう」
　がくっがくっと体をふるわせ仁美は達してしまった。
　真垣が、おもむろに仁美の目隠しをはずした。まわりには、数人の男女が、仁美を覗き込んでいた。
「いや」
　仁美は小さく呟いてうつむいたが、そこには、形のいい乳房とほこらしげにツンと上に向いた乳首とその乳房の間から、股間から半分飛び出した白いバイブが、まるで仁美の股間からはい出した生き物のように蠢いているのが見えた。
（これを・・・この格好を・・・見られてたの・・・・）
　仁美は、顔を上げ、正面にいる真垣を見た。・・・・大粒の涙がこぼれた。