２．

「なあ、そろそろいいだろう。例の晶子ちゃんの裸をみせろよ。」
「そうだよ。部屋に誘って、やっちゃえばいいじゃん。」と、彰と公靖の二人が大輔にせがむ。
　だが晶子の性格をよく知っている大輔は、まだ慎重だった。
「部屋とかホテルとかに誘うと、身体が目的だと疑われる可能性がある。なにせ、相手は幸せに慣れていないからな。」
「それじゃ、まだ時間がかかるのか？、いいかげん、待ちくたびれたぞ。」
「うーん、じゃ、こうしよう。今度、車で出かけた帰りに、自然なかたちで触れ合って、彼女の方からやりたくなるように仕向ける。」
「そうか、人は野外だと開放的になって、警戒心も緩むからな。」
「我慢できなくなったところで、暗いところに車を停めて彼女とやるから、おまえらは暗視ゴーグルを着けてそれを覗けばいい。車内灯を点けていれば、よく見えるはずだ。」
「そりゃいいや、丸見えだし。でも、音はどうする？」
「まったくスケベな奴だな。車内にマイクを隠して、拾った音をＦＭで飛ばしてやるよ。」
「よし。じゃ俺は、赤外線レンズつきのビデオカメラを用意する。」
「じゃ、場所を決めようぜ。」
　３人はいやらしい期待に胸を膨らませながら、晶子の”まな板ショー”の場所と日時を決めた。

　その日、大輔と晶子の二人は、山の中腹にある展望台で、並んで夕日を眺めていた。
　大輔は晶子のウェストに右手を回すと、優しく彼女を抱き寄せる。
　そして、晶子を自分の方へ向き直らせると、ゆっくりと屈み込むようにして彼女に口づけをした。
　大輔はこの日、朝から機会がある毎に晶子とのスキンシップを繰り返し、晶子をその気にさせるように誘導していた。
「なんでこんなに可愛いの。」大輔は晶子の顔を覗き込み、両手で彼女の腰骨からウェストの括れまでを、優しく摩りしながらそう言った。
「まったく、大輔さんたら。口がうまいんだから。」晶子は口ではそう言いながらも、嬉しそうに大輔の顔を両手で撫でる。
　それから二人はもう一度唇を合わせ、激しく舌を絡み合わせた。

　その後、駐車場まで戻ってきた二人は、そこで堰を切ったように、またきつく抱き合う。
　晶子の背中が反り返るほど、きつく抱きしめた大輔は、彼女の耳元で譫言のように「晶子ちゃん、好きだ。」と繰り返していた。
　さらに大輔は、晶子の首にかかる髪の毛を優しくかきわけながら、彼女の首の横に自分の唇を強く押し付ける。
　それから、わざと「ハァ、ハァ」という荒い息の音を、晶子の耳元で発しながら、彼女の耳を舐めあげた。
　晶子はその間、大輔のあまりにも大胆なこの行動に、彼の手を硬く握り締めたまま、凍りついたように動けなくなっていた。
　次に大輔は、晶子の背中を車の側面に押し付けるようにして、自分の腰をぐっと前に押し出し、彼女の首筋に舌を這わせる。
　背中を反らせるような姿勢になった晶子の下腹部に、大輔の硬く勃起したペニスが強く押し付けられた。
　この時、（「大輔さん・・私を欲しがってる。」）そう感じた晶子は、（「彼の期待に応えよう。」）と胸の内で決意していた。
　自分から大輔の尻に手を回し、きつく抱きついてくる晶子の態度に（「よし、今日はやらせてくれそうだな。」）と、大輔は手応えを感じていた。

「あんっ・・危ないわ、大輔さん。あぁ・・お願い・・やめて・・」
　帰りの車内、右手を助手席の晶子の方へ伸ばして彼女のふとももを撫で回し、さらにその手をスカートの中へ滑り込ませた大輔に対して、とろりとした瞳の晶子が、やっとのことで、そう呟いた。
「ごめん。俺、もう我慢が出来なくて・・。どこか静かな場所に車を停めてもいい？」
　既に大輔の指でショーツを濡らしていた晶子は、助けを求めるような表情で小さく頷いた。

　大輔は、彰と公靖の二人に教えた場所に約束通りに車を停めると、エンジンを切る。
　車内は静寂に包まれ、周りは真っ暗になって何も見えない。
　車外の二人のために点けている室内灯の仄かな明かりだけが、かろうじて二人の顔を照らしていた。
「晶子ちゃん」・・「大輔さん」二人はどちらからともなく顔を近づけ、口づけをする。
　大輔はキスをしながら、晶子のふとももの間に左手を忍び込ませた。
　暗闇に少し大胆になった晶子は、大輔の手が動き易いように自分から股を少し開くと、自分も同じように右手を大輔のセーターの中に滑り込ませる。
　そして、大輔のシャツのボタンを幾つか外して、その中に右手を差し込んで、彼の素肌をその優しい指で撫で回した。
　大輔は晶子のスカートの中にそっと左手を滑り込ませ、既に湿り気を帯びている、彼女の股間に中指をあてがう。
「あぁ・・んんっ・・あんっ！」
　ショーツの上から優しく引っ掻くように、晶子の割れ目の溝とその上の突起を刺激する大輔の巧みな指使いに、おもわず晶子が頭を後ろへ反らし、喘ぎ声を漏らした。
　大輔は左手を晶子の股間に使いながら、助手席の彼女の上に覆い被さり、顔をその胸元に埋める。
　そして「晶子ちゃん。お願い・・ボタンを外して。」と、晶子の胸を強請る。
　晶子は一旦大輔から身体を離すと、ブラウスの上に羽織っていたジャケットを脱ぎ、それからブラウスのボタンを外して、胸の前を開けた。
　待ちきれない大輔が、晶子の背中に手を回してホックを外し、ブラを上へずらすと、下から白くふくよかな晶子の乳房が現われる。
「あぁ、こんな綺麗な胸、見たことがないよ。」
　本心からそう呟いた大輔が、薄暗い車内で白く輝く晶子の胸にゆっくりと顔を近づけながら、舌を伸ばした。
　晶子は、ドキドキしながら大輔の行動を見つめている。
　晶子の予想に反して、大輔は乳首には口をつけず、いきなり彼女の両乳房の間に舌を差し込むと、そのまま舌の腹を使って胸から首筋までの間を大きく舐め上げた。
「はあっあぁ！」その瞬間、晶子の上体がビクンッと跳ね上がる。

　車の外では、彰と公靖の二人が、車内の二人のこの様子を息を殺して見つめていた。
　二人の耳に入れたイヤフォンから、晶子の「はあっあぁ！」という叫び声が聞こえる。
　車内の音は隠しマイクを通じて、外の二人に筒抜けになっていた。
　公靖が赤外線レンズを付けたビデオカメラを覗きながら、「おい、始めたぞ。」と囁いた。
　暗視ゴーグルを付けた彰が、「うおっ、スゲェー。見ろよ、信じられないぜ。」と感嘆の声を上げる。

　車内では、大輔に胸を舐め回された晶子が、シートにもたれ掛かり、口を半開きにしたまま、うっとりとした表情を浮かべて、感じ続けていた。
「はあっ！・・あぁ・・ハッハッ・・はんっ・・」
　大輔は晶子に覆い被さり、左手で彼女の股間を、舌と唇で彼女の胸を、それぞれ優しく愛撫しながら、右手で自分のズボンのベルトを緩め、トランクスを下にずらして、熱く脈打つペニスを取り出した。そして、それを彼女の右手に握らせる。
　晶子が右手を上下させ始めると、大輔は晶子のスカートを大きく捲りあげ、ショーツを足首まで引き下げた。
　そして、右手で晶子の股を拡げながら、左手の指を彼女の割れ目の間に差し込む。
　二人は、お互いに相手の股間に手を伸ばし、両手で相手の性器を愛撫し合う。
「ハァ、ハァ、ああぁ・・」「ハッ、ハァ、あんっ・・」夢中で両手を動かす二人の荒い吐息と甘い喘ぎ声が、静かな車内に木霊する。
　やがて、感極まった大輔が顔を晶子に近づけ一度口づけをした後、「口でしてくれる？」と、彼女に頼んだ。
　晶子は潤んだ瞳で軽く頷くと、運転席側に身体を倒し、大輔の股間に顔を埋める。すぐに晶子の頭は、大輔とハンドルの間で激しく上下し始めた。
　大輔は、押し寄せる快感に目を細めながら、得意そうに車外に向かって笑ってみせた。

「見ろよ。フェラを始めたぜ。あいつ幸せそうな顔をしやがって。」
「うおぉ、凄い勢いで扱いてる。気持ち良さそー。」
　彰と公靖は背伸びをしながら、血走った眼で車内で重なり合う二人を覗き込んだ。

　そろそろいい頃合いと考えた大輔は、ベンツのシートを一杯に倒して仰向けに寝転がり、自分でペニスを扱きながら、晶子を自分の上に誘った。
　晶子はハァ、ハァと荒い息を吐きながら、ショーツを脚から引き抜くと、運転席に寝る大輔の上に覆い被さる。そして、股を大きく開くと、ゆっくりと彼の腰を跨いだ。
「あっ！、ああぁ・・あーーんっ」
　大輔が晶子の腰を引き寄せ、二人の股間が密着した瞬間、晶子は頭を後ろへ反らし、小さな声で鳴いた。
「晶子ちゃん、愛してるよ。」「あぁ・・私も、大輔さんの事、大好き。」
　晶子の上半身を引き寄せながら、大輔が愛の言葉を囁き、晶子も熱くそれに答える。
　大輔は外の二人からよく見えるように、晶子の尻にかかるスカートの裾を大きく捲り上げると、自分の腰を浮かせながら下から激しく彼女の股間を突き上げた。
「あんっ！、ハッ、ハッ、あうっ！、ハッ、ハァ、はあっうっ！」
　下からペニスを突き入れられる晶子の白い尻が、外からも丸見えになり、その大きな叫び声が二人の耳に入れたイヤフォンから聞こえてくる。
　一杯に股を開いて大輔の腰を跨いだ晶子のふとももが振動に震え、車体が左右に激しく揺れていた。
　一頻り晶子の絶叫を二人に聴かせた大輔は、次に下から晶子のウェストに両腕を回して優しく彼女を抱き寄せると、今度は静かに、その腰をくねらせ始める。
　そして「どう？・・気持ちがいい？」と、彼女に話しかけた。
　晶子は「ああぁ・・大輔さん、凄くいい・・あんっ！・・そこっ・・もっと・・アアッ！・・いいぃ・・」と、切なくなる様な甘い声で、その悦びを伝える。
　車外の彰と公靖の二人は、この様子を、大きく眼を見開き、瞬きもせずに凝視していた。
　二人のすぐ目の前、フロントガラスの内側では、晶子の分泌物がべっとりと付いた大輔の長いペニスが、ピクッピクッと呼吸をするように伸縮を繰り返している彼女の秘部から、ゆっくりと出たり入ったりしている。
　二人は車の後ろ側にまわり、リヤウィンドからも二人の交歓の様子をじっくりと観察する。
　この時大輔は、下から晶子の豊かな乳房を揉みしだきながら、舌を長く伸ばし、彼女の首筋を舐め上げていた。
　晶子の方は、瞳を閉じ口を半開きにして、恍惚とした表情を浮かべながら、夢中で歓喜の声を上げている。
　二人が、下半身からの快感に陶酔する晶子のアクメ顔をじっと見つめていると、突然、「あぁ・・アッアッ・・あっあぁーーっ！、うっんっ・・んんっーーっ！」と悶絶した晶子が、口を大きく開き、そこから別の生き物のような太い舌を大きく突き出した。
　まさか他人から見られているとは露程も思わない晶子は、そのまま濡れひかる舌を顎までだらりと長く垂らし、それから自分の唇をゆっくりと舐め回し始める。
　車外の二人は、晶子のこの、恋人にしか見せない艶めかしい痴態を眺めながら、眼を輝かせ、おもわず口もとを弛めた。
　この間、車内からは、二人の口づけの音と粘膜を擦りつけ合うクチュ、ヌチュという音に混じって、あの真面目で綺麗な晶子の口から発したとは信じられないような、卑猥な喘ぎ声が聞こえてくる。

「くそっ！、大輔の奴、好き勝手にやりやがって。」
「おぉ！、凄ぇ・・エロい声・・」
「うおぉーーっ！、あんないい女が夢中になってあんな事を・・うぅ・・堪らねぇ。」
　もうどうにも我慢が出来なくなった二人は、其々、ぎんぎんに勃起した自分のペニスを引っ張り出すと、それを扱き始めた。

「ねえ、今度は晶子ちゃんが腰を使ってよ。」
「うん、・・どう？・・これでいい？・・はあぁ・・気持ちがいぃ・・あんっ・・ああぁーーっ！」
　晶子は車の低い天井に頭を押しつけながら、夢中でその細い腰を前後にくねらせる。
　そして、快感に震える唇を大きく開け、そこから尖った舌を突き出しながら、妖艶な悲鳴をあげた。

　美しい身体を撓らせ、快感に身悶えする晶子の淫らな姿を見て、車外の二人は早くも限界に達していた。
「イクッ・・はうッ！、おっうぅーーーっ！」「おおぉ・・うんっ！、うんっ！、うぅーーっ」
　と、おしころした歓声をあげながら、大量の精液をあたりにバラ撒く。そして、反り返る晶子の裸体を熱く見つめながら、再びその手を動かし始めた。
　車内では、若い二人のからだの交歓が、まだ延々と続いていた。
　だが、しばらくすると、車の窓ガラスが白く曇り始める。
　この時、外気温は２０度ぐらいだったが、絡み合う二人の熱い吐息と、発散する汗で、車内はまるでサウナのようになっていた。
　真っ白に曇って何も見えなくなった車内から、二人のすすり泣くような喘ぎ声と、絶頂に震える歓喜の雄叫びが何度も聞こえてくる。
　車はそれから一時間にわたって、絶え間なく揺れ続けた。

「おい、あの子、もうセックスに夢中だな。」
「ああ、まるで獣みたいにやりまくってるぜ。」
「真面目な子ほど、一度、その味を覚えると、その快感に夢中になるって言うからな。」
　車外の二人も呆れるほど、車内の二人の狂乱ぶりは凄まじかった。

　一時間後、やっと静かになった車内から「ハァ、ハァ・・私、もう駄目・・おかしくなりそう。あぁ・・腰の感覚がない。」と、晶子の幸せそうな声がする。
「ハァ、ハァ、ふうーっ、晶子ちゃん・・凄かったよ・・ハァ・・もう死ぬかと思った。」大輔が息も絶え絶えに答える。
　そして、二人が口づけを交わす音が聞こえる。
　彰と公靖は、これを聴いてから、そっとその場を立ち去った。