その１６　欲しい


「ねえ、奥さん、入れても良い？」
「だめぇ、それだけは、許して、お許しに……」
　もはや「力が入らない」というのは、自分でも信じられない言い訳だった。子宮の強烈な要求に負けそうな成美なのだ。
　もし、このまま一気に入れられてしまっても、決して抵抗できなかったはず。
　それどころか、今、江川がのしかかってきたら、広げた脚を、きっと、自分でもっと広げてしまう。
　男を迎え入れるポーズを言われなくても取ってしまう淫らな自分が、目に見えている。
「あん、ああ、だめぇ」
　形の良いオッパイをゆっくりともみ上げ、耳を軽くかじっては、成美に甘い声を上げさせている江川は、余裕の表情だ。
　じっくりと攻めている。焦らしに焦らすのは、中年の余裕だろうか。すでに成美の体は、びっしょりと濡れ、うごめく腰は、満たしてくれる逞しいものを求めているのは明白だった。
　なのに、ちっとも入れようとしないのだ。
『ホントはセックスしたくないみたい。まさかぁ』
　そう思えてしまう自分が惨めであるほど、なぜか、惨めに焦らされてる自分を考えてしまうと子宮が熱く感じて、美肉がウネウネと、物欲しげに動いてしまう成美だ。
『あぁ、欲しいけどぉ。だめ、それだけは。ああん、だけどぉ、なんか身体の奥のほうが、ギュッと大きなモノを欲しがっちゃってる、こんなことって』
　江川なんて、自分の好みでもなんでもない。
　浮気をしたいなんて思ったこともない。
　それなのに、貞淑な人妻のハズが、子宮の叫びに負けそうだった。「満たして欲しい」っと、強烈に要求している女体を押さえ込むほどの理性はもはやない。
　だけど、理性と言うよりも、オンナとしてのたしなみが、最後の歯止めだった。
　自分から、欲しいだなんて言えるはずない。
　絶対にダメ。
　首を横に振る。
　それをニヤリと見下ろした江川は、グッと、成美の顔を両手で包み込んだ。
　あ、と思ったときには、唇が吸われていた。
　分厚い唇が、まるで弄ぶように、上唇をハムッと挟み込んでくる。
『あん』
　初めてのキスの仕方だった。
　まるで、支配者に弄ばれるような、いや、そのまま唇を食べられてしまいそうなキスに、なぜかゾクゾクとした快感が生まれてしまうのを止められない。
　拒否の言葉が浮かんでこなかった。いつしか、成美は、陶然となって己の唇をゆだねてしまったのだ。
　江川の「攻撃」が下唇に移る。
　知らず知らずのうちに、口をふわっと広げてしまった。
　ハムハムと、唇が挟み込まれながら、トロッと江川の唾液が、流し込まれる。
　夫以外とした初めてのキスだ。
『何で、私、こんなことを』
　ダメ、と思う前に、流し込まれたものを飲み下している自分がいる。
　不潔、と言う言葉が思い浮かんでいるのに、拒否できない。甘やかな電流が唇から生まれ、流し込まれた唾液を飲み下す瞬間、ゾクゾクとした快感が子宮を騒がせるのだ。
　ヌルリと舌が入ってきた。
「ん、ん、ん」
　何とか舌を引っ込めようとした。
　ここまでされても、自分からキスしたがってると思われたくなかったのだ。だが、江川の舌先は、ツルツルの前歯の裏側を舐めてくる。
『あん、これ、なんかヘン』
　さらに深々と差し入れられた舌先は、軟口蓋をペロペロとなめ上げてくると、初めての感覚が、成美の背中を震えさせる。
『ああん、こんなのって、こんな、キスで……』
　感じちゃう、と言う言葉を頭に浮かべないようにした成美だったが、与えられた快感に、舌がおずおずと差しのばされてしまったのは、ごく自然な動きだった。
　まるで口を犯されているみたいに、舌が自由に動き回るのだ。
　成美の口中を支配しているのは、江川の舌だった。成美の舌は、支配者様に差し出された贄として、粘液質の音を立てながら、絡み合い、こすれ合う。
『あぁ、い、いっちゃう』
　驚くべきオーガズム。
　差し出された舌が江川の口に吸い込まれながら、軽いオーガズムがいくつも、いくつも、身体を駆け抜けていってしまう。
『どうして？私、気持ちよくなっちゃってる……』
　信じられなかった。
　あるいは、それは、精神的なオーガズムだったのかもしれない。
　だが、キスだけでイクというのは、女性向けの雑誌に特集されてる記事で、読んだことがあるだけだ。
　それが自分に起きるなんて思ってもみなかった。
トロトロと流し込まれる江川の唾液を飲み下しながら、いつしか自分から、がつがつと舌を差し出し、唾液をねだるように絡み付かせている。
　信じられないて姿になっている自分を、自分で理解できない成美だ。
「ン、ン、ン〜」
　舌が痺れるほど吸われて、またもや、頭の中がスパークしてしまった。
　ハッと自分を取り戻すと、江川の人なつこい笑顔が、目の前でのぞき込んでいる。
「いやん」
　それは、もはや、他の男に言い寄られて嫌がる人妻ではなく、恥じらう恋人のしぐさかもしれない。
　人妻にとって、口を許してしまったのは、心を犯されてしまったのに等しいのだという言葉を、成美はどこかで読んだことがある。
　今の自分がまさにそれだった。
　もはや、江川が望めば、セックスを拒めないのだと、思い込んでしまっていた。
「はあぅ」
　快感のため息をつきながら、成美はとうとう目を閉じてしまった
　屈服の表情。
　このまま力を抜いてしまえば、男は堂々と犯してくるはずだった。
　つかの間、恥ずかしい場所を満たされる強烈な快感を思い浮かべながら、ゴクリと唾を飲み込む成美だ。
『もう、ダメ。このまま、されちゃっても、抵抗できないもん。しかたないんだもの。お酒も飲んじゃったし……』
　口の中の快感が、まだ、残っていた。
　ゴクリと飲み下した唾も、江川に注ぎ込まれた名残が入り交じって、子宮がキュンと疼いてしまう。　
　しかし、江川は、意外なことを囁いてきた。 　
「じゃあ、勝負しよ」
「え？」
「私は奥さんに入れたい。ほら、こんなになってるだろ？」
「きゃ、だめ、いや！」
　いきなり右手が、大きくなった江川のモノにあてられていた。
「だめえ」
　手の中に熱い。
　一度は、受け入れるつもりになったものであっても、改めて握らされれば、意識が戻って当然だった。
『これ、入れちゃったら、だめ、夫以外を入れるなんて』
　改めて自分を叱りつけるが、かといって、理性が急に戻る訳もない。
　いやいやをしながらも、なぜか、素直に握ってしまった男の象徴。
　しっとりとした人妻の手が、硬くなった怒張をやわやわと、揉み込むように、握る。
　小指が、カリの部分にかかっているのを十分に意識した、男に尽くす、握り方になっている。
「ほら、これ、オトコがこうなったらどうして欲しいか、人妻なら分かるね」
「いやあ」
　拒絶の言葉を口にしながらも、成美の細い顔がコクンと頷く。
「奥さんが、その可愛いお口で、こいつを逝かせてよ」
「そんなことぉ、無理です」
　無理ですといいながら、頭に浮かんだ言葉は、全く違う。
『今さら、口で？』
　夫なら、この状態になったら、慌てて入ってくるはずだった。
　そうとは思いたくないが、成美の体は、既に男をほしがっている。
　もぞもぞと居心地悪げに、微妙に身体をくねらせているのは、男を欲しがっている女体のサインだと分からないのだろうか？
　さもなければ、ここまで来て、部下の妻を犯すことに躊躇をしているのか。
　これほど、女を追い上げながらも、フェラチオを要求するというのは、まるで成美とセックスしたくないと思っているとしか思えなかった。
　思わず知らず、物欲しげに怒張を扱き上げる仕草をしてしまっていた。
「いいよ。無理なら。手でも良いよ、だけどたぶん奥さんの手こきじゃ、なかなか逝かないよ、それなら勝負は私の勝ち」
「勝負って」
「先にイッた方が負けだよ。奥さんが私をイカせたら、それでおしまい。でも、その前に奥さんがイッちゃったら」
「イッちゃったら？」
「私の勝ち。奥さんのアソコを、好きなように使わせてもらうよ」
「あん、いやん、そんなこと、おっしゃったらぁ」
　少し乱暴な、言い方そのものもあったのだろうか。
　成美は、そのセリフに、子宮がキュンと収縮してしまう。
　言葉責めに反応してしまったことと言い、口中を犯されて、あれほどイッてしまったことといい、本人も気付いていないマゾの素質が、開化し始めているのかもしれない。
『アソコを「使わせろ」だなんて。ああ、そんな、私のアソコが、男の人に……。そうよ、私の身体が、私の意志とは関係ないのに、使われちゃったら……　』
　どう「使われる」のか。
　江川が自分に乗ってくる姿が頭に浮かんでしまう成美に、嫌悪よりも、身体の奥からじわりとわいてくる何かが、理性を蕩けさしてしまうのだ。
『ヘンよ。こんなのダメなのに……　なんかお腹の下がキュンとしちゃう、なんで？』
　とっさの切ない表情を、江川は、たちまち見抜いてしまう。　
「奥さんは、少しマゾッ気があるんだよ。使わせろって言われて感じたでしょ？」
「いやん。違うぃ、違うのぉ」
「奥さんの、ぐしょぐしょのオ○○コを使うよ」
「いやあぁ、そんなの、だめぇ」
　ビクン、ビクンと驚くほど身体が震えてしまう。
「奥さんのオ○○コを自由に使うよ。奥さんは、旦那さんに操を立てたいなら、お口も使ってがんばらないとね」
　江川は、囁く声を、成美の耳に注ぎ込むように、執拗に繰り返す。いつのまにか「アソコ」が「オ○○コ」に変わっている。
　そんな言葉を嫌悪するはずの成美は、なぜだか、それだけでも子宮の奥に、何かが届いてしまうのだ。
　いや、ひょっとしたら、それよりも早く、犯されてしまいたかったのかもしれない。
　手の中の熱くて太いモノで満たされたくなっている成美にとって、江川の言葉は、何重にも甘美な屈辱感を与えてきたのだ。
「そんな、勝手なぁ、あぁ、だめぇ」
　イヤイヤをする成美を、にやりと笑ってから、もう一度「負けたら、オ○○コを使わせるんだよ」と囁いた江川は、グッと身体を起こしてから、勢いよく宣言する。
「勝負開始」
「え、いや、だめ、あ、あうう」　
　太り気味の身体が、逆さ馬乗りの形になって、一気にシックスナインの状態。
　顔の前に、完全に硬くなった怒張が、黒光りするように突きつけられる。
『いやん、これえ』
　とっさに顔をそむけてしまう成美だが、瞬時に、見慣れた夫のモノと比べてしまうのは人妻ならではかもしれない。
　目の前に突きつけられたモノをとっさに握ってしまったのは、夫との営みで学んだ成果なのか、それとも、黙っていると、顔にくっつきそうだったせいからだろうか。
　ともかくも、黒光りする、カチカチの怒張をきゃしゃな手が握ってしまったのだ。
　成美自身の意志で、黒光りする怒張を握っていた。
　先から、既にヌルとしたモノが溢れている。
『あん。熱い。それに、硬〜い』
　そのつもりがなくても、男の気持ちいい場所に指がかかるように、指の位置を調整してしまう成美だ。
　その仕草は、オトコを確かめる仕草にも、愛撫する手つきにも似ている。
　実際、その瞬間、成美は夫と無意識に比べていたのだ。
『少しだけ長いかも。でも、一番膨らんでいるトコは、彼の方が……　こんなに長いと、奥に当たっちゃいそう…… 早くこれを……』
　一瞬、早くこれを入れて欲しいと思ってしまう自分にハッとなる。
『いやん！なんでそんなことを。私ってば！』
　しかし、たまに、夫がいつもより元気だと、奥まで突かれてしまう、あの感覚をとっさに思い出して、さらに子宮が疼いてしまった。
　だがそんな成美が、我に返る前に、攻撃は始まったのだ。
「いいねぇ。奥さんが、そうやってくれるなら、こっちも、頑張るよ〜」
「え？」
　江川の顔が、一気に、恥ずかしい場所に被さってきた。
「あ、あ、あ、だめぇ」
　絶妙の舌の動きだった。
　物足りない成美の身体を見抜いたかのように、いきなり、入り口にヌルリと軽く入り込んで、ヌチャヌチャヌチャっと、音を立てる抜き差し。
　たとえ浅くても、滑らかなその動きは、美肉の満足を少しだけ満たしてくれるのだ。
「あん、あん、あん」
　とたんに、背中を白い電流が駆け上ってしまう。
　早くもピンチだった。
　キュンと子宮の奥が収縮して、もっともっとと言いたげに、脚が勝手に広がってしまったのだ。
『あん、だめぇ、ダメなのに……』
　さっきまで、さんざんに焦らす動きをが成美の子宮を淫らにしてしまったのかもしれない。
『身体が勝手に感じちゃうだもん！』
　猛烈な快感。
　ツンと駆け抜けた、淡い満足感だが、次の瞬間には、もっと深い快感が欲しくなる。
　おまけに、舌は、今度は敏感なボタン。
「あん！」
　ベロンと大きな舌遣いで、全体を舐め上げる。
「あうぅう」
　何か大きな波が、身体の中に起きそうだった。
『ダメ、私の身体。感じちゃダメぇ！』
「あ、く、あう、ふぅ、あううう」
　まるですがりつくように、手の中の怒張に頬をすり寄せていた。
　ヌルリと先走りのヌルヌルが頬に当たるが、気にする余裕もない。
　いや、むしろ、オトコが感じてる姿が手の中にある気がして、身体を舐められる快感とは別の、何かが、背中をゾクリと駆け抜けてしまうのだ。
『ああ、このオチ○チ○、硬くて、ああ、気持ちよさそう』
　成美にとっては、ここまで直に、硬く大きくなった怒張を見たのは、夫のモノだけなのだ。
　しかも、イク寸前の人妻の身体は、自然に、それを欲してしまうモノなのだ。
『すぐ目の前で、こんな、違うオトコの人のをいれちゃうなんて……』
　手の中のモノで、今、自分が満たされてしまったら。
　イケナイ想像であっても、想像するなと言うのは、無理な話だ。
「あううぅ」
　貞淑な人妻ではあっても、性の悦びを知った女なのだ。こんな時に、硬い勃起を目の前にすれば、もはやオンナが目覚めてしまうのを止められない。
　身体の奥から、ズンっと深い快感への期待が湧き上がってくる。
　おまけに、敏感な場所を、巧みに舌が動き回っている。
『ダメぇ、この人上手過ぎるぅ』
　一気に、オーガズムへの予兆がこみ上げてきた。
　小さな頂点が、いくつもいくつも身体の中で弾けている感覚だ。
『だめ、このままじゃ、イッちゃう。あん、もう、イキたい……　だけど、ダメよ、そうよ、このままじゃ、このままイカされちゃったら……』
　弾けそうな快感に、理性がおびえを生んだ瞬間を、巧みに、見分ける江川は、一瞬顔を離した。
「あんっ」
　不満げな声が漏れてしまったのを、成美自身は気がつく余裕などない。
「ほら奥さん、お口でするんだよ。私がイク前に逝っちゃったら、このオ○○コを差し出すんだよ。このチ○ポ入れちゃうんだからね」
「だめぇ」
　弱々しい声だ。
「ま、入れて欲しいんなら今すぐ入れちゃうよ〜」
　にやっと笑うのは、もはや、自分の勝ちを確信した余裕。
「どうする？入れて欲しいの？それとも、奥さんも、オ○○コ差し出すより、これを扱いてみる？」
「あん、うそぉ、そんなことぉ」
「だって、奥さんが、このまま何もしなかったら、ゼッタイ、オレの勝ちだよ。あ、ひょっとして、もう、欲しくなってる？」
「そんなことぉ、ああぁ、言わないで、そんなこと、ない……」
　くなくなと首を振るが、危うくウンと言いそうな自分がいるのだ。
「だって、オ○○コに欲しいんだろ？だから、何もしないでイカされちゃう」
　へへへ、と笑う江川。
『えっと、このまま何もしなかったら、入れて欲しいってことになっちゃうの？そんなあ……』
　快楽の頂点寸前の成美が、頭を働かせられるワケがないのは、もちろん、承知の上。
「入れられたくないなら、お口で、出しちゃえば？先にオレが出せば、オ○○コに入れなくてすむんだから」
　訳の分からない混乱の理屈を押しつけた江川は、そのまま成美の股間に顔を埋める。
「あん、だめぇ、だめ、だめ、あ、あ、あう」
『硬い』
　気がついたら、江川の舌遣いが、さっきよりも、ゆっくりになっていた。焦らすような動きは、さっきの言葉とは逆に、まるで成美をイカせないようにしているようだ。
「ほら、奥さん。ちゃんとしないと、ほら」
　さらに口元に突きつけられるのを、成美は止められない。唇にヌルリとこすりつけられてしまった。
『ごつごつしてる』
　手の中の感触を確かめるようにしながら、いつしか、成美の舌が、その先端をペロリとなめていた。　
『彼のより少し長いかな？だけど、こっちの、この部分。すっごい段差。なんなのこれぇ。太さは彼の方が太いけど、この段差、ああ、こんなの入っちゃったら……』
　一瞬、自分の中で動く感触を想像しちゃったのははしたないけど、仕方ないのよ。だってオンナですもの。
「ほら、奥さん、そんなんじゃ何日でも、逝きませんよ。そのお口でちょっと、ちゅばちゅばしてよ。柔らかい舌で、そのままナメナメしてくれるのもいいけどさ」
　え、こ、これをお口になんて。
　そんな。
「あん、いやん、あ、あ、あん」
　目を閉じたまま、口をゆっくりと広げていく。まるで成美の覚悟を知っているかのように、ズンとナカに入ってきた。
　先端ににじんだヌルヌルが口に溢れ、飲み下す。もう、ためらいが浮かばない。
　唇がヌル、ヌルと形に添って動いている。
「そうだよ。舌をもっと密着させて。お口がオ○○コになるように。考えて」
　そこからは夢中になっていた。
　苦しいのに、口の奥まで入れると、余計に子宮が熱くなるのだ。
　いつしか、自分から首を持ち上げて、吸い付くように江川のモノを咥えていた。　
　ジュボ、ジュボ、ジュボ、ぴちゃぴちゃ、音を立てながら、成美の動きは一生懸命だ。
「う〜ん、奥さん、積極的になってきたね」
　満足そうなに、言ったかと思うと「じゃ、反対で」と、あっという間に体勢を入れ替えて、成美が上になってしまった。
「ほら、これなら、奥さんが自由に動けるからね」
　どうする？
　と言いながら、江川は、両手で大きく成美の脚を広げてしまった。
「ん、んや」
　口が塞がれたままの成美が抗議できるはずもない。
　大きく広げられた成美の秘部を、江川の舌がヌルリと舐め上げたのだ。
「んんん！」
　ビクンとからだがのけ反ってしまった。
　一撃で、弾けてしまったのだ。
　思ってもみなかった。
「あ、い、いく！だめえ！」
　成美が、息を継ぐ暇もなく、ベロン、ベロン、ベロンとぐしょぐしょの美肉をクリトリスごと舐められて、もはや、恥ずかしさも何もない。
　腰から下が一気に持って行かれるような快感に、頭の中が真っ白になってしまった。
『イカされちゃった……』
　先にイカされちゃったら負け。
　お世辞にも、かっこいいとは言えない江川の太った身体。
　目の前に、そそり立つ黒光りする怒張。
　ぐったりとなりながらも、成美の頭の中では、さっきの江川の声がリフレインしている。
「奥さんのオ○○コ使わせろ」
　ゾクリと、背中を振るわせたのは、この後に、この怒張に「使われる」瞬間を思い浮かべてしまったからかもしれない。
「あん！」
　甘美な敗北感の成美の美肉を、まるで肉食獣が舌なめずりする気配をさせながら、またもや舐め上げられたのだ。
　それだけで、またもや、子宮がキューンとしてしまう。
　こうなってしまうと、ひょっとしたら、欲しがっているのは自分の方かもしれないなと思うしかなかったのだ。