次の行き先も手配されているのか、行き先を聞くこともなく滑るように動きだすタクシー。
　理恵子は、行き先を問うこともなく、おとなしく柔らかいシートに寄りかかる。
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「どうぞ、７０６号の部屋番号を伝えるように言われています」
　３０分も走った頃、運転手は到着したことを理恵子に伝える。
「ありがとう」
　開かれたドアから料金を払うこともなく外に出る。
　隆造との密会に使ういつものホテル、理恵子は教えられた部屋へ迷う事もなく足を進めていく。
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　７０６号の扉を軽くノックすると、返事を待つこともなくノブを廻す理恵子。
　男との接待に満足しきれない理恵子は、迎えた隆造に手をさしのべてうなだれついていく。
「どうした」
　理恵子を突き放すように距離を保った隆造。
「抱いてぇ〜」
　隆造との激しい喜悦が頭をかすめ、疼きの治まらない理恵子。
「だんなのためじゃなく…抱かれたいのか」
　問いただすように、瞳を見つめる隆造。
「あぁ〜、そうよ抱いて欲しいの」
　膝をつきバックルに手を掛ける理恵子。
「これが好きなのか」
　股間に手を当てた隆造。
「そう、これよ、これじゃないとだめなの〜」
　スボンとパンツを同時にズリ下げ、頬張りつく。
「こんな中途半端なみっともない姿にさせるのか」
　上から見下ろした隆造。
「ごめんなさい」
　隆造を見上げ股間から口を外した理恵子は、立ち上がり上着を脱がせシャツのボタンを外し、たくれたズボンを足から外すと隆造を全裸にした。
　なえかけた隆造の分身を咥え直すと、自らの衣服をモゾモゾと剥ぎ取っていく。
「あぁっ、早く、早く元気になってぇ〜」
　ヒクヒクと腰をくねらせ、硬さを持ってきた亀頭の根元に指を添え締め上げる。
　ひとしきり首を振り、頼もしさを取り戻させる。
「おねがい、して〜、はやく」
　紅潮した頬をなびかせる理恵子。
「横になれ、大股開きで待ってろ」
　しっかり上を向いた股間を振り回し、バックの中を弄る隆造。
×
×
×
「これじゃないとだめなんだろう」
　隆造は、開かれた理恵子の股間に息子を擦りながらにじり寄ると、濡れ光る花園に宛がい差し込んでいく。
「あぁ〜」
　奥深くへの挿入を期待して、隆造の逸物を中心に腰をくねらせる。
　隆造はググッと腰を押し進める。
「あっ、それ、それよっ、あっ」
　忠に浮かせた股間を振付ける理恵子。
「そう焦るな、少し時間をおくともっと良くなるぞ」
　発情した花園の膨らみを押し潰すようにグイグイ押し付ける。
「あっ、いい、そこ、あっ、そに、もっとぉ〜」
　硬い鉄槌を締め上げ、小さなアクメに達する理恵子。
　連続した鉄槌を送輸が続く。
「あぁぁ、すご〜い」
　身体の奥深いところから押し寄せる快感、羞恥や理性を押しのけ理恵子は未知の薔薇色の世界をかいま見る。
　鉄槌の突き上げは、何度も何度もマルチなアクメをよぶ。
「あぁっ、だめ、あっ、いい、あっ、いっいくぅ〜〜」
　性急に肉欲を満足させるが、理恵子の発情はいまだ収まらない。

　荒いと息でベッドに横たわり、まどろむ理恵子。
「また、合いたくなったら連絡をくれ。次からは泊まらなくていいように手配しておくからな」
　シャツのボタンを嵌めながら、隆造はなにげなく言う。
「次って何のことです」
　不安な疑いの眼差しの理恵子。
「次は次だ、俺に会うときは接待がついてくるってことだ。理恵子の都合に合わせて手配してやる。いつでもな」
　ネクタイを直した隆造は、冷たいそぶりで部屋をでる。

　隆造との一夜があると、翌日、翌々日と発情した牝の股間が収まらない時間がつづく、寝ても覚めても潤んだ花園への意識が途絶えない。
　そんな日は、和也にそっとせまっていく。
　淡白で、いまだに女の身体を理解しきれない和也との営み。
　理恵子は、あれこれと口をはさみ挿入を遅らせる工夫をした。
（入れてしまえばスグ終わってしまう）
　そんな工夫も和也の昂ぶりを助長させ、あっけない幕切れとなる。
（あぁ〜、どうになしてぇ〜〜）
　満たされない欲望が燻りつづける身体を持て余す理恵子。

　数日がすぎ発情が収まると気分が優れない、隆造への思いが押し寄せてくる。
（どうなって、しまったの？）
　以前と違う身体の反応に戸惑う理恵子。
　身体だけでなく意識すらも、初恋する少女のように、隆造への思いをつのらせる。

　一週間も空かずに受話器を手にとる理恵子の姿があった。
　隆造からはホテルの部屋番号と時間だけが伝えられる。
「・・・終わったら、いつものところだ」
　隆造の冷たい声、それでも身体は治まらない。
　理恵子の境遇はデリバリーな娼婦と変わらない、むなしさが脳裏をかすめても、それを無視するように身繕いし出掛けて行た。

　指定の場所に着くと、待ちくたびれた感の男。
「来ないのかと思いましたよ、奥さん」
　理恵子の気になる言葉が飛び出してくる。
（どういうこと、「奥さん」って、紹介もしていないのに）
「ごめんなさい、生活じみてましたか、この服」
　探りを入れる理恵子。
「そんなことないです」
「おばさんぽいかしら、一目で「奥さん」ってばれちゃうなんて」
　見知らぬ男の首に手を廻し、唇を寄せていく。
「ゆ、指輪が目にはいったので…」
　ギクッとした男が弁解がましくいう。
（知ってるのね）
　かまわず事を進める理恵子。
　在り来たりな愛撫にイジェクトするためだけの交合。
　満たされない理恵子は、そんな相手でも変わらずつくした。
「あっ、激しくして」
　男の肉棒が理恵子の内臓に突き上げる。
　何度も往復し速度を増していく。
「うっ、そう、そう、もっとぉ〜」
　辛そうな男の表情を見とめる。
「だめよまだ、まだ、がまんして」
　腰を引いて内臓の繋がりを外す理恵子。
「少し落ち着いて、ついて行けないの」
　上下を入れ替わり、自ら男の肉棒を手にまたがり内臓の奥に差し込んでいく。
「あぁ〜〜」
　男の様子を見ながら、止めたり動いたりと淫らな牝を演じる理恵子。
　昂ぶった身体が理恵子の意識を覆い尽くすと激しい動きが止まらない。
「だめだ」
　男が射出する。
　激しい動きに絶頂を迎えても、求める深い爆発は起こらない。
　隆造の鉄槌を追い求める理恵子がそこにいた。

　理恵子は隆造の鉄槌への思いを深めていくばかり。
「して」
　いつもの場所で隆造を前にする理恵子の声。
　隆造は、いつものようにバックを開けるとシリンジを用意した。
×
×
×
　頃合を計るため鉄槌を舐めさせる隆造。
「股をひらけ、手で開いて待ってろ」
　天からの声のように素直に従う理恵子。
「はやく、はやくして」
　股間から蜜液を滴らせ大股を開いて身悶える理恵子。
　蜜壷の口が細かな収縮を繰返す。
「おねがい、あっ、あぁ〜〜」
　収縮した壺に、隆造の鉄槌が分け入るように割り込んでくると、理恵子はひときわ大きな牝の声で歓喜した。
「いやぁ〜ん、突いてぇ〜ん」
　動かぬ鉄槌への不満に身悶える。
「動いて、お願い、いっぱい突いて」
　腰を浮かせて嫌らしく腰を振りつける理恵子。
「あぁ〜〜ん」
　動かぬ鉄槌に我慢の限界と身体を起こし、後手に取る。
　宙に浮かせた腰を鉄槌めがけて叩きつけるように振る。
「あぁ〜、あっ、これ、これよ、あぁ〜、いくぅ〜」
　蜜壷からは白い淫汁を垂らせも、身体を強張らせる理恵子。
　理恵子のＳＥＸは始まったばかり。
　突き込まれる鉄槌に蜜壷をまとわりつかせ、止めどなく押し寄せるアクメに頭を薔薇色に染めていく。
「あっ、またよ、また、あっ、いくぅ〜〜」
「いい、あっ、だめっ、あっ、うっぐぅ」
「すごい、たすけてぇ〜、すごい、あぁ〜、いくぅ〜」
　いつ止むとも知れず続く理恵子の腰振り。

「もうだめ、身体が動かないわ」
　数え切れないほど腰を振り、身体の疲れでやっと収まると、ハァハァと荒い息を必死で押さえる理恵子がいた。
「そろそろ出番だな」
　隆造の攻めはここから始まるのである。
　
　娼婦に落ちた理恵子の不況は、いつ果てるともなくつづく。

−完−