33．彰ー３ 　３階の角部屋の部屋の前に立った。 （ん？相田 祥子・・・・ひとり住まい？） 　彰はとにかくチャイムを押した。 　ガチャ！ 　呼鈴のチャイムを押して30秒ほどしてドアロックが解除された。 「向かいのアパートの方ね！ウフッ、入って！」 　祥子は何も聞かずに一方的に喋り、彰を迎え入れた。 　部屋は２ＬＤＫのようだった。 　いつも見える部屋はリビングの隣の部屋で、寝室にしているようだった。 「ビックリしてる？・・・・フフッ、そうよね！あなた彰さんでしょ？いつもわたしの裸を見ている彰さん・・・・」 「ど、どうして？」 「まぁ、座って！」 　祥子は彰をリビングのソファに座らせた。 「何か飲む？」 「いえ、それよりどうして・・・・」 「どうして知ってるか？うふっ、もっと知ってるわ！あなたがアルバイトをしながら大学に通ってる苦学生ってこと、生真面目で融通が利かない、だけど、そこがいいところでもある。逞しい身体、逞しいアレ・・・・ふっ、わたしの好みよ！」 　彰は驚きの余り、声が出せなかった。 「実はね、あなたが引っ越してきた時、結構近くから見たの！多分、自分よりは若いだろうなと思ったけど好みのタイプだったの。それで、しばらくの間、時間がある時に観察してたの。ゴメンなさいね！それで、あなたがわたしに気づいて、オナニーを始めたから、わたしも、そんなあなたを見て、オナニーしていたの！」 「エッ！気づかなかった・・・・」 「ふふっ、あなたからは見えない角度で・・・・あなたが果てた後に。いつの間にか毎日のように、離れていながらセックスしていた・・・・そんな感じかしら？不思議なものね・・・・だから、ボチボチ訪ねて来る頃だと思っていたわ！」 　彰は目の前の若くていいオンナの露骨な表現に戸惑っていた。 （誰が見てもイイ女なのに・・・・イイ女が言うから興奮する！だけど・・・・イイ女が何故、ひとりで住んでオナニーまで・・・・？） 　彰は何が何だか分からなくなっていた。 　祥子と言う女は、素肌にバスローブを着けているだけだった。 　彰はソファに座り長い脚を組んでいる祥子に、眼の遣り場に困っていた。 　胸元からは白く透き通るような乳房が零れ、組んだ脚はバスローブの裾が乱れ、太股からお尻まで露わだった。 「あら？そのジーンズ、窮屈そうね！」 　彰は慌てて股間に手をやった。 「いいのよ！遠慮しないで・・・・いつも見てるんだから。脱いで楽になっても構わないわよ！」 「い、いえ・・・・それより、聞いてもいいですか？」 「なぁに？」 「まだ20代半ばぐらいの年齢で、僕ともそれほど変わらない年齢で、どうしてこんな立派なマンションに住んでるのですか？それと・・・・あなたのような美人で素敵な女性が、何故オナニーを？」 　彰は立て続けに疑問な思いを祥子にぶつけた。 「そうね・・・・不思議かしら？わたしの名前は相田 祥子、年齢25歳、独身、派遣会社経営・・・・でも世間的には、ほら、結婚指輪・・・・既婚ということにしてる」 　祥子は左の薬指のプラチナリングを彰に見せながら話しを続けた。 「大学３年の時に起業し、お蔭様で何とか今日までプラス成長で、卒業して通勤に便利なこのマンションを買ったの。でもね・・・・毎日がストレスの連続で・・・・世間の目があるので、あまり遊ぶことも出来なくて・・・・そんな時に、あなたと出会ったの！と言っても一方的に・・・・あなたのお蔭で、最近は少しはストレス発散出来てるわ！」 「そうだったんですか・・・・凄いですね・・・・」 「凄いかどうかは別にして、理解してくれたのなら、どぉ？今から、本当にストレス解消しない？」 「エッ！」 「そんなに驚かなくても・・・・あなたもその気があって来たんでしょ？」 　彰は言い返す言葉が無かった。 　21歳の彰も33歳の彰も、祥子に打ち負かされていた。 （多分、日頃は淫らさなど全く感じさせないキャリアウーマン・・・・この差が激しいから、尚更、魅力的なんだろう・・・・） 　彰は仕事をしている時の祥子を想像していた。 「明日は大学？」 「いえ、明日は休みです」 「じゃあ、ＯＫね！？」 「え、えぇ」 「そうと決まったら、早くその窮屈そうなジーンズ脱いで！わたしとあなた、離れて見えないセックスをしていたんだから・・・・何となく、わたしたち、相性がいい気がするの。それも確かめたいわ！さぁ、早く！」 　彰は祥子に煽られてジーンズを脱いだ。 　トランクスが大きくテントを張っていた。 「まぁ、可哀想に・・・・こんなになっちゃって！今、わたしが楽にしてあげるわ！」 　祥子は彰のトランクスを引き下ろした・・・・。

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2007.12.22掲載

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