| 42． 直斗ー２ 直斗はPOSTに書かれた文章を何回も読み返していた。 『異次元POSTです。あなたの叶えられなかった想いを叶えます。過去に行っても良し、現在でも良し。紙に想いを綴り、投函すれば必ず願いは叶います』 直斗は半信半疑だったが、部屋に戻り願いを書くことにした。 部屋に戻った直斗は紙を前に少し迷った。 （もし、過去に行って、お姉ちゃんと関係したら・・・・もし、その結果、お姉ちゃんが僕を受け入れてくれたら・・・・現在は今と変わるのだろうか？今、お姉ちゃんが最高に幸せだったら・・・・それを変えてしまったら・・・・） 直斗は父親に電話をすることにした。 『今、隣に住んでいた恵美さん、何処に居るか知ってる？』 『ん？あぁ・・・・隣の恵美ちゃんだったら、去年、嫁いだ先で事故に遭って亡くなったよ』 『エッ！ホント？』 『あぁ、いい娘だったのになぁ・・・・お前も可愛がってもらって・・・・』 直斗はすぐに信じる気にはなれず呆然とした。 （ウソだ！・・・・何故？・・・・どうすればいいんだ・・・・） 直斗は頭の中が真っ白になり、何も考えられなかった。 その夜、直斗は一睡も出来ずに恵美との日々を想い出していた。 明け方になり、やっと気持ちの整理がついた。 『恵美さんの結婚が決まる前の時期に行きたい！行って結婚を申し込むんだ！そうすれば恵美さんは死なないはず！それによって、現在がどう変わっても、僕は全て受け入れる』 直斗は意を決した面持ちで異次元POSTに投函した。 （とにかく恵美さんが亡くなるのは絶対にダメだ！結婚して嫁ぎ先に行かなければ事故には遭わなかったはず！） 直斗は願いを込めて投函し部屋に戻った。 （本当に過去に行けるのか！？信じたい・・・・なんとかしなきゃならないんだ！） 直斗は部屋のドアを開けた。 直斗がドアを開けると、そこは直斗が高校生の時の自室だった。 （エッ！？ほ、本当に戻ったのか！） 直斗は慌てて自分の姿を鏡に映して見た。 （間違いない！高校３年の姿、服、戻った・・・・） カレンダーを見ると、土曜日だった。 直斗17歳、恵美22歳の春の日だった。 父親は仕事に出掛けた後のようで、家には直斗だけだった。 （お姉ちゃんは？・・・・確か、休みのはずだから、まだ家にいる・・・・） 直斗は恵美の携帯に電話をした。 『お姉ちゃん？僕・・・・』 『あら！直斗、どうしたの？久し振りね』 『うん、ゴメン、実は相談したいことがあって・・・・こっちに来てくれない？』 『うん、いいけど・・・・何かあったの？』 『そうじゃなくて、将来のことを・・・・』 『そう、分かったわ。すぐに行くから』 直斗はとりあえずホッとした。 10分と経たないうちに恵美が直斗の家に来た。 直斗は恵美を自分の部屋に連れて行った。 「どうしたの？やけに深刻な声だったけど・・・・もう高校３年か〜さすがに大人っぽくなったね！」 恵美は自分より背が高く逞しくなった直斗を見て言った。 「大人っぽくじゃなく、もう大人だよ」 「うふっ、そうね！そういうことにしておこう。ところで相談は・・・・？」 恵美は床に座ってベッドの縁に座る直斗を見て聞いた。 「うん・・・・僕、高校を出たら、就職して働こうかと・・・・」 「エッ！おじさんは承知してるの？」 「イヤ、まだ誰にも話しをしていない。お姉ちゃんが初めて」 「ふぅ・・・・どうして？経済的なこと？」 「イヤ、親父は多分、大学に行かせるつもりだと思う・・・・」 「じゃあ、どうして？」 直斗はすぐに答えないで少し考え込んでいた。 「お姉ちゃん、彼氏いる？」 「何よ！急に・・・・まぁ、好きな人はいるけど・・・・今はそれは・・・・」 「だからぁ〜関係あるんだよ！」 直斗は少し声を大きくして恵美の顔を凝視した。 恵美も直斗の真剣な顔を見て、生真面目な顔をした。 「１年後に僕も就職してれば、お姉ちゃん、イヤ、恵美さんと結婚できる！」 「エッ！？な、何を言ってるの？」 「だから・・・・僕は、恵美さんが好きなんだ！恵美さんが他の人と結婚するなんて考えられない・・・・」 「そう・・・・そうだったの・・・・」 「僕が迷惑？」 「うぅん、そういうことじゃなくて・・・・直斗はわたしにとって可愛い弟で、愛する息子・・・・この10年、ずっとそうして暮らしてきたわ」 「僕を男として見ることが出来ない？」 「そうね・・・・考えたこともなかったわ・・・・５歳も年下だし・・・・」 「年齢は関係ない・・・・随分前に恵美さんとお風呂に入らなくなったよね・・・・そう、もうあの頃から、意識していたんだ」 「だって、それは・・・・子供だったじゃない！」 「そう、だけど、その日から少しずつ想いを育ててきたんだ」 「・・・・・・・・・・・・」 恵美は困り果てて言葉が出なかった。 直斗は恵美の傍に寄っていき、恵美の手を取って話しを続けた。 「お願い・・・・一度、考えてくれない？大学を卒業するまで待っててくれれば、もっと幸せに出来るかも」 「ふぅぅぅ、分かったわ！直斗の将来が掛かっているんだものね、真面目に考えてみるわ」 恵美は直斗の目を見て真剣に答えた・・・・。 直斗ー３ ふたりは真剣な表情で見つめ合ったまま、しばらくジッとしていた。 「アッ！・・・・」 恵美は小さく声を上げ、手を放した。 「ねぇ、お昼はどうするの？」 「エッ！まだ、何も・・・・」 「じゃあ、昔みたいに、わたしが作ってあげようか？」 「うん！お姉ちゃんの手料理、食べたいよ」 「フッ、またお姉ちゃんに逆戻り？」 「アッ、でも・・・・」 「ハイハイ、分かってるわ！じゃあ、チョッと待っててね！」 恵美は階下のキッチンに向かった。 しばらくすると、２階の直斗に恵美が声を掛けた。 「出来たわよ〜降りてらっしゃい！」 すぐに直斗がバタバタと足音を立て降りてきた。 「久し振りだなぁ〜」 「有り合わせだから、たいしたことは・・・・」 「恵美さんが作ってくれたことが一番の調味料、旨味だよ！」 「まぁ、いつの間にか上手くなったわね！」 「いや、ホントだよ」 直斗は嬉しそうに昼食を摂った。 「コーヒー飲む？」 「うん」 ふたりは数年前を思い出していた。 「急にわたしを避けだしたのは何故？」 「うん・・・・恵美さんの裸が眩しくなって・・・・僕もアソコに毛が生えて来て、何か恥かしくなって・・・・」 「やっぱり！そうだと思ったわ」 「会わなくなったら段々恵美さんの存在が僕の中で大きくなって・・・・確かに、お姉ちゃんだった・・・・でも変わってきたんだ！」 恵美は本当に困っていた。 突き放す気にもなれず、かといって、すぐには受け入れられなかった。 直斗は何とか距離を縮めたいと思った。 「恵美さん、僕は本気だし、この先も変わらない自信がある。恵美さんにとって、僕は弟であり子供のように思っているのも判る。・・・・ねぇ、せっかく昔みたいに食事を作ってくれたんだ。以前と同じように一緒にお風呂にも入ってくれない？」 「エッ！ば、バカなことを・・・・直斗の気持ちを知った今、一緒に入れるわけがないじゃない！」 「僕は誰よりも恵美さんの裸を知ってる・・・・恵美さんの彼氏より知ってるし、オッパイも触っていた。でも、あの頃の僕と今とでは大違いだ。 恵美さんはさらにキレイに素敵になったのは想像できるけど、恵美さんは、僕が弟、子供の時しか知らない。 一度、一度でいいから、僕を知って欲しい・・・・その上で、僕を男として見て、将来を考えてほしいんだ！今の僕を知らなきゃ、正確な判断は出来ないでしょ・・・・」 「それはそうだけど・・・・でも・・・・」 「今日から意識してくれればいいんだ。そのためにも、僕に僕を知らしめる機会を与えて欲しい・・・・」 恵美は直斗の言葉に反論すべき術を失っていた。 直斗は静かに椅子から立ち上がり、浴室に向かった。 恵美はそれが何を意味するものか理解していた。 一緒に入浴しても、何かがあるわけじゃないと恵美は自分を納得させ、黙って直斗を待っていた。 その時間は恵美にとっても直斗にとっても長く感じる時間だった。 同じ長く感じても、その意味合いは大きく違っていた。 「恵美さん、準備が出来ました」 直斗が浴室から戻り、恵美に告げた。 「ふぅぅ、そぅ・・・・」 恵美は以前のように先に浴室に向かった。 そうすることが決していいこととは思ってはいなかったが、直斗の心中を思い遣ると、こうするしかない気がしていた。 恵美は自分の身体を洗い流し、湯に浸かって直斗を待った。 まもなく直斗がドアを開けて入ってきた。 直斗の裸を見た恵美は、その逞しさに驚いた。 （か、変わったわ！まるで別人・・・・これが直斗なの！） 恵美は逞しく精悍な直斗に目を見張った。 （エッ！ウソ・・・・凄ぃ・・・・） 恵美の方を向いた直斗の股間には、初めて見る直斗の大人の肉棒が、鋭い角度で大きく反り立っていた。 恵美は以前のように母親のような気持ちでは居られず、ドキドキと胸が高鳴っていた。 「恵美さん、以前のように早く洗ってください」 直斗は円筒型の浴室用の椅子に座り、恵美を待った。 （早く洗ってあげないと、変に意識していると思われる・・・・だけど・・・・あんなのを見せられたら、意識するに決まってるわ） 恵美は躊躇しながらバスタブから出た。 直斗はスポンジを泡立たせる恵美の裸体を見遣った。 （想像はしていたけど・・・・それ以上に素敵になってる！メリハリはキレイな流線型を作り、艶々している・・・・） 恵美が高校生の時の裸体には、少女らしい余分な肉が目立ったが、今の恵美にはそれがキレイに削ぎ落ち、見事なラインを作っていた。 （ふぅ〜〜落ち着け！ここが勝負だ！高校生の直斗ではなく、24歳の自分で臨まないと・・・・） 直斗は何とか恵美を惹きつけようと自分に言い聞かせた。 恵美は大きな直斗の背中から洗い始めた。 （凄く広くて引き締まった背中・・・・あの可愛かった直斗じゃない！男、オトコになったんだわ・・・・） 恵美は背中から両腕を洗いながら、さらに鼓動が早くなった。 直斗は向きを自分で変え、恵美に身体の正面を向けた。 筋肉の付いた広く逞しい直斗の胸の下には、逞しくそそり立った肉棒がその存在を誇示していた・・・・。 |
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| 2008.1.26掲載 |
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