| 48． 譲ー１ 譲は20歳、成人式の為に大学生活をしている都内から故郷に戻った。 大学とアルバイトで毎日が終わる生活を繰り返していた。 そんな譲には、久し振りに変化を感じる日だった。 高校の同級生と再会した譲は、ショックに打ちのめされた。 「おい、知っているか？野際のこと」 「何だ？野際って、野際 霞のことか？」 「あぁ、１級下だったけど、譲は部活で一緒だったよな」 「あぁ」 「何でも不治の病で１年も前から入院しているらしい」 「不治の病って？」 「病名も原因も分からず、動けなくなっているらしいよ」 譲は成人式どころじゃなかった。 （動けない・・・・やっぱりあれから病状は悪化していったんだ・・・・僕は・・・・僕は・・・・） 譲は病院に駆けつけようとして止めた。 （今頃になって駆けつけて、一体、何が出来るんだ！今になって心配しても手遅れだ。死ぬんだ！霞は・・・・ウソだ！ウソだ！ウソだ！） 譲は自分の不誠実さを責めていた。 （愛してる！あぁ、やっぱり愛してる！霞が・・・・霞が死んでしまうなんて、絶対にダメだ！） 譲が霞と出会ったのは、高校３年の時だった。 ２年の時に凄い美人が入学したという噂は聞いていたが、どうせ噂なんてと思っていた。 その噂の美人が霞だった。 譲はスポーツは何でも得意だったが、どういうわけか、部活は郷土研究という地味なクラブに入った。 大学は教育学部に進んで高校教師になると決めていたのも、その要因のひとつだったのかもしれなかった。 その郷研に２年になって入ってきたのが霞だった。 譲は霞を一目見て、その透明感に惹かれた。 「身体が弱いので資料整理ぐらいしか出来ませんが・・・・」 「そう、いいよ。まとめてくれる人がいれば助かるし」 そっけない挨拶だった。 （身体が弱いのか・・・・本当にそんな感じだ） 細身で消え入りそうな儚さを感じさせる外観だった。 確かにオードリーヘップバーンを彷彿させる顔立ちは美形だったが、それ故に、尚更、儚く見えたのかもしれなかった。 ただ譲には、美人だからということではなく、最初に会った霞が、透き通って見えた気がしたのだ。 月日が経つにつれ、譲の霞への想いは強くなっていった。 だが告白することも、触れることも出来なかった。 （触れれば壊れてしまいそうで・・・・告白すれば消えていってしまいそうで・・・・） 譲はただ眺めているだけだった。 「譲さん」 「エッ！何か・・・・」 ある日、霞が初めて譲に声を掛けてきた。 「今度の日曜日、譲さん、東山の史跡調査に行くんでしょ？」 「あぁ、そうだけど」 「わたし・・・・わたしも連れて行ってもらえませんか？」 「エッ！だって君は・・・・大丈夫なのかい？」 「えぇ、最近は少し調子がいいので・・・・邪魔にならないようにしますから、お願いします」 「じゃあ、でも、辛かったらすぐに中止するんだよ」 「えぇ、分かりました」 霞は今までに見せたことのない笑顔で譲に答えた。 （エッ！こんな表情が・・・・本当に素敵な娘だ。身体さえ丈夫なら申し分無いのに・・・・） 譲は突然の申し出に戸惑ったが、霞とふたりだけのデートだと考えれば、嬉しくて仕方が無かった。 日曜日、譲は霞を労わるように歩みを進めた。 ふたりが向かった東山は小高い丘のような場所で、それほどの高さは無かった。 頂上には小さな社のようなものがあり、譲は個人的にこの場所の歴史を研究していた。 「今は誰も訪れる人もいない場所だが、僕はきっと何かがこの場所に眠っているような気がするんだ。それを見出したくて・・・・霞、君は？」 「わたし・・・・わたしは譲さんが夢中になっている場所を見たくて」 「エッ！？それは・・・・」 霞は何も答えずに社の石段に座っていた。 （どういうことだ？まさか？そんなことは・・・・） 譲は霞みも自分のことを想っていてくれてるのではと期待したが、すぐに打ち消していた。 （期待して間違っていればショックだからな） 譲は黙々と周辺を探索していた。 しばらくして譲はお昼にしようと霞の居る社に向かった。 「大丈夫かい？」 「えぇ、少し暑いけど・・・・」 まだ夏の陽射しではなかったが、この日の陽光は強かった。 「中に入ってお昼にしよう」 譲は小さな小屋のような社に霞を連れて入った。 「うわぁ〜この中はヒンヤリして気持ちがいいわ」 「そうだね！ここはいつもそうなんだ」 「じゃあ、きっと何かがあるって証拠かも？」 「うん、そうか、そうだね！」 譲は日頃とは違って明るく話す霞が愛しく思えて仕方なかった。 日除けの帽子を取った霞は、澄んだ瞳を譲に向けていた。 Ｔシャツにジーンズ姿の霞は、いつもの学生服姿と違い、譲には近しい存在に思えた。 （しかし本当に折れてしまいそうなウエストだな・・・・体育の時間は全て見学だと聞いてるが、一体、どこが悪いのかな？） 譲は食事の前に霞に聞いてみたくなった・・・・。 譲ー２ 弁当を開く霞に譲は問い掛けてみた。 「霞、答えたくなければ答えなくてもいいけど・・・・」 「あ、病気のことね！原因不明なの・・・・だんだん体力が落ちていって・・・・」 「エッ！それで、それでどうなるんだ？」 「それは・・・・そんなことより、ほら、手を拭いて！そんな汚い手じゃ、おにぎり食べられないわ、うふっ！」 霞はおしぼりを譲に手渡し微笑んだ。 譲もそれ以上は聞くのを止め、霞の作った弁当を頬張った。 「おっ、美味い！霞は料理するの上手いんだなぁ〜」 「料理ってほどのものじゃないわ！」 ふたりは楽しい昼食の時間を過ごした。 「アッ！ダメよ〜ご飯付けてる」 「エッ！どこに？」 譲は口の周りに手を遣ってご飯を探した。 「ほら、ここに！チュッ・・・・」 霞は譲の口に真っ直ぐに近寄り、そのまま口づけをした。 譲は胸が破裂しそうなほど驚き、一瞬、どうしようかと迷ったが、霞の細い肩を掴んで抱き寄せ、そのまま霞の口唇を感じていた。 「霞・・・・」 「ウフッ、わたしのファーストキス！」 「エッ！いいのか？僕が相手で・・・・」 「いいからしたんでしょ！迷惑だった？」 「と、とんでもない！僕は最初に会った時から・・・・」 「会った時から？」 「うん、だから・・・・その・・・・」 「わたしと同じ！そう言うことかな？」 霞は悪戯っぽく微笑んだ。 （あぁ、抱き締めたい！霞とひとつに・・・・ダメだ！そんなことをしたら、霞の身体は・・・・） 譲は自分の想いを欲望を抑え込んだ。 譲は茶目っ気タップリなローマの休日のオードリーを思い出していた。 オードリーと違うのは、霞があれほど元気じゃないということだった。 （オードリーよりキレイで魅力的だ！だけど・・・・） 譲は霞から聞いた病状を思い出し、どうにもやりきれない気分だった。 「もうすぐ譲さんとも会えなくなるのね・・・・」 「ん？」 「受験勉強で部活はもうじき終了ですよね」 「あ、あぁ、そうだな」 譲は曇った霞の表情を見て我慢が出来なくなった。 「霞！」 「アッ！」 譲は霞を押し倒して抱き締めた。 「ダ、ダメ・・・・譲さん・・・・」 「霞・・・・僕のことキライかい？」 「うぅん！そうじゃなく・・・・出来れば譲さんとそうなりたいけど・・・・」 「じゃあ、身体に負担が掛からないようにすれば・・・・」 「う、うん・・・・でも、興奮したら・・・・ふぅ〜〜いいわ・・・・」 霞は決心したように承諾した。 譲は霞の身体の上から離れ、重みをかけないようにし、Ｔシャツを捲り上げ脱がした。 続いてジーンズの金具を外し、ジッパーを下ろし、ゆっくりと霞の足からジーンズを脱がした。 小さく白いブラジャーとパンティだけの姿になった霞を見て、譲は何とかして思いを遂げたくなった。 霞は胸を両手で隠すようにして静かに目を閉じていた。 譲はバタバタと自分の衣服を脱ぎ捨て裸になった。 （細いから胸も小さいのかと思ってたけど、丁度いい具合に膨らんでキレイだ・・・・） ブラジャーを外した霞の露わになった乳房は、小振りだったが形良く膨らみ、キレイな肌を見せていた。 譲はゴクンと生唾を飲み込み、霞のパンティを下ろした。 （コレが霞みの・・・・） 細く括れたウエストは腹部も引き締まり、その下の霞の淫部は、上部に淡く細い恥毛が生え、その直下に穢れの無い淫唇が見えていた。 「霞・・・・キレイだ」 「恥かしい・・・・わたし細くて肉が無いから・・・・」 「そんなことは無いよ！僕は大好きだよ、霞の全てが・・・・」 「ホ、ホントに？」 霞は閉じていた瞳を薄っすらと開いて譲を見た。 霞の瞳に映った譲の身体は、逞しく堅固な肉体だった。 その股間には隆々と肉棒が反り立ち、逞しさを誇示していた。 （うわぁ〜これがオトコの人の、譲さんの肉体なんだわ・・・・あの逞しい胸に思い切り抱かれることが出来れば幸せなのに・・・・ アレがオトコのシンボル、アレがアソコに入れば・・・・ あぁ、ダメ！ダメだわ！とても痛くて我慢できない！ あんなに太くて堅そうなモノが入れば、きっと苦痛で持たないわ） 霞は譲と結ばれてもいいと思いながらも、自分の体力では命が尽きてしまうことも容易に想像できた。 それでも霞は譲とならば、それでもいいとさえ思っていた。 「霞・・・・君とひとつになりたい。だけど君が心配するように、興奮すれば負担が掛かる。僕もセックスは良く知らないけど、女性は初めての時は想像できないほど痛く出血するという・・・・だから気持ちがひとつになれば、僕はそれで満足したい」 「譲さん・・・・ゴメンなさい・・・・わたしがこんな身体のせいで・・・・凄く嬉しいわ！譲さんの気持ち。こうして全てを見せ合っているということは、お互いの気持ちが通じ合っているということですよね・・・・」 「そうだよ」 霞は大きな瞳に溢れんばかりの涙を浮かべていた・・・・。 譲ー３ 譲は優しく霞の涙を拭った。 「譲さん、わたしの身体を優しく愛撫して・・・・」 「エッ、でも・・・・」 「苦しかったらすぐに言うわ！して欲しいの・・・・譲さん、わたしの身体を愛したくない？」 「まさか・・・・隅から隅まで全部愛したいさ！」 「じゃぁ・・・・」 霞は再び瞳を閉じて譲の愛撫を待った。 譲は怖々した気持ちと興奮した淫欲の入り混じった感じだった。 霞の小さな口唇に再び口づけをしながら、形良く膨らんだ白い透き通ったような肌の乳房を優しく揉み始めた。 「柔らかい・・・・でも弾力があって・・・・スベスベして滑らかで・・・・」 譲は感じたままを口にしながら、霞の乳房を揉んでいた。 「あっ、はぁぁ・・・・ぁぁ、ふぅ、ふぅ・・・・」 霞は譲に愛されているという充足感と心地良さを感じていた。 「大丈夫かい？」 「う、うん・・・・」 譲は小さな乳首を舌で舐めながら乳房を揉み続けた。 「アッ！いっ・・・・はぁ、はぁ・・・・」 霞は初めて感じる快感に震え声を上げた。 （このまま死んでも後悔しない・・・・だって想いが叶ったんだもの） 霞は譲の逞しい背中に手を遣り、その存在を確かめていた。 さらに譲は霞の腹部や腰の肌を舌や指で感じるように這わせ、淡い恥毛を擦り、霞の長く細い両脚を開いた。 「はっ、はっ、はっ・・・・」 霞は快感と期待感で呼吸を荒くしていた。 だが譲はそのまま霞の穢れの無い白くキレイな淫唇を舐め始めた。 霞のワレメからは淫らな液が滲み出ていた。 譲は夢中で淫唇を開き、小さな肉芽を舐め、指で周囲を擦った。 「はっ、はっ、はあっ・・・・あぃっ・・・・ぃぃぃ・・・・」 霞にとっては衝撃的な快感を感じ、身体を硬直させた。譲は霞の肉芽を舐め続けながら指で淫壷の浅いところを弄り、次第にその指を淫壷の中に挿入していった。 （うわっ！こんなに窮屈なのか・・・・これじゃオチ×チ×は入らないな！） 譲は霞の淫壷を確かめ少しガッカリしたが、気を取り直し、そのまま淫壷の中の肉壁、襞を圧すように擦った。 「うああっ・・・・あいっ・・・・あ、はぁぁっ・・・・あぁ、はぁ、はぁ・・・・」 霞の性感は鋭く、譲の未熟な愛撫でも充分に感じていた。 「あぁあああっ・・・・あっ、いっ・・・・はぁぁ、はぁぁ、ダメッ・・・・」 霞は自分の呼吸が続かない気がした。 「ふぅ〜〜ダメなのかい？」 「はぁ、はぁ、ゴメンなさい・・・・」 消え入りそうな声で答える霞を抱き起こし、譲は優しく乳房を擦っていた。 霞は譲の胸に抱かれ、その温もりと心地良さに浸っていた。 （幸せだわ・・・・こんなことが出来るなんて思ってもみなかった。この幸せが永遠に続けばいいのに・・・・あぁ、生きたい！もっと、もっと譲さんに応えられるように！） 霞は自分の肌に当たる譲の昂った肉棒に気づいた。 （そうだわ！オトコの人は出さないと満足出来ないんだわ・・・・） 霞は少ない性知識を思い出していた。 手を伸ばして譲の肉棒を軽く掴んだ。 「か、霞！」 「はぁ、はぁ、ゴメンね！わたしの身体が弱くて・・・・」 「いいんだ！無理しちゃダメだ！」 「いいの！譲さん、出したいんでしょ？」 「エッ、あぁ、そうだけど・・・・」 「わたしが・・・・」 霞は座って両脚を開いていた譲の股間に近寄り、細い指で昂った肉棒を掴んで扱き始めた。 「ぅあっ！」 譲は思わず声を上げた。 （本当に堅くて太くなるのね・・・・確か、舐めてあげればもっと・・・・） 霞は細い指で肉棒を扱きながら、舌で亀頭を舐め回した。 「あふっ、ああっ・・・・」 譲の悦びの興奮が霞には嬉しくて仕方なかった。 （悦んでるわ！気持ちがいいのね！） 霞は思い切って小さな口を開けて譲の肉棒を咥えた。 舌で亀頭を舐め回しながら、激しく肉茎を扱いた。 「ああっ、か、霞・・・・もぅ、イクッ・・・・」 「ふはぁっ、エッ、えぇ、いいわ！出して！」 霞は再び譲の肉棒を咥え、さらに激しく扱いた。 「ああああっ、イッ、イクッ・・・・・・・・」 ドクドクと譲の亀頭の先から霞の口の中に精液が放出された。 「ゴホッ！ゴフッ・・・・うっ、ゴクッ・・・・はぁぁ、はぁぁ、ふぅぅ」 「か、霞！」 譲は霞の身体を抱き起こして引き寄せた。 霞は暫くの間、呼吸が整わず、肩で小刻みな呼吸を繰り返していた。 「霞、ダメだよ！無理しちゃ！飲まなくても良かったのに・・・・君の手だけで充分に僕は悦んだよ！」 「うぅん！どうしてもわたし、最初だから・・・・わたし・・・・」 「分かった！分かったから、もう静かにして・・・・ありがとう！」 譲は強めに霞の裸体を抱き締め、素肌を擦っていた。 ふたりはお互いの温もりを感じあいながらジッと抱き合っていた。 翌日の月曜日、霞は学校を欠席していた。 （やっぱり昨日の無理が・・・・諦めた方がお互いの為かな・・・・） 譲は霞のことを忘れようと決め、コンタクトを断った。 非情だと思うだろうが、このまま付き合えば、もっと辛い現実に直面し、お互いが傷つくだけだと思った。 現在・・・・。 譲は霞の病状を聞き、どうにも出来ない自分を呪った。 （この世に神が本当に存在するのなら、不実な自分を罰してください！余命の半分をあの霞に分けてください。その結果、今日、明日に自分が死んでも悔いはありません！） 譲はふたりで出掛けたあの日を思い出し、やはり自分は霞と共に生きたいと心底思っていた。 それが叶わなければ、せめて霞の命を延ばして欲しいと願った・・・・。 |
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| 2008.2.9掲載 |
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