| 74．渉ー５ 童貞だったとは思えない渉とのセックスに夢中になった摩耶は、渉の逞しく昂った肉棒や玉袋を舐め回した後、渉の身体を跨いで自分が上になって肉棒を淫壷に沈めた。 腰をゆっくり回転させ次第に快感が込み上げてくると、摩耶は少し激しく腰を前後させ自分で乳房を強く揉みしだき、狂ったように淫悦の声を上げ昇りつめていった。 渉は腕を伸ばして倒れそうになった摩耶の乳房を掴み、張った果実のような乳房の感触を味わうように揉んでいた。 摩耶は淫らさを楽しむように、次々と体位を変えて淫悦を貪り、渉もそれに応えて摩耶を何度となく絶頂に運んだ。 どのくらいの時間、淫猥に交わっていたのか・・・・？ 気がつけば暑い陽は傾いていた。 ふたりは汗を流しあい、身支度を整えた。 「真っ直ぐに帰れるかしら？」 「僕は最高の初体験になりました。一生忘れません」 「あら、今日だけで終わりにしたいの？」 「いえ！そりゃ、摩耶さんさえ良かったら、僕は毎日でも」 「そう、そんなに良かった？」 「えぇ、最高でした！摩耶さんは？」 「わたし・・・・？今までの経験の中では、渉君が一番よ！」 「本当ですか？」 「本当よ！わたし夢中になりそうよ」 知的な美しさに柔和さが加わった摩耶の顔は輝いていた。 渉とのセックスで、摩耶のオンナとしての魅力は大きくアップした。 渉は摩耶と別れた後、考え込んでいた。 （このまま元の次元に戻されないで、摩耶さんと生きられたら・・・・） 30歳の自分に戻れなくても、否、戻りたくないと思った。 だが約束どおり、その日のうちに渉は元の次元に戻っていた。 （戻ってしまった・・・・じゃあ、あの後、どうなったんだろう？ずっと関係が続いていたなら、今の現実は変わっているかも？） 渉は慌てて確認した。 しかし自分の仕事も家庭も元のままだった。 渉は益々、今の摩耶に会いたくなった。 その願いは異次元ＰＯＳＴに投函した紙に書いてあったので、すぐに現実のものとなった。 翌日、渉は取引先を出て地下鉄の駅に向かっていた。 ふと耳に聞こえてピアノの音に足を止めた。 通りの一角に中学校があり、その中学校から歌声が聞こえてきた。 （音楽の時間か・・・・まさか？） 渉はピアノを弾いているのが摩耶じゃないかと思い、中学校の敷地に入り、ピアノと歌が聞こえる部屋を覗いた。 （アッ！や、やっぱり・・・・摩耶さん・・・・そうか、異次元ＰＯＳＴが導いてくれたのか！） 渉は授業が終わるまでずっと摩耶を見つめていた。 （34歳の摩耶さん・・・・15年経っても美しさは変わらない。否、さらに魅力的になったみたいだ） 渉は授業を終えて片付けをしている摩耶に声を掛けた。 「摩耶さん！」 摩耶は驚いた表情で窓を開いた。 「あなたは・・・・まさか、渉君？」 「分かります？そうです。渉です」 「えぇ〜っ、どうして？」 「摩耶さん、いつ学校を出れます？」 「もう授業はないから、早退すれば今すぐでも」 「じゃあ、校門の外で待ってます」 摩耶は信じられない気持ちで、早退の段取りをした。 サマースーツを着た摩耶は、大人の女性の魅力に溢れていた。 「大人になったのね・・・・」 摩耶はすっかり大人になった渉を見て大きな瞳を細めていた。 「摩耶さんは益々キレイになって」 「何を言ってるの。もう34歳よ」 「本当ですよ。美しさが重ねられたと言うか・・・・本当に」 「あっ、こんなところ、誰かに見られたら」 「そうですね！学校の先生が早退して男とデートしてたらマズイですね」 ふたりは自然と人通りの少ない道に入っていった。 「どこに行っても・・・・」 「そうですね・・・・じゃあ」 渉が促した場所は、ラブホテルだった。 「仕方が無いわね・・・・」 ふたりは周囲に人が居ないのを確認して、サッとホテルに入った。 鍵を開け部屋の中に入ったふたりは、とりあえず、ラブチェアのようなソファに腰を下ろした。 「とにかく、久し振りね」 「え、はい・・・・本当に嬉しいです」 「うふっ、相変わらず、渉君のそういうところ、変わってないのね」 渉は気になっていたことを早く聞こうと思った。 「ひとつ聞いてもいいですか？」 「なぁに？」 摩耶は瞳を大きく見開いて渉を見た。 「あの日・・・・僕の初体験の日の後、摩耶さんは？」 渉は摩耶から何を言われるかと恐る恐る尋ねた。 「あぁ、ゴメンね！せっかくあの日、約束しあったのに・・・・翌日、急にヨーロッパ留学の話が決まって、帰国して訪ねた時には、もう渉君の家は別の人たちが・・・・」 「そうだったんですか・・・・あぁ、うちも１年後に、父親の転勤で引越しして」 「わたしね・・・・結構、渉君のこと探したのよ。でも見つからなくて・・・・あの時の渉君の言葉を頼りにわたし・・・・」 「エッ！？」 「ほら、わたしが27歳、渉君が23歳なら、年の差は感じないって」 「えぇ、覚えています」 「だからわたしね、27歳までは独身でいようと・・・・23歳になった渉君が迎えに来てくれるんじゃないかと・・・・でも・・・・渉君は来てくれなかった」 摩耶は凄く哀しそうな瞳を宙に向けた・・・・。 渉ー６（異次元ＰＯＳＴ消滅ー１） 渉は摩耶の純粋な想いを聞き、自分を恥じていた。 （僕はセックスばかりを考えて、摩耶さんの気持ちを・・・・） 摩耶は気を取り直して言葉を続けた。 「あっ、誤解しないで！あなたを責めてるわけじゃないの。わたしが勝手に思い込んでいただけで・・・・それで28歳の誕生日に、以前からプロポーズされていた人に、結婚を承諾することを伝えたの。それが今の主人、別の中学で教師をしているわ」 「そうですか・・・・すみません。僕は23歳の時には、就職して仕事に追われてしまい・・・・３年前に結婚しました」 「そう、幸せ？」 「えぇ、まぁ、摩耶さんは？」 「まぁ、幸せかな・・・・ピアノだけじゃ生きていけなくて、音楽の教師になったけど、それはそれで・・・・」 ふたりは自然と話す言葉を失っていた。 摩耶の身体は少し柔らか味を増しているように見えた。 （ここに至って、僕は摩耶さんとのセックスしか考えられないのか？情けない男だな・・・・僕にとって摩耶さんは何だったんだ？） 渉は摩耶のことを純粋に考え始めた。 「もぅ、わたし、27歳に戻れないのね・・・・」 「僕も23歳には・・・・」 その時、渉はフッと思った。 （異次元ＰＯＳＴ・・・・そうだ！あのＰＯＳＴに出会えば・・・・でも、もしＰＯＳＴにもう一度出会えたら・・・・僕はどうする？今の生活、家族を捨てて、摩耶とやり直せるのか？） 渉は自問自答を繰り返していた。 「わたしね・・・・不思議なんだけど、あの日から渉君のことを・・・・セックスの相性も良かったけど、それだけじゃないの。渉君と一緒に過ごしたあの時間、わたし凄く楽な気持ちになれて・・・・いつも何かを意識して素直に生きられなかったのに、渉君となら、自然体で生きていけると思ったの」 「僕も・・・・僕もずっと一緒に摩耶さんと・・・・」 そう口にして、渉は自分の中で自分を明確にした。 （確かに単なる憧れだった・・・・そして初体験の相手・・・・でも確かにあの時、このままずっと一緒に生きていきたいと、そう思ったのは純粋な気持ちだった） もう異次元ＰＯＳＴを見ることもないと思ったが、今ほど摩耶のことを愛しく抱き締めたいと思ったことはなかった。 摩耶も渉以上に、自分の中で渉のことが膨れ上がっていた。 ふたりは自然に抱き合い、口唇を求め合い激しく口づけを交わした。 この先どうなるか分からないが、どうなっても後悔しないと決めた。 ふたりは抑えていた感情が堰を切ったように溢れ、お互いの衣服を剥し、身体を求めあった。 貪りあうように舐めあい、吸いあい、激しく絡み合った。 「あぁぁ〜〜渉・・・・あなたが一番よ！」 「摩耶さん、僕も」 ふたりを縛る全てから解放されたように、激しく貪りあった・・・・。 原則的に歴史を変えてはいけない。 それが異次元ＰＯＳＴの大きな存在理由のひとつだった。 だが異次元ＰＯＳＴで願いを叶えた人間が、その原則を反故にする事例が増えてきた。 これ以上、そのようなことがあれば、この次元から異次元ＰＯＳＴは消滅してしまうだろう・・・・。 高山 紘司と上野 譲、それに兼平 雄太の３人は、小学校、中学校、高校と同じ学校に通う親友だった。 自然と勉強も運動も同じように励み、楽しみ、サボるのも３人一緒だった。 大学受験が間近になった秋の日、気分転換にと雄太が煙草を学校に持ってきた。 「おい、吸ってみないか？」 「うん、いいね！勉強ばっかりでイライラしてたんだ」 ３人は校舎の端にある部室で煙草を吸っていた。 その時だった。 突然、部室のドアが開き、生徒指導の先生が入って来たのだ。 「あなたたち、何をしてるの！」 音楽教師の相原 由佳里だった。 由佳里は28歳独身、日頃から生徒に厳しく敬遠されていた。 外観は美人と言ってもいいほど整っていたが、その厳しさゆえに、美しさは逆に徒になっていた。 「す、すみません！」 雄太達は慌てて煙草を踏み消した。 「３人とも職員室に来なさい！」 由佳里に叱られた３人は、渋々と職員室に向かった。 職員室では指導主任の体育教師、坂口 巌が居た。 「坂口先生、お願いします」 「ん！どうしたんですか？相原先生」 「この３人、受験が近いというのに、煙草を吸っていたんです」 散々、坂口に説教された３人は、自宅謹慎、停学となってしまった。 １年の月日が流れた。 ３人は大学に進学したが、志望校ではなかった。 停学処分を受けたことで、志望を下げるしかなかったのだ。 「やっぱり忘れようにも忘れられないな」 「そうだな・・・・相原・・・・あの女さえ融通をきかしてくれれば」 「何か、やらないと気持ちが治まらないな」 ３人は由佳里を逆恨みし、仕返しを考え始めていた・・・・。 |
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| 2008.5.14掲載 |
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